- オンライン
11/27水19:00〜20:00
「自分たちはコンテンツマーケティングを成功できるのだろうか?」
「業界業種によって向き不向きがあるのでは?」
そう悩む方は多いのではないだろうか。実際、お問い合わせでもそういった質問は多い。
結論から言うと、ほぼ全ての企業においてコンテンツマーケティングは必須だ。価値ある商品サービスを本気で提供しようとしている企業であればあるほど。
しかし、中でも「比較的コンテンツマーケティングに向いている企業(=成功しやすい)」はある。200社以上の企業のコンテンツマーケティングをサポートしてきた経験と、世界中の事例を日々研究して導き出した結論だ。
この「成功しやすいかどうか」は非常に大事で、コンテンツマーケティングの特性上、成果が上がるまでに少し時間がかかることが多いためにせっかく始めても途中でやめてしまう企業が多いからだ。中長期でマーケティングを考えられる余裕があればいいが、そうでない会社も多いのが現実だろう。
コンテンツマーケティングに向いているケースを紹介するので、ぜひ自社に当てはめて考えてみてほしい。
目次
基本的にはどんな会社もコンテンツマーケティングはやるべきだが、ただやればいいというものではない。企業として戦略を立て、しっかりリソースを確保して進めるべきだ。そうでないとせっかくやっても失敗する確率が高い。
始めたばかりのスタートアップで数ヶ月先の存続も見えないような企業はコンテンツマーケティングに向いていない。そういった企業は長期施策をやっている場合ではないからだ。まず目の前の売上を確保するための動きに注力しないと、コンテンツマーケティングに時間をとられて結局潰れたら意味がない。
だいたい30人ほどの企業規模であればある程度企業としても安定していて、コンテンツマーケティングに人員を割くことができるはずだ。
コンテンツマーケティングを取り組むには、誰か担当者を置くなら3人程度のチームが組めることが理想だ。最も成功確率が高い。
担当者1人だけだとどうしても機動力が落ち、成功体験を重ねていくことは難しい。中長期施策であるコンテンツマーケティングにおいて、小さな成功体験は大事だ。成果少しでも見えずせっかくやり始めても途中で止まってしまう例は少なくない。
ただし、小規模な会社で十分なリソースを割けなくてもうまくやっていく方法もある。
それは社長自らがコンテンツを思いついて積極的に関わっていくケースだ。自社ビジネス、顧客について最も強い思いを持つ社長のバックアップがあれば、担当者は数人でも実施可能だ。
少人数で回していくためのコツについて、詳細はこちらの記事を見てほしい。
>少人数でもコンテンツマーケティングを成功可能にする体制構築12のチェック項目
コンサルティングサービスや不動産など単価の高い商品サービスを扱っている場合は、コンテンツマーケティングに向いている。
その理由の一つは、一度の購入単価が高ければ費用対効果が悪くなる可能性が低いからだ。1,000万円のコンサルティング契約を1つ契約獲得できれば会社にとって影響は大きく、目標売上に対して比較的短期で成果を出しやすい。
一方、低単価の500円の食品や雑貨などは数千個単位で売っていかないと利益になりにくく、かなり差別化された商品であったり一度の購入数量が多かったりしない限り、コンテンツで成果を出すことは難易度が高くなる。
もう一つは、購入までの検討期間が長い商品やサービスだ。その検討期間の間にコンテンツが大きな役割を担うからだ。単価が高ければ高いほど、ユーザーは購入の意思決定をするまでに商品サービスについて詳しく調べる。そこにコンテンツが必要とされるので、むしろコンテンツマーケティングは必須と言える。
士業や保険サービスなど無形商材を扱っている企業もコンテンツマーケティングと親和性は高い。これは単純に無形商材は有形よりもそのもの自体を認識しづらいからだ。無形商材は自分で一度経験しない限り中身の良さがわからない。商品サービスの素晴らしさを伝えていくには形あるもの(コンテンツ)にしていくことがむしろ必須と言える。それによりマーケットも広がっていく。
例えば税理士事務所の場合。多くが同じようなメニューで同じような価格のとき、ユーザーはどう会社を選ぶだろうか。Webサイトでどこよりも丁寧に節税のポイントについて解説したり、最新の法改正について影響をまとめたりしている会社の方が頼みたくなるのではないだろうか。Webサイトでも具体的な情報がわからない、ソーシャルメディアでも発信しないのでは新しい顧客を獲得するのは非常に困難だ。
ユーザーは日々多くの情報に囲まれ、精査している。そういう人に向けて単に取引先の企業名を載せたり、「業界ナンバーワン!」と謳っても無駄で、具体的なサービスの中身をユーザー自身が見極められようなコンテンツを発信していく必要がある。
