- オンライン
11/27水19:00〜20:00
「Googleからペナルティを受けたのではないか?」
サイト運営者なら、嫌な予感で背筋が凍った経験があるかもしれない。
Googleペナルティとは、ガイドラインに反しているとGoogleに判断されたサイトが、検索結果から除外される仕組みを指す言葉だ。
Googleペナルティを受けると、検索上位を獲得するどころか、圏外に飛ばされてしまう。SEO的には、最悪である。SEOに取り組むなら、Googleペナルティだけは回避せねばならない。
本記事では以下について解説する。
|
SEOで取り返しのつかない失敗をしないために、かならず知っておくべき情報だ。一読して、サイト運営に役立ててほしい。
目次
まずはGoogleペナルティとは何なのか、基本情報から押さえておこう。
Googleペナルティとは、Googleが定めるガイドラインに違反して、検索順位を操作する不正行為(またはそう疑われる行為)をしたWebサイトに対して、Googleが与える罰則のことである。
簡単にいえば、
「ブラックハットSEOを行っているとGoogleにみなされたWebサイトが、Googleの検索結果から除外されたり、検索順位を著しく下げられたりすること」
を、Googleペナルティと呼んでいる。
ブラックハットSEOとは?
不当な手段を用いて、検索順位を作為的に操作しようとする行為。対義語はホワイトハットSEO。
注意点として、Google自身は「ペナルティ」という用語は使っていない。Googleペナルティは、俗称だ。
Googleの公式ドキュメントでは「Manual Actions(マニュアルアクション、手動による対策)」という言葉が使われている。
以下はGoogleによる「手動による対策」の説明文だ。
Google では、担当者がサイト上のページを目視で審査し、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に従っていないと判断した場合、そのサイトに対して手動による対策を実施します。手動による対策のほとんどは、検索インデックスの操作への対処です。
出典:手動による対策レポート – Search Console ヘルプ
ポイントを抜き出すと以下のとおりとなる。
|
*1:基準については後ほど「2. Googleペナルティの基準」にて詳しく取り上げる。
手動による対策が行われると起きることは、以下のとおりだ。
|
*2:サーチコンソールの画面で、[セキュリティと手動による対策]→[手動による対策]とアクセスしたページに、メッセージが表示される。
※「サーチコンソールが何かわからない」という方は、先に「Google Search Consoleとは?初心者向けにキャプチャ付で解説」に目を通してほしい。
なぜ「手動による対策」が存在するのか。Googleの公式コメントを引用しよう。
先に要約すると、
ということだ。
▼ Googleの公式ドキュメントより引用:
手動による対策が存在する理由
検索エンジンが登場して以来、何とかして、自分のサイトを不正な手法で上位に掲載しようとする人たちが後を絶ちません。これは、検索を行うユーザーにとっても、違反をしていないウェブサイトにとっても望ましいことではありません。無関係な結果が上位に掲載されることで、関連性の高い良質なウェブサイトが見つかりにくくなってしまうからです。そのため Google は、当初からそうしたスパムサイトを作成する悪質なウェブマスターに厳しく対処し、ユーザーが探している情報にすばやくたどり着けるよう、また関連性の高い良質なウェブサイトが検索結果の上位に掲載されるよう努力してきました。
Google は、常に検索結果の改善に努めています。データ主導のアプローチに基づいて分析、調査、統計処理を行い、検索の品質を常時評価しています。アルゴリズムに変更を加える場合は、そのリリース前に徹底的な品質評価を行います。Google のアルゴリズムの詳細はこちらをご覧ください。
Google のアルゴリズムは、ウェブスパムの検出を得意としており、ほとんどのウェブスパムは自動的に発見されて検索結果から削除されます。しかし、Google インデックスの品質を守るためには、手動による対策を実施して、検索結果からウェブスパムを削除することも必要だと考えています。
出典:手動による対策レポート – Search Console ヘルプ
「なぜアルゴリズムによる自動的な対策のみでは不十分なのか?」については、もう少し深く説明されている動画が存在する。
Google(当時)のマット・カッツが「Does Google take manual action on webspam?」で、以下のとおり述べた。
自分の名前で検索した人が、自分とはまったく関係のないポルノを見つけたら、非常に不愉快なはずです。その人はGoogleに、自分が困っていると伝えるでしょう。
もし私たちが「6〜9ヶ月後には、無関係のポルノを検出するアルゴリズムを開発したい」と返信したら、自分の名前でポルノが表示される人にとっては、まったく満足できない答えです。
ですから、状況によっては、検索結果に対して手動で対策することがあるのです。
(原文)someone searches for their own name, and they find off-topic porn, they’re really unhappy about that.
