- オンライン
11/27水19:00〜20:00
Googleウェブマスター向けガイドラインとは、Googleにサイトを掲載させたいなら、かならず守るべき最低限のルールや要件が書かれたものだ。
このガイドラインに違反すると、最悪な場合、Googleの検索結果ページからサイトが削除されてしまう。
サイト運営者なら知っておくべき内容だが、2022年10月13日に大幅な更新と名称変更が行われたことをご存じだろうか。
本記事では、最新のアップデートを踏まえ、以下を解説する。
● Googleウェブマスター向けガイドラインとは何か?基本の知識
● 2022年10月13日の更新で変更されたポイント
● 最新情報に基づくガイドラインの内容
ガイドラインの存在を知らなかったビギナーから、最新情報をキャッチアップしたい中級者まで、一読してサイト運営に役立ててほしい。
目次
Googleウェブマスター向けガイドラインとは何か、基本の知識から見ていこう。
旧・Googleウェブマスター向けガイドラインは、Google検索セントラルの以下にある。
「ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)」
2022年10月13日の更新前の内容だが、ベースとなる考え方は変わっていないので、まずここから見ていこう。
上記ページの最初に表示されているYouTube動画「Webspam Content Violations – YouTube」では、Googleの検索品質チームのMichael Wyszomierski氏が、ウェブマスター向けガイドラインを解説している。
冒頭では、ガイドラインの一例として、3つのポイントを紹介している。
● シンジケートコンテンツ
ほかのサイトからコピーされたコンテンツのこと。ユーザーに何の付加価値も与えていない(よってガイドライン違反となる)。
● アフィリエイト
アフィリエイトプログラムに参加しているなら、付加価値を提供する必要がある(たとえば、オリジナルのレビューやコメントを付け加えるなど)。
● ドアウェイサイト
ユーザーをほかのページに誘導するために作られる。特定のキーワードの検索結果を不正に操作し、ユーザーに悪い体験をもたらす。
上記のような「サイト運営者が守るべき、基本が書かれているガイドライン」と理解しておこう。
動画の最後では、Michaelは次のとおり話している。
「ウェブマスター向けガイドラインに違反した場合、検索結果でのパフォーマンスに悪影響を及ぼし、場合によっては検索結果から削除されることもあります。
私たちのおもな目標は、質の高い情報をユーザーに提供することであり、これらのガイドラインは、優れたユーザー体験を保証するために設けられています。
そのため、ガイドラインをよくお読みいただき、詳細についてはヘルプセンターのリソースをご覧ください」
守らなければ、Googleから削除されてしまうほど重要なガイドライン、ということだ。
「ウェブマスター向けガイドライン」のページが作られたのは2002年のことで、20年の歴史がある。
追記や改訂が重ねられつつ、直近の内容は以下のとおりとなっていた。
● 一般的なガイドライン
○ Googleページを検出できるよう手助けする
○ Googleがページを理解できるよう手助けする
○ 訪問者がページを利用しやすいよう手助けする
● 品質に関するガイドライン
○ 基本方針
○ 具体的なガイドライン
「一般的なガイドライン」では、ページがGoogleのクローラー(情報収集するロボット)に検出され、インデックス登録されるために必要な基本的な要件が解説されている。
「品質に関するガイドライン」では、前述のシンジケートコンテンツやドアウェイサイトのような、ブラックハットSEOを排除するルールが述べられている。
※それぞれの詳細はGoogleの「ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)」にて確認できる。
20年間、存在し続けてきたウェブマスター向けガイドラインだが、Googleは、
「2002年当時と比べると、状況は大きく変化している」
として、2022年10月13日、再編成に踏み切った。
まず大きなポイントとして、以下のとおり名称が変更となった。
変更前 | 変更後 | |
英語 | Webmaster Guidelines | Google Search Essentials |
日本語 | ウェブマスター向けガイドライン | Google検索の基本事項 |
“Google検索の基本事項”と訳された日本語だとピンとこないかもしれないが、英語では
「Google Search Essentials(グーグル サーチ エッセンシャル)」
