内部リンクとは?SEOでの重要性と効果が出る張り方のコツ



内部リンクとは、同じサイト内の別ページへのリンクのことだ。
SEOにおいて内部リンクは重要な意味を持つ。Googleのクローラーは内部リンクによってサイト構造や重要ページとの関連性を解釈しているからである。
と同時に、ユーザーにとって心地よい内部リンクが、適切に設置されているWebサイトは愛読者が増える。内部リンクとUX(ユーザー体験)は、切っても切り離せない関係にあるのだ。
本記事では、あらためて見直したい「内部リンク」について、基礎知識から重要エッセンスまでまとめた。
過去に学んだことのある方も、最新情報を踏まえた学び直しとして活用してほしい。いま内部リンク施策は何をすべきか、具体的に把握できるはずだ。
1. 内部リンクとは?基本の知識
最初に内部リンクとは何か、基本の知識から見ていこう。
1-1. 内部リンクとは同じサイト内の別ページへのリンク
内部リンクとは、あるページから同じサイト内の別のページへのリンクのことだ。
たとえば、
「コンテンツマーケティングで頻繁に起きる18の無駄とは?効率化するポイント」
のリンクは、今お読みいただいているバズ部サイトの別記事へのリンクであり、内部リンクである。
内部リンクの原語は「Internal link(インターナルリンク)」で、日本国内では訳語の「内部リンク」がよく使われている。
1-2. 対義語は「外部リンク」
内部リンクは「外部リンク」と対になって使われる用語だ。
外部リンク(external link、エクスターナルリンク)は、外部サイトへのリンクを指す。
1-3. “同じサイト”の考え方
“同じサイト内”のリンクが内部リンクだが、一般的には“同じドメイン内”へのリンクが内部リンクと解釈される。
たとえば、本ページは「lucy.ne.jp」のドメインにあるから、「https://lucy.ne.jp/〜」のURLへのリンクは内部リンク、という考え方だ。
ただし、「自分のサイトか、他者のサイトか」という“実体”に照らしたとき、ドメインによる定義と矛盾する場合には、実体が優先される。
たとえば、複数のドメインを使って1つのWebサイトを構築している場合、それらのドメイン群内のリンクは内部リンクと呼ばれることが多い(例:example.co.jpと、EC用のexample.shop)。
あるいは、Amebaブログ・はてなブログ・noteなどのプラットフォームを使っている場合、ドメインによって内部リンク・外部リンクを決めることはできない。
AmebaブログのURLは「https://ameblo.jp/アメーバID/」となり、すべてのブログが同ドメイン内にあるからだ。
1-4. 補足:発リンクと被リンク
補足として、混同しやすいリンク関連の用語を整理しておこう。
「内部リンク⇔外部リンク」のほかに「発リンク⇔被リンク」という捉え方がある。
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被リンクと内部リンク、発リンクと外部リンクを混同しているケースがあるが、それぞれ別の意味となるので、区別しておこう。
被リンクについて詳しくは「被リンクとは?SEO初心者向けの基本と調べ方・増やす獲得方法の極意」にて解説している。あわせて確認してほしい。
2. 内部リンクの種類
内部リンクの種類は、大きく2つに分けられる。
2-1. コンテクスチュアルリンク
1つめは「コンテクスチュアルリンク」だ。
コンテクスチュアル(contextual)とは「文脈上の、前後関係からみた」といった意味で、リンク元ページのコンテンツの文脈に沿って設置されているリンクである。
▼ コンテクスチュアルリンクの例
記事本文中からのリンクのほか、新着、カテゴリ一覧、タグ一覧、レコメンドなどもコンテクスチュアルリンクに該当する。
2-2. ナビゲーションリンク
2つめは「ナビゲーションリンク」だ。
ナビゲーションリンクは、Webサイトの構造を定義し、ユーザーが別ページへ遷移するための案内をする。
グローバルナビゲーション、パンくずリスト、サイドバー、フッターなどが挙げられる。
▼ ナビゲーションリンクの例
3. 内部リンクがSEOにおいて重要な3つの理由
内部リンクはSEOにおいて重要な意味を持つ。その理由は大きく分けて3つある。
3-1. 内部リンクはクローラーを手助けする
1つめの理由は「内部リンクはクローラーを手助けする」からだ。
Googleはクローラーを使って、Webページのデータを収集している。
▼ クローラーとは?
