「コンテンツマーケティングを始めたいのに社内で企画が通らない!」
とご相談いただくことがある。担当者がコンテンツマーケティングの重要性を感じていても、それが周囲にうまく伝わらないかぎり進まない。コンテンツマーケティングをやらないことは会社の大きな機会損失にもなりうる。
実際に社内説明のための資料を見せていただくことがあるのだが、ほとんどのケースで自社の将来予測とコンテンツマーケティングの効果性をうまく言語化できていないと感じる。長期的な成果を見据えて投資する価値があるか、そこを見極められているかが鍵になる。これらの見極めができていればコンテンツマーケティングの企画は通り、その後のプロジェクトの機動力は劇的に上がる。
そこで今回、企画を通すための説得材料として使えそうな切り口を紹介する。これからコンテンツマーケティングのプロジェクトの企画を出すという方はぜひ参考にしてほしい。
1. 会社で起きている問題を洗い出そう
まずは、今あなたの会社に起きてしまっている問題を洗い出そう。
ここでは、実際に弊社へご相談いただいたお客様のマーケティングの問題点をまとめて紹介する。コンテンツマーケティングを実施していない、ほぼ全ての企業に当てはまる問題だろう。あなたの会社にも今このような問題が起きていないか、今一度確認し整理しよう。
1-1. 市場全体のたった1%にしかアプローチできていない
今あなたが実践するマーケティングが、すでにあなたの商品をほしいと感じている「今すぐ客」のみを狙った手法である場合、テコ入れする必要がある。「今すぐ客」は市場全体のたった1%しか存在せず、競争も激しいため集客効率が悪く、リスクも高いからだ。
残り99%という圧倒的多数の
・商品がほしいと思っているが、まだそこまで必要性を感じていない「そのうち客」(10%)
・商品の必要性は感じているが、まだほしいとはならず競合製品とも迷っている「おなやみ客」(10%)
・まだ商品をほしいとも必要だとも思っていない「まだまだ客」(80%)
といった層にアプローチしていくのがコンテンツマーケティングだ。
例えば、以下の場合は「今すぐ客」のみにしかアプローチできていないことが多い。
- DM、紹介、テレアポなどのアナログでのマーケティングが集客経路の大部分を占めている
- リスティング広告、SNS広告などのWeb広告が集客経路の大部分を占めている
- 自然検索からの流入のほとんどが、商品名や会社名などのブランドワード(指名検索)からの流入となっている
このような状態であると、ビジネス環境の変化に対応することができない。
- Webマーケティングへ転換せざるを得ないがナレッジがない
- Web広告を主としてきたが、広告費の価格競争に巻き込まれてしまっている
- ブランドワード(指名検索)の検索数が下がってきてしまい、集客数が減少している
実際に、このような内容を背景に弊社へご相談いただいている。
コンテンツマーケティングは、まだまだ客(潜在見込客)からの集客ができるため、これらの問題を根本的に解決することができる。流入経路を定点観測すること(Webサイトで言えば、流入している検索キーワードの変化など)で、ニーズの微妙な変化にもいち早く気づくことができる。
市場全体のたった1%にしかアプローチできていないことがいかに問題であるかを決裁者が理解できなかったら企画は絶対に通らない。コンテンツマーケティングによって解決できる問題としてしっかり認識しておこう。
もし決裁者がコンテンツマーケティングの趣旨をよく理解していない状態である場合は、以下の図を活用して説明しよう。
説明手順
- 上の図を見せながら以下の説明をする。
- 「結論からいいますと、コンテンツマーケティングは、市場全体の80%を占める『まだまだ客』をメインターゲットとし、ニーズ・ウォンツを喚起するコンテンツを提供することで、顧客・ファンを増やす手法です。」
- 「なぜこれが効果的なのかというと、2つ理由が存在します。」
- 「1つは、『いますぐ客』『おなやみ客』『そのうち客』のどれかをメインターゲットにしても、価格競争に巻き込まれてしまうからです。それぞれを合算しても市場全体の20%しか存在せず、また比較的購入確度が高いため競争が激しく、1件あたりの集客コストが高くなってしまいます。」
- 「もう1つは、『まだまだ客』は、欲している情報(=コンテンツ)を最適な媒体で、最適なタイミングで、最高品質で提供することで、商品を購入していないにもかかわらず自社を好意的にとらえ、結果自社のコンテンツを辿って新規契約客、ファンとなっていくからです。」
- 「実際に、この方法を実践することにより多くの企業が効果を実証しています。こちらのページをご覧ください。」
