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12/18水13:00〜15:30
「なぜBtoBビジネスでSEOがうまくいかないんだろう。何が足りないのか」
多くのBtoB企業が、このような課題に直面している。
BtoBのSEOは、BtoCとの違いを理解したうえで、異なるアプローチを取る必要がある。
多くの人は、BtoCとBtoBのSEOを明確に分けては捉えていない。世に出回っているSEO情報は、BtoCを対象としたものが多く、結果として遠回りの道を選んでしまう。
本記事では「BtoB」だけにフォーカスして、SEOを解説する。
なぜ重要なのか、何がBtoB特有の成功ポイントなのか。知ったうえで実践すると、得られるSEO効果がまったく異なることを、実感していただけるだろう。
BtoBのツボを押さえて、ビジネスに直結するSEOを始めよう。
目次
「これから、初めてBtoBのSEOを手がける」という方もいるだろう。
BtoBビジネスにおいて、SEOは単なるオプションではなく、必須の戦略である。
まずは、なぜBtoBでSEOが重要なのか、その理由から確認していく。次の5つのポイントが挙げられる。
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1つめの理由は「購買サイクルの長さ」である。
BtoB取引においては、一般的に契約の規模が大きく、その関係性は長期にわたる。
そのため、顧客(企業担当者)は、慎重にパートナー企業を選定する。その選定プロセスにおいて、多くのリサーチが行われるのが通常だ。
現代の企業担当者が、インターネットを使わずにリサーチすることは、まずない。
購買検討から意思決定(取引開始)までの長期間、何度も繰り返し、検索エンジンにおける検索行動が行われる。
自社のSEOが不十分であれば、検索結果ページで競合他社が優位に立つ。自社のビジネスチャンスが喪失することになる。
2つめの理由は「高度な専門知識の必要性」である。
BtoBの取引においては、製品やサービスが高度な専門性を持つ場合が多い。企業担当者は、専門性の面で信用できる取引先を探している。
このような背景から、BtoBで専門知識を効果的に伝える手段として、「コンテンツマーケティング」がよく採用される。
コンテンツマーケティングとは、有益なコンテンツを公開することで、ユーザーに価値を提供し、最終的には、購買行動や長期的な顧客関係の構築を目指すマーケティング手法だ。
出典:コンテンツマーケティングとは?|広告費ゼロで10倍の売上を達成した手法
しかしながら、いくら有益なコンテンツを作成しても、届かなければ意味がない。
自社が提供する高度な専門コンテンツを、的確に届けるために、SEOが不可欠である。
3つめの理由は「信用調査の実施」である。
BtoBビジネスでは、口座を開けてもらう(取引を開始する)までに、多くのハードルがある。
信用に足る相手だと判断されなければ、たとえ製品・サービスの価値が伝わっていたとしても、取引はスタートできない。
Googleの検索結果で、1〜2位の上位に表示されていることは、信頼性の担保としても機能する。
私たちは、悪質なサイトや詐欺サイトを、Googleが上位表示させないことを、感覚的に知っているからだ。
主要なキーワードや会社名で検索してもヒットしない、あるいは何ページもスクロールしないと出現しないサイトは、「怪しい」と感じる。
このようなリスクを避けるためには、一定のSEO対策を施す必要がある。
4つめの理由は「顧客との関係構築の重要性」である。
BtoBビジネスにおいて、長期的な顧客関係の構築は不可欠である。単発の取引よりも、長期的な関係性が、持続的な収益と信頼を生む。
多くのBtoB企業が、顧客関係維持のために、メールマガジンを配信したり、訪問したり、リターゲティング広告を打ったりと腐心している。
このようなタッチポイント(顧客接点)として、「検索エンジン」も存在することに、お気づきだろうか。
想像してみてほしい。自社の顧客が知りたいことを検索するたびに、Googleの検索結果の上位へ、自社のコンテンツが表示されたら?と。
広告や営業ではない、自然発生的なタッチポイントを創出できるとともに、顧客に対して「信頼性」を強くアピールできる。
BtoBのSEOというと、リード獲得(新規開拓)に焦点が当たりがちだが、既存顧客にたいしても、大きな効果を発揮している。
5つめの理由は「コスト効率の高さ」である。
BtoBビジネスにおいて、コスト効率は極めて重要な要素である。
たとえば、マーケティング手法として広告は有効だが、そのコストは高い。一方で、SEOは比較的低コストでありながら、持続的な効果が期待できる。
