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少人数でもコンテンツマーケティングを成功可能にする体制構築11のチェック項目

ほとんどの企業は、最初から充分な人的リソースを揃えてコンテンツマーケティングを始めることはできない。
実際バズ部に問い合わせいただくクライアント様の7割以上は、3人以下のチームであり、1人で取り組まれる方も非常に多い。少人数でスタートする企業がほとんどだ。それが当たり前だと言ってもいい。

そうであるならば、与えられた命題は「いかに少人数のチームで一定の期日までに成果をあげるか」ということだ。しっかりと戦略を設計し体制を整えれば、少ない人数や低予算でも大きな成果を出すことは十分可能だ。しかし、抑えてほしいポイントはある。

小人数でコンテンツマーケティングに取り組んでも、大きな成果を出す企業には確かに共通項があるのだ。

これからコンテンツマーケティングを小人数でも成功に導くための具体的なポイントを紹介していく。最小のリソースで最大の結果を生む準備をはじめよう。

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1. リーダーがコンテンツ・取り組みに対して強い情熱とコミットメントを持とう

コンテンツマーケティングを成功させる体制を構築する上で最も重要なことは、プロジェクトを引っ張るリーダーが強い情熱とコミットメントを持てるかどうかだ。
私はこれまで100社以上のコンテンツマーケティングに携わり、多くの成功・失敗をみてきた。
その中で、コンテンツマーケティングの成否を決める最も重要な要素が何かと聞かれれば、間違いなくプロジェクトリーダーのコンテンツにかける”情熱”と”コミット力”だと断言できる。
コンテンツマーケティングで成果を出すには、テクニカルなSEOの知識や技術も当然大切だ。

だが、仮にテクニカルSEOによって上位表示を実現できても、検索エンジンではなく、読み手であるユーザーに対して、魂のこもった普遍的な価値を提供するコンテンツを届けなければ、行動のトリガーとなる態度変容は絶対に起こせない。また、当然検索エンジンを向いたコンテンツをユーザーが読んでも、競合との違いや価値を強烈に認識できないコンテンツでは、あなたの会社のことを大好きになってくれたり、ファンになってもらうことはできないのだ。

バズ部には、SEOの知識を豊富に持つ上場企業のマーケター、SEOの知識ほぼ0の中小企業の経営者など様々なクライアントがいる。
そして全くSEOの知識がないクライアントでもユーザーに対して強い情熱を持って取り組む人は、総じて成功している。
こういった人たちが作るコンテンツは、たとえ文章が稚拙で、多少読みづらい文章でも、読み手を心から本当に成功に導くための情報量・具体的な方法論を書かれた”本当に役立つコンテンツ”になっていることが多いのだ。

今のGoogleのアルゴリズムを攻略しようとするテクニカルなSEOと、表面的に上手なライティング技術で書かれたコンテンツは、SEOの成果も短期的に終わる。最も多い失敗の典型例だ。

コンテンツマーケティングを始めるなら、リーダーはSEOの知識や経験ではなく、エンドユーザーに価値を届けることに情熱やコミットできる人材を任命しよう。


2. 「経営層」と「現場」の期待値・熱量の足並みを揃えよう

次に重要になるのが、会社の上層部と現場の足並みを揃えるという点だ。
どちらか一方だけが理解している状態では、うまくいかない。

なぜそう言い切れるのか?私がこれまで見てきたこの両者のズレによって生じるよくある失敗事例を紹介しよう。

ある企業で、その現場担当者はコンテンツマーケティングは成果が出るまでに一定の時間がかかることをちゃんと理解している。
それを踏まえて、結果を早めるために本サイトのサブディレクトリでブログを構築しようと企画したり、初期はロングテールで競合に勝ちやすいワードを選定して記事を作るという戦略を取り実行しようとする。

しかし上層部がコンテンツマーケティングに対する理解が足りないため、以下のようなことを現場に細かく要求したりする。

・なぜ一向にCVが生まれないのかの説明会議
・詳細な進捗報告・成長試算レポートの要求・ビックワードや競合性の高いCVワードでの記事作成要求
・記事内で自社商品しか紹介を許容しない中立性の欠ける記事作成の要求
・ブランド毀損を過度に恐れ、非常に厳しいレギュレーションでライター・コンテンツ内容を縛る