- 「私が言いたいのは、短期的にも中長期的にも成果を生み出すこの手法をいち早く始めましょう、ということです。」
- 「もし、競合他社が私たちよりも早くこの手法に気づいてしまい、私たちよりも多くのリソースを割いて本格的に始めてしまったら、集客面において取り戻せない遅れをとることになります。今すぐにでも取り組みたいと思っています。」
1-2. 1件あたりの集客コストが上がっている
1件あたりの集客コストが上がっていることは深刻な問題だ。
集客コストが上がれば上がるほど1件の契約あたりの利益率が悪化していくからだ。
例えば、Web広告を主とした手法をとっていることが原因で1件あたりの集客コストが上がってしまっているケースだ。
以下のデータをご覧いただきたい。
Web広告費は上がり続ける
Web広告費は他の媒体の広告費が下がっているのに対し、上がり続けている。
以下は、電通が発表した「2020年 日本の広告費」からデータを抜粋しグラフにした。2018年、2020年の日本における広告費の割合の変化を示している。
マスコミ4媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)の広告費(2018年からの2年間で金額するとマイナス4,490億円)、プロモーション(看板や折込、DMなど)の広告費(同期間マイナス3,917億円)はいずれも減少している。
一方でインターネット広告費(=Web広告費)は4,701億円も増加している。この傾向はここ数年で毎年進行しており、日本では全体的にマスコミ、プロモーションの広告からインターネットの広告にコストを移行していることが推察できる。
Web広告を主としたマーケティングを今後も続けると、多くの参入企業と戦うことになり、価格競争に巻き込まれることになってしまう。1件あたりの集客コストが上がっている場合、次の一手として選択すべきは広告費を必要としないマーケティング手法だ。
広告費を要するマーケティングを展開することは、短期的で非効率な結果になってしまうこともしっかり把握しておこう。
1-3. ブランドワード(指名検索)からの集客に依存している
大企業でブランド力があったとしても、会社名や商品名などのブランドワードからの集客に依存していることは深刻な問題だ。
ブランドワードの月間検索数は何もしなければ自然衰退し、集客数も減退してしまうからだ。
例えば、弊社でコンテンツマーケティングを支援した株式会社シマンテックは、世界50カ国以上でセキュリティ事業を展開し、「フォーチュン500」にランクインするグローバルカンパニーだ。(「ノートンブログ」を運営している。)
同社はコンテンツマーケティングを始める前、ブランドワードの検索数が5年前と比べ40%まで下がっている、という問題に直面していた。商品名や会社名が入らない自然な検索キーワードからの流入を増やすことができておらず、集客数は減少している状況であった。(※商品名や会社名が入らない自然な検索ワードからの流入を目的としたコンテンツを制作した結果、5,800以上ものキーワードで上位表示を達成し、月間97万PVもの集客を実現した。)
ブランドワードの検索数が減少することの要因は様々存在するが、競争相手となる参入企業が増加することにより減少することが多い。
市場の成長性があればあるほど、ブランドワードからの流入に依存することは問題になる。
もしあなたの会社にもそのような問題があるなら、企画書では以下のように表現し問題点を指摘しよう。
この点も解決できる問題としてしっかり認識しておこう。
1-4. 競合他社がすでに実施し見込客のシェアを獲得している
競合がすでにコンテンツマーケティングを実施、見込み客のシェアを獲得している場合、これは大きな問題だ。将来自社の顧客になりうるユーザーが、自社と接する前に競合に接触・信頼関係の構築をされ囲い込まれていることになるからだ。
例えば、下記の表の赤い部分に注目して見ていただきたい。
想定流入数は、以下のCTRのデータを元に算出している。
Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid
概要:2020年7月に公開され、8,000万を超えるキーワードと数十億の検索結果を分析
仮に自社が上位表示を獲得したいキーワードについて、すでに競合他社のサイトに獲得されてしまっている場合を表にしている。
例えば表のような状況であった場合、自社の数値と競合他社の数値を比較すると、見込客のシェアのほとんどを他社に獲得されてしまっていることがはっきりとわかるだろう。表にある「5番目にとりたいキーワード」では、3位につけているにもかかわらず、1位のC社と比べ、想定流入数は2倍以上差をつけられてしまっている。
