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11/27水19:00〜20:00
Nielsen Norman Groupの調査(UXを研究するノーマン博士とWebユーザビリティの第一人者であるNielsenが設立した会社の調査)によると、多くのユーザーが10秒〜20秒の間でそのページを読むか離脱するかを決めているという。
Webマーケティングを主戦場とする私たちにとって、この10秒間はまさに真実の瞬間だ。
私たちは、Webサイトをどのように作成すればよいのか。また、コンテンツをどのように作成すればよいのかをいつも考えているが、特にこの10秒間をどのように上手く対処するかという命題、そしてそれに対する戦術が成功と失敗を分ける分岐点になる。
そこで今回、紹介したい考え方が「スキャナブルコンテンツ」だ。スキャナブルコンテンツ(Scannable Content)とは、さっと目を通すことができるコンテンツのことである。スキャナーを使って短時間でさっとスキャンするようにコンテンツを理解したり、消費できるというイメージだ。
スキャナブルなコンテンツはインパクトのあるタイトルからスタートする。以下、見て行こう。
目次
スキャナブルなコンテンツは、強力に惹きつけられるタイトルからスタートする。読むモチベーションが高い状態を保ちながら、コンテンツがスタートしていくことがとても重要だ。逆にタイトルがイマイチで、読むためのモチベーションが低いということは、ユーザーがスキャンするための原動力が弱いということだ。
では、強力なタイトルを作成するためにどうすればよいか。わたしたちバズ部の回答は「徹底的に語彙を増やす」ことだ。
一つの例を紹介しよう。例えば、「見る」という言葉と「目撃する」という言葉は、類義語で似た意味を持つ言葉だ。しかし、ユーザーがその二つの言葉から受け取るイメージは全く異なる。
見た | わたしがそこで見たこと |
目撃した | わたしがそこで目撃したこと |
こうした語彙をブレストや類語辞典などを使って増やしていくことは、マーケティングで結果を出したいと考えている私たちにとって非常に重要だ。
センスがないと良いタイトルはできないということは決してない。タイトル作成の方法をできる限りわかりやすく言語化した記事があるので、ぜひそちらも見て実践してみてほしい。
数字で証明!5倍以上のクリック率を叩き出した「タイトルのつけ方」
論文形式よりもリスト形式(箇条書き)の方がひと目で内容がわかりやすい。あなたのコンテンツそのものをリスト形式にしたり、もしくはコンテンツの中で箇条書きを積極的に採用しよう。リスト形式の利点は、ユーザーが直感的に大事なポイントを捉えられることだ。
わたしは、寿司が大好きだ。 他に好きなものは、すきやき、焼肉。 そして、カレー、そば。 | 私が好きなもの ・寿司 ・焼肉 ・すきやき ・カレー ・そば |
1つのコンテンツでたくさん主張を伝えようとしてはいけない。論点が複数あると結局そのコンテンツが何を伝えたいのかユーザーがわからなくなってしまう。少しでも違和感を感じてしまうとユーザーはページから即離脱だ。まずは最も伝えたい重要な論点を1つに絞り込もう。
例えば論理主張するコンテンツの場合、文章構成はこうなる。
まず大きなメインメッセージが1つある。そしてそれを支える理由や根拠が複数あり、それが各章を構成する要素となる。さらにわかりやすくするために具体例があって・・・といった構造だ。もちろんコンテンツの種類によって構成は違うが、メインメッセージが1というのは絶対だ。メッセージを最初にしっかり決めておくと構成が決めやすい。
最も伝えたいメインメッセージがたった一つになっているか今一度確認してみよう。もしメインメッセージがどうしても複数となるのならば、シリーズ化して別のコンテンツとするべきだ。
書き出しの一番最初の文章はユーザーと最初に出会う場所だ。第一印象を決める大変重要な箇所だ。最初の一文目で違和感があれば、ユーザーは読み進めてくれない。一方で、「他のコンテンツとは一味違う!」とか、「これこそ私が求めていたコンテンツだ」と思ってもらえれば、慣性の法則が働き、その後も読み進めてくれる可能性が高まる。心理学的にはサンクコスト効果(ここまでコストをかけたから止めるのがもったいないと感じてしまう)も発生する。一文目の大切さを一段階引き上げて、あなたのコンテンツをブラッシュアップしよう。
このような視点からあなたの一文目をぜひ確認してみてほしい。冒頭文だからといって意外と主張と離れた前置きを書いている場合が多いものだ。
会話するように書こう。文章に人間らしさを入れよう。論文や教科書よりも、まるで実際に話しているような文章の方が頭に入ってきやすいだろう。ユーザーが人間的な繋がりを感じれば、コンテンツをより読み進めてくれる。
会話のように書くというのは、冗長的に話し言葉を書くのではない。ユーザーから共感を得られるような文章の書き方だ。いくつか紹介しよう。
”…次は●●の事例を紹介しよう。これが今まで見た中で最も素晴らしい!“
”私がこれまで1000を超えるLPを作ってきた中でわかったことは…”
“一生懸命書いたのに全然見てもらえてないという経験はないだろうか?”
