Web集客の成功ガイド─効果的な手法から戦略立案・PDCAの実践まで

「Web集客がうまくいかない。売上につながらない。何をすればいいのだろうか」

このような悩みを抱えている担当者は、少なくないだろう。

現代において、“Web集客 = ビジネス成果” といっても過言ではないほど、両者の関係性は緊密である。それだけに、効果的な手法を見つけられないと、競合に大きく後れを取るリスクがある。

そこで本記事では、Web集客の多角的な側面に焦点を当てつつ、全網羅的に最適な手法を学べるガイドを作成した。

SEO、SNSマーケティング、コンテンツマーケティングからオンライン広告まで、どのような選択肢があるのか解説する。

Web集客の種類目的
❶ SEO(検索エンジン最適化)長期的な集客

❷ SNSマーケティング

ブランド形成とエンゲージメント
❸ コンテンツマーケティング信頼と権威の構築
❹ オンライン広告短期的な成果とターゲティング
❺ メールマーケティングリピートビジネスと顧客ロイヤルティ
❻ アフェリエイトマーケティングパートナーシップによる集客
❼ インフルエンサーマーケティンング信頼性の高い推薦
❽ リターゲティング過去の訪問者への再接触

さらに、戦略の立て方、PDCAの回し方といった “実務に直結する情報” を掲載しているので、参考にしてほしい。深い理解と実践によって、集客数と売上を大幅に増やせるだろう。

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1. 効果的なWeb集客の手法 8つの種類

Web集客には、多様な手法が存在し、それぞれに特有の目的と効果がある。まずは冒頭で紹介した8つの手法について、1つずつ順番に見ていこう。

1-1. SEO(検索エンジン最適化)

SEO(検索エンジン最適化)

1つめは「SEO(検索エンジン最適化)」である。

SEOとは、検索エンジンの仕組みに対し、自サイトが最も効果的にアピールするよう調整することによって、検索結果ページの上位表示を目指す取り組みだ。

Googleなどの検索エンジンの仕組みに合わせて自サイトを改良し検索結果ページの上位に、自サイトをより多く表示させることを目指す

参考:【2023年最新】SEO対策とは?初心者が自分でできる基本対策をわかりやすく解説

SEOの強みとして、「長期的な集客」が挙げられる。

SEOがうまくいくと、数ヶ月〜数年以上にわたって、検索エンジンからの自然流入によるアクセスが維持され続ける、ということだ。

1-1-1. SEOとは何をすること?

SEO

具体的に、SEOとは何をすることなのか?といえば、その実践は大きく3つに分けられる。

  • オンページSEO:自サイト内で行うSEO施策。メタタグの設定や内部リンクなどを行い、検索エンジンがサイトを理解しやすいようにする。キーワードリサーチやコンテンツ最適化によって、ユーザーに価値を提供し、検索エンジンからの評価を高める。
  • オフページSEO:自サイト外で行うSEO施策。バックリンク(被リンク)や、ソーシャルシグナル(SNS上の関心度、人気度)の強化を通じて、サイトの信頼性や権威性を高める。ゲストポスト(寄稿)を活用することもある。
  • テクニカルSEO:サイトスピードの最適化やモバイルフレンドリーな設計を行い、ユーザー体験を向上させる。ユーザー体験は検索エンジンの評価指標のひとつであり、ユーザー体験の向上がSEO効果につながる。

実践内容は多岐にわたるが、それぞれが交互に関連している。多角的な視点を持って取り組むことが大切だ。

1-1-2. SEOのメリットとデメリット

Web集客の手法としてSEOを捉えたとき、メリットとデメリットは、以下のとおりだ。

メリット

  • 持続性:一度、検索上位を獲得すれば、数ヶ月〜1年以上の長期にわたって効果が持続することが多い。
  • 信頼性:検索エンジンで上位表示されることで、企業やサービスへの信頼が高まる。近年、Googleは信頼性の低いサイトを排除するよう努めているため、多くのユーザーは「検索上位 = 信頼性が高い」と認識している。
  • コスト効率:広告費が不要で、長期間にわたり低コストで集客できる。極論をいえば、コストゼロでの運用も不可能ではない。

デメリット

  • 時間がかかる:効果を実感するまでに、一定期間が必要となる。前述のとおり、効果が出れば持続しやすい反面、効果が出るまでに数ヶ月〜1年以上の期間を要するケースも珍しくない。
  • 専門知識が必要:SEOは、“検索エンジンのアルゴリズムに適合させる”という特性上、特殊な知識や技術が必要な側面が強い。

まとめると、SEOは持続的な効果やコスト効率が魅力であるが、その成果を実感するまでには期間と専門知識が必要だ。このバランスを理解したうえで戦略を練ることが、成功のカギとなる。

1-1-3. SEOがおすすめなケース

SEOはどのような企業やサイトにおすすめなのか?については、以下を参考にしてほしい。

  • オウンドメディアを運営しているオウンドメディアを運営している場合、その効果を最大化するためにSEOは基本戦略となる。
  • 長期的な成長戦略を採用している:SEOは、長期間にわたる成長とブランド構築に貢献する。この観点から、将来にわたって安定した成長を目指す企業にマッチする。
  • コンテンツが豊富:SEOは質の高いコンテンツと相乗効果を生み出す(後述のコンテンツマーケティングも参照)。コンテンツが豊富にあれば、SEOでその価値を最大化できる。
  • ブランドイメージと信頼性を向上させたい:検索エンジンでの高い評価は、ユーザーからの信頼をもたらす。ブランドの信頼性と権威性を築きたいときに適している。
  • 地域にフォーカスしたビジネスモデルローカルSEO(地域に特化したSEO戦略)により、地域での認知度と集客が向上する。特定地域での影響力を高めたい店舗などに有効である。