このようなことによって、現場担当者は本来コンテンツ作成に投ずべき貴重な時間を奪われたり、自由で柔軟なコンテンツアイデアを奪われたりと、結果としてモチベーションや情熱の低下を招く。

そして最終的には1年も続けていない状態で、「成果が出ないので、短期的に成果の出る事業にリソース・予算を回す」ということになり、プロジェクトが頓挫する。

こうしたケースは実際、非常に多い。
今読んでいる人の中にも「そうそう」と感じる人は多いはずだ。

こうした事態を避けるためにもプロジェクト開始前に以下のような点は、上層部にも説明・理解を徹底して、必ず足並みを揃えた上でコンテンツマーケティングに取り組んでいこう。

コンテンツマーケティングを開始する際に現場と経営層で足並みを揃えておくべきこと

  • 大前提として、コンテンツマーケティングは成果が出るまでに早くて半年、一般的には1年はかかる手法であること
  • コンテンツこそ成功のための最重要要素であり、その質を担保できる人材を任命することが成功の鍵であること
  • 上層部と現場、プロジェクトに関わる全員が当事者意識を強く持って、同じ熱量で同じ方向に進んでいくのが重要なこと
  • コンテンツマーケティングに投資することで得られる長期的なROIの試算説明

※バズ部で支援させていただいた語学・教育系メディアの実際の顧客獲得コスト低減のイメージ例
→良質なコンテンツの蓄積・拡散によってROI(投資利益率)は高まり、CPA(顧客獲得単価)は低減していく。

顧客獲得コスト低減のイメージ例


3. 目的・目標を明確にし、”重心をどこに置くか”を全員に浸透させよう

少人数でも結果を出すには、結果の出やすい所にリソースを集中させることが必要だ。そのためにも具体的な数値目標だけでなく、マーケティング活動としてどこに重心を置く取り組みなのか、その目的の本質をチームメンバー全員に徹底的に浸透させることが重要だ。特にリーダーの人は、コンテンツマーケティングにおける全ての意思決定をその目的・コンセプトの元、決断しよう。
目的やコンセプトにそぐわないテーマやキーワードを安易に選定し記事を作れば、それだけで簡単に貴重なリソースが奪われ無駄になってしまうからだ。

ではここからもう少し具体的によくある2つの目的を例に据えて考えていこう。
例えば、
・ある時期までに明確なリード数、売り上げ目標達成を目指す場合
・長期的な視点で認知の拡大やブランディング、そこからの指名検索数増加を狙う場合

でも、全く最適なアプローチが異なる。

ある時期までに明確なリード数・売り上げ目標達成を目指す場合

売り上げをアップさせたりリード数を伸ばすなら、まずはキーワードの再設計やコンテンツSEOを一巡やり切るべきだ。
例えば最初は結果の出やすいお宝キーワードをあらゆる角度から徹底的に調査したり、キーワード同士の意図重複を丁寧に精査しよう。
また上位表示することで多くの集客・コンバージョン貢献度が高いと推測されるワードに関しては頻繁に改善のリライトを実施することにも時間を割くべきだろう。
とにかく結果に直結する以下要素に対して特に時間・リソース・予算を割いてチーム一丸となって取り組むことをおすすめする。

・全体のSEOキーワード再設計(潜在層~顕在層までCVにつながるKW・優先度を徹底調査)
・キーワード同士の意図重複の精査・解消
・コアキーワードの頻繁なリライト改善
・見込み客育成コンテンツの拡充・改善

・記事・カテゴリ単位でのCVハードル・CTAの最適化

長期的な視点で認知の拡大やブランディング、そこからの指名検索数増加などを狙う場合

認知の拡大やブランディング、そこからの指名検索数増加などを狙う場合は、
・そもそもどのプラットフォームで発信するのが自社では一番ベストか
・ユーザー、業界にとって価値の高い情報発信には何があるか