もし表と同じように競合他社がすでに見込客のシェアを獲得しているなら、コンテンツマーケティングを今すぐ始めるべきだ。
2. ビジネスがどう変わるかを示そう
次に、コンテンツマーケティングによってあなたのビジネスがどう変わるかを示そう。
問題を解決した結果、あなたの会社が得られる結果が一体何なのかがわからなければ重要性は伝わらない。
弊社が実際にコンテンツマーケティングを支援した結果生まれた事例を踏まえて、コンテンツマーケティングによってビジネスがどう変わるかを解説する。
2-1. 低コストで莫大な集客を実現する
コンテンツマーケティングを実施すると、有料広告を出し続けるよりも比較的低コストで莫大な集客を実現することができる。しかも、購入の可能性がある潜在的な見込み客をたくさん集客できる。
下記は、弊社で支援している法律メディア「リーガルモール」のアクセス推移だ。現在は月間200万PV以上のアクセスをコンスタントに獲得している。
つまり、月に200万人の潜在的見込み客が、自社サイトに訪れている状態といえる。
仮にリスティング広告でここまでのアクセスを集めようとすると数億円単位のコストが必要になる。それを低コストで実現できてかつ、何年にもわたってそれを維持、発展させることができるのはコンテンツマーケティングの凄さの1つだ。
2-2. 有効なコンバージョンが増加する
コンテンツマーケティングを実施すると、単に集客できるだけでなく多くの有効なコンバージョンが増加する。
下記は、弊社で支援しているデジタルマーケティングメディア「LISKUL(リスクル)」のアクセス推移だ。
月間70〜80万PVというアクセスを安定して獲得している。
実はこちらのクライアント、以前はテレアポを中心としたプッシュ型のマーケティングを行なっていた。ユーザーからの問い合わせが少なく、思うように有効なコンバージョンを獲得できていなかったのだ。
ところがコンテンツマーケティングを実施した結果、月に200件の有効な問い合わせを獲得、無料Ebookのダウンロード数も月800件を超えた。これは、自社サービスへの関心を持つユーザーのリストを800件獲得していることと同義だ。無関心なリストを相手に、テレアポを実施し続ける日々とは大違いだ。
この驚異的なコンバージョン数を記録した事実は、間違いなくコンテンツマーケティングを導入したことによる効果だ。
2-3. コンテンツが資産になる
コンテンツマーケティングの意外なメリットが、蓄積されたコンテンツが資産になるということだ。
例えば、従来のコミュニケーション施策におけるテレビCM等のマスメディア広告は、CMや広告の掲載期間が終われば、広告コンテンツとしての役割を終えてしまう。
Web広告でも同じだ。広告用に制作したクリエイティブは広告の掲載を終えれば価値がなくなる。
しかし、コンテンツマーケティングで制作したコンテンツは違う。
オウンドメディアを活用したコンテンツマーケティングを行っていた場合、制作したコンテンツに期限はないのだ。一つ一つのコンテンツは資産としてメディアに蓄積され、情報としての網羅性を高めることができる。ユーザーにとって必要な情報が豊富にあることでオウンドメディアとしての価値が高まっていくのだ。
例えば、歯が痛い時にすぐに歯の痛みを減らす秘訣と絶対してはいけない3の事という記事は、2014年5月に公開したが、2016年6月までの約2年間、月間10万セッションを獲得した月が19ヶ月も連続していた。
人件費1日分で制作したコンテンツが、2年間にわたりほぼ毎月のように10万セッションを集める。これはとてつもなく費用対効果が高い。
継続して制作したコンテンツ達によってオウンドメディアの価値は高まり、それによって長期間無料でユーザーを集め続ける資産が生まれることなる。
2-4. ブランドの認知度が目に見えて上がる
さらに、コンテンツマーケティングによりブランドの認知度が目に見えて上がる
わたしたちの運営するメディア「バズ部」はこの点で突出して成功していると考えている。
オンライン、オフライン問わず「バズ部」という名前が浸透し、「本質的なWebマーケティングメディア」という印象を多くのユーザーに与えている。
参考までに、有名なWebマーケティングメディアの月間の平均検索ボリュームを調べてみたが、3,000件を上回っているケースは稀だった。
つまり、「バズ部」というサイトの認知はかなり高いと言えるのと同時に、Webマーケティング担当者の拠り所として、ポジショニングが確立されているともいえる。
実際、わたしたちの元に届く問い合わせのほとんどが、紹介や周囲の良好な口コミがきっかけになっている。それも、ありがたいことに私たちのことをかなり好意的に思っていただけているお客様からの問い合わせが多い。