SEOによるWeb集客に興味のある方は、続けて以下の記事をお読みいただくと、理解が深まるだろう。

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1-2. SNSマーケティング

SNSマーケティング

2つめは「SNSマーケティング」である。

SNSマーケティングとは、SNSを活用してブランドの認知度を高め、顧客との関係を深化させる手法である。

SNSマーケティングの強みは「ブランド形成とエンゲージメント」だ。

SNSでのメッセージやビジュアル要素を通じて、ブランドの世界観を構築したり、自社のキャラクターを伝えたりできる。

と同時に、ユーザーとの双方向のコミュニケーションは、エンゲージメント(絆、つながり)を強める効果がある。

1-2-1. SNSマーケティングとは何をすること?

SNSマーケティングとは

SNSマーケティングでは、まずターゲットとするユーザー層を分析し、好相性のプラットフォーム(X、Instagram、TikTokなど)を選ぶ。

次に、公式アカウントを開設し、コンテンツ戦略を策定して実行する。具体的には、投稿の種類(画像、動画、記事等)、投稿頻度、キャンペーンの実施、ユーザー生成コンテンツ(UGC)などだ。

これらの取り組みによって、ブランド認知度の向上や、ポジティブなブランドイメージの醸成を目指す。

同時に、SNSマーケティングで重要となるのが “コミュニケーション戦略” だ。SNS上で、ユーザーとどのようなトーン、スタンスでやり取りするか決めて実行する。

SNSならではのインタラクティブ(双方向的)なやり取りが、エンゲージメント(つながりや絆の関係性)を深め、潜在的な顧客層の顧客化が促進されていく。

1-2-2. SNSマーケティングのメリットとデメリット

SNSマーケティングのメリットとデメリットは、以下のとおりだ。

メリット

  • ブランドイメージ強化:InstagramやTikTokなどで展開されるビジュアルコンテンツは、ブランドの世界観や価値観を視覚的に表現し、印象付けるために有効である。
  • 深いエンゲージメント:顧客がSNS上のメッセージに反応し、双方向的なやり取りを続けることで、顧客との深い関係性が生まれる。
  • 即時性:リアルタイムな情報発信は、顧客の要望や市場の変動に、スピーディに対応する手段となる。
  • 広範なリーチ:多くの人々がSNSを利用しているため、広範な顧客層にアプローチできる。

デメリット

  • 時間と労力:効果的なSNSマーケティングには、定期的な投稿、コンテンツの品質管理、戦略の見直し、分析といった多くの作業が必要となる。リソースが限られている企業にとっては、負担が大きい。
  • リスク管理:誤った情報や不適切な投稿が拡散するリスクがある。対応を誤るとブランドイメージを毀損するリスクがある。実際、そのようなネガティブな結果になった企業・ブランドは、数多くある。
  • ROIの不確実性:SNSマーケティングの投資対効果(ROI)は一概には測定しきれない場合が多い。とくに、短期間での効果を期待するのは難しい。

まとめると、SNSマーケティングは「認知」「関係づくり」といった、目には見えないが売上にとって重要なファクターに強く働きかける。

一方で「炎上リスク」をはじめとした危機管理や、負荷の大きさ、成果の不確実性といったマイナス面にも考慮せねばならない。

1-2-3. SNSマーケティングがおすすめなケース

SNSマーケティングによるWeb集客がおすすめなケースとして、以下が挙げられる。

  • ブランドイメージを重視する:ブランドイメージを重視する企業・ブランドの場合、SNS上の自他コンテンツを放置せず、SNSマーケティングを通じて意図的にマネジメントする試みが有用である。
  • 顧客との距離感を縮めたい:SNSは顧客と直接対話ができる場である。質問へ即座に答える、フィードバックを受け取るといったやり取りを積極的に望む場合、SNSマーケティングと相性がよい。
  • リアルタイム性を重視する:情報鮮度が重要な商材や、環境の変化が目まぐるしい市場など、スピーディな対応そのものが成功ファクターとなっている場合、SNSマーケティングは武器となる。
  • SNS運用のリスク管理に自信がある:SNSマーケティングでは「炎上」を正しく恐れるべきである。リスク管理に対して一定の知見があり、自信がある企業にとって、SNSマーケティングは強みとなる。

以上のとおり、SNSマーケティングは、ブランド形成と顧客エンゲージメントを同時に高めたいケースに適している。

詳しくは、以下の記事も参考にしてみてほしい。

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1-3. コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティング

3つめは「コンテンツマーケティング」である。

コンテンツマーケティングとは、ユーザーに対して価値ある情報を提供し、その結果として、購買行動や顧客ロイヤルティを促進する手法である。

コンテンツマーケティングの基本概念

出典:コンテンツマーケティングとは?|広告費ゼロで10倍の売上を達成した手法

コンテンツマーケティングが得意とするのは「信頼と権威の構築」である。

例を挙げると、優れたコンテンツマーケティングに触れたユーザーは、次のように感じるだろう。

  • 「こんなに役立つ情報を、無料公開してくれるなんて、誠実な会社だ」
  • 「非常に専門的な内容だ!これだけ専門性が高いなら、ウチも仕事を依頼したい」
  • 「業界の権威といえば、この会社だ。業界を統括した高レベルなレポートが参考になる」

良質なコンテンツを公開することは、このように信頼性や権威性を高める効果がある。

1-3-1. コンテンツマーケティングとは何をすること?