等をまず徹底的に考え抜こう。

まずコンテンツ発信プラットフォーム選定の重要性だが、自社の見込み客が少ない・いない所や、レッドオーシャンすぎる所でコンテンツマーケティングの軸を置くことにより、無駄な遠回りをしてしまう可能性が高い。ブログ以外の媒体にも柔軟に目を向け、見込み客のボリュームゾーン・相性などを踏まえて検討すべきだ。
また認知拡大やブランディングの視点であれば、業界のソートリーダーと認識されるようなオリジナルデータの無料開示や業界内でも突出して価値の高いコンテンツを無料で発信するのも効果的だ。
バズ部でも長期的な視点でこれを実践し、これまで得られた企業として利益の面やブランディングの観点で得られた恩恵は計り知れない。長期的な視点を持とう。
上記以外にも、以下要素にはしっかりとリソース・予算・時間を割いてコンテンツマーケティングに取り組むことをおすすめする。             

・SEOに囚われず、コンセプトに照らし合わせて書くべきキーワード設計の見直し 
・届けるプラットフォームをブログ以外にも広げる(youtube・SNS・note・voicy等)

・ユーザーやあなたの業界内において圧倒的に付加価値の高いのコンテンツの拡充
 (お役立ちダウンロード資料・1次情報として利用可能な有益なデータ・ある分野に特化したノウハウ集など) 

このように何を実現するためにどういった戦略・戦術が肝になるのかを全員の共通認識として浸透させておこう。

その上で、充実させるコンテンツの方向性に向かってワンチームでコンテンツを作成・ブラッシュアップしていこう。


4. 「専門性」と「献身性」のある社内メンバーを巻き込もう

コンテンツマーケティング立ち上げ初期は、最初から多くの人員を割くことは難しいケースが多い。
そうした時に、社内の誰を巻き込んでコンテンツを作成するかが非常に重要となる。

コンテンツ作成を協力してもらうメンバー(ライター)選定は以下2つで行うことをおすすめする。

・サイトで発信するテーマについて高い専門性を有する社員
・献身性のある社員

サイトで発信するテーマについて高い専門性を有する社員

メンバー選定では発信するテーマに対する専門的知識・経験を持つメンバーを任命しよう。
コンテンツそのものの深み・昨今のE-A-Tの軸としたSEOの状況を踏まえても、高い専門性を持つ人間がコンテンツを作成するという点は非常に重要だ。

また実際に多くのCVを生みやすいのも、専門知識を有するプロが書いたコンテンツだ。素人が書くコンテンツは既存の検索結果等を参考に作るケースが多く、説明するだけのお勉強コンテンツ・情報の羅列コンテンツになりやすい。

一方で専門知識を有する人間の書くコンテンツは、主張・意見が明確だったり、世の中の既存コンテンツとは別の意見・主張をするケースも多く、ユーザーの背中を押したり課題解決を後押しするケースが多い。

特に課題解決やハウツーを求める検索キーワードの場合、既存の検索結果に表示される競合コンテンツ群に対して、1つ上のレイヤーで解決策を提示できたり、本質的な問題点を指摘できるようなプロフェッショナルであれば最高だ。

強く主張するコンテンツが重要

画面の向こうにいるユーザーがコンテンツを見て背中を押されたり、意思決定や態度変容を起こすには以下のような要素がしっかりと担保されたコンテンツであることが望ましい。

・発信者自身がその分野・業界におけるオーソリティ(専門家)であること
・専門家としての強い主張・結論がしっかりと出せること
・明確で論理的なソースに基づく根拠の提示が可能なこと
・筆者の経験に基づく深い洞察とアドバイスが行えること

