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11/27水19:00〜20:00
「オウンドメディアの効果を知りたい」
という方は、次の2パターンに分かれるのではないだろうか。
実際、オウンドメディアに期待できる効果を正しく理解し、効果測定の方法を確立することは、オウンドメディアの成功に欠かせない。
この記事では、オウンドメディアがもたらす効果を、実例を交えながら紹介する。そのうえで、効果測定のやり方や、効果を最大化するコツについてもお伝えしていく。
あなたのオウンドメディアで結果を出すために、活用してほしい。
目次
オウンドメディアに期待できる効果は、大きく5つに分けられる。
以下で、それぞれ確認していこう。
1つめの効果は「認知度の向上」である。
オウンドメディアは、企業やブランド、商品・サービスの認知度を高める有力な手段だ。
その理由は、PESOモデルにおいて、オウンドメディアは、アーンドメディアやシェアードメディアの拡散をサポートする役割を担うからである。(*1)
*1:PESOモデルおよびアーンドメディア・シェアードメディアについては、下図を参照してほしい。
前知識として、メディアは大きくPESOの4つに分けられる。
自社の認知度を高めたいと思ったら、数多くの媒体に掲載され、露出を増やす必要がある。
その際、アーンドメディアとシェアードメディアの露出を増やす絶対的なカギとなるのが、オウンドメディアだ。
オウンドメディアなしに、SNSや新聞雑誌のメディア露出を増やすことを、想像してみてほしい。「とても無理だ、非効率すぎる」と感じるのではないだろうか。
そこで、オウンドメディアで一流の魅力的なコンテンツを作り、それをSNSや他メディアで拡散してもらう。
広告費や掲載依頼、あるいは内容の修正依頼などの費用・労力をかけることなく、効率的に露出を拡大できるのである。
2つめの効果は「リードの獲得」である。ここでいうリードとは、見込み客を指す。
仮に、オウンドメディアを持たずして、SNSや他メディアで露出拡大したとしよう。
自社にとっての具体的な成果に結びつきにくく、「せっかくの露出が、無駄になる」ことが、想像できるだろう。
オウンドメディアは、露出を成果に転換する、つまり見込み客(リード)の情報を獲得するために必要不可欠だ。
たとえば、無料のeBOOKやホワイトペーパー(リードマグネットという)を提供し、ダウンロードと引き換えに連絡先情報を収集する。
このような活動を展開するオウンドメディアがあることで、効果的にリードを獲得できるようになる。
3つめの効果は「エンゲージメントの促進」である。
エンゲージメントとは、顧客やユーザーと企業・ブランドとの結びつきを表す概念だ。もう少し詳しくいうと、“どれだけ積極的に関わっているか?” に焦点がある。
オウンドメディアを利用することで、顧客やユーザーのエンゲージメントを促進できる。
たとえば、「オウンドメディアに興味を惹かれる記事が投稿され、アクセスしてそれを読む」という行動も、エンゲージメントの一種である。
エンゲージメントが高まると、なぜ好ましいのか。その理由は、顧客を次のステージへいざなうフックとなるからだ。
例として、[見込み客]であれば、オウンドメディアを通じて関わり合いを深めるなかで購買意向が醸成され、顧客化することが考えられる。[既存顧客]のステージに進む、ということだ。
4つめの効果は「顧客ロイヤルティの強化」である。
オウンドメディアは、リード獲得や見込み客の顧客化に注目が集まりがちだが、「既存顧客」に対する効果も見逃せない。
継続的に価値あるコンテンツを提供することで、顧客のロイヤルティを強化できる。
ロイヤルティ(loyalty)は忠誠心という意味で、顧客が特定のブランド・企業を贔屓にしたり、ファンになったりして、長期にわたって忠実である状態を指す。
前出の“エンゲージメント”が短期的な関与を示すのに対し、“ロイヤルティ”は長期的な信頼や愛着を表する。
たとえば、定期的に役立つ情報を発信したり、楽しんでもらえるコンテンツを提供することで、顧客との長期的な関係を築くことができる。これは、リピート購入や口コミの促進につながる。
5つめの効果は「業界プレゼンスの確立」である。
ここでいうプレゼンスとは、“存在感、影響力” といった意味合いで捉えてほしい。
たとえば、私たち(株式会社ルーシー)は、コンテンツマーケティング業界やSEO業界において、顕著なプレゼンスを築いている。
この存在感の源泉は、弊社が運営するオウンドメディア「バズ部」である(今お読みいただいているメディアだ)。
出典:バズ部
このように、オウンドメディアは、業界内でのプレゼンスを確立するのに役立つ。業界の最新動向や先進的な見解を提供することで、自社を業界のリーダーとして位置づけられる。
業界リーダーのポジショニングを獲得する恩恵は、計り知れない。それだけで、長期的な競争優位が築かれるし、自社の商品・サービスに対する信頼と関心を高めることが可能だ。