コンテンツマーケティングとは

最も一般的なコンテンツマーケティングの実践方法は、自社で運営するサイト(オウンドメディア)を立ち上げ、そのサイト上へコンテンツを公開することである。

価値を届けたい相手(潜在顧客や見込顧客)を分析し、ニーズに合致するトピックを抽出して、コンテンツを制作する。たとえば、ハウツー記事、悩みの解決方法、研究レポートなどだ。

制作したコンテンツには、SEO対策を施したり、SNSでシェアしたりすることで、より多くの人々に届くように活動する。

1-3-2. コンテンツマーケティングのメリットとデメリット

コンテンツマーケティングのメリットとデメリットは、以下のとおりだ。

メリット

  • 信頼性の強化:顧客の悩みや問題解決に寄り添ったコンテンツや、作り手の誠実さ・正直さが伝わるコンテンツを公開すると、信頼性が確立される。信頼は、顧客が購買決定を行う際の重要な要素である。
  • 権威性の構築:研究やケーススタディなど、高度な専門知識を反映したコンテンツを提供することで、業界内での影響力を強め、第一人者としての存在感を強められる。
  • 持続的価値:一度公開されたコンテンツは、長期間にわたって影響を与える可能性がある。良質なコンテンツであれば、SEOと相乗させることによって検索上位に表示され続ける。

デメリット

  • 大量リソースの投資:良質なコンテンツを作成するためには専門的なスキルと、労力・時間が必要である。
  • 効果測定の複雑さ:ROI(投資対効果)の計測が、一般的な広告キャンペーンなどと比較すると難しい側面がある。長期的な効果を、多面的に測るためのスキルが必要である。

まとめると、労力や時間はかかるものの、積み重ねることで、確実性の高いビジネス収益の基盤が構築される。コンテンツマーケティングは、極めて有効なWeb集客手法である。

1-3-3. コンテンツマーケティングがおすすめなケース

コンテンツマーケティングは、多くの企業に取り組んでほしい注目の手法だ。とくに推奨されるケースを以下にピックアップした。

  • 専門性の高さを強みとしたい:業界の権威を志し、リーダーシップを目指す企業・ブランド・個人には、コンテンツマーケティング戦略が最適である。
  • 長期的な顧客エンゲージメントの構築:高額商品やB2Bなど、購買サイクルが長く、顧客との関係構築が長期にわたる商材の場合、コンテンツマーケティングの費用対効果が高まりやすい。
  • 知識ベースのビジネスモデル:情報や知識を商品とするビジネス、あるいはそれらと関連性が高い商材であれば、高品質なコンテンツマーケティングが強力な武器となる。

コンテンツマーケティングでの集客は、SEOと組み合わせて実践することで、持続性が高まりROIの改善が期待できる。以下に目を通して、取り組みを進めていこう。

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1-4. オンライン広告

オンライン広告

4つめは「オンライン広告」である。

オンライン広告を活用するときの主目的は「短期的な成果とターゲティング」である。

※ここでいうオンライン広告とは、以下を含有している。

  • 検索広告(リスティング広告):ユーザーが検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に表示される広告。
  • ディスプレイ広告:ウェブサイトやアプリ内で表示されるビジュアル広告。
  • SNS広告:ソーシャルメディアプラットフォームで表示される広告。
  • 動画広告:YouTubeなどの動画コンテンツと一緒に表示される広告。
  • ネイティブ広告:記事などのコンテンツ中に自然に組み込まれる広告。

オンライン広告は、Web集客手法の中で、即効性が高い。特定のターゲットに対して、効率よく広告を配信できるからだ。

1-4-1. オンライン広告とは何をすること?

オンライン広告とは

オンライン広告でWeb集客する際に、実際に行うことは多岐にわたる。主要なアクションをピックアップすると、以下のとおりだ。

  1. 目標設定
  2. ターゲット分析
  3. 広告媒体の選定
  4. 広告形式の選定
  5. クリエイティブ制作
  6. 予算設定
  7. 効果測定
  8. 改善・最適化

具体的な内容は、どのような広告を選定するかによって、大きく変わる。

まずは目標設定とターゲット分析を行い、その後は、各広告媒体の資料を十分に確認して、準備を進めていく。

たとえば、Google広告の場合は「Google 広告ご利用ガイド」にて概要が解説されている。具体的なイメージをつかむために役立つだろう。

1-4-2. オンライン広告のメリットとデメリット

オンライン広告のメリットとデメリットは、以下のとおりだ。

メリット

  • 即効性:オンライン広告の最大の利点は、短期間での集客が可能であることだ。現代人はインターネット上で多くの時間を過ごしているため、多くの人にすぐ届きやすい。
  • ターゲティング:オンライン広告は、年齢・地域・興味関心・趣味嗜好・行動履歴など、多角的な条件で広告を配信できる。これによりROI(投資対効果)を高めやすい。
  • 測定が容易:オンライン広告の効果はリアルタイムに定量的に計測し、即座の調整が可能である。戦略の微調整が容易なため、これもROIに寄与する。

デメリット

  • コストの負担:オンライン広告のコストを抑える手法はあるが、ゼロにすることはできない。金銭的コストゼロでも実行可能な、SEOやコンテンツマーケティングと大きく異なる点である。
  • 非・持続性:オンライン広告の効果が持続するのは、基本的に広告期間中のみである。広告停止後、効果は即座に減少する。