1人でも良いので、あなたの行うコンテンツマーケティングのジャンル・テーマで専門知識豊富な人間を巻き込んでみてほしい。

献身性のある社員

これは多くの人がメンバー選定であまり意識していないポイントかもしれない。
だが、献身性の有無はコンテンツマーケティングのメンバーとしては非常に重要な素養になる。

ここで言う献身性というのは「会社」に対しての献身性ではなく、「顧客」・「顔の見えない画面の向こうのエンドユーザー」に対する献身性だ。

ユーザーがあなたの会社・ブランドを好きになってくれたり、商品を買ってくれたりするのは”機能やメリット”だけではない。

検索キーワードの裏にある背景・シチュエーション・潜在的な悩み・課題まで考え抜かれており、真摯で献身的なコンテンツを見たユーザーは簡単には”離れられない”。

実際にあった事例をご紹介させてほしい。

不動産投資事業を行うクライアントのエピソードだ。
非常に高単価商材でありSEO激戦区であるこの業界で、こちらのクライアントはメディアをローンチして10ヶ月で14億円以上の売り上げをブログ経由で獲得している。

実際に記事を読んでそのままコンバージョン・成約まで至った方に「なぜ弊社を選んでくれたのか」を聞くと、とにかく検索してたどり着いた記事の中でも群を抜いて内容が親切・誠実であった点・そして実際のリアルにおける対応でもギャップがなく安心して”確信”を与えている点を挙げられていた。

以下はその時にいただいた実際の声だ。

掲載されている記事の内容が分かりやすく、かつとてもロジカルであったため、思い切って無料面談を申し込みました。
以前から、節税目的の不動産投資については、いろいろと疑問があったため、面談の前から質問事項をたくさん用意していたのですが、担当いただいた方に誠実かつ適切にご対応いただき、とても好印象でした。
節税目的の不動産投資が必ずしも適切でないケースや、想定されるリスクについても包み隠さず言及いただいたことや、何がなんでも契約をさせるという強引さもなかった一方、必要な作業については迅速にご対応いただけたことも安心材料でした。
結局、面談をお願いしてから二週間以内に購入を決めました。不動産投資については、以前よりいろいろな業者から強引なアプローチがあったため、業界に対するイメージは正直あまり良くなかったのですが、Aさんのご対応には随所に誠実さが感じられました。
今回が初めての投資物件のため、実際の節税効果等については今後いろいろとはっきりしてくるのですが、これまでのご対応からも、安心と期待を持って良いのではと確信しています。

画面の向こうのユーザーに寄り添う心が特に強いメンバーをぜひチームメンバーに参加させてみてほしい。


5. 社内リソースを局所的に上手く巻き込み、協力を得よう

コンテンツマーケティングをスムーズに実行していく上で必要になる役割と一般的なチーム編成は以下の通りだ。

チーム構成

だが、社員数が30人以下の中小企業で実際の売り上げにつながるまで1年近く要するコンテンツマーケティングに、多くの社員を専任させることは厳しいだろう。
最初は1人〜2人しか人員を割けない企業も少なくない。
そんな時は社内のリソースを局所的にうまく巻き込んでみてほしい。

だが立ち上げ当初は、すぐに売り上げへと繋がらないコンテンツマーケティングの取り組みに対する社内の理解が薄く、中々好意的に協力を得れないケースもある。
そんな時は以下のポイントを押さえて社内の信頼を獲得し、協力者を増やしていこう。

商談・採用など現場で役立つコンテンツを作成し、共有・活用してもらう

まず社内でコンテンツマーケティングという取り組みを理解してもらい、最も効果的に社内の理解・協力を得やすくなるのが、現場で役立つコンテンツを作成し、共有・活用してもらうことだ。

例えば大手マンション販売会社のコンテンツマーケティングプロジェクトの場合、営業マンが商談現場でお客さんからよく聞かれることを、記事コンテンツにして発信した。

結果としてSEOでの結果はもちろん、販売の現場からも以下のような声が多く上がるようになった。

デジタルマーケティング部の作っている記事を見せると、お客様がわかりやすいと喜んでくれた」
「記事を事前にちゃんと見た上で来る人も多いので、話がとにかくスムーズにまとまるようになった」
「webでもリアルでも親切さにギャップがなく、ここに決めたというお客様がいた」

サイト公開から4年以上経過したこの会社は、何十万アクセスの見込み客を毎月サイトに集客しており、営業マンも含めて15名以上がコンテンツ作成に積極的に関わったり、実際に記事を作成している。

これはマンション販売会社様のわかりやすい例だが、あなたの会社で考えてみてほしい。

・セールス部門の人が欲している・役立つデータ・ハウツーコンテンツには何があるか?
・セミナー・ウェビナーの資料・素材として役立つコンテンツには何があるか?
・現場レベルでは顧客からよく聞かれるが、社内で体系化されていないコンテンツには何があるか?