「クローラ」(「ロボット」や「スパイダー」と呼ばれることもあります)は、ウェブページ間のリンクをたどることによってウェブサイトを自動的に検出してスキャンするプログラムを指す総称です。Google のメインのクローラは Googlebot と呼ばれます。
内部リンクはクローラーの通り道
「ウェブページ間のリンクをたどることによって…」と書いてあるとおり、Webページ間のリンクがクローラーにとって非常に重要だ。
内部リンクの設置はクローラーの通り道を作ることであり、クローラーのデータ収集を手助けできる。
たとえば、いま新しい記事を公開したとする。その記事への内部リンクがゼロだったら、クローラーはたどり着けない。
そこで、別のページから内部リンクを設置する。トップページに新着情報として掲載する。これならクローラーはすぐにやってくる。
クローラーを助けると早くインデックスに登録される
クローラーを手助けすることのメリットは、インデックスへのすばやい登録や更新がなされることだ。
インデックスに登録されて初めて、検索結果に表示可能となる。
インデックスなしにはSEOは始まらないので、内部リンクの重要性がまず実感できるだろう。
インデックスについて詳しく知りたい方は「インデックスとは?SEOに初めて取り組む人向けの重要知識まとめ」も確認してほしい。
3-2. Googleは内部リンクによってサイトを理解する
2つめの理由は「Googleは内部リンクによってサイトを理解する」からだ。
Googleは、さまざまな仕組みによって、サイトの構造や関係性を把握し、ページの品質評価に役立てている。
単にクローラーに巡回してもらうだけなら内部リンクさえあればよい、ということになる。
しかし実際には、
「どのページからどのページへ内部リンクがされているか」
を見てサイトを理解しているので、内部リンクの“張り方”が意味を持つ。
サイトの構造
具体的にはまず、サイトの構造だ。
Googleがサイト構造を理解するとき、ディレクトリの階層より内部リンクを重視している。
Googleのジョン・ミューラーはEnglish Google SEO office-hours from March 11, 2022で、以下の主旨の発言をしている。
「あるページがサイト内で下層にあるのか上層にあるのか、URLのスラッシュの数だけでは、わからない。
トップページやメインページから、どれだけ早くそのページに到達できるかが重要だ」
これは何を言っているのかというと、ディレクトリ(フォルダ)の階層が以下のWebページにあったとしよう。
画像右下の“22.html”のURLは、
「https://example.com/category/marketing/contents/seo/2022/06/22.html」
となる。
ミューラーがいう“URLのスラッシュの数”が多い状態だ。スラッシュの数で判断するなら、“22.html”はトップページから遠く離れた下層に存在する。
しかしGoogleがより重視するのは内部リンクである。
「クローラーが内部リンクをたどるとき、トップページやメインページから早く到達できる」ほど上層と判断して、サイト全体の構造を認識している。
トップページから“22.html”への内部リンクが設置されていたら、ディレクトリ構造にかかわらず「22.htmlは上層」と判断されるということだ。
コンテキストと関連性
Googleはこれまで何度もアップデートやアルゴリズム変更を繰り返してきたが、近年注力しているのが「コンテキスト(文脈)」だ。
コンテキストに基づいてユーザーのニーズを予測したり、最適な検索結果を表示させたりする。そのためのデータとして、内部リンクが使われている。
内部リンクで結ばれたページ同士は、
「同じカテゴリのトピックについて話していて関係がある」
とGoogleが解釈する。
内部リンクによって、サイトに関する情報をGoogleへ的確に伝えられれば、ニーズに合うユーザーの検索結果に表示されやすくなるのだ。
3-3. 優れた内部リンクがUXを向上させる
3つめの理由は「優れた内部リンクがUX(ユーザーエクスペリエンス、ユーザー体験)を向上させる」からだ。
WebサイトのUXを測る重要な指標は「滞在時間」と「直帰率」である。
もし内部リンクがなかったら、どうだろうか。内部リンクのないサイトの滞在時間と直帰率は、壊滅的な結果となることは、想像に難くない。
逆に内部リンクが優れているWebサイトは、優れたUXを生み出す。
たとえば、調べものをしようとWikipediaにアクセスし、気づいたら長い時間が経っていて、何ページも読み込んでいた……という経験はないだろうか。
Wikipediaは、内部リンクによって、すばらしいUXを生み出している好例といえる。
4. 効果的な内部リンクの張り方 — 重要な5つのエッセンス
内部リンクの重要性が理解できたところで、具体的にどんな施策に取り組めばよいのか。
重要な5つのエッセンスをお伝えしよう。
4-1. その1:リンクジュースのことは忘れる
Googleのジョン・ミューラーが2020年にこんな発言をしている。
I’d forget everything you read about “link juice.” It’s very likely all obsolete, wrong, and/or misleading. Instead, build a website that works well for your users.