広告は、「お金」によって、効果の範囲や強さをコントロールしやすい反面、うまくいかないときには、金銭的な損失につながりやすいのが特徴だ。

損失リスクを許容ラインで抑えつつ、成果を狙う姿勢が求められる。

1-4-3. オンライン広告がおすすめなケース

Web集客にオンライン広告がおすすめなケースを見てみよう。

  • 短期間での成果を求める:オンライン広告の即時性は、たとえば新製品のローンチのタイミングで露出の瞬間風速を最大化したいようなケースに向いている。緊急時にも有用で、Google広告などのプラットフォームを使用すると、24時間以内に広告キャンペーンを立ち上げられる。
  • 特定のターゲットに焦点を当てたい:近年のオンライン広告は、高度なセグメンテーションが可能となっている。デモグラフィック属性はもちろん、行動履歴や興味関心など多くのパラメータでのターゲット絞り込みが可能だ。
  • 広告効果を細かく測定したい:オンライン広告は、インプレッション、クリック数、ページビュー、コンバージョン数などを詳細に分析しやすい。定量データによるデータドリブンな戦略設計を重視する場合、オンライン広告はそれを容易にするだろう。

以下に参考記事をリンクするが、前述のとおり、どのオンライン広告を選択するかによって、詳細は大きく異なってくる。それぞれの状況にあわせて、情報収集してほしい。

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1-5. メールマーケティング

メールマーケティング

5つめは「メールマーケティング」である。

メールマーケティングとは、顧客に直接メールを送信することで情報提供し、購買行動を促すWeb集客手法である。この手法はとくに、「リピートビジネスと顧客ロイヤルティの強化」に有効だ。

近年では、Eメールだけでなく、LINEやSNSアカウントのDMを通じたコミュニケーションも増えている。ここでは、それらも含有した広義でのメールマーケティングとして取り上げる。

1-5-1. メールマーケティングとは何をすること?

メールマーケティングとは

メールマーケティングでは、まず顧客データを分析して、メール配信対象者を決める。

具体的には、デモグラフィック(年齢、性別、地域など)、サイコグラフィック(価値観、興味、嗜好など)、行動履歴(購買履歴、サイト訪問回数など)を用いて顧客をセグメント化する。

次に、メールを作成する。以下は一例である。

  • ステップメール:顧客が特定の行動を取った後に自動で送信されるメール。
  • メールマガジン:定期的に送る情報提供型のメール。
  • キャンペーンメール:セールやイベントなど、特定の目的に合わせて一斉送信するメール。
  • パーソナライズメール:顧客の行動や属性に応じて内容をカスタマイズしたメール。

メール配信は、配信プラットフォームを通じて行う。メール配信専用のシステムや、MA・SFA・CRMツールなどが活用されることが多い。どれを使うか、あらかじめ情報収集と比較検討を行う。

配信後は、そのパフォーマンスを分析し、次のアクションに向けて最適化していく。

1-5-2. メールマーケティングのメリットとデメリット

メールマーケティングのメリットとデメリットは、以下のとおりだ。

メリット

  • リピートビジネスへの貢献:既存顧客が再購入する確率は、新規顧客が初めて購入する確率よりも高い。既存顧客から集客することで、高い収益性が期待できる。
  • 顧客ロイヤルティの向上:価値ある情報を提供することで、顧客の信頼と満足度を高める。見込顧客のナーチャリングにも効果を発揮する。
  • コスト効率:既存リストを有効活用すれば、金銭的コストはほぼゼロで、メールマーケティングを実行することも可能だ。

デメリット

  • スパム判定のリスク:不適切な配信手法を用いると、スパムとみなされる可能性がある。結果として、企業・ブランドのイメージや信頼が損なわれるリスクがある。
  • エンゲージメントへの逆効果:内容やタイミングを見誤ると、開封率やクリック率が低くなる。さらに「しつこい」「不快」とみなされれば、将来の機会を喪失する可能性がある。

メールマーケティングは、適切に実施すれば多くのメリットがある一方で、誤ったアプローチは企業にとってリスクをもたらす。そのため、戦略的に取り組む必要がある。

1-5-3. メールマーケティングがおすすめなケース

メールマーケティングがおすすめなケースとしては、以下が挙げられる。

  • 獲得したリード(見込顧客)の連絡先がメールである:メールアドレスを持つ見込顧客に対しては、パーソナライズされたコンテンツを送信することで、購入に至る確率を高められる。
  • 休眠顧客の掘り起こしを実行したい:長らく購入していない顧客には、特別なプロモーションや新製品情報を提供し、再購入を促す。
  • 顧客ロイヤルティの強化:既存顧客に対して、感謝の気持ちを込めたクーポンや、誕生日などの記念日特典を提供する。

社内にメールアドレスのリストがある場合は、有効活用することでWeb集客の効率を高められるだろう。

集客の目的以外に、既存顧客のフォローアップとしても、有効な手法である。

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1-6. アフィリエイトマーケティング

アフェリエイトマーケティング

6つめは「アフィリエイトマーケティング」である。

アフィリエイトは前述のオンライン広告にも分類できるが、ここでは別枠で取り上げる。他の広告とは、少し毛色が異なるからだ。

“affiliate” は「支部、提携」といった意味で、アフィリエイトマーケティングとは、提携した第三者(アフィリエイター)に自社製品を販売してもらい、その対価として報酬を支払うモデルだ。

アフェリエイトマーケティングのサイクル

販売プロセスの一部を、第三者にアウトソーシングする仕組みが、他のオンライン広告と異なる点である。

1-6-1. アフィリエイトマーケティングとは何をすること?