And they’ll write into Google and let us know that they’re unhappy.And if we write back and say, “Well, we hope in six to nine months to be able to have an algorithm that catches this off-topic porn,” that’s not a really satisfactory answer for the guy who has off-topic porn showing up for his name.So in some situations, we are willing to take manual action on our results.
アルゴリズムによる対応を待てないような、緊急性の高いケースに対応するためにも、手動による対策フローを準備していることがうかがえる。
ここでひとつ補足だ。「手動ペナルティ」と対で「自動ペナルティ」という言葉が使われることがある。
ただ、前述のとおり、そもそも“ペナルティ”自体が、Googleの公式用語ではない。
Googleが「Manual Actions(手動による対策)」と対で使っている言葉は、「Algorithm Actions(アルゴリズムによる対策」である。
サイト運営者は、Googleのアルゴリズムによって自サイトの検索順位が下がったとき、「ペナルティを受けた」という表現をするかもしれない。
しかし、それは特定のペナルティというより、“数百以上存在するGoogleアルゴリズムによる、総合的な評価の結果”と捉えたほうが、実体に即しているだろう。
ちなみに「自動ペナルティ」という言葉が生まれた背景には、10年ほど前のGoogleが、不正行為を狙い打ちにするアルゴリズムの大きなアップデートを行っていたことが挙げられる。
アップデートの対象に当てはまるとGoogleに認識されれば、ページが検索結果から消えていった。これは、「ペナルティを受けた」という言葉がしっくりくる現象だったのである。
その代表的なアルゴリズムのアップデートが「パンダ」と「ペンギン」だ。
時期 | 名称 | 対象 |
2011年2月 | パンダアップデート | 重複コンテンツ、盗用コンテンツ、内容の薄いコンテンツ、自動生成スパム、キーワードの詰め込み など |
2012年4月 | ペンギンアップデート | 不自然な被リンク、スパムによる被リンク、不正なリダイレクト、不適切なアンカーテキスト、マークアップの悪用 など |
もちろん現在でも、これらに該当すると判断されれば、検索順位が落ちる原因となる。
上記の詳細やほかのアルゴリズムについては「Googleのアルゴリズムとは?2022最新アップデートから対策まで解説」で解説している。
自動ペナルティ(=Googleのアルゴリズム)について知りたい方は、上記記事に求める情報が詰まっているはずだ。
さて、ここからはGoogleペナルティ(=正式名称「手動による対策」)の審査は、どんな基準で行われるのか見ていこう。
Googleペナルティは、Googleが定める「品質に関するガイドライン」に基づいて、担当者が目視で審査を行う。
「品質に関するガイドライン」で示されているのは、おもに偽装行為や不正行為についてだ。
「品質」という表現から、“ユーザー満足度の高い、高品質なコンテンツ”という文脈をイメージする人もいるかもしれない。
もちろんそれは重要だが、「品質に関するガイドライン」で説明されているのは、「もっと初歩的な、最低限の品質」といったニュアンスでとらえてほしい。
詳しくは続けて解説する。
「品質に関するガイドライン」が掲げる基本方針は以下のとおりだ。
|
出典:品質に関するガイドライン
基本方針に書いてあることは根源的だ。「具体的には?」といえば、回避すべきことがそのあとに続く。
具体的に回避すべきこととして挙げられているのが、以下の内容である。
|
出典:品質に関するガイドライン
ほとんどは、悪い知識を身につけて意図を持って行わない限り、発生しない行為だ。
Googleペナルティの審査基準は、上記がすべてではないものの、上記およびそれに類似する行為をしていなければ、まず受けることはない。
そもそも、悪意を持ってブラックハットSEOに取り組んでいるスパマーが、Googleペナルティのメインターゲットだ。
初心者で、無知であるがゆえの失敗(例:ユーザビリティの問題やタグの記述の間違いなど)では、ペナルティの対象とならない。
万が一、手動による対策でペナルティを受けることあったら、自分が大きな過ちをおかしていると考えて、あり方を考え直す必要がある。
「自サイトが、手動による対策でペナルティを科せられているのでは?」
と不安になったら、まずは確認してみることをおすすめする。