これはコンテンツマーケティングの最大の効果と言っても良いだろう。
2-5. 自社に「ユーザー主義」の文化が生まれる
コンテンツマーケティングを実施すると、自社に「ユーザー主義」の文化が生まれる。
コンテンツマーケティングを成功させるためには「ユーザーニーズを満たすこと」が不可欠であり、そのために何が必要かを徹底的に考え、コンテンツに落とし込む活動が継続するからだ。
ユーザーニーズを満たす良質なコンテンツを制作する活動は、単にコンテンツ制作だけでなく、商品やサービスの質向上にも派生していく。
弊社でコンテンツマーケティングを支援したクライアント企業は、最初は気づきもしなかった副次的な効果として以下のように述べている。
「みんな、お客様への対応がとても丁寧になりました。言葉遣いや用語の説明など、お客様のレベルに合わせて話ができるようになったのはとても大きな変化だと思います。普段当たり前に使っている言葉が実は専門用語で、一般の方には難しかったり、分かりにくい言葉だったと気づいた・・・更にいうと、お客様の話す言葉から、“顕在ニーズ”、そしてそこから“潜在ニーズ”を探る癖がついたメンバーもいます。「この人はこう言っているけど、本当に求めていることは何だろう?」と。お客様の深い悩みまで察して解決できるようになったのはとても大きな成長だったと思います。」(FP事務所:有限会社ライフドアーズ)
コンテンツの作成を通じてサービスの質が向上していくきっかけになるとも感じています。コンテンツだけが素晴らしくて、サービスがダメでは話になりません。コンテンツもサービスも両方とも素晴らしいという状態が理想です。コンテンツを書くことを通じて、お客様にどのように伝えれば分かりやすいか、理解がしやすいかを考える土壌ができてきたと思います。(弁護士事務所:弁護士法人ベリーベスト法律事務所)
良い記事を書くには自分自身の診療技術を上げる必要があります。なぜなら、ユーザーの潜在意識は診療技術が特に優れている人のコンテンツを欲しいと思っているからです。そのため多くの講習会に参加し、必要な医療器具も購入しました。そして、今まで以上に丁寧な治療を心がけるようになりました。ユーザーのニーズと正面から向き合い、自分自身を見直すことで、患者さんにより高品質な医療を提供できるようになったと考えています。(歯科クリニック:おかざき歯科クリニック)
コンテンツマーケティングの成果を左右する良質なコンテンツは、あなたの会社が持っている「ユーザーへの愛情」が源泉となる。
良質なコンテンツの制作を通じ、ユーザーニーズを深く理解する。
次に、ユーザーのニーズにドンピシャなコンテンツが結果として様々なメリットをあなたの会社にもたらす。
それにより、あなたの会社のメンバーは「ユーザー主義」の価値を理解し、「ユーザー主義」という文化が生まれる。
コンテンツマーケティングにより、あなたの会社が「ユーザーから選ばれ続ける会社」になるための第一歩を踏み出すことができるだろう。
コンテンツマーケティングを始めることで、あなたのビジネスは飛躍的に成長するはずだ。あなたのコンテンツマーケティングの企画が、素晴らしい結果を得られるものであることを明示しよう。
3. 費用対効果をシミュレーションで示そう
3つ目に、あなたの会社が始めるコンテンツマーケティングの費用対効果をシミュレーションで示そう。
ここでは、費用対効果のシミュレーション方法を解説する。
3-1. 売上目標を算出する
まずは、以下の方法で売上目標を算出する。
PV目標を算出する
- キーワードリサーチの一部を実施する(リンクのステップ③まで)。
- 取捨選択後のキーワードから、検索上位を獲得したいキーワードを120個選定する。
- 選定した120個のキーワードの検索ボリュームを合算する。
- 合算した数値の28.5%(=2020年のSEO検索上位1位の平均CTR)を算出する。
- 算出した数値を、1年後のPV目標に設定する。
- 同様に、2年目に検索上位を獲得したいキーワード120個を選定し、3〜5を実施する。
- 2年目のPV目標+1年目のPV目標=2年後のPV目標を設定する。
- 同様に、3年後のPV目標を設定する。
売上目標を算出する
- 前年までの下記指標の数値を確認する。(指標がなければ、仮で()の数値を設定する)
- CVR(0.1%)
- 有効商談率(30%)
- 契約率(50%)
- 契約単価(任意)
- 1年後のPV目標、2年後のPV目標、3年後のPV目標を元に各年の売上目標を算出する。
- 問い合わせ数=PV目標×CVR
- 有効商談数=問い合わせ数×有効商談率
- 契約数=有効商談数×契約率