アフェリエイトマーケティングとは

アフィリエイトマーケティングの基本的なアプローチは、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)を介して実施することだ。ASPは企業とアフィリエイターを仲介する役割を担っている。

【主要なASP】

広告主側の準備としては、まずASPを選定して契約する。ASPに対して支払う初期費用や月額の管理費などが生じるので、十分に確認しよう。

次に商材・オファーと、成果報酬をどのようにするか決め、ランディングページを用意する。

あわせて、アフィリエイターに使ってもらうためのバナーや商品画像、紹介文などの素材を準備する。現品を提供することもある。

準備が整って、プログラムがASP上で公開されると、提携を希望するアフィリエイターから申込みがある。広告主は、承認または否認の処理を行う。

実際に販売が始まったら、適宜、効果分析をして、ランディングページや提供素材の改善を行っていく。

1-6-2. アフィリエイトマーケティングのメリットとデメリット

アフィリエイトマーケティングのメリットとデメリットは、以下のとおりだ。

メリット

  • 顧客基盤の拡大:提携したアフィリエイターのフォロワーや顧客が、新たな顧客層となる。たとえば、自社の顧客向けにアフィリエイトプログラムを提供した場合は、親和性の高い見込顧客にリーチできる。
  • 成果報酬が基本:アフィリエイトプログラムの多くは成果報酬型であり、広告費が無駄になるリスクが少ない。
  • 獲得単価のコントロールが容易:成果報酬の金額設定によって新規顧客の獲得単価(CAC)をコントロールできる。CACの高騰リスクがない。

デメリット

  • 広告の品質管理に伴うリスク:提携したアフィリエイターのキャラクターや生成するコンテンツの内容によっては、ブランドイメージが損なわれる可能性がある。承認するアフィリエイターの選別や、コンテンツの品質チェックを適切に行う必要がある。
  • 管理の負担:提携先が多数存在する場合、その管理が煩雑となり、運用の手間が増大する。管理が手薄になれば、前述の品質リスクが高まるため、注意しなければならない。

アフィリエイト自体は、販売力強化に有益な仕組みだ。

しかしながら、アフィリエイターやアフィリエイト経由の販売に、ネガティブな印象を持つユーザーも一定数いることには、注意したい。

不適切なアフィリエイターと提携し、そのアフィリエイターが不誠実な売り込み(強引な勧誘や法に触れる広告表現など)を行った場合、その負の影響を自社も背負うリスクがある。

1-6-3. アフィリエイトマーケティングがおすすめなケース

アフィリエイトマーケティングがおすすめケースとしては、以下が挙げられる。

  • 獲得単価を固定したい:マーケティング予算が限られている、あるいは採算が取れる上限価格が明確に算出できているなどの理由で、顧客獲得単価を固定したい場合、アフィリエイトマーケティングはそれを精緻に実践できる。
  • ニッチでディープな市場:一般には知られていないが熱心な愛好者がいる市場は、アフィリエイトマーケティングと相性がよい。ディープな情報発信をする発信者と提携することで、成果を得やすい。
  • 高利益商材:成果報酬を高額に設定できる商材の場合、提携先アフィリエイターのモチベーションを高めやすく、獲得数を伸ばしやすい。

理想的なアフィリエイトマーケティングのあり方は、自社商品の魅力や良さを知っている、実際の顧客(愛用者やファン)との提携といえる。

現実的には、さまざまなアフィリエイターとつながることが多い。リスク回避の意識も持って、取り組みを進めよう。

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1-7. インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティング

7つめは「インフルエンサーマーケティング」である。

インフルエンサーマーケティングとは、ファンを多く抱える有名人や、業界の専門家など、強い影響力を持つ人物の発信力を活用する手法である。

インフルエンサーマーケティングのサイクル

具体的には、影響力を持つ人物が、商品・サービスをSNSなどで推薦することで、その人物のフォロワー(ファンや支持層)からの認知や信頼を獲得する。

1-7-1. インフルエンサーマーケティングとは何をすること?

インフルエンサーマーケティングとは

インフルエンサーマーケティングの実践では、まずインフルエンサーの選定が重要となる。

自社のターゲット層を十分に分析したうえで、候補となるインフルエンサーリストを作成する。自社のプロモーションを依頼する相手として、信頼できるかどうかの確認も大切だ。

自社で直接インフルエンサーを依頼するのではなく、インフルエンサーキャスティング会社を利用する方法もある。インフルエンサーと企業を仲介する役割の会社だ。

次に、コンテンツ戦略を検討する。どのようなメッセージを伝えるか、フォーマットはどうするか、コラボの形式にするか──、など詳細を詰めていく。投稿内容の事前チェックも、大切な仕事だ。

インフルエンサーの報酬に関しては、「1投稿○○円」という契約の場合もあれば、アフィリエイトマーケティングに近い形で、成果報酬型の場合もある。

実施中〜実施後は効果測定を行い、必要な調整をして、パフォーマンス向上を図っていく。

1-7-2. インフルエンサーマーケティングのメリットとデメリット

インフルエンサーマーケティングのメリットとデメリットは、以下のとおりだ。

メリット

  • 信頼性の向上:専門家や有名人からの推薦により、商品やサービスの信頼性が高まる。
  • ターゲット層への効果的なアプローチ:インフルエンサーのフォロワーは、類似した興味関心・趣味嗜好を持つことが多く、ターゲット層へ効率的なアプローチが可能となる。
  • コスト効率:大インフルエンサー(依頼先)から、中インフルエンサー、小インフルエンサー……という具合に、オーガニックな二次・三次の拡散が起きると、より多くのフォロワーに影響を及ぼすことが可能。結果としてコスト効率がよくなる。