このように他の部署や現場で求められており、サイトの成長(SEO・受注・ブランディングへの貢献を果たす)にも寄与するコンテンツを作って発信し社内のどんどん味方を増やそう。

これができれば長期的に腰を据えたコンテンツマーケティング戦略・アプローチが可能になる。

メディアの成長曲線を社内で積極的に発信する

「今取り組んでいること(コンテンツマーケティング)」が確かに前に進んでいる(発信プラットフォームが成長している)ということは、上司・社内に細かく積極的に発信しよう。

表面的に見えやすいPVだけでなく、以下のような指標も積極的に共有してみてほしい。

・コンテンツ経由の売り上げ金額
・コンテンツマーケティングによって削減された広告費(コストカット率)
・広告等と比較した時のリード獲得の歩留まりの良さ

・UU数、リピート訪問数の推移
・リード数の増加推移
・これまで広告で獲得していたリードとの”質”の違い(成約率・顧客単価・LTV)
・サイトや商品の指名検索数の推移
・上位表示獲得キーワード数(競合他社との比較)
・SNSのシェア数・フォロワー数・UGC数
・google botの訪問クローリング数の推移
・LP・本サイトへの流入数・バナークリック数の推移

また、コンテンツマーケティングは数値ではみえない部分でも、実は貢献しているケースが多い。採用の際に、オウンドメディアきっかけで応募があることや、一度離脱して、再度検索・成約というケースもよくある。

アンケートページやMAなどを連携・活用して、あなたがコンテンツマーケティングのプラットフォームとしているメディアがいかに会社にインパクトやポジティブな影響を及ぼしているかを積極的に可視化してみてほしい。

社員育成に有用な取り組みであることを理解してもらう

コンテンツマーケティングにおけるコンテンツ作りは、エンドユーザーのニーズをとことんまで考え抜き、リサーチやインプットした上で、それを自分なりの解釈・意見をもって世の中にアウトプットすることの繰り返しだ。

つまり自社の商品・強み・顧客や市場の理解は真面目にやればやるほど身に付く。
また、真の顧客目線の追求を通じた、目に見える成功体験(SEOの順位や売り上げ・ファンの創出など)も積むことができるので「育成」という側面でも非常に意義のある取り組みになる。
(実際にバズ部のクラアイント様でも、コンテンツマーケティングを1年本気で取り組んだ経営層の方が翌年から新卒・若手社員の育成という意味で参画させるケースは非常に多い)

こうしたことを経営層・上司にもしっかりと理解してもらおう。きっと社内におけるあなたの協力者を増やすことができるはずだ。


6. 無駄なコンテンツを作らない設計を徹底しよう

成果までの無駄な遠回りの代表格が、ブランディング・認知拡大という隠れ蓑の元、一過性のバズ狙いコンテンツやCVまで遠いキーワードで記事を量産する”無駄なコンテンツ作成”だ。

あなたがコンテンツマーケティングで成果を出したいなら、まずはキーワード戦略にとにかく時間と予算を割くことをおすすめする。
コンテンツSEOにおいては、どのキーワードをどの順番でどのくらい作成するかで成果の8割以上が決まるといっても過言ではない。

そして競合度が強かったり、後発スタートであればあるほど、このキーワード戦略が特に大事になってくる。
中小企業でコンテンツマーケティングをスモールスタートする場合、社内に1人もSEOに強い人間がいなければ、戦略設計・キーワード選定は、一定の予算を投下してでも外部のプロに設計やコンサルを任せると良いだろう。

私はこれまで多くの業界・業種のコンテンツマーケティング支援に携わってきたが、そのビジネスで本当に核となり、大きな利益・集客インパクトをもたらすキーワードは多くても20〜30程度だと感じる。
だからこそ、あなたはこの核となるキーワード群にしっかりと集中し、コンテンツクオリティを高めることに注力しよう。