先にも紹介したとおり、手動による対策が行われると、Google Search Console(サーチコンソール)の、[手動による対策]のページにメッセージが表示される。
手動による対策が行われていなければ、「問題は検出されませんでした」と表示されている。
実際にどんなメッセージが表示されるのか、以下が例である。
種類 | 説明 |
第三者のスパムにより悪用されているサイト | Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反し、ウェブに対してほとんどまたはまったく価値をもたらさないウェブスパムによって、サイトの大部分が悪用されていることが確認されました。スパム行為のあるコンテンツが、フォーラム、ゲストブック、ソーシャル メディア プラットフォーム、ファイル アップローダー、無料ホスティング サービス、またはサイト内検索ページに表示される可能性があります。 こうしたスパム行為のあるコンテンツは、サイト訪問者または他の第三者によって生成された可能性があり、サイトを利用して、サイトの実際のテーマではなくウェブスパムをユーザーに届けます。 Google からウェブマスターに対してこのような種類のスパムについての通知があった場合、Google は基本的にサイトが十分な品質を備えていると判断し、サイト全体に対して手動による対策を講じる必要はないと判断したということですので、その点はご安心ください。この手動による対策は、スパム行為のあるコンテンツを含むページにのみ適用されます。ただし、サイト上にこうしたスパム行為のあるコンテンツがあまりにも多い場合は、Google によるサイトの全体的な評価に影響が及ぶことがあり、その結果、ユーザー エクスペリエンスが低下し、サイトの評価とランキングに影響する可能性があります。 |
ユーザー生成スパム | サイトの訪問者が送信したスパムがページ上で検出されました。通常、この種のスパムは、フォーラム ページ、ゲストブック ページ、またはユーザー プロフィールで見つかります。 |
スパム行為のある無料ホスト | 無料のウェブ ホスティング サービスでホストされているサイトのうち、かなりの割合のページでスパム行為が行われています。 Google では、スパムに関連した手動による対策は、できる限り厳密に実施したいと考えております。しかしながら、特定のウェブ ホスティング サービスでホストされているサイトのうち、かなりの割合のページでスパム行為が行われている場合は、サービス全体を対象に手動による対策を実施することがあります。 |
構造化データに関する問題 | ページの一部のマークアップで、構造化データに関するガイドラインに違反する手法が使用されていると見られる箇所(ユーザーに表示されないコンテンツのマークアップ、関連性がないコンテンツや誤解を招くコンテンツのマークアップ、その他の偽装行為など)が確認されました。 |
サイトへの不自然なリンク | サイトへの不自然な人為的、偽装、または不正なリンクのパターンが検出されました。PageRank を操作することを目的としたリンクの購入やリンク プログラムへの参加は、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反しています。こうした行為をすると、サイトの一部またはすべてに対して手動による対策が実施される場合があります。 |
サイトからの不自然なリンク | サイトにおいて、他サイトへの不自然、人為的、偽装、または不正なリンクのパターンが検出されました。PageRank を操作することを目的としたリンクの購入やリンク プログラムへの参加は、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反しています。 |
価値のない質の低いコンテンツ | サイト内で低品質のページや浅薄なページが検出されました。価値のない質の低いコンテンツを含むページには、以下のようなものがあります。 ・自動生成されたコンテンツ ・内容の薄いアフィリエイト ページ ・他のソースからのコンテンツ(例: 無断複製されたコンテンツ、低品質のゲストブログ記事) ・誘導ページ これらのテクニックは、実質的に固有または価値あるコンテンツをユーザーに提供するものではないため、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反する行為です。 |
クローキング、不正なリダイレクト | サイトにおいて、Google が確認したページとは別のページがユーザーに表示されたり、Google が確認したページとは異なるページにユーザーがリダイレクトされたりすることがあります。クローキングや不正なリダイレクトは、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反する行