デメリット

  • 波及的炎上のリスク:インフルエンサーが炎上すると、その影響がブランドにも及ぶリスクがある。
  • コストの増大:フォロワー数の多いインフルエンサーは、高額な報酬を求める場合がある。インフルエンサーの発信が売上につながらない場合、費用対効果が悪くなる。

うまく歯車がかみ合い、いわゆる「バズ」を作れれば、かなり費用対効果がよくなる。効果の持続性も高い。

しかしながら、逆に負の影響(炎上に巻き込まれるなど)のリスクや、効果がインフルエンサーの発信に依存する部分がある面は、インフルエンサーマーケティング攻略の難しさといえるだろう。

1-7-3. インフルエンサーマーケティングがおすすめなケース

インフルエンサーマーケティングがおすすめなケースは、以下のとおりだ。

  • ブランド認知度を高めたい新ブランド:市場に新製品・サービスを投入したばかりの企業は、インフルエンサーマーケティングを活用することで短期間でのブランド認知獲得を期待できる。
  • ターゲット層が若年層:ファッション、ゲーム、音楽など若年層をターゲットとした商材を提供している場合、若年層に影響力のあるインフルエンサーとのコラボレーションによって効果的な集客が可能となる。
  • 価値観の共有が重要なブランド:伝えたいメッセージが明確にある場合、同じ価値観を持つインフルエンサーとの提携が有用である。

インフルエンサーマーケティングは、特定の人物が獲得してきたフォロワーからの信頼を借用することによって、自社ブランドや商品・サービスに対する信頼を、短期間で構築できる。

一方、フォロワーたちのファン心理には、センシティブな面もある。対応を誤れば、インフルエンサーもブランドも炎上に巻き込まれるリスクがある。

ファン心理に対する深い理解と、誠実な対応、リスク管理を徹底すれば、効果的な集客を期待できる手法だ。

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1-8. リターゲティング

リターゲティング

8つめは「リターゲティング」である。

リターゲティングは、過去にサイトを訪れたが何も購入や行動をしなかったユーザーに対して、再度サイトを訪れるよう促す手法である。

具体的には、ピクセルタグやCookieなどを用いて、過去の訪問者に対してメッセージを表示する。

1-8-1. リターゲティングとは何をすること?

リターゲティングとは

リターゲティングを行う場合は、あらかじめピクセルタグやCookieの設定によって、ユーザーの行動を追跡できる状態を作る必要がある。

この設定方法は、使用するプラットフォームによって異なるため、それぞれ確認してほしい。

たとえば、Googleのピクセルタグに関しては、以下のページで解説されている。

最も一般的なのは、1回以上、自サイトに訪れたことのある人に対して、広告配信をする手法だ。接触回数を増やすことで、記憶に残り購買に結びつきやすくなる。

また、SalesforceMarketoなどのCRMやMAツールを使用している場合、広告だけでなく自サイト内に表示させるコンテンツやメールででリターゲティングすることも可能である。

1-8-2. リターゲティングのメリットとデメリット

リターゲティングのメリットとデメリットは、以下のとおりだ。

メリット

  • コンバージョン率の向上:過去の訪問者は、すでにブランドや商品に一定の興味を持っている可能性が高い。そのため、コンバージョンに直結しやすい。
  • 広告効果の最大化:過去の訪問者に対して効果的な広告を配信することで、広告費のROI(投資対効果)を高められる。

デメリット

  • ストーカー広告のリスク:同じ広告が何度も表示されると、ユーザーにストーカー広告と感じられる可能性がある。
  • 規制強化による精度の低下:プライバシー保護の規制強化に伴い、ターゲティング精度の低下が観測されている。

まとめると、リターゲティングはコンバージョン率とROIを高める有効な手段であるが、ストーカー広告のリスクや規制強化による精度の低下も考慮する必要がある。

1-8-3. リターゲティングがおすすめなケース

リターゲティングがおすすめなケースとしては、以下が挙げられる。

  • B2B企業:長いセールスサイクルを持つB2Bでは、リターゲティングにより関心を維持し、最終的なコンバージョンにつなげる手法が有効である。
  • カート離脱率に課題があるECサイト:購入直前まで到達しているが最終購買に至らない顧客が多い場合、リターゲティングの後押しが効果を発揮しやすい。
  • 複数のタッチポイントが必要な高額商材:購買決定までに、さまざまな角度から複数回のアプローチが必要な高額商材に対し、タッチポイントを効率的に拡張できる。

リターゲティングは、頻度やターゲティングに注意すれば、コンバージョン向上に直結することの多い集客法である。ほかの手法と併用を検討してほしい。

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2. Web集客の戦略の立て方 4ステップ

前のセクションでは、Web集客の8つの選択肢を解説した。

続いて、「選択肢は理解できたが、どれをやるべきか、わからない」という方に向けて、戦略の立て方を4つのステップで紹介しよう。

2-1. ターゲット顧客を理解する

ターゲット顧客を理解する

1つめのステップは「ターゲット顧客を理解する」だ。

Web集客の、どの選択肢が最適解なのかと迷ってしまうとき、その原因は顧客を理解し切れていないことにある。

まずは十分な時間と労力をかけて、顧客理解に努めてほしい。

【顧客理解の具体的な手法の例】

  • 市場調査:顧客のニーズや行動傾向を定量的データで把握する。調査会社が発行するレポートや、官公庁発行の白書、業界団体の報告書などが役立つ。
  • アンケート調査:アンケートを利用すると、大量のデータを短期間で収集できる。自社で保有するメールアドレスへの依頼、SNS上のフォロワーからの収集、調査会社に発注しての調査など、さまざまなやり方がある。
  • インタビュー:顧客の声に直接耳を傾ける。実際に対話することで、より深いレベルでの洞察や発見につながる。
  • SNS分析:顧客が普段、どのような発信や行動をしているか、SNSを通じて分析する。アンケートやインタビューとは異なり、ありのままの日常生活の様子をキャッチしやすい。

収集した情報を取りまとめ、アウトプットとして行うのが、ペルソナ設定である。ペルソナとは、ターゲット顧客を代表する具体的な人物像のことだ。

ペルソナとは?