7. 外部のプロ・専門家を上手く活用しよう

競合リサーチ・戦略設計・キーワード抽出・コンテンツ作成・サイト制作など、その全てを社内だけで高い水準で実行していくのは非常に難しい。

社内でやらなければいけないこと・外部のプロに任せる方が良いことを知っておき、限られた予算を有益に使って成果につながる体制を構築しよう。

外部のプロに任せた方が良いこと

【SEOに強いメンバーがいない場合】総合的なSEOの戦略設計・アドバイス

  1. 社内にSEOに詳しい人間が1人もいない場合は、戦略設計部分(特にサイト構造・キーワード戦略・選定)は外部のプロにも入ってもらって、策定することをおすすめする。

たとえば、同じペース・質感でコンテンツを公開する場合でも、
・正しいディレクトリ構造とカテゴリ分類になっているか
・ドメインは新規ドメイン・サブディレクトリ・サブドメインのいずれで展開すべきか
・初期で優先すべきキーワード群や、見逃している潜在お宝キーワードはないか

など、成果がでるまでの速度・大きさを決定付けるものの正しい判断を自社では誤ってしまったりする可能性が下げられる。

ここは積極的に外部のプロを活用しよう。

【デザイナーがいない場合】コンテンツのイラスト・クリエイティブの作成

社内にデザイナーがいない、もしくは、いるがリソースを割いてもらえない場合は、イラスト・クリエイティブの作成をアウトソーシングすることをおすすめする。

コンテンツの飽和化が進む現状や、あくまでにSEOが相対評価な側面を考えると、スキャナブルで見やすい・伝わりやすいコンテンツであることは絶対に外せない。

今はクラウドソーシングサービス等をうまく活用すれば、1つ500円などで質の高いイラストやクリエイティブを確保できたりする。

積極的に活用して質の高いコンテンツを担保しよう。

【ライター不足の場合】記事作成の外部ライター活用

競合性が高い業界であればある程、特にコンテンツの「質」だけでなく、「数」という側面も成果を出すには非常に重要な要素だ。

以下はバズ部のクライアントで月間20万PVに到達した17のサイトの数値を集計した1つのデータだ。
これは様々な業種・業界や、異なるKGIを設定した上でのデータなので、あくまでも1つの参考指標として捉えていただきたいが、やはり一定の集客を実現するには「コンテンツ数」が重要なことがわかる。

        ・月間10万PV・20万PVに到達するまでの合計記事数

必要な記事数

全てのコンテンツ作成を外部に丸投げするはナンセンスだが、SEOの重要度そこまで高くないもの・高い専門性や強烈な主張を求めていないようなキーワードであれば、外部ライターを活用するのはアリだろう。

実際、バズ部のクライアントも、コアとなるワードは社内でしっかりと書き、それ以外のワードに関しては、質の高い外部ライターに任せる運用をして、短期間で圧倒的な集客を実現しているメディアは多い。

だが、外部ライターの活用は使い方を間違えると、あなたのコンテンツマーケティングを破滅に導く可能性もあるので次の項目で詳しく見ていこう。


8. 外注ではなく、必ず社内で書くべきキーワードを理解しよう

繰り返しになるが、コンテンツマーケティング1年目は、更新頻度・クローラーの呼び込みという側面で、コンテンツの「質」だけでなく一定の「数」も必要になる。

だが全ての記事作成を外注に投げることは絶対におすすめしない。どんな優れた外部ライターも、あなたのビジネスにおける顧客の真の課題を理解し、プロとしてユーザーにしてあげるべきアドバイスや主張、そしてあなたの扱うサービス・商品がどのように課題解決に貢献できるのかを100%上手く表現できる外部ライターなど99%存在しないからだ。

