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マーケティング101

潜在顧客を引きつけ
売上につなげるスタートガイド

顧客の潜在ニーズに気づくことがあなたのビジネスにとって重要な理由

潜在ニーズ

顧客の潜在ニーズを的確に捉えることは、ビジネスの重要事項だ。

人は意外と自分のほしいものを認識しておらず、手に取ってようやく「ああ、自分はこれがほしかったんだ」と気づく。その本当にほしいものを生み出すことがイノベーション、ビジネスの発展につながっていく。

例えば、iPhoneも潜在ニーズから生まれた商品だ。
iPhoneが出てくるまで、折りたたみ携帯電話など物理的なボタンを操作するのが当たり前の時代だった。その時「手のひらサイズの画面をなぞって操作できるような携帯電話がほしいなぁ」と考えていた人がどれだけいるだろうか。ほとんどいないだろう。それがスティーブ・ジョブスの高いプレゼン力も相まって、多くの人が「これがほしい!」とiPhoneを求め、今ではスマートフォンが当たり前になった。

最近ではフィンランド発の活動量計「オーラリング」が注目されたことが記憶に新しい。活動量計で有名なものにApple WatchやFitbitなどのスマートウォッチが挙げられるが、それらと大きく違うのが、手首に装着する腕時計型ではなく「指輪型」であることだ。

腕時計型だとどうしても睡眠時や入浴時に邪魔に感じてしまうが、指輪型は24時間つけっぱなしでも気にならない。手首よりも指のほうが計測精度が高く、運動量や体温、睡眠の質をより正確に計測しレポートしてくれる。さらに面倒な充電も週に1回程度でよく、これまでスマートウォッチに抱えてたストレスをほぼ払拭してくれる商品だ。
オーラリングが販売されるまで「指輪型の活動量計がほしい」と明確に思っていた人はほとんどいないだろうが、今や世界で100万個を売り上げ、25億5000万ドルの評価で資本調達にも成功している。

この記事では、潜在ニーズを捉えることの重要性と捉え方を事例とともに紹介していく。
ビジネスを拡大させていきたい経営者、マーケターの方はぜひ参考にしてほしい。


潜在ニーズを的確に捉えることはビジネスそのもの

潜在ニーズ

潜在ニーズは、顧客自身が明確に自覚できていないが確かに存在する欲求のことだ。自分の潜在ニーズを満たすものと出会ったとき、人は「自分が今まさにほしかったのはこれだ!」と痛烈に感じる

マーケティングにおいて潜在ニーズを汲み取ることが重要な理由は、その強いインパクトだ。潜在ニーズを的確にとらえたものに出会った時の喜びは大きい。「それそれ!それがほしかった!」という感動が人を突き動かし、購買行動などのアクションにつながる。

潜在ニーズに応えることでV字回復したメガネスーパー

例えば、潜在ニーズに応えることで赤字からV字回復したメガネスーパーは有名なケースだ。

メガネスーパーは2007年から2015年まで売上が減少し続け、利益も2008年から2015年まで赤字続き。上場廃止寸前まで低迷していた。この理由はJINSやZoffなどの価格優位性を強調するメガネブランドの台頭によりシェアが奪われたからだ。

しかし、2016年3月期の決算では売上が前年比約10%増、9年ぶりに黒字回復するまでになった。黒字化には様々な要因があるが、その一つが顧客の潜在ニーズに応えたことだ。

「メガネがほしい」という顧客の顕在的なニーズの裏に、「目を通して健康な状態を保ちたい」という潜在ニーズがあることを発見したのだ。そこで「アイケアカンパニー宣言」をして、目の健康寿命を伸ばすためのサービスを提供開始。世代別の眼の検査システムを導入したり、目のマッサージ店舗を展開したり、老人ホームに出張したりなど、潜在ニーズを満たすサービスを充実化していった。

 

潜在ニーズを的確に捉えることで、新たな市場開拓、今よりもっと必要な商品サービス、刺さるコンテンツやキャッチコピーなど、様々なものが見えてくる。これはまさにビジネスそのものではないだろうか。

