オーガニック検索とは?基本の意味とGoogle Analyticsの分析ポイント

「オーガニック検索」とは、Googleなどの検索エンジンで実行される検索のうち、自然なプロセスで生成された検索を指す。

簡単にいえば、“検索エンジンで行われる、通常の検索”のことだが、広告の影響を受けている検索(ペイド検索)と区別するために、オーガニック検索という呼び方をする。

Google Analyticsをはじめとするツールでサイト分析をする際に、「オーガニック検索」の用語と接することが多いだろう。

この記事では、以下を解説する。

オーガニック検索の基本的な意味
Google Analyticsでオーガニック検索を分析するポイント
オーガニック検索からのアクセス数を増やすヒント

「オーガニック検索って何?」という疑問が解決するとともに、その先の一歩として知っておきたい情報もインプットできる。さっそく見ていこう。

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1. オーガニック検索とは?基本の知識

まずは「オーガニック検索」とは何か、基本的な知識から押さえておこう。

1-1. 広告に影響されない検索(純粋にアルゴリズムのみで生成)

「オーガニック検索(Organic Search)」は、日本語では「自然検索」と訳される。

検索エンジンが提供する検索結果のうち、有料広告に基づくものではなく、検索エンジンのアルゴリズムに基づいた検索を、オーガニック検索という。

たとえば、以下は[バズ部]で検索した検索結果ページだ。

オーガニック検索の例

オーガニック検索は、検索クエリ(ユーザーが入力した語句)とコンテンツの関連性に基づいて、生成される。

具体的には、コンテンツの内容や品質、サイト構造、被リンクの数や質など、さまざまな要素を考慮するアルゴリズムによって、決定される。

1-2. オーガニック検索の対義語は「ペイド検索」

「オーガニック検索」の用語は、広告による検索と区別する意図で使われることが多い。

オーガニック検索の対義語(広告による検索)は、「ペイド検索(Paid Search)」という呼び方をする。

オーガニック検索とペイド検索の違い

ペイド検索は、検索エンジンが提供する有料の広告サービスを利用して、検索結果ページに広告を掲載する仕組みだ。

代表的なのが「リスティング広告」である。リスティング広告とは、特定キーワードの検索結果ページに、広告を表示させるものだ。

オーガニック検索の上部あるいは下部などに、【広告】の表記が付いたテキストが表示されていたら、それがリスティング広告である。

ペイド検索のリスティング広告

1-3. オーガニック検索とペイド検索の違い

オーガニック検索とペイド検索の違いを、まとめておこう。

オーガニック検索

ペイド検索

概要

検索エンジンのアルゴリズムに基づいた自然な検索

有料の広告によって検索結果に表示される

広告出稿によるコントロール

×できない

◎できる

リンク先URLや説明文の指定

×できない

◎できる

無料での掲載

◎できる

×できない

上位表示にかかる労力

×多い

△少ない

ユーザーの信頼度

◎高い

△低い


情報をご覧いただくとわかるとおり、オーガニック検索とペイド検索は、一長一短である。

「オーガニック検索とペイド検索、どちらが優れているか?」

の解はない。目的や状況によって変わる。

よって、多くのWebサイトは、片方を選ぶのではなく、両方を組み合わせて実施している。

オーガニック検索・ペイド検索の施策を組み合わせながら、包括的に全体成果の拡大を目指す手法として、「SEMマーケティング」がある。

詳しく知りたい方は「SEMとは?検索エンジンマーケティングの意味とSEOとの違い」に目を通してほしい。

1-4. SEOの主目的は「オーガニック検索」の拡大

以上、まずは「オーガニック検索」の基本的な意味を解説した。

すでにSEOに取り組んでいる方なら、よくご存じのとおり、SEO(検索エンジン最適化)の主目的は「オーガニック検索を経由したトラフィックを拡大すること」である。

SEO=オーガニック検索からのトラフィックを増やす試み

よって、SEOの取り組みでは、自サイトのオーガニック検索の動向をつかみ、適切に対処していくことが重要となる。

次章では、具体的にどの指標を・どう見ていけばよいのか、解説しよう。


2. Google Analyticsで見るオーガニック検索

自サイトのオーガニック検索の状況を確認するためには、まず「Google Analytics」を確認するとよい。

Googleアナリティクス

2-1. 前準備:Google Analytics

ここからの解説は、Google Analyticsを知らないと意味がわからなくなるので、前準備が必要だ。

まだGoogle Analyticsを導入していない場合は、以下の記事から目を通してほしい。

Google Analyticsは、サイト運営に不可欠なツールである。

Google Analyticsを使用すると、サイトのアクセス解析やユーザー行動データの収集ができ、サイト運営に重要な洞察が得られる。

ちなみに「GA4」は、「Google Analytics 4」の略だ。