・会社として絶対にSEO1位を目指すべきコアとなる重要キーワード
・ユーザーの悩みが深く、プロからの深い意見・アドバイスを求めるキーワード

こうしたキーワードは、外注に投げず、時間がかかっても良いので自社で最高品質に高めて公開するようにしよう。

特に専門性の高い領域でコンテンツマーケティングを実施する場合、更新頻度が落ちることになっても記事の外注はしない方が良いだろう。


9. 10人の低品質ライターより1人の非常に優秀なライターを確保しよう

外部ライターを活用すること自体は決して悪いことではない。
上手く活用すれば、あなたのコンテンツマーケティングの成長スピードは飛躍的に上がるし、あなたが記事作成の時間・リサーチに追われて疲弊することもなくなる。

だが実際、非常に質の高い記事を作成する外部ライターを簡単に複数人確保することは容易ではない。

多くのライターは文字数ベースで記事をこなすケースが多く、また中にはライターと名乗るには疑問を呈したくなる非常に低品質なコンテンツを納品するライターも多く存在する。

バズ部のクライアントで実際にうまく外部ライターを活用し、質の高いコンテンツを量産している体制も参考に示しておく。

【外部ライター活用事例】外部ライターと隔週2時間のコンテンツ会議を実施して月間100万円以上の売り上げを獲得

外部ライター活用事例

このクライアントは士業系のビジネスをされており、内製3割・外注7割でコンテンツを充実させている。毎月10記事程度、非常に高品質の記事を安定的に公開しており、開始2年で毎月安定して100万円以上の売り上げをブログ経由で獲得。

このクライアントは外部ライターとの関係性も良好で、非常に良いパートナーとしてコンテンツマーケティングを実施しており、大きく2つのことを徹底されている。

①定期的にしっかりと直接コミュニケーションをとりながらフィードバック・育成を実施。
→ZOOMを使って直接フィードバックや確認・すり合わせ・ライティングレクチャーを実施することで、ライターがある程度記事数をこなすことでこちらの求めるコンテンツ水準や作り方を早期に理解してくれる。
また細かいニュアンスをお互い確認できるので早く質の高いコンテンツに仕上げられている。

②優秀なライターさんには惜しみなく高単価で発注。→優秀なライターは競合も欲しい。しっかりと能力に見合った報酬を支払って外部への流出を防ぐ。
また高単価の条件として、一定水準の質を満たすまでは、修正を何度でも対応してもらうなど条件をつけており、そうすることで「質」が必ず担保されるメリットはもちろん、ライター側も、数を重ねるうちにコツやニーズを把握してくるので、手戻りがなくなり、お互いノンストレスで運用が可能になる。


10. 社内に眠るコンテンツ資源を把握し活用しよう

体制に関する不安点として、これまで一切コンテンツマーケティングに取り組んでこなかった企業の方から、取り組み前によく相談されるのが、「本当に自分達にオリジナリティがあるコンテンツが作れるのか」という点だ。

実は独自性があって見込み客に有益な情報は、どの企業にも必ず社内に眠っている。

社内のコンテンツ資源

自分では無いと思いつつ、ヒアリングを進めて行く中で、「そんなに良い素材があるならコンテンツの中で紹介しない手はないですよ!」とこれまでのコンサルティングの中で何度言ってきたかわからない。

ある業界に特化した経営・マーケティングノウハウを発信するオウンドメディアを一緒に作成した中小企業の方の事例を紹介しよう。

この方はある業界で20年以上、その業界に特化した経営コンサルタントとして活躍しており、バズ部と共に見込み客を集客するブログを作成することになった。

最初に担当の方が作成されたコンテンツはどこにでもある、ザ・SEOコンテンツといった感じで、自信をもって公開できるものではなかった。
そこで、まずは社外に公開できる・できないは置いておいて、これまでのコンサルタントの活動を通して実際の顧客にのみ渡していた、膨大な量の資料・メルマガの原稿などを全て私に共有していただいた。
すると、少し加工したり整えてあげるだけで、今回のブログのターゲットユーザーには非常に有益な情報・資料で溢れていたのだ!これをSEOの記事コンテンツやebookとして活用しない手はないとして、すぐに記事に取り入れてもらうようにした。