【作成したペルソナの例】

ペルソナシート

ペルソナ設定について詳しくは「ペルソナとは?マーケティングを成功させる設定手順と使い方」にて解説している。あわせて参考にしてほしい。

2-2. 現状のセールスファネルを把握する

現状のセールスフォネルを把握する

2つめのステップは「現状のセールスファネルを把握する」だ。

セールスファネルとは、見込顧客が購入に至るまでのプロセスをファネル(漏斗)に見立てて可視化したものである。

【セールスファネルのイメージ図】

セールスファネルのイメージ図

自サイトのセールスファネルがどのような状態になっているか、調べてみよう。そのためには、以下のような自問が有益である。

  • 毎月、何人があなたのWebサイトを訪問するか?
  • 毎月、何件のリード(見込顧客)を獲得しているか?
  • 獲得したリードのうち、何パーセントが顧客に転換するか?
  • 購入した顧客のうち、何パーセントが再購入するか?
  • 顧客は、平均してどれくらいの収益を生み出すのか?

ファネル上の各ステージのパフォーマンスや、強み・弱みを分析することで、どこにカギとなる核心があるのか、見えてくる。

この情報をもとに、次のステップの目標設定に進もう。

2-3. 目標を決める

目標を決める

3つめのステップは「目標を決める」だ。

セールスファネルの分析結果をもとに、最もインパクトのある部分に照準を合わせた目標を決めよう。

たとえば、そもそもファネルの上部(認知ステージ)に流入する人数が不足しているのなら、その改善が目標となる。

あるいは、すでに十分な認知を獲得しているものの、エンゲージメントに問題があるのなら、エンゲージメントに照準を合わせるべきである。

実務上、機能する目標を設定するコツは、SMARTの原則に従うことだ。

SMARTとは

SMARTは、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性)、Time-bound(時間的制約)の頭文字をとったものである。

実際には、この目標設定と、次のステップで解説する手法の取捨選択は、行ったり来たりを繰り返しながら練り上げていくとよい。

以下は、目標設定の例だ。

(1)目標:リード獲得数の増加

  • S:Webサイトからのリード獲得数を現状の月平均50件から100件に増加させる。
  • M:月ごとにCRMツールを用いて、リード獲得数とその質を測定する。
  • A:予算と人員を考慮し、SEOとコンテンツマーケティングによるリード獲得が可能と判断。
  • R:この目標は、企業全体の戦略である「新規顧客獲得と売上増加」に直結している。
  • T:目標達成の期限は2024年3月31日とする。


(2)目標:Webサイトの訪問者数の増加

  • S:Webサイトの月間訪問者数を現状の2,000人から3,000人に増加させる。
  • M:Google Analyticsを用いて、月ごとに訪問者数を測定する。
  • A:SNS広告とリターゲティング広告の予算を増やすことで、目標達成が可能と判断。
  • R:訪問者数の増加は、リード獲得数の増加に寄与するため、企業戦略に合致している。
  • T:目標達成の期限は2024年6月30日とする。


(3)目標:顧客エンゲージメントの向上

  • S:2024年3月31日までに、Webサイトの平均滞在時間を現状の2分から3分に延ばす。
  • M:Google Analyticsで平均滞在時間を月ごとに追跡する。
  • A:高品質なコンテンツを定期的に公開することで、エンゲージメントの向上が見込まれる。
  • R:エンゲージメントの向上は、リードの質を高めるために重要である。
  • T:目標達成の期限は2024年3月31日とする。

2-4. Web集客の手法を取捨選択する

Web集客の手法を取捨選択する

4つめのステップは「Web集客の手法を取捨選択する」だ。

ターゲット顧客、現状のセールスファネル、目標を踏まえて、最も適したWeb集客の手法を選択しよう。

本記事の前半で紹介した、8つの手法は以下のとおりである。

Web集客の種類目的
❶ SEO(検索エンジン最適化)長期的な集客

❷ SNSマーケティング

ブランド形成とエンゲージメント
❸ コンテンツマーケティング信頼と権威の構築
❹ オンライン広告短期的な成果とターゲティング
❺ メールマーケティングリピートビジネスと顧客ロイヤルティ
❻ アフェリエイトマーケティングパートナーシップによる集客
❼ インフルエンサーマーケティンング信頼性の高い推薦
❽ リターゲティング過去の訪問者への再接触

3つめまでのステップが適切にできていれば、どの手法をやるべきか(あるいは、やらないべきか)、スムーズに判断できるはずだ。

1つだけ選択してもよいし、複数を組み合わせてもよい。

重要なのは「選択と集中」である。無駄な手法や優先順位の低い手法にリソースを割かないようにし、最もインパクトの大きい手法に集中する。

各手法の具体的な実践は、PDCAサイクルが適している。次のセクションで解説する。


3. Web集客のPDCAの回し方

PDCAとは

Web集客の戦略方針を策定できたら、次は手法ごとにPDCAを回していく。

3-1. PLAN(計画)