旅行など観光業の分野はぜひコンテンツマーケティングを実践してほしい。シンプルにこの分野はまだまだ良いコンテンツが足りていないからだ。ユーザー目線のコンテンツが非常に少なく、結局プロモーションの内容がほとんどだ。「いや、そういうのを知りたいんじゃないんだよな」というようなものばかりで、私自身、旅行を企画するときは企業サイトではなく個人の旅行記を読むことが多い。
いくら「この景色は最高です!」と言われても、そこまで行くための最適ルート、車で行くべきか公共交通機関でも行けるのか、近くに食事処はあるのかなど知りたいことは他にたくさんある。
つい最近も、いろんな観光サイトで「老舗のデザートビュッフェは試すべき!」と書かれていたので行ったのに特になんの感動も味わえなかった。よくよく調べてみると個人ブログでは「老舗だからといって取り上げられることが多いが、正直味もサービスも良くない。隣町のケーキ屋さんに行ったほうがいい」と書かれていて納得がいった。こうした個人の体験記の方が、ユーザーが本当に知りたいことが書かれている。
アプリやWebサービスの分野も、まだまだユーザー目線の「運用系コンテンツ」が少なすぎる。運用コンテンツとは、単なるアプリの使い方ではなくユーザー目線の活用方法のこと。つまり、当初想定していなかったような使われ方もふくめてコンテンツ化していかなければならない。
例えば、家計簿アプリに金融機関の登録をしておくと出入金のお知らせを受け取ることができるのだが、見に覚えのない出金などがないかセキュリティー目的で使う人もいる。家計簿アプリという観点だけではなく、カードの不正利用を不安に思っている人向けにコンテンツ化してマーケットを広げていくことができる。
本来の使われ方だけを想定するのではなく、実際にユーザーがどう活用しているかを見てユーザー目線のコンテンツを増やしていかなければならない。それがユーザーにとって価値になるし、会社としてもマーケットの拡大につながる。まだまだこういったコンテンツは少ないので、アプリやWebサービスを扱う会社はぜひコンテンツマーケティングを始めてほしい。
専門家にとっては当たり前の事実でも、それが一般的に知られていないことはよくある。ユーザーにとって価値ある新しい情報になることが多いので、こういった情報のギャップはコンテンツマーケティングと親和性が高く効果性も高い。
例えば、不動産投資では「団体信用保険」というものがあって、オーナーが病気や死亡などでローンの支払いができなくなった場合は支払いが免除されるので生命保険代わりになるとか。(もちろん投資なのでリスクがあることは伝える必要はあるが)ユーザーが不動産投資には元々興味はなくても、この特性を知ることで投資を始めるきっかけになるかもしれない。
業界の中では広まっていることでも、世間には広まっていないような情報を持っていないだろうか。その情報を欲する人々はきっとたくさんいる。
商品サービスが他の競合と比べて素晴らしい場合、その良さを上手に発信していくためにコンテンツマーケティングは必要だ。商品サービスの良さが伝わらなかったら非常にもったいない。潜在顧客をしっかり定義し、その人たちに適切なタイミングでコンテンツを発信していけば必ずファンはつくだろう。
例えば、腰痛改善などで愛用者の多いストレッチポール。商品が素晴らしく、テレビや雑誌で取り上げられることもあり、フィットネスクラブなどからの多く注文があった。しかし一方でECサイトには「ストレッチポール」という氏名検索からの流入がほとんどで、まだストレッチポールを知らない潜在顧客にはアプローチできていなかった。そこで「腰痛ストレッチ」や「姿勢矯正」などユーザーの悩みベースでのコンテンツを発信し、そういったコンテンツ経由での月間販売数が800件を超えるまでになった。
事例 / 月間140万PV・月間販売800件超!自社メディアで圧倒的な成果を出すECサイトのコンテンツマーケティング
商品やサービスの良さをとても上手に伝えられているなと感じる企業は非常に少ない。せっかく素晴らしいのだから、伝える努力をもっとするべきだ。そのうえで潜在顧客をしっかりと見極め、正しいプラットフォームを使って発信していこう。
価値ある商品サービスを本気で提供しようとしている企業であれば、どんな企業もコンテンツマーケティングは必須だ。ただ、その中でも高い効果性を発揮するケースを紹介してきた。
もしコンテンツマーケティングを始めようか迷っていて、高い効果性を発揮するケースに当てはまっていたらぜひすぐに始めてほしい。
前の記事をみる
なぜ今、企業にはコンテンツマーケティングが必要なのか