加えて、SEOによって獲得したトラフィックは、質が高いケースが多い。これは、ユーザーが自らの問題解決やニーズに基づいて、検索をしているからだ。
費用対効果という面で、SEOは有効な施策である。
ここまでに解説した背景を踏まえつつ、BtoB特有のSEO成功ポイントを見ていこう。
(1)キーワード、(2)コンテンツ、(3)ローカルSEOの3つのパートに分けて解説する。
なお、以下では、基本的なSEO知識はすでに習得されている方に向けて、BtoBに特化した解説を進めていく。
SEOの知識をおさらいしたい方は、次を読み進める前に、「SEO初心者向けマニュアル」をチェックしてほしい。
まずは、SEOキーワードをどう選定するかについて、見ていこう。
BtoBのSEO選定には、4つの成功ポイントがある。
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1つめのポイントは「検索ユーザー自身の専門性に着目する」だ。
BtoBの場合、検索ユーザー(顧客)自身が、一般ユーザーよりも高い専門性を持つ場合が多い。
一般ユーザー向けの検索結果を排除したフィルタリングをするために、あえて業界特有の専門用語や製品名、技術名、個人名などで検索する企業担当者もいる。
こういった背景を理解して、ターゲット顧客層が実際に使っているキーワードを選定することが、非常に重要である。
【具体的なアクション】
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理想は、自社の顧客に協力を得て、ブラウザの検索履歴を確認してもらい、どのようなキーワードで検索していたか教えてもらうことだ。
Chromeなどのブラウザを、アカウントにログインして使用している場合、何年分もの検索履歴が残っている例もある。
たとえば、Chromeの場合、アドレスバーに[chrome://history/?q=Google 検索]と入力すれば、Google検索結果の履歴が表示される。
もちろん、プライバシーやセキュリティの問題があるため、履歴自体を入手するのは問題がある。顧客自身に履歴を確認してもらい、問題ない範囲で教えてもらえないか、検討してみよう。
2つめのポイントは「カスタマージャーニーでキーワードを捉える」だ。
先ほど、購買検討から意思決定(取引開始)までの長期間、何度も繰り返し、検索エンジンにおける検索行動が行われることを述べた。
どのフェーズで、どのようなキーワードが検索されるのか、時系列で捉えて最適なコンテンツを提供できるようにしよう。
そのためには、カスタマージャーニー(顧客の一連の行動を旅になぞらえて時系列で捉える概念)が役立つ。
【カスタマージャーニーマップの例】
カスタマージャーニーの作り方は、「カスタマージャーニーとは?本当に機能する作り方を独自テンプレートで解説」にて詳説しているので参考にしてほしい。
3つめのポイントは「競合他社の獲得キーワードを網羅する」だ。
他サイトに、どのようなキーワードで検索流入しているかは、さまざまなツールで簡単に調べることができる。
たとえば、以下はラッコキーワードの獲得キーワード調査画面である。
出典:ラッコキーワード ※一部無料(すべての機能を使うには要課金)
【調査例:中小企業庁サイトの場合】
上記のように、競合サイトの流入キーワードを詳しく調べる。
業界特有のニッチなキーワードをくまなく押さえて、“ターゲット顧客層の検索結果ページに、常に自社ページが表示される状態”を目指そう。
4つめのポイントは「アカウントベースのキーワードを採用する」だ。
近年注目されているマーケティング手法に、ABM(アカウントベースドマーケティング)がある。SEOにも取り入れてみよう。
ABMでは、リードを獲得する前から、顧客化したいアカウント(企業)を選定して、アプローチしていく。
簡単にいえば、幅広い営業や広告展開をやめ、最初から狙った1社にロックオンする手法である。
顧客になってほしい企業のキーパーソン(例:ABC会社の佐藤さん)を特定し、その人が、どのようなキーワードで検索するか?と、具体的に考察してみよう。
大多数の顧客化しないユーザーの検索結果に表示されるよりも、たった1人の顧客化するユーザーの検索結果に表示されることが、BtoB SEOのビジネス成果を高める。
【具体的なアクション】
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次に、コンテンツに対するSEOのポイントを見ていこう。
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1つめのポイントは「コンテンツで専門性を証明する」だ。