である。
エッセンシャルには、
「必須条件、本質的、極めて重要、絶対不可欠」
といった意味合いがある。
“基本事項”といっても初歩的な意味合いの基本ではなく、
“Googleの根源的ベースとなる、極めて重要な要綱”
というニュアンスを捉えてほしい。
Googleは、かつて「ウェブマスター(webmaster)」という言葉をよく使っていた。しかし現在は、webmaster は古い用語、との認識に立っている。
以下はGoogle検索セントラルブログからの引用である。
Merriam-Webster によると、「webmaster」という用語の使用が最初に確認されたのは、Google が創業する前の 1993 年のことです。今ではこの用語は古めかしく聞こえるようになり、Google ブックスのデータからわかるように、その使用は激減しています。Google が実施したユーザー エクスペリエンスに関する調査からも、ウェブの専門家の中で自分を webmaster と名乗る人は、もうほとんどいないことが明らかになっています。検索エンジン最適化(SEO)、オンライン マーケティング担当者、ブロガー、ウェブ デベロッパー、サイト所有者と名乗ることが多く、「webmaster」と名乗る人はごく少数です。
「Google Search Console(サーチコンソール)」も、以前は「Google Webmaster Tools(ウェブマスターツール)」と呼ばれていたが、2015年にサーチコンソールへ名称変更した。
今回の「ウェブマスター向けガイドライン」の名称変更も、この流れに沿ったものである。
名称を変更すると同時に、内容が以下のとおり再編成されている。
● Google検索の基本事項
○ 技術要件
○ スパムに関するポリシー
○ 主なベスト プラクティス
再編成によって、まったく新しいルールが追加されたとか、ルールが大幅に変わったということは、基本的にない。
既存の情報を、よりわかりやすく・シンプルに分類し直すことが、今回の主目的であったことがうかがえる。
具体的な再編成の内容を、Google検索セントラルの最新情報ページより以下に引用する。
ウェブマスター向けガイドラインの更新と名称変更。主な変更点は、以下のとおりです。
● Google 検索の基本事項: ウェブマスター向けガイドラインの概要ページに代わるものです。技術的要件、スパムポリシー、主要なベスト プラクティスに関する新しいセクションが追加されています。
● Google 検索の技術的要件: Google 検索で表示するために Google がウェブページから取得する必要がある内容が記載されています。
● Google ウェブ検索のスパムポリシー: ウェブマスター向けガイドラインの品質に関するガイドライン セクションに代わるものです。より関連性の高い例を取り上げ、より正確な表現を使用するように改訂しました。主な更新内容は次のとおりです。
○ リンクスパム: 有料リンクとリンク プログラムに関する以前のページを統合しました。
○ マルウェアと悪意のある動作: 以前は Google サイトの [セキュリティ] セクションに記載されていた情報を統合しました。
○ ハッキングされたコンテンツ: 以前は Google サイトの [セキュリティ] セクションに記載されていた情報を統合しました。
○ 内容の薄いアフィリエイト ページ: 内容の薄いコンテンツとアフィリエイト プログラムに関する以前のページを統合しました。
● 新しいセクションの一部を以下に示します。
○ 誤解を招く機能
○ 著作権侵害による削除通知
○ オンライン ハラスメントの削除
○ 詐欺や不正行為
それぞれの詳細は、以下で見ていくことにしよう。
まず、旧・ウェブマスター向けガイドラインの概要ページにあたる「Google 検索の基本事項」から見ていこう。
「Google 検索の基本事項」のページでは、Google 検索の基本事項とは何か、全体像が示されている。
Google 検索の基本事項は、ウェブベースのコンテンツ(ウェブページ、画像、動画など、Google がウェブ上で見つけた一般公開されているコンテンツ)について、Google 検索結果に表示されるための適格性を満たし、上位に表示されるようにするための重要な要素です。
● 技術要件: Google 検索でウェブページを表示させるためにウェブページに必要なもの。
● スパムに関するポリシー: 掲載順位が下がったり、Google 検索の検索結果から完全に除外されたりする原因となる行動や手法。
● 主なベスト プラクティス: Google 検索結果でのサイトの表示を改善するための主な方法。