(訳)
“リンクジュース”の知識はすべて忘れることだ。
すべてが時代遅れ、間違っている、くわえて(あるいは)誤解を招く可能性が非常に高い。
そうではなく、あなたのWebサイトのユーザーたちにとって、よくワークするサイトを構築してほしい。
出典:Twitter
上記はユーザーから寄せられた、
「トップページのリンクジュースを別ページに渡すために、どう内部リンクを配置すればよいか」
という主旨の質問に答えたものだ。
リンクジュースがわからない方のために補足すると、リンクジュースとは、
「リンク元ページからリンク先ページへ、検索エンジンの評価が渡される」
という概念である。
たとえば、
「検索順位1位を獲得したページAの評価をページBに分け与えるために、ページAからページBへ内部リンクする」
といった施策が、古くから行われてきた。
しかし「リンクジュースは時代遅れだから忘れよ」と、ミューラーが言っている。忘れよう。
4-2. その2:ユーザーのために内部リンクを設置する
では何をすべきかといえば、〈Build a website that works well for your users.〉、すなわち、
「ユーザーのためになる、ユーザーにとって必要な、ユーザーに役立つ内部リンク」
ということだけを考えればよいのだ。
こういった話を聞くと、多くの人がこう尋ねる。
「どういう内部リンクが、ユーザーのためになる内部リンクですか?」
どんな内部リンクがあなたのユーザーのためになるのか知るためには、あなたのユーザーを理解する必要があるので、ユーザー理解から始める必要がある。
「大観的すぎてアドバイスになっていない」
と思う方には申し訳ないのだが、帰するところ本質はユーザー理解にしかない。
小手先のテクニックに時間を浪費するより、腰を据えてユーザー理解から組み立てたほうが、圧倒的な近道であるケースは、よく遭遇する。
内部リンクのクリック状況を把握する
とはいえ実務的なノウハウをお伝えするなら、まずは現状「ユーザーのためになっている内部リンク/なっていない内部リンク」を見極めることだ。
最もシンプルな基準は「クリックされている内部リンク/クリックされていない内部リンク」を知ることである。
あるWebサイトでは、メインコンテンツの内部リンクのうち、クリック数の少ないリンクを機械的に削除しただけで、直帰率などに改善が見られた。
内部リンクのクリックは、タグ マネージャーとGoogle Analyticsを組み合わせることで測定できる。
関連サイトのGoogle検索結果をリンクしておくので、詳しいやり方はリサーチしてほしい。
滞在時間と直帰率をモニターする
「3-3. 優れた内部リンクがUXを向上させる」で触れた滞在時間と直帰率は、内部リンク施策がうまくいっているか否かの成績である。
モニターを続けよう。改善施策の前後で何%改善したか、数値で把握することで、良い施策・悪い施策を明確に判定できる。
滞在時間や直帰率は、Google Analyticsの[行動]から確認できる。
ユーザーのためにならない内部リンク
もうひとつヒントとして、「こんな内部リンクはユーザーのためにならない」という具体例を挙げよう。
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以上を参考にして、「その2:ユーザーのために内部リンクを設置する」を実践してほしい。
4-3. その3:ナビゲーションは自分で改造しない
メインコンテンツの内部リンクで役割を果たしていないリンクが見つかったら、改善あるいは削除を検討してほしい。
ただし、ナビゲーションの内部リンクは、基本的に自分で改造すべきでない(SEOとWebのスペシャリストでなければ)。
駅構内のナビゲーションと同じ
「ナビゲーションに独自のカスタマイズをして、わかりやすくするぞ!」
といった意気込みは不要というより、悪影響のリスクがある。
なぜなら、ナビゲーションで重要なのは「ユーザーがここにあるだろうと思うところに案内がある」ことだからだ。すなわち、他サイトと共通する見慣れた様式であることに意味がある。
たとえるなら駅構内のナビゲーションのようなもので、全国の駅が似たフォーマットで案内してくれるから、初めて訪れる駅でも迷わない。
SEOに精通した作者が作ったテーマを利用する