1つめのステップは「PLAN(計画)」である。

実践することに決めたWeb集客の手法(SEO、コンテンツマーケティング、オンライン広告など)ごとに、具体的な目標と戦略を定めていく。

どのような成果を出したいのか、そのためにはどのようなアクションが必要なのか、プランニングしていこう。

使用するプラットフォーム、コンテンツの種類、広告クリエイティブの方向性、予算計画、実行時期など、詳細まで計画を練る。

広告代理店やSEO事業者など、パートナー企業と協業する場合は、その提案も参考にしながら具体的な計画を策定する。

【PLANを成功させるコツ】

  • 予算配分:ROI(投資対効果)を最大化するために、予算を各手法に適切に配分する。
  • タイムライン:各アクションに対して、実行時期と期限を設定する。
  • 人的リソースの確保:必要なスキルと人数を把握し、適切な人材を配置する。

3-2. DO(実行)

2つめのステップは「DO(実行)」である。

計画を具体的なタスクに落とし込み、それらを着実に実行していくことが求められる。

たとえば、SEOなら、キーワードリサーチを行い、それに基づいてコンテンツを制作するといった、具体的なアクションがこのフェーズで行われる。

実行フェーズで重要なのは、策定した計画どおりに進めるための「進捗管理」である。

遅延なく計画どおりに実行するためには、タスク管理ツールを活用して、各メンバーの進捗を一元管理するとよい。

【DOを成功させるコツ】

  • ツールの活用:各メンバーのタスク進捗を一元管理し、遅延を未然に防ぐ。
  • リスクヘッジ:生じ得る問題に備えて、代替案を用意しておく。
  • 品質管理:各ステップでの成果物(広告クリエイティブなど)に対する品質チェックを怠らない。

3-3. CHECK(評価)

3つめのステップは「CHECK(評価)」である。

このフェーズでは、実行結果を確認し、目標に対してどれだけ効果があったのかを評価する。

顧客の反応や市場の動きのほか、実行フェーズにおけるチームワークやパートナー企業の働きも含めて、総合的な評価を行う。

【CHECKを成功させるコツ】

  • データ分析:目標達成度を定量的に評価する。データの傾向を読み取り、次の施策に生かす。
  • 顧客フィードバック分析:顧客からのレビューやコメントを分析する。
  • ROI計算:投資対効果(ROI)を計算し、施策の費用対効果を評価する。
  • 改善点の特定:問題点や課題を明確にし、次回の施策で改善するためのアクションプランを作成する。

3-4. ACT(改善)

4つめのステップは「ACT(改善)」である。

このフェーズでは、前段階の「CHECK」で評価した結果をもとに、具体的な改善策を実行する。

【ACTを成功させるコツ】

  • リソースの再配分:パフォーマンスの悪い施策に投じていたリソースを、より効果的な施策にシフトする。
  • プロセスの最適化:作業フローを見直し、無駄を排除する。これにより、効率が向上する。
  • A/Bテストの実施:異なる要素をテストし、効果的なものを選定する。これを無限に繰り返していく。

成果に直結するのはこの「ACT」のフェーズだ。

PLAN→DOのフェーズは、よりよいACTを作るための“たたき台”、といっても過言ではない。極論をいえば、いくら失敗してもよい。

失敗したとしても、きちんと「CHECK」を経て改善すれば、その失敗データがACTの質を高める。

失敗も成功も一喜一憂するのではなく、結果をデータとして捉えて改善に生かす。そうすれば、かならずWeb集客は拡大できる。

3-5. PLAN(再計画)

5つめのステップは「PLAN(再計画)」である。

PDCAまでのサイクルが終わったら、再び「PLAN(計画)」に戻り、繰り返していく。

計画は生き物だ。時とともに変化し、変化に適応させる必要がある。何度もPLANし直すサイクルによって、プロジェクトやビジネスは持続的に成長し、進化するのだ。

PDCAを回すことは、「成功の山を登ること」である

さっそく、このサイクルを高速回転で回し始めよう。10回、100回、1,000回……と繰り返すうちに、確実に成功の山を登ることができる。


4. まとめ

本記事では「Web集客」をテーマに解説した。要点をまとめておこう。

効果的なWeb集客の手法として、以下を紹介した。

  1. SEO(検索エンジン最適化)⇒長期的な集客
  2. SNSマーケティング ⇒ブランド形成とエンゲージメント
  3. コンテンツマーケティング ⇒信頼と権威の構築
  4. オンライン広告 ⇒短期的な成果とターゲティング
  5. メールマーケティング ⇒リピートビジネスと顧客ロイヤルティ
  6. アフィリエイトマーケティング ⇒パートナーシップによる集客
  7. インフルエンサーマーケティング ⇒信頼性の高い推薦
  8. リターゲティング ⇒過去の訪問者への再接触


Web集客の戦略は、以下の4ステップで行う。

  1. ターゲット顧客を理解する
  2. 現状のセールスファネルを把握する
  3. 目標を決める
  4. Web集客の手法を取捨選択する


最後に、Web集客のPDCAの回し方を解説した。

  1. PLAN(計画)
  2. DO(実行)
  3. CHECK(評価)
  4. ACT(改善)
  5. PLAN(再計画)

なお、本記事では網羅的な解説をしたが、

「どこから着手すべきか、まだ迷っている」

という場合、まずはSEOから取り組んでみるとよいだろう。

理由は、比較的低コストで実践でき、効果が長期的だからだ。詳細は「SEO初心者向けマニュアル」にて確認してほしい。

カテゴリー SEO

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