出典:Google 検索の基本事項(旧ウェブマスター向けガイドライン)
“技術要件”と“スパムに関するポリシー”は、
「Googleにインデックス登録される」
「Googleからペナルティを受けない」
という、最低限の基本をクリアするために知っておくべき知識だ。
“主なベスト プラクティス”は、最低限の基本をクリアしたあと、
「もっと検索順位を上げるために、どうすればいいか?」
のヒントとなる情報である。
Google 検索の基本事項の3本柱の1つめ、「技術要件」では以下3つのポイントが解説されている。
これらは、Googleの検索結果にページを表示させるために不可欠な条件である。
それぞれ見ていこう。
Googlebotとは、Googleが、インターネット上に存在するWebページの情報を収集するために使っている、クローラー(ロボット)のことだ。
検索エンジンの仕組みとして、以下の図をイメージしておこう。
Googlebotがアクセスできないページは、Googleにクロールされない(情報収集されない)ので、Googleの検索結果ページに掲載されない。
よって、Googlebotが検出できる状態になっていることを確認する必要がある。
▼ Googlebotがブロックされる理由
● robots.txt で、クロールを許可しない設定をしている
● ページが非公開にされている(アクセスにログインが必要など)
Googlebotがアクセスできないページがあると、Search Consoleのレポートに掲載される。インデックス カバレッジ レポートやクロールの統計情報レポートを確認しておこう。
特定のURLをテストしたい場合には、URL 検査ツール を使うと便利だ。そのページのクロールの有無が、すぐに確認できる。
URL検査ツールの使い方は「Google URL検査ツールとは?適切にインデックスされているか確認しよう」にて解説している。
「404 エラー not found」をはじめとするエラーが出ているページは、インデックスに登録されない。
インデックスとは、簡単にいえばGoogleのデータベースのことだ。
エラーが出ているかどうかは、自分で該当URLにアクセスしてみるほか、前述のURL 検査ツール でも確認できる。
Googlebotがアクセスできて、ページが機能していたら、Googleは、
「そのページがインデックス登録可能なコンテンツを含んでいるか?」
をチェックする。
たとえば、中身が空のファイルだったり、スパムに関するポリシーに違反していたりする場合、
「インデックス登録不可」
と判断して、登録しない。
クロールされた自サイトのページが、インデックス登録不可と判定されていないか確認する方法は、Search Consoleを見ることだ。
[インデックス]>[ページ]から、インデックスに登録されなかったページが確認できる。
上記エラーの解決方法は、以下のページで詳しく解説している。
もし、インデックスに登録されないページがあった場合は、参考にしてほしい。
続いて「スパムに関するポリシー」を見ていこう。
まず、Googleがスパムに対してどう対処するか、述べられている。重要なポイントを引用しよう。
Google では、自動システムと、必要に応じて行われる人間による審査によって、ポリシーに違反しているコンテンツおよび動作の両方を検出しています。
場合によっては、手動による対策を実施します。
Google のポリシーに違反しているサイトは、検索結果での掲載順位が下がったり、まったく表示されなかったりすることがあります。
「手動による対策」という言葉が出てきているが、これは俗に「手動ペナルティ」と呼ばれているものだ。
Googleの検索結果から削除されてしまうため、SEO的には最悪である。
手動ペナルティについては、
「Googleペナルティとは?知っておきたい基本と確認方法・解除方法」
にも目を通してほしい。
具体的なスパムとして、17個の行為が詳しく解説されている。
以下は簡単に表にまとめたものだ。
1 | クローキング | 検索ランキングを操作したりユーザーに誤解を与えたりすることを目的に、ユーザーと検索エンジンに異なるコンテンツを表示すること |
2 | 誘導ページ | 特定の類似検索キーワードで検索結果の上位に表示されることを目的に作成されたサイトまたはページのこと |
3 | ハッキングされたコンテンツ | サイトのセキュリティ上の脆弱性に付け込まれ、許可なくサイトに配置されたコンテンツ |
4 | 隠しテキストと隠しリンク | 検索エンジンを操作することのみを目的としてページにコンテンツを配置しながら、人間のユーザーには見えにくいようにする行為 |