結果としては、そのコンテンツはソーシャルでも大きな拡散が起き、その1記事がたまたま出版社の目に止まって本の出版依頼までいただくことになった。

実はバズ部で支援させていただいく企業様ではこういったケースがよくある。

なぜ記事にこうした内容を最初から盛り込まなかったのかを聞くと、以下のような答えが返ってくる。

・競合に模倣されるのではないか
・無料で公開すると、既存のクライアント様や社内から反発があるのではないか
・そもそも、これに価値があるとは思わなかった・気づかなかった

コンテンツマーケティングで成功を収めるために理解しておくべきなのは以下の2つだ。

・無料で”突き抜けた価値”を提供するからこそユーザーは感謝し、あなたのファンになる
・「知る」と「上手く実行できる」は全く別物

あなたが競合がひしめく業界でユーザーに認知され、強い関心と信頼を勝ち取るには突き抜けた価値をまずはユーザーに全力でgiveしよう。
実際、あなたのコンテンツを読んで「知識」や「やり方」を知ったとしても、それを記述通りに自分に落とし込んで上手くできるユーザーは決して多くない。

そうした時に誰に助けを求めるか・相談するかと言えば、ユーザーの第1想起をコンテンツを通じて獲得している「あなた自身」だ。

まずは社内のあらゆる側面から、見込み客に対して価値のある情報・資料・素材をかき集めよう。

そこから、新たなコンテンツアイデアが生まれるかもしれないし、すでに公開しているコンテンツをより高い次元に引き上げるきっかけになるはずだ。


11. 最初から完璧を求めすぎないようにしよう

常に質の高いコンテンツを追求しユーザーに届ける姿勢は何よりも重要だ。
だが、これから作成する全てのコンテンツを120点の水準で公開しつづけることは決して容易ではないし、初めて取り組む場合は非常にハードルが高いはずだ。

コンテンツマーケティングは長期の取り組みになるので、初期から120点のコンテンツしか公開しない運用だと、いずれ息切れを起こして途中で頓挫するケースが非常に多い。

まずは80点のレベルで良いので、一定の水準を満たした段階でどんどん公開していこう。
記事のチェックをする際は、最低限以下はしっかり担保し、徐々にレベルをあげていく。

【公開前に絶対にクリアしておくべき4つのチェックポイント】

①結論が後半にきたり、根拠が薄く、読みやすさ・納得感の側面で大きく問題がある記事になっていないか

②キーワードの検索ニーズに対する”ニーズ漏れ”が起きていないか
※ニーズ漏れとは、ユーザーが知りたいニーズ・トピックが網羅されていないこと。

③”ニーズずれ”が起きていないか
※ニーズずれとは検索キーワードに対して、ユーザーが知りたいことから離れていたり、広げすぎて別キーワードのような記事になっている状態のこと。

④ユーザーの知りたいことにフォーカスされておらず、筆者の言いたいこと・書きたいことが先行した記事になっていないか

ライターを鼓舞し、励ましながら、「よりユーザーにとって良いコンテンツにするのはどうあるべきか」を同じ目線で議論しよう。

一方的に高圧的なフィードバック・修正を要請するのは、せっかく協力してくれる人のやる気を削いでしまう最大の原因だ。

リライトを前提とした運用体制で、まずはどんどん公開していこう。


まとめ

本日は実際の現場レベルで特に重要だと感じるポイントをまとめた。
これからコンテンツマーケティングに取り組まれる方・既に取り組まれている方も、改めて今日の内容を参考に、最も成功確度を高める体制を構築してみてほしい。

・リーダーがコンテンツ・取り組みに対して強い情熱とコミットメントを持とう
・「経営層」と「現場」の期待値・熱量の足並みは揃えよう
・目的・目標を明確にし、”重心をどこに置くか”を全員に浸透させよう
・「専門性」と「献身性」のある社内メンバーを巻き込もう
・社内リソースを局所的に上手く巻き込み、協力を得よう
・無駄なコンテンツを作らない設計を徹底しよう
・外部のプロ・専門家を上手く活用しよう
・外注ではなく、必ず社内で書くべきキーワードを理解しよう
・10人の低品質ライターより1人の非常に優秀なライターを確保しよう
・社内に眠るコンテンツ資源を把握し活用しよう
・最初から完璧を求めすぎないようにしよう

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