自分で作らずどうするのかといえば、WordPress利用者ならSEOに精通した作者が作ったテーマを利用するのが最善だ。
私たちバズ部では、「Xeory」というWordPressの無料テーマを配布している。
サイト型とブログ型の2パターンあるので試してみてほしい。
4-4. その4:内部リンクはクローラーでもわかるようにする
CMや広告のクリエイティブでは、「中学生でもわかるように」という言葉が使われる。
大人向けの商材であっても、中学生でもわかる平易な言葉選び、ビジュアル使い、噛み砕きなどによってわかりやすくすると、高成果な制作物ができる、という教えだ。
同じように内部リンクは「クローラーでもわかるように」設置しよう。クローラーがわかるように作ると、ユーザーにとっても良質なコンテンツができあがる。
具体的には、以下が挙げられる。
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*1 アンカーテキスト:リンクが張られたテキスト
アンカーテキストのバリエーションが多いほど検索トラフィックが増える
参考情報として、2022年5月にZyppyが興味深い調査データを公開している。
アンカーテキストのバリエーションが多いほど、検索トラフィック(Google検索結果からの流入)が増えるというのだ。
出典:Zyppy
同ページに偏った内部リンクや、プラグインの自動挿入による定型文ではなく、ユーザーのための内部リンクを施しているサイトは、Googleからも評価を得られると考えられる。
背景には、優れたUXがページ品質の高評価につながる・文脈や関連性をGoogleが正しく解釈できる、などの理由が推測できる。
4-5. その5:トピッククラスターでコンテンツを作る
最後に上級者向けとなるが、Webサイト構築の根源にかかわる戦略エッセンスをお伝えする。
Wikipediaのように、ずば抜けて秀逸なUXを生み出す内部リンクを設計するためには、そもそも「コンテンツの作り方」が重要である。
優れた内部リンクが自然発生するコンテンツの作り方をすると、テクニカルなことを考えなくても、理想的な内部リンクが張り巡らされた状態になるからだ。
その具体的なメソッドとして、HubSpotのマシュー・バービーが提唱した「トピッククラスター」がある。
まず、よくある一般的なブログの構成を見てみよう。
上記の星・三角などのマークが1記事を表している。多数の記事が、秩序なく雑多に混ざっている状態だ。戦略的な内部リンクは生まれにくい。
トピッククラスターを使って構成すると、以下のようになる。
「コアトピック」と呼ばれる、柱となるコンテンツのページ(円の中心)があり、コアトピックの周囲には、内部リンクでサブトピックのページがつながっている。
柱のページの役割は、コアトピックを広範囲にカバーしながら、ビジターをコンバージョンさせることだ。周囲のサブトピックは、コアトピックをより深掘りしたコンテンツとなる。
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トピッククラスターの魅力は、
「サイトが深い情報を持っていることを検索エンジンに知らせながら、秩序ある内部リンクで、コンバージョンの柱となるページを、検索上位に押し上げられる」
という点にある。
実践方法の詳細は、HubSpotの「トピッククラスターを活用したブログの最適化」にて、確認してみてほしい。
5. まとめ
本記事では「内部リンクとは」をテーマに解説した。要点を簡単にまとめよう。
内部リンクとは同じサイト内の別ページへのリンクで、クローラーの手助けおよびUX(ユーザー体験)の観点から非常に重要なものである。
内部リンクの重要エッセンスとして、以下の5つを解説した。
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内部リンクの視点からWebサイトを点検することは、価値あるコンテンツづくりの一助となる。
今まで何となく感覚的に内部リンクを設置していた方も、本記事を参考にしていただき、意図をもった戦略的な内部リンクにチャレンジしてほしい。
その努力は、Google、そしてユーザーからのうれしい評価となって、返ってくるだろう。
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