5 | キーワードの乱用 | Google 検索結果のランキングを操作する目的で、ウェブページにキーワードや数字を詰め込むこと |
6 | リンクスパム | Google 検索の検索結果ランキングを操作することを目的としたリンク |
7 | 機械生成トラフィック | Google への自動生成クエリの送信やランキングの確認を目的としたスクレイピング、明示的な許可なく Google 検索に自動アクセスするその他の行為 |
8 | マルウェアや悪意のある動作 | ユーザー エクスペリエンスに悪影響を及ぼすマルウェアや望ましくないソフトウェア |
9 | ★誤解を招く機能 | 誤解を招く機能やサービスを含むサイトを意図的に作成して、検索ランキングを操作しようとする行為 |
10 | ★無断で複製されたコンテンツ | 他のサイトから無断で複製したコンテンツで作成されたサイト |
11 | 不正なリダイレクト | ユーザーと検索エンジンに異なるコンテンツを表示したり、ユーザーの本来のニーズを満たさない想定外のコンテンツを表示したりすることを目的に、悪意を持って行われるリダイレクト |
12 | スパム行為のある自動生成コンテンツ | 独自の価値を生み出したり、十分な価値を付加したりすることのない、プログラムで生成されたコンテンツ |
13 | ★内容の薄いアフィリエイト ページ | 商品の説明やレビューは元の販売者から直接コピーされていて、独自のコンテンツや付加価値がないアフィリエイトページ |
14 | ★ユーザー生成スパム | ユーザー コンテンツを対象としたチャネルを経て、ユーザーによってサイトに追加されたスパム コンテンツ |
15 | ★著作権侵害による削除通知 | 著作権侵害による削除通知が大量に届いたサイト |
16 | ★オンライン ハラスメントの削除 | Google の個人情報に関するポリシーに違反している特定の種類のコンテンツ |
17 | 詐欺や不正行為 | 詐欺や不正なコンテンツを含むページ |
多くは、明らかな悪意と知識・技術を持って、意図しなければ生まれないスパム行為である。
ただ、一部、未熟さや知識不足によって、悪意なく行いかねない行為もあるので、注意したい。
★印をつけた項目がそれにあたる。
★ 誤解を招く機能
★ 無断で複製されたコンテンツ
★ 内容の薄いアフィリエイト ページ
★ ユーザー生成スパム
★ 著作権侵害による削除通知
★ オンライン ハラスメントの削除
以下で★印項目を詳しくチェックしておこう。
誤解を招く機能とは、
「実際にはアクセスできないサービスを、アクセスできるとユーザーに誤解させる」
という意味だ。
サイト所有者は、ユーザーにとって有益な高品質のコンテンツや便利な機能を備えたウェブサイトを作成することが求められます。しかし中には、誤解を招く機能やサービスを含むサイトを意図的に作成して、検索ランキングを操作しようとしているサイト所有者もいます。そのようなサイトは、コンテンツやサービスに実際にはアクセスできないにもかかわらず、アクセスできるとユーザーに思わせるようになっています。誤解を招く機能の例としては、次のようなものが挙げられます。
● アプリストア クレジットを提供すると言いながら実際には提供していない、フェイク生成ツールを備えたサイト
● 特定の機能(PDF の統合、カウントダウン タイマー、オンライン辞書サービスなど)を提供すると装い、ユーザーを意図的に誘導して虚偽の広告を表示するサイト
とくに2つめに例示されている、
「特定の機能を提供すると装って、アクセスを集めようとするサイト」
は、ときおり散見される。
Googleから、スパム行為とみなされるため、すぐにやめよう。
無断複製されたコンテンツは、著作権侵害にあたるおそれがあり、Googleの評価が低くなる。
具体例として、以下が挙げられている。
● 他のサイトのコンテンツをコピーし、元のソースを引用することさえせず、独自のコンテンツや価値を加えずに転載しているサイト
● 他のサイトのコンテンツをコピーし、(語句を類義語に置き換えたり自動化された手法を使用したりして)若干の修正を加えたうえで転載しているサイト
● ユーザーに対してなんらかの形で独自のメリットを提供することなく、他のサイトからのコンテンツ フィードをそのまま掲載しているサイト
● ユーザーに実質的な付加価値を提供することなく、他のサイトの動画、画像、その他のメディアなどのコンテンツを埋め込んだり編集したりしているだけのサイト
上記に該当することをしていないか、あらためてよく確認してほしい。
「内容の薄いアフィリエイト ページ」は、アフィリエイターにとっては、ギクリとする項目ではないだろうか。