”あなたもそんな経験がないだろうか?“
人間らしさを感じやすい書き方の例だが、しっかり要所を見極めて実践しよう。メリットの方が大きいケースが多いが、リスクとしては、ブランドイメージをチープにしてしまったり、企業としての信頼感に影響を及ぼす可能性もある。根拠を示すときは人間らしさよりも第三者的な立場から文章を構成した方がよい箇所もあるはずだ。全体的なトーンを周囲の誰かにチェックしてもらおう。
重要なポイントは繰り返しコンテンツで主張しよう。ほとんどの人がしっかり文字をしっかり読まないので、重要なポイントだけを繰り返し伝えるのは効果的だ。ただし気になるほど何度も同じことを言うのは逆効果のため、少し言い換えたり具体例やメタファーを追加したりうまく工夫しよう。
繰り返すときの型は大きく2つある。
これはほとんど全ての章に適用している
特に行動を促したい場合は章最後のまとめとして行動提案を書いている
重要なポイントを繰り返し伝えられているかぜひチェックしてみよう。
見出しは分解されたコンテンツタイトルだ。見出しを効果的に使って各章で何を主張したいのかを一読了解にしよう。理想は、目次を見ただけでそのコンテンツが何を言いたいのかがわかる状態だ。
右のような抽象的な表現だとユーザーは漠然としたイメージしか持てず、「もっと知りたい!」と思わない。できるだけ具体的な表現で内容がわかるようにしよう。
パラグラフ(1つのまとまった文章)は200文字程度が望ましい。PC画面だと5-6行だ。それ以上になると文章量が多く見えて読みにくくなってしまう。全ての場合に適用できるわけではないが、一つのチェック基準として意識してみてほしい。集中してライティングをしていると、熱意が先行していつの間にか長いパラグラフになってしまいがちだ。
改行すればいいじゃないか、と思うかもしれないが、意図が同じでまとまった文章をいたずらに改行してしまうと逆にわかりにくくなってしまう。
もしパラグラフが長くなってしまっている場合は、以下のように見直してみよう。
パラグラフが200文字程度の適度な文字数になっているか確認してみよう。
一文はなるべくできるだけ短くしよう。長い文章は、長い分しっかりと読まなければならない。じっくり読まなければならない文章ならばユーザーは読まない。単純に短ければ短いほど良いといいうわけではないが、簡潔な文章のほうが読まれやすい。
こちらの文章の違いをみてほしい。
長い文章
私たちはこれまでタイトル作成で大きな成果をあげてきたが、その中で導き出した3つのステップをしっかり理解して実践すれば、確実にタイトル力をパワーアップできるだろう。
シンプルにした文章
タイトルを作成は以下の3ステップで行おう。大きな成果を上げてきた実証済みの手法だ。よく理解して実践すれば確実にタイトル力をパワーアップできる。
どうだろうか?後者の方がすっと文字が頭に入ってくる感覚があるのではないだろうか。
よくやってしまいがちなのが、複数の言いたいことを文章につめこむこと。「〜だが、〜」「〜すれば、〜」「〜なので、〜」といった文章同士をつなげる順接を多用している場合に多くみられる。順接はなるべく使わず、一文につき言いたいことは1つにおさえよう。
私の基準値としては、PCでの執筆時に2行分(約70-90文字くらい。スマホで3-4行分)の文章になった場合、より短くできないかを再考するようにしている。このような自分なりの基準値を設けると、意識が身につきやすくなるのでおすすめする。
なるべく一文は短く簡潔に、ということを意識しよう。
ユーザーが日常的に使っているストレートな言葉を使おう。ユーザーが文章をよく読まないならば、直感的にイメージできる言葉で表現する必要がある。
ストレートな言葉の例
× 今時のスーツ男子の選択
○ かっこいいスーツの着こなし方
× 職場での効果的なコミュニケーション作り
○ 社員同士の会話がうまくいっていないかも?と感じた時にやるべきこと
どちらも後者の方が内容をイメージしやすいのではないだろうか。ユーザーが普段使っているような言葉で、曖昧ではなく意味がストレートに伝わる言葉を選ぼう。