BtoB市場では、専門性が認められない限り、取引は始まらない。
BtoCでは、個人の趣味嗜好やエモーショナルなベネフィットが選定基準となることがあるが、BtoBは異なる。
土台として、「力量のあるエキスパートである」ことを、まず証明する必要がある。
加えて、専門性(Expertise)は、Googleの評価基準「E-E-A-T」(*1)の中に含まれる。専門性の高いコンテンツを作成することは、直接的にSEO効果を生み出す。
【具体的なアイデア】
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*1:E-E-A-Tとは、Experience(経験)・専門性(Expertise)・権威性(Authoritativeness)・信頼(Trust)のことである。
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詳しくは「E-E-A-Tとは?SEOでGoogleが重視する4要素と評価を高める具体策」の記事で解説している。
2つめのポイントは「会社概要とコンテンツ作成者プロフィールを充実させる」だ。
Googleの公式資料である「検索品質評価ガイドライン」(*2)では、担当者が品質評価を行う際、「Webサイトの責任者」と「コンテンツの作成者」をそれぞれ確認するようにレクチャーしている。
2.5.2 Finding Who is Responsible for the Website and Who Created the Content on the Page Every page belongs to a website, and it should be clear: ● Who(what individuals, company, business, organization, government agency, etc. )is responsible for website. |
2.5.2 Webサイトの責任者とページのコンテンツの作成者を特定する
各ページは特定のWebサイトに属しており、以下の点を明確にすべきである。
出典:Google「検索品質評価ガイドライン」2022年12月15日版
これらが不明瞭な場合、「誰が作ったコンテンツかわからない」という理由で、SEO評価が下がるリスクがある。
サイト運営者(企業)の会社概要ページと、コンテンツ作成者のプロフィールページを充実させ、各コンテンツページから、内部リンクしよう。
ユーザーおよび検索エンジンが、サイト運営者とコンテンツ作成者をすぐ確認できるようにしておくことで透明性が高まり、SEO評価につながっていく。
【具体的なアクション】
・会社概要ページの充実:基本情報、沿革、ミッション・ビジョン・バリューなどを明記する。主要な製品・サービス、取引先、認可や受賞も掲載する。 ・コンテンツ作成者のプロフィール作成:経歴、専門性、これまでの実績を詳細に記載する。 ・内部リンクの設置:各コンテンツから会社概要ページやプロフィールページへの内部リンクを設置する。 |
*2:検索品質評価ガイドラインは、Googleアルゴリズムの適切性をテストする担当者向けの資料で、一般にも公開されているものだ。前述のE-E-A-Tの他、YMYLもこの資料に登場する。詳しくは「【2023年】YMYLとは?基本の必携知識から最新対策までアップデート」にて解説している。
3つめのポイントは「リードマグネットを最適化する」だ。
リードマグネットとは、見込顧客の情報、とくに連絡先(メールアドレスなど)を獲得するために用いる無料の価値提供を指す。
具体的には、無料のeBook、ホワイトペーパー、ウェビナー、無料トライアル、無料診断などがある。
見込顧客が興味を持ちやすい形で価値を提供し、その対価として連絡先を得る手法だ。
SEO効果を収益に変換できない原因の多くは、リードマグネットを最適化できていないことに起因する。
【リードマグネット最適化のチェックリスト】
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「リードマグネットに、これから本格的に取り組みたい」
という方は、ホワイトペーパーづくりからスタートするのがおすすめである。専門性を発揮しやすいことから、BtoBと相性がよい。
「ホワイトペーパーとは?意味や目的・基本の作り方をわかりやすく解説」を参考にしながら、進めていこう。
最後に紹介したいのが「ローカルSEO」への取り組みである。
BtoC向け施策と思い、まったくノーマークだった方が多いだろうが、じつは、BtoBにおいても重要である。