以下のとおり書かれている。
内容の薄いアフィリエイト ページとは、商品のアフィリエイト リンクを含むページです。商品の説明やレビューは元の販売者から直接コピーされていて、独自のコンテンツや付加価値はありません。
アフィリエイト ページが、独自の価値を付加することなくアフィリエイト ネットワークでコンテンツを配信するプログラムに参加しているものの場合、内容が薄いと判断されます。こうしたサイトの多くが、同じコンテンツや類似コンテンツを同一サイト内や複数のドメイン / 言語間で複製した、画一的なサイトやテンプレートのようなサイトです。検索結果ページから複数のサイトが返され、そのすべてのコンテンツが同じである場合、内容の薄いアフィリエイト ページとして、ユーザー エクスペリエンスの低下を招きます。
アフィリエイトプログラムでは、広告主から広告テキストやバナーが提供されるが、それらをコピペしただけのページを作成すると、自サイトがGoogleから消えるリスクがある、ということだ。
アフィリエイトページは、自分のオリジナルの体験談やレビュー、撮影写真をメインコンテンツとして作ることが重要である。
ユーザー生成スパムとは、サイト運営者ではなく、サイトに訪れたユーザーによって生成されたものだ。
サイト運営者は気づいていないことが多いので、注意しなければならない。以下が例示されている。
● 誰でも登録できるホスティング サービスのスパム アカウント
● フォーラムのスレッドにおけるスパム投稿
● ブログへのスパムコメント
● ファイル ホスティング プラットフォームにアップロードされたスパムファイル
たとえば、ブログを運営していて、コメント欄を開放している場合、コメント欄に寄せられるスパムコメントは「ユーザー生成スパム」にあたる。
解決策として、Googleは以下の資料を確認するように促している。
WordPressで運営している場合、トラックバック機能はオフにしておこう(詳しくは「トラックバックとは?正しい意味とWordPressで送信する方法」参照)。
コメント機能もオフにしておくと安心だ。
コメント機能を利用する場合には、承認制にするか、スパムをブロックするプラグイン(例:Akismet Spam Protectionなど)を入れて、スパム対策をしてほしい。
Googleは「著作権侵害による削除通知」「偽造品の申し立て」「裁判所による削除命令」などを、品質評価のシグナルとして使用しているという。
特定のサイトに関わる有効な著作権侵害による削除通知が大量に届いた場合、Google はその通知を品質シグナルとして使用し、当該サイトの他のコンテンツに関して、検索結果での掲載順位を下げることができます。そのため、著作権侵害にあたるコンテンツが他にある場合、ユーザーがそのコンテンツを見つける可能性は元のコンテンツよりも低くなります。Google では、偽造品の申し立て、裁判所による削除命令など、他の種類の申し立てにも同様の降格シグナルを適用します。
前述の「無断で複製されたコンテンツ」とも関連するトピックだが、他者の権利を侵害してGoogleに通報された場合、それが検索順位の低下に直結することを覚えておこう。
「著作権侵害による削除通知」は、米国の法律であるDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づいて行われる。
Googleが米国企業であるため、サイト運営者が日本在住・日本国籍であっても、DMCAの影響を受ける。
「【わかりやすく図解】DMCAとは?知っておくべき要点と通知方法」に目を通して、知識を身につけておこう。
「オンライン ハラスメントの削除」の項目に書かれているのは、「個人情報に関するポリシー」に違反したコンテンツや、削除通知が大量に届いているサイト、略奪的行為をしているサイトなどを、Googleは排除するという話である。
Google が削除する個人情報
ウェブサイトの所有者にサイトからコンテンツを削除してもらうことができない場合、Google では、身元詐称や金融詐欺などの多大な危害につながる個人情報を削除する場合があります。削除できるコンテンツの種類について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
● 同意のない、露骨なまたはわいせつな個人的画像を Google から削除する
● 不本意な偽のポルノ画像を Google から削除する
● 不当な削除方針が示されているサイトにある私個人に関するコンテンツを Google から削除する
● 一部の個人情報(PII)または晒し行為のコンテンツを Google 検索から削除する
● Google 検索の検索結果から未成年の画像を削除する