「Google Analytics 4」は、2020年10月にリリースされた第4世代のGoogle Analyticsを指し、現時点での最新バージョンである。

現在は旧バージョンも利用できるが、旧バージョンは2023年7月1日より計測できなくなる。これから導入するなら、かならずGA4を選択しよう。

参考:次世代のアナリティクスである Google アナリティクス 4(GA4)のご紹介 アナリティクス ヘルプ

2-2. GA4のデフォルト チャネル グループ

GA4を導入できたら、続きを読み進めてほしい。

GA4の管理画面で、[レポート]>[集客]>[トラフィック獲得]へ移動すると、トラフィックがチャネルグループ別に表示される。

この中に「Organic Search(オーガニック検索)」がある。

organic searchが表示される

各項目が示しているものは、「[GA4] デフォルト チャネル グループ アナリティクス ヘルプ」にてリストを確認できる。

主要なものを抜粋して、以下に記載した。

チャネル

概要

Organic Search

有料広告ではない検索結果ページからのアクセス

  • 通常の検索結果ページからクリックされたアクセス

Paid Search

有料広告による検索結果ページからのアクセス

  • リスティング広告

Direct

直接のアクセス

  • URLの打ち込み
  • ブックマーク

Referral

特定のサイトからのアクセス

  • 被リンク

Display

有料ディスプレイ広告からのアクセス

  • Google Ads(Google広告)

Organic Social

有料広告ではないソーシャルサイトからのアクセス

  • Twitterのオーガニック(非広告)ツイート

Paid Social

有料広告のソーシャルサイトからのアクセス

  • Twitterのプロモーション(広告)ツイート

Email

メールからのアクセス

  • メールマガジン

Unassigned

一致するルールがない


まずは、これらのチャネルがあることを知ること、次に自サイトの各チャネルの数値がどうなっているか、状況を分析することから始めよう。

見るべきポイントは、続けて解説する。


3. 自サイトのオーガニック検索を分析する3つのポイント

自サイトのオーガニック検索を分析するときは、以下の3つのポイントから見ていこう。

割合を見る
トレンドを見る
検索キーワードを見る

    3-1. 割合を見る

    割合を見る

    1つめは「割合」である。

    全体のトラフィックに対して、オーガニック検索の割合は何%か、算出してみよう。

    「何割なら良いのか?(悪いのか?)」

    という目安が知りたいところかもしれない。

    それぞれのサイトの特性やターゲット、他の集客施策によってケースバイケースのため、一概にはいえない。

    その前提のうえでだが、サイト解析ツールで有名なSimilarwebの2021年12月の記事によれば、

    〈過去3ヶ月の全業界におけるトラフィックのうち、オーガニック検索は約14%〉

    だという。

    自サイトの割合は、どうだろうか。確認してみよう。

    3-2. トレンドを見る

    トレンドを見る

    2つめは「トレンド」である。

    一定期間のオーガニック検索の数について、パターンや傾向を確認する。

    まずは簡単に、

    「現時点まで、減ってきているのか?増えてきているのか?」

    を把握しよう。

    そのうえで、何か特定のイベントのときに増える(減る)、ある転換点から増えだした(減りだした)など、データの傾向とパターン、およびそれが何を意味するのか?について考察する。

    グラフにして視覚化すると、有効な発見をしやすい。

    必要に応じて、ExcelやGoogleスプレッドシートなど、使い慣れたツールにデータをインポートして、さまざまな切り口で眺めてみよう。

    3-3. 検索キーワードを見る

    検索キーワードを見る

    3つめは「検索キーワード」である。

    どんなキーワードでオーガニック検索されているのかを調べることで、より具体的に自サイトの状況を把握できる。

    オーガニック検索のキーワードは、「Google Search Console(サーチコンソール)」から確認できるが、GA4とSearch Consoleを連携させると、GA4の管理画面上からも確認できるようになる。

    Search ConsoleとGA4の連携については、先に紹介した「GA4(Google Analytics4)の基本|導入方法・見方・最初の設定を解説」内の「5-6. Googleサーチコンソールと連携しておこう」を参照してほしい。

    ※「Google Search Console(サーチコンソール)って何?」という方は、「Google Search Consoleとは?初心者向けにキャプチャ付で解説」をチェックしておこう。

    GA4とSearch Consoleを連携し、左下の[管理(歯車マーク)]>[ライブラリ]に移動すると、Search Consoleのデータを参照できるようになっている。