存在感と影響力を身につけ、「勝ちやすい環境」を作るために、オウンドメディアの効果を利用しよう。
ここまでの話をまとめておくと、オウンドメディアには次の5つの主要な効果がある。
次に、オウンドメディアの効果を、より具体的にイメージできるよう、実例をみていこう。
以下3つの事例をご紹介する。
出典:みんチャレブログ
専門家監修のもとに作成された習慣化アプリ『みんチャレ』を展開する、エーテンラボ株式会社のオウンドメディア「みんチャレブログ」は、本格稼働から8ヶ月で月間140万PVを達成している。
この圧倒的な集客効果はさることながら、ここで強調してお伝えしたいことは別にある。
先ほど、PESOモデルを用いて、メディアの相互作用や、リード獲得の受け皿の重要性を解説した。
みんチャレは、NHKの朝の情報番組「あさイチ」で取り上げられている。以下は、その際の同社代表取締役CEO・長坂氏の言葉だ。
あさイチで取り上げられた日だけで、数万ほどのユーザーがアプリをダウンロードをしてくれたのです。
通常であれば、1ヶ月分のダウンロード数です。
もしオウンドメディアを運営していなければ、テレビを見て興味を持ったユーザーに対して自社アプリの情報を提供できず、今回のような数万ダウンロードという成果も、実現できていなかったでしょう。
「オウンドメディア」という着地点を用意しておくことによって、テレビ出演の効果を最大限、享受することができたのです。
みんチャレは、露出拡大のチャンスにしっかりとオウンドメディアを運営していた。だから、そのチャンスを成果に転換できた。
あなたの会社の商品・サービスも、いつ、SNSや他メディアで爆発的な露出を獲得するかわからない。そのとき、効果を最大化するために働くのがオウンドメディアだ。
出典:ホームセレクト
仙台市の不動産会社ホームセレクトのオウンドメディア(不動産売却コラム)は、本格的な取り組みから19ヶ月で、ページビュー数が13倍となり、50万PVを突破している。
単なるアクセス数に比例した問い合わせ数の伸びではなく、オウンドメディアならではのエンゲージメントやロイヤルティに対する効果が発現しているのが特徴的だ。
以下は、同社・佐々木氏のコメントである。
記事内でしっかりとユーザーニーズに全て答えることで、問い合わせに繋がりやすくなるだけでなく、記事を読んだお客様とはWebで信頼関係ができていることもあり、より安心して任せていただくこともありました。
オウンドメディアは、ただ接触の機会を作るだけでなく、「信頼関係」を作る役割を担う。これが、どれだけビジネスにとって効果的かは、いうまでもないだろう。
出典:スプリックス教育通信
教育事業を展開する株式会社スプリックスの「スプリックス教育通信」は、立ち上げから7ヶ月で月間22万PVまで伸長したオウンドメディアである。
記事本数が30〜40本台の初期段階から効果が出ており、プロジェクト戦略の巧みさが際立つ。
加えて注目したいのが、上記のような目に見える成果とはまたは別に、明らかな「業界プレゼンスの向上」を示すエピソードだ。
以下は同社執行役員・鵜沢氏の言葉である。
社外で「スプリックスさんの記事を見ました!」と言われることが増えました。
もちろん、保護者や一般の方からのお問い合わせもあります。同時に、弊社では、個人向けの学習塾も行っていますが、企業向けの事業も行っています。
企業の担当者と商談を行う際に「スプリックスさんの記事を見て…」という会話のきっかけになることもあるようです。まさか、このような効果もあるのかと驚きましたが、いろんな形で効果が出るんだと実感しました。
ひと昔前なら、業界で存在感や影響力を持つためには、業界団体への加入や交流会、会食といったオフライン活動がメインだった。
しかし現代では、オウンドメディアの存在が大きな変化をもたらしている。オウンドメディアは、自社のメッセージや価値観を、広範囲に伝えることができる。
自分たちでは気付いていない部分にまで、オウンドメディアの効果は波及しているのだ。
※さらに実例を確認したい方は、コンテンツマーケティング成功事例集 へアクセスしてほしい。
続いて、「オウンドメディアの効果を、どう測定するか?」の話をしていこう。
オウンドメディアの成果を測定するためには、戦略的なアプローチが必要だ。見えやすい指標と見えにくい指標を理解し、適切なKPIを設定する。
以下、具体的なポイントを絞って解説する。
まず、オウンドメディアの効果には、見えやすい指標と見えにくい指標の2つが存在することを、明確に認識してほしい。
この認識がないと、見えやすい指標に固執し、見えにくい指標を軽視してしまうからだ。
見えやすい指標には、ページビューやセッション数、ユーザーの滞在時間などがある。一方、見えにくい指標には、ブランド認知度の変化や顧客ロイヤルティなどが含まれる。
両者をバランスよく捉え、総合的な効果を測定することが求められる。
以下のポストも参考に確認してほしい。
多くの人が見落としがちですが、コンテンツの良し悪しを判断する指標には「見えやすい指標」と「見えにくい指標」があります。