- 売上=契約数×契約単価
3-2. 費用を算出する
次に、かかるコストを算出する
人件費を算出する
- 月10記事、記事コンテンツを制作する場合、実働時間を138時間/月を基準とする。
- 人件費=概算人件費×(138時間÷160時間)
※参加メンバーが2名(160時間×2名)、概算の人件費が年間1,000万だった場合
- 1,000万円×(138時間÷320時間)=431.25万円
外注費、経費を算出する
- 外注費:外部の支援会社に依頼する場合、依頼費用を1年目、2年目、3年目それぞれ算出する。
- サイト制作、サーバー管理保守費用、その他経費を1年目、2年目、3年目それぞれ算出する。
かかるコストを算出する
- かかるコスト=人件費+外注費+経費
3-3. 売上・費用を表にし、利益を算出する
売上・費用を算出したら、以下のような表にし、差額となる利益を算出しよう
※表内の数値は以下の数値を当てはめた例
- PV数目標 1年後:10万PV/月、2年後:30万PV/月、3年後:70万PV/月
- CVR:0.1%(=CV÷PV)
- 有効商談率:30%
- 契約率:50%
- 契約単価:100万円
- 人件費:431万円/月
- 外注費+経費:1,000万円/月
1年後 | 2年後 | 3年後 | |
---|---|---|---|
累計記事数 | 120記事 | 240記事 | 360記事 |
PV数目標 | 10万PV/月 | 30万PV/月 | 70万PV/月 |
売上目標 | 1,500万円/月 | 4,500万円/月 | 1億500万円/月 |
費用 | 1,431万円/月 | 1,431万円/月 | 1,431万円/月 |
利益目標 | 69万円 | 3,069万円/月 | 9,069万円/月 |
3-4. 費用対効果をシミュレーションする
コンテンツマーケティングの費用対効果のシミュレーションは、以下のように3パターンで実施しよう。
3パターン | 係数 | 算出される結果 |
---|---|---|
通常のシミュレーション | 1.0 | 売上目標×1.0ー費用=シミュレーション結果 |
楽観的なシミュレーション | 1.5 | 売上目標×1.5ー費用=シミュレーション結果 |
悲観的なシミュレーション | 0.5 | 売上目標×0.5ー費用=シミュレーション結果 |
以下のように線グラフで表現すると、コンテンツマーケティングの成果の上がり方も理解できわかりやすい。
費用対効果のシミュレーションを行い、企画が悲観的な結果だったとしても、中長期的に集客数・売上を劇的に成長させることを数値で示そう。
4. よくある反論に対応できるようにしよう
最後に、よくある反論に対応できるようにしよう。以下が弊社がご相談時にいただくよくある反論を紹介する。対応策も含め、事前に対応できるようにしておこう。
コンテンツを作るのはかなり大変なのでは?どのくらいかかる?
コンテンツマーケティングにかける時間や体制などについては、弊社がアンケート結果をまとめているので参考にしていただきたい。
コンテテンツマーケティングの実務は月間138時間
「コンテンツマーケティングで1年以内に成果を生み出すために必要な実務時間は、月間138時間」というデータがある。内訳は以下だ。
必要な時間 | 内訳 | 必要量 |
---|---|---|
138時間/月 | コンテンツ制作※ サイト運営 リライト | 70時間/月 (=7時間×10記事) 56時間/月 (=14時間×4週) 12時間/月 (=3時間×4週) |
このデータは、弊社が支援する月間20万PVに到達したサイト(有効回答17社)を対象に実施したアンケート結果を参考にしている。
また、「サイト公開後の各フェーズ時点でおよそ何人のライターが記事を作成していましたか?」という質問への回答としては、以下のようになっている。ライターは1~3名と少数精鋭が目立つ。
バズ部が運営する 月間20万PV超サイト11の生データ集より
上図でわかる通り、コンテンツマーケティングには必ずしも多くのリソースを割く必要はなく、少人数でも運用や記事の質次第で成果を出すことは可能である。
例えば、先述した株式会社シマンテックは、たった2名で大きな成果(月間94万PV)をあげた。
詳しい事例はこちら>たった2人で世界でも認められる成果をあげたノートンブログのコンテンツマーケティング
その他にも生データ集にはコンテンツマーケティングの企画作成に活用できるデータがまとまっているのでぜひ参考にしてほしい。無料ダウンロードはこちらから>バズ部が運営する 月間20万PV超サイト11の生データ集
結局、資金が豊富な大手企業が勝つのではないか?