● 自分の名前とは関係なく Google 検索の検索結果に表示されるポルノ画像を削除する
他者の個人情報を自サイトに掲載しないよう、細心の注意が必要である。
最後に「主なベスト プラクティス」について、見ていこう。
「主なベスト プラクティス」は、ここまでに紹介した「技術要件」や「スパムに関するポリシー」のような独立ページはない。
Google 検索の基本事項の概要ページ(全体像)に記載された、以下ですべてである。
サイトの SEO を改善するためのさまざまな方法がありますが、ウェブ コンテンツの掲載順位や Google 検索での表示に最も大きな影響を与えるために重要な方法がいくつかあります。
● 有用で信頼性の高い、ユーザー重視のコンテンツを作成する。
● ユーザーがコンテンツを検索するときに使われる可能性のある単語を選んで、これらの単語をページ上の目立つ場所(ページのタイトル、メインの見出しなど)や、わかりやすい場所(代替テキスト、リンクテキストなど)に配置する。
● リンクをクロールできるようにして Google がページ上のリンクを使ってサイト内の他のページを検出できるようにする。
● サイトに関する情報を発信する。自分のサイトで紹介しているサービスや製品について、同じような志向の人々と交流できるコミュニティに参加する。
● 画像、動画、構造化データ、JavaScript、などの他のコンテンツがある場合、それぞれのベスト プラクティスを実践し、ページのこのような部分も Google に提示するようにします。
● サイトに適した機能を有効にすることで、Google 検索でのサイトの表示を促進します。
● 検索結果に表示したくないコンテンツがある場合や、完全なオプトアウトを希望する場合は、適切な方法でGoogle 検索でのコンテンツの表示を管理します。
出典:主なベスト プラクティス
ベストプラクティスの具体的な解説というよりは、サイト運営者のヒントとなりそうなページへの導線となっている。
上記文中からリンクされているページを、以下にまとめておこう。
● 有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成
必読度
● タイトルリンクに影響を与えるためのおすすめの方法
必読度
● わかりやすい代替テキストを使用する
必読度
● リンクをクロールできるようにする
必読度
● Google 画像検索でのおすすめの方法
必読度
● 動画のベスト プラクティス
必読度
● 構造化データの仕組みについて
必読度
● JavaScript SEO の基本を理解する
必読度
● 検索での見え方に関するトピックの概要
必読度
● Google と共有するコンテンツを制限する
必読度
本記事では「Google 検索の基本事項(旧Google ウェブマスター向けガイドライン)」をテーマに解説した。要点を簡単にまとめておこう。
● Google ウェブマスター向けガイドラインは、2002年〜2022年まで使われてきたGoogleの基本的な指針を示したページ
● 2022年10月13日に更新され、名称が「Google検索の基本事項」に変更となった
新しい「Google 検索の基本事項」は、以下の3項目に再編成された。
● 技術要件
● スパムに関するポリシー
● 主なベスト プラクティス
技術要件は、以下の3項目である。
● Googlebot がブロックされていないこと
● ページが機能していること
● インデックス登録可能なコンテンツがページに含まれていること
スパムに関するポリシーでは、以下を解説した。
● スパムに対するGoogleの対処
● 17個の違反行為の例示
● ピックアップ:誤解を招く機能/無断で複製されたコンテンツ/内容の薄いアフィリエイト ページ/ユーザー生成スパム/著作権侵害による削除通知/オンライン ハラスメントの削除
主なベスト プラクティスは、SEO改善のヒントとなるページへのリンク集となっている。目を通しておこう。
「Google 検索の基本事項」で基本を押さえたら、次にチェックしておきたいガイドラインが以下である。
「Googleから、高品質なサイトであると高く評価されるために、何をすべきか?」がわかる。続けて読み進めてほしい。
広告に頼り切ったマーケティングの打開策としてコンテンツマーケティングについて調べているけれど、よく分からないと悩んでいませんか?
本書は弊社やクライアント様がコンテンツマーケティングに取り組み
など、コンテンツマーケティングの効果と、具体的な施策内容を全94ページに渡って詳細に解説しているものです。
ぜひ、貴社のWEBマーケティングにもご活用ください。