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ローカルSEOとは、検索場所や検索クエリに含まれる地名などによって変動する検索結果にフォーカスしたSEOのことだ。
【場所によって変わる検索結果の例】
飲食店や美容室など、店舗型ビジネスにとって重要なのはいうまでもないが、店舗を構えていないBtoB企業も影響を受けている。
たとえば、以下のように会社名を検索すると、マップや現地の画像とともに、Googleのクチコミが表示されるのがわかるだろう。
あるいは、BtoBビジネスであっても、ユーザーが地名とともに検索するケースは、極めて多い。たとえば[東京 ホームページ制作]といった具合だ。
さらに重要なことは、ユーザー自身が地名を入力していなくても、検索クエリによっては、自動的にローカル検索が適用されることだ。
具体例として、以下を確認してほしい。
[ホームページ制作]と、地名を入れずにシンプルに検索したところ、自動的に検索地(東京都港区)でフィルタリングされ、検索結果上位には「港区」にフォーカスしたURLが表示された。
BtoB企業であっても、ローカルSEOに取り組む重要性が、おわかりいただけるだろう。
「ローカルSEOって、どうやればいいのか?」という疑問に対しては、以下の記事が参考になる。
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詳しくは上記記事を参照いただきたいのだが、なかでも急いで着手すべきことは、Googleビジネスプロフィールの作成だ。
以下はGoogleサイトからの引用である。
Googleビジネスプロフィールとは何ですか?
ビジネス プロフィールは、Google 検索およびマップでのビジネスの表示方法を管理できる無料のツールです。
ビジネス プロフィールでは、ユーザーとの交流、投稿の更新、商品やサービスのリスティング、オンライン注文の受け付けなどを行うことができます。
すでにウェブサイトがある場合も、ビジネス プロフィールを作成した方がよいですか?
はい、無料のビジネス プロフィールを使用すると、すでにお持ちのウェブサイトに加えて Google 検索と Google マップでの認知度を高めることができます。
出典:Google ビジネス プロフィール「Q&A によるサポート」
ローカルSEOにとって、Googleビジネスプロフィールは非常に重要だ。
検索クエリと、Googleビジネスプロフィールの登録内容との関連度が、検索順位に大きく影響する。
Googleビジネスプロフィールを作成する流れは「4-2. Google ビジネス プロフィールを作成する流れ」にて、図解入りで詳説しているので確認してほしい。
手順としては、「Googleビジネスプロフィールの作成」にアクセスし、案内に従って入力していけばよい。
ほとんどのユーザーは、企業による主張よりも、他ユーザーのレビュー(クチコミ)のほうを信頼する。購買決定に影響を与えるのはもちろんだが、E-E-A-Tの向上も期待できる。
近年のGoogleは、E-E-A-T、とくに権威性や信頼を評価するために、「評判」をチェックしている。
たとえば、以下はGoogleが検索品質評価を行う際の、考慮事項のひとつである。
出典:Google「検索品質評価ガイドライン」2022年12月15日版
Googleのクチコミをはじめ、オンライン上でのさまざまなレビュー、評判を向上させることは、Googleにポジティブなシグナルを送る。
Googleのクチコミの管理(返信や削除申請)は、Googleビジネスプロフィールから行うことが可能だ。
参考:Google でクチコミを読んで返信する方法(Google)
自サイトのみならず、包括的な視点でBtoBのSEO効果を底上げしていこう。
本記事では「BtoBのSEO」をテーマに解説した。要点をまとめておこう。
BtoBでSEOが重要な5つの理由として、以下が挙げられる。
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BtoB特有のSEO成功ポイントとして、以下を解説した。
(1)キーワード
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(2)コンテンツ
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(3)ローカルSEO
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なお、成果を出す方法について、さらに学びたい方には、以下の記事がおすすめである。
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