    Googleアナリティクス

    [クエリ]をクリックすると、オーガニック検索のキーワードが表示される。

    オーガニック検索キーワード


    4. オーガニック検索からのアクセス数を増やす方法

    Google Analyticsでの分析結果をもとに、どんなアクションをして、アクセス数の増加に結び付けていけばよいだろうか。

    3つのアプローチを紹介しよう。

    どの程度の割合を目指すか目標を決める
    勝因(あるいは敗因)を明確にする
    強いところを伸ばし弱いところを手当てする

    4-1. どの程度の割合を目指すか目標を決める

    まず、どの程度の割合(または数値)を目指すか、目標を決めよう。

    「全体トラフィックの50%を、オーガニック検索から獲得したい」

    と考えるのか、あるいは、

    「80%はペイド検索から獲得するので、残りの20%をオーガニック検索で確保したい」

    と考えるのかによって、予算やリソースの配分が変わってくるからだ。

    目標を描いてみて、その目標から現状が遠い場合、今までと同じやり方をしていても、目標に到達するのは難しい。

    戦略・戦術・行動を見直し、調整し、新しいアプローチを試すことで、現状を突破する必要がある。

    そのためのヒントが詰まったコンテンツを2つ紹介するので、じっくりと目を通してほしい。

    4-2. 勝因(または敗因)を明確にする

    トレンド分析によって、

    「オーガニック検索からのアクセスが伸びている(あるいは落ちている)」

    という傾向がつかめたら、その理由は何か?を特定しよう。

    勝因(または敗因)を理解することで、今後どのように前進すべきか?が見えてくる。

    たとえば、あなたのサイトで、最もオーガニック検索のアクセス数が多いページはどれだろうか。

    そのページの勝因を分析しよう。チームでディスカッションできると、なおよい。

    次に、最もオーガニック検索のアクセス数が少ないページをピックアップしよう。そのページの敗因を分析する。

    誰もが、今すぐにできる簡単なことだ。しかし、これをやっている人は少ない。やるか・やらないかで、道が分かれていく。

    4-3. 強いところを伸ばし弱いところを手当てする

    勝因・敗因の分析を繰り返し行っていくと、自サイトと、それを運営するチームの強いところ・弱いところが見えてくるはずだ。

    強いところは、どんどん伸ばしていこう。

    一方、弱いところは改善する努力をするというよりも、まずはアウトソーシングやツール導入などで物理的に手当てすることを考える。

    というのは、そうしないと時間が足りないからだ。

    あなたがWebサイト運営を生業としているなら別だが、多くの場合、Webサイトは本業をアシストするためのツールである。

    たとえば、SEOに労力をかけているのにうまくいかないなら、センスのあるSEO会社に丸投げするのもアリだ。

    WordPressのデザインがうまくいかないなら、完成品のテンプレートを利用したほうが早い(例:Xeory-無料WordPressテーマ など)。

    「使えるモノはできるだけ使って、効率的に弱点をつぶしていく」

    という視点で、最適解を探っていこう。


    5. オーガニック検索の強化に取り組むヒント

    最後に、オーガニック検索の強化に取り組むヒントを2つ、お伝えしよう。

    全体的な利益を考慮して手法を組み合わせる
    SEOは最低限のテクニックと最大限のコンテンツ

    5-1. 全体的な利益を考慮して手法を組み合わせる

    「ビジネスの収益性」に焦点を当てて考えるなら、オーガニック検索偏重のサイト運営が、いつも正解とは限らない。

    オーガニック検索からやってくるユーザーは、顧客化するまでに時間がかかることもある。

    Google Analyticsでは、収益性も含めてアクセス解析ができる。全体的な利益を考慮して、手法を組み合わせていこう。

    分析する際には、「Insights」のアイコンから移動できる分析情報を活用したい。

    Googleアナリティク

    たとえば、

    「オーガニック検索からのユーザー収益と有料検索からのユーザー収益の比較」

    など、知りたいことがワンクリックで調べられる。

    5-2. SEOは最低限のテクニックと最大限のコンテンツ

    本記事では、アクセス解析の過程で「オーガニック検索」という用語と出会ったビギナー運営者の方にも理解しやすいように、分析からのアプローチでオーガニック検索について解説した。

    一方、シンプルに本質をいえば、

    「オーガニック検索を増やす=SEOそのもの」

    である。

    SEOに必要なことは、究極的には次の2つしかない。

    Googleの挙動やルールに合わせるための最低限のテクニック
    ユーザーにとって価値のある最大限のコンテンツ

    それぞれ深く知るためにおすすめの記事を以下に紹介するので、ぜひ続けて読み込んでほしい。

    ▼ 最低限のテクニックを知る


    ▼ 最大限のコンテンツを知る


    6. まとめ

    本記事では「オーガニック検索」をテーマに解説した。要点を簡単にまとめておこう。

    オーガニック検索の基本として押さえたいポイントは、次のとおりだ。

    オーガニック検索とは、純粋にアルゴリズムのみで生成された、広告に影響されない自然検索のこと
    オーガニック検索の対義語は「ペイド検索」(広告による有料検索)

    自サイトのオーガニック検索を分析するときは、以下のポイントを押さえよう。

    割合を見る
    トレンドを見る
    検索キーワードを見る

    オーガニック検索からのアクセス数を増やす方法として、以下を紹介した。

    どの程度の割合を目指すか目標を決める
    勝因(または敗因)を明確にする
    強いところを伸ばし弱いところを手当てする

    オーガニック検索の強化に取り組む際には、次のことを意識してほしい。

    全体的な利益を考慮して手法を組み合わせる
    SEOは最低限のテクニックと最大限のコンテンツ

    オーガニック検索が増えていくことは、確実にサイトが育っている指標となる。日頃から数値を確認し分析することを習慣にしながら、サイト運営に取り組んでいこう。

    カテゴリー SEO

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