結論、決してそんなことはない。以下のように伝えよう。
コンテンツマーケティングは、大手企業だから成功するものではないし、中小企業だから失敗するものではありません。
なぜなら、ターゲットとするユーザーにとって最高品質のコンテンツを適切なタイミングで提供することができれば、成功する手法だからです。
例えば、競争がとても激しい生命保険業界で、Webマーケティング未経験から成功している事例があります。
はじめてのWebマーケティングで、月50件の個別相談を獲得したファイナンシャルプランナー事務所
〇〇〇〇というターゲットにおいて私たちは業界No.1であるはずです。その点をコンテンツに落としこめば、大手企業よりもシェアを獲得することが可能です。
自社コンテンツを元にビジネスを真似されてしまうのではないか?
仮に真似されたところで全く問題はない。成功することはないからだ。以下のように伝えよう。
自社コンテンツを元にビジネスを真似されてしまうことはあり得ますが、全く問題ありません。
なぜなら、もし真似されてたとしても、私たちよりも質が高い行動を私たちよりも多くしなければ、私たち以上の成功を収めることはないからです。
例えば、「バズ部」というメディアを運営する株式会社ルーシーは、自分たちのビジネスを成功に導いてきたマーケティング手法の全てを、「バズ部」で無料公開しています。
にもかかわず、10年以上もの間、とても激しい競争環境にあるWebマーケティングの業界で生き残り続けています。その上最近では、「自社業界で、バズ部のような立ち位置を確立したい。どうしたら良いか」というユーザーから相談も増えているそうで、年間の問い合わせ件数も増加し続けているそうです。
10年以上の間、彼らの真似をしてビジネスを始めた会社も多くいたはずです。
彼らは、「どこよりも結果が出るマーケティングノウハウを提供するメディア=バズ部」という1点を「ユーザー主義を貫き徹すること」によって実現しています。
仮にバズ部のコンテンツマーケティングノウハウを全て真似できたところで、関わる全員がバズ部以上の「ユーザー主義を貫き徹する」ことをしなければ、彼らを淘汰する会社は生まれないはずです。
(あなたの会社の社長名)さんは、並々ならぬ思いで起業されたはずです。
これは、私たちにも言えることだと思っています。
ここに記載した私たちの話は全て本当のことだ。
実際に私たちにご相談いただくケースを振り返ると、大きく2つのパターンに分けられる。
- コンテンツマーケティング未経験で、なんとしてでも成果を出したくて相談したい
- コンテンツマーケティングを実施しているが、全く成果が出ていなくて最後の手段として相談したい
私たちが「どこよりも結果が出るマーケティングノウハウを提供する」ことをしなければ、このようなご相談はいただけないはずだ。
あなたの会社のコンテンツを元に、他社にビジネスを真似されても何も問題ない。
真似されればされるほど、あなたの会社の素晴らしさが市場に伝わるかもしれない可能性も存在する。
この反論に対する答えは、あなたの会社の存在意義そのものだ。本気になって伝えよう。
責任者が変わってしまったら成果が落ちてしまうのではないか?
責任者が変わってしまったら成果が落ちてしまうのではないか?と反論されることがよくある。
これも、コンテンツマーケティングにおいては問題にならない。以下のように伝えよう。
責任者が変わってしまったら、それが直接、全ての要因となって成果が落ちてしまうことはありません。
なぜなら、我々のチームは体系的にまとめられている方法で、全員が同じ方法で制作を進めるからです。
例えば、私たちは、以下の記事でまとめられている方法によってコンテンツ制作を進めます。
(※実際は、あなたが確立しているライティング方法を述べる)
なので仮に私から責任者が変わってしまっても、この企画の核となるコンテンツ制作のフローは変わりません。
まとめ
コンテンツマーケティングを成功させるためにも、企画を通すためにも、必要なことは適切な準備だ。
コンテンツマーケティングの企画が通るかどうかは、「私はまさにこれをやりたかった。よくぞ企画にしてくれた!」と決裁者から言われる内容になっているかどうかだ。ぜひこの記事を参考にして企画を通してほしい。