デジタルマーケティングメディアQuicksproutの調査によると、内容に関連する画像や図を含めたコンテンツの方が、含めていない場合よりも94%も読まれるということがわかっている。
特にデータをグラフ化したものや、具体例を画像やイラスト化したものは増やすと良い。ユーザーの理解度を高める効果があるからだ。
・各章にアイキャッチ画像を入れるだけでもスキャンしやすくなる可能性がある
・表はあまりカラーを使いすぎない方が全体をスキャンしやすくなる(下の図を見比べて見て欲しい。赤字の部分がモノクロの表の方が目立つ感じがするはずだ。またモノクロの表の方が全体をスキャンしやすい)
How white space killed an enterprise app (and why data density matters)より引用
関連するコンテンツのリンクをうまくつけよう。リンクをコンテンツ内で活用できれば、スキャナブルという観点で大きく2つの効果が期待される。
(1)コンテンツの見た目がすっきりとする
(2)信頼性の高いコンテンツとアピールできる
まず一つ目は、コンテンツが簡潔になること。一つのコンテンツで全てを網羅しようとすると文量が多くなりユーザーに負担がかかる。リンク先の概要をしっかり書いた上で、詳細が知りたいユーザーはこちら、と誘導しよう。
そして二つ目は、特に専門家によるデータや事例などのリンクをつけることで、コンテンツの信頼性が高いことをアピールできること。根拠なく意見を並べるものよりも、「○○のマーケティング調査によると〜…」といった外部のデータを分析していることがわかったほうが、信頼できるコンテンツと感じるだろう。コンテンツは「信用できない」と思われた時点で読まれなくなってしまう。
あなたのコンテンツがリンクをうまく取り入れられているか今一度確認してほしい。
スクリーンに余白がなく文字が続くようなコンテンツはユーザーを圧倒してしまう。適宜改行して読みやすくしよう。
一つの基準値としては、スマホでみたときに画面いっぱいに文字が連なっている場合は必ず一回以上改行しよう。
重要なポイントはしっかりスタイルを変えて強調しよう。
などで強調しよう。視覚的に目を引くポイントを作ることで、ユーザーが流し読みでも理解できるよう促せる。
例えば、
大事な主張 → 紺色Bold
注意点 → 赤文字
小タイトル → 黒Bold
というように最初にルールを作っておいてデザインに組み込んでおくと執筆時に楽だ。
少なくとも各章に一つ以上はポイントを強調しているかチェックしよう。ただし強調ポイントが多すぎると結局何が大事なのかがわからなくなるので注意が必要だ。
数字は具体的でパワーがある。「たくさんPVを集められました!」よりも「100PV→100,000PVに増加しました!」の方がその効果がイメージしやすいだろう。抽象的な表現ではなく、できるだけ数値化して具体的に表現できないかを考えよう。
例えば、
このような表現がある場合、数字で言い換えられないかを考えてみよう。
ただし、単に「数字を使えばいい」というわけではない。よくある間違いが、
・重要なポイント3つ
・手法5選
というように見出しや本文にやたらと数字を使おうとしているものだ。この場合の数字は数値化しても特に内容が具体化するものではない。たしかに数字は目を引くが、こういったあまり意味のない数字ばかりを並べると逆にわかりにくくなってしまうことがあるので注意しよう。
いくら一生懸命コンテンツを作っても、ユーザーに読まれなければ意味がない。書き方や表現だけでなく、もちろんコンテンツの内容が最も重要であることは間違いない。中身がないコンテンツをいかに魅力的に見せてもがっかりされるのがオチだ。内容が良いことが前提で、「スキャナブル」な読みやすい文章になっているか、紹介した15のポイントからぜひ見直してみよう。
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