見やすい指標ばかり追っていると、気がつくとビジネス上の大きな損失に気づかないことがあります。… pic.twitter.com/dylYqgegpg
— 松澤 大輔|バズ部コンサル責任者 (@mtzw_bazubu) October 12, 2023
オウンドメディアの効果を測定するためには、具体的かつ実現可能なKPI(重要業績評価指標)の設定が不可欠である。
ただ、どのようなKPIを設定すべきか?については、“あなたのオウンドメディアが今、どのフェーズにあるか”によって変わる。
私たちバズ部では、フェーズごとに追いかけるKPIを変動させるべきと考えているのだ。
出典:効率的に最大の成果を出すためのコンテンツマーケティングのKPI設計
時系列順に記載すると、以下のとおりだ。
それぞれの詳細は「効率的に最大の成果を出すためのコンテンツマーケティングのKPI設計」にて解説しているので、参照してほしい。
最後に、オウンドメディアの効果を最大化するコツについて、お伝えしよう。オウンドメディアの成功は、以下の要素に依存する。
1つめの要素は「コンテンツの質」である。
オウンドメディアの核となるのは、コンテンツの質だ。
高品質なコンテンツは、ユーザーの関心を引き、エンゲージメントを促進する。たとえば、専門的な知識や独自の視点を提供する記事は、ユーザーに価値を提供し、企業・ブランドへの信頼を構築する。
「具体的に、コンテンツの質を高めるために、何をすれば教えてほしい」
というリクエストには、“まず、低品質コンテンツを作らないこと” と答えたい。
最初の一歩としては、上記の低品質コンテンツを避けてほしい。そのうえで、良質なコンテンツづくりへと歩みを進めていこう。
2つめの要素は「ターゲット設定の精度」である。
ターゲット設定の精度は、オウンドメディアの成果に直接影響を与える。適切なターゲット層を特定し、興味やニーズに合わせたコンテンツを提供することが重要だ。
たとえば、特定の悩みに焦点を当てた深い記事や、特定の顧客層に響くストーリーテリング(*2)を用いることで、より効果の高いコンテンツを創出できる。
*2:ストーリーテリングとは、物語を話して聞かせること。コンテンツマーケティングの文脈では、ストーリーの力を活用して人の心に響くコンテンツを作ることをいう。詳しくは「まだ誤解されがちなストーリーテリング|その本質と実践のコツとは」を参照のこと。
精度の高いターゲットを設定するためのツールとして使用してほしいのが、「ペルソナ」である。
バズ部では、ペルソナ設定の重要性を繰り返しお伝えしている。
“完成したペルソナそのもの” の活用性はもちろん高いのだが、それ以上に、ペルソナを作る過程に価値があるからだ。
ペルソナを描くためにデータを確認したり分析したりする過程で、ユーザー理解が深まり、
「コンテンツを届ける相手は、誰なのか?」
が明確になる。
ペルソナ設定の手順は以下のとおりだ。
詳しく下記記事を参照のうえ、取り組んでほしい。
3つめの要素は「CTAの質」である。
CTA(Call To Action)は直訳すれば “行動を促す呼びかけ” となり、一般的には「行動喚起」の訳語が使われている。
その名のとおり、ユーザーに具体的なアクションを促すのがCTAだ。集めたアクセスを、ビジネス成果にきっちり転換したいなら、非常に重要となる。
CTAに関しては、「コンテンツマーケティングで頻繁に起きる18の無駄とは?効率化するポイント」のNo.8〜10の無駄で取り上げている。
参考にしながら、CTAの質向上に努めてほしい。
4つめの要素は「SEOのパフォーマンス」である。
SEOは、より多くのユーザーにコンテンツを届けるための手段である。
SEOで良好なパフォーマンスが出ているオウンドメディアは、効果が倍増していく。雪だるま式に増える複利効果といってもよいだろう。
その理由として、近年のSEOでは「コンテンツの質」や「エンゲージメント」が重視されていることが挙げられる。
SEOに本気で取り組んでいるオウンドメディアは、結果としてコンテンツの質やエンゲージメントが上昇する。よって、ロケットのように、ポーンと売上が飛ぶことがあるのだ。
幸い、私たちはSEOのテクニックを、かなり体系化できている。きちんと学んで実行すれば、効果を出しやすい。
以下に、参考になる記事をリンクするので、読み進めながら取り組みを進めてほしい。
本記事では「オウンドメディアの効果」をテーマに解説した。要点をまとめておこう。
オウンドメディアに期待できる効果の5種類として、以下を解説した。
オウンドメディア効果の実例紹介として、以下を紹介した。
オウンドメディア効果測定のポイントは次のとおりだ。
オウンドメディアの効果を最大化する4つの要素として、以下を意識してほしい。
なお、これからオウンドメディアの立ち上げや改善に取り組みたい方に有益な記事を以下にまとめた。必要に応じて、読み進めてほしい。
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