逆にいうと、顧客の潜在ニーズをわかっていないとせっかくのビジネスチャンスを逃してしまうことになりうる。自分の顧客が求めているものが本当にそれか?これを常に考え、顧客の潜在ニーズに気づいてしっかりアクションを行動を起こしていくことが重要だ。


潜在ニーズが「今すぐ客」の獲得コストを引き下げる

では逆に、潜在ニーズを汲み取らなければ何が起こるか。

潜在ニーズを的確に捉えられなければ、あなたの商品サービスがほしいと既に顕在化している「今すぐ客」にアプローチし続けるしかない。しかし、今すぐ客は市場全体の1%しかおらず、競合と小さなパイを奪い合うことになる。

今すぐ客

1%しかいない今すぐ客だけを追い回していると、やがて苦しくなる。競合との熾烈な争奪戦で顧客獲得単価はどんどん高騰していくからだ。

例えば、この今すぐ客にアプローチする手法でメジャーなのが広告だ。しかし、広告に頼った集客は明らかに苦しくなっている。下図はWeb広告の市場規模が年々拡大していることがわかるグラフだ。2018年から2024年の6年で約2倍増加すると予測され、今のところ下がる見込みはない。

インターネット広告市場に関する調査矢野経済研究所:インターネット広告市場に関する調査を実施(2021年)より

たった1%しか存在しない小さな層に、複数の企業がどんどん広告予算を投下して奪い合うのだから当然だろう。やり方を変えないと、この年々激化する戦いから抜け出すことはできない。

この状況から、残りの99%の潜在的な見込み客にアプローチしていくのが賢明だろう。もし今あなたが1%の中で戦っているのなら、その約100倍の見込み客を自社で囲い込むことができればどうなるかは想像に難くないはずだ。

例えば、商品の必要性は感じているが何らかの理由でまだ「今すぐほしい!」となっていない「おなやみ客(約10%)」であれば、もしかしたら競合商品と迷っていたり価格に抵抗があるのかもしれない。そこに気づいて、競合商品との比較チャートを作ったり、安いと思わせる価格の妥当性を伝えたりすることもできる。

商品に興味はあるがそこまで必要性を感じていない「そのうち客(約10%)」であれば、商品のサンプルを用意するサービスが求められているかもしれない。

そして、これといった興味も必要性も感じていない「まだまだ客(約80%)」は膨大な可能性がある。自分の商品サービスを将来的に買ってくれそうな人が今どんなことに悩んでいるか、潜在的なニーズを的確に捉えられればもっと大きな新たな市場を切り開くことができる。


あなたの商品サービスは意外と違う使い方をされている

「潜在ニーズを探る」というと、新たな商品開発など革新的なイノベーションを起こすことをイメージするかもしれない。しかし、それだけではない。

あなたの既存の商品サービスの隠れた使い方を探すことで、新たな顧客を捕まえたり、既存顧客の満足度上げたりするのも潜在ニーズの追求だ。自分の商品サービスが思ってもいないような場面で使われていることは意外とある。まずはそれを探すことから始めてみてもいいだろう。

事例をいくつか紹介するので実践時の参考にしてほしい。

ストレッチポールが「睡眠の分野でも活用できる」ことを発見

ストレッチポールの事例「ストレッチポール公式®ブログ」事例ページ

ストレッチ用の健康器具「ストレッチポール®」を販売するLPN社は、元々ストレッチを中心に腰痛や姿勢矯正などの体の悩みを解消することを公式ブログで情報発信していた。

その中で「ストレッチポール®が睡眠の分野で良い結果を生み出している」という声があることに気が付き、元々得意とはしていなかった睡眠分野を調査し情報発信を開始。その結果、ストレッチ用だけでなく睡眠に悩みを抱えていた顧客からの問合せが増えていった。

このような施策を続け、公式ブログ開設の約1年後にはアクセスが100万PVを超え、ブログ経由の月間販売数は800件にまで成長した。

LPN社のように、当初想定していなかった新たな活用法をユーザーが見つけてくれることは実はよくあることだ。例えば家計簿アプリは収支管理が本来の使い方だが、アプリに金融機関の登録をしておくと出入金のお知らせを受け取ることができるため、見に覚えのない出金などがないかセキュリティー目的で使う人もいる。カードの不正利用を不安に思っている人向けに家計簿アプリを訴求してマーケットを広げていけるかもしれない。

実際にユーザーがどう活用しているのか、ヒアリングやソーシャルメディアの投稿などで探し続けよう。それが新たな潜在ニーズの発見につながる。

ペット用スマートタグ購入の「本当の理由」を発見

HUANHUAN販売サイト

HUAN社はペットに装着するスマートタグを製造している会社だ。

当初、販売サイトでは「有害な放射線を出さない」「1年間もつ交換可能なバッテリー搭載」など、スマートタグの技術的な特徴に焦点を当てたコピーを掲載していた。しかし、顧客アンケートで「ペットが行方不明になった時に探せるかどうかが心配だから」という理由で購入されていることを発見。

この発見をきっかけに、販売サイトのコピーを以下のような内容に変更した。

ペットの安全を守り、悲しい思いをさせません。HUANのスマートタグは、いなくなったペットを自動的に見つける手助けをします。

コピーの変更後、販売サイトでは直帰率の低下、クリック率の上昇、コンバージョン率の上昇などエンゲージメントの向上がすぐに現れた。そして収益が53%増加、ソーシャルメディアでは同社のコピーに共感したユーザーからのメッセージが集まった。(HUAN創設者Gilad Romより

この事例のように、顧客に本当に刺さるコピーを生み出すためにも潜在ニーズの把握は重要だ。いくら商品サービスが素晴らしいものでも、ユーザーに興味を持ってもらわないと見向きもされない。

既存の顧客がなぜあなたの商品サービスを購入してくれたのか。その背景を明らかにして潜在ニーズを見つけよう。そこから、ではどんな言葉でユーザーを魅了できるのかが導き出せるはずだ。

「水」に関心を持つ人を徹底的に洗い出したウォーターサーバーの会社

ウォーターサーバーというと、どんな人が購入するイメージがあるだろうか。
お湯を沸かすのが面倒だからほしい、会社の設備として設置したいなどが頭に浮かぶだろうか。

実は、まだまだたくさんある。

あるウォーターサーバーの会社は、同社の公式ブログを立ち上げ、ウォーターサーバーを購入しうる「水」に関心をもつ人々向けに情報コンテンツを発信していった。今「ウォーターサーバーがほしい」とまでは意識がなくても、水にこだわりがある人々であれば将来的に購入につながる可能性がある。

ウォーターサーバーを購入しうるペルソナ

・料理が好きで水にもこだわりたい主婦
・赤ちゃんにいつでもこだわりの水を飲ませたい母親
・水割りの水にこだわって美味しいお酒を飲みたい父親

など、実はあらゆる可能性が広がっている。

そこでウォーターサーバーを販売する会社は、「おすすめのウォーターサーバー」といった直接的なコンテンツだけでなく、「赤ちゃんの水分補給の方法」「水割りの水選び」「水で変わるコーヒーの味」「白湯の効果」などのテーマでもコンテンツを発信。月間1,000万PVを超える巨大なサイトに成長した。

このように、自社の商品サービスを購入しうる人がWebでどんなコンテンツを探すのかを考え、必要なコンテンツを配信していく。そのコンテンツが今よりもっと多くの人々が商品サービスを認知するきっかけとなり、最終的に購入につながっていくのだ。

実際、「Webサイトでうまく成果が出ない」と私たちのもとに相談にくる企業の多くが、意外と自分の商品サービスの潜在顧客を認識できていない。本来顧客になるべき層を逃していることになるため、非常にもったいないことだ。

潜在ニーズはあなたが思っている以上に膨大に存在する。どんな潜在ニーズがあるかを徹底的に洗い出し、中でも自分の商品サービスにより親和性の高いニーズ、つまり急所を探っていこう。


まとめ

顧客の潜在ニーズを的確に捉えることは、ビジネスを発展させていくために重要だ。潜在ニーズを無視して、今の目の前の顕在的な顧客だけにアプローチしていくのには限界がある。

潜在ニーズを探っていくことは簡単ではない。しかし、的確に捉えたときに大きな成果につながることは明白なので、ぜひ潜在ニーズを追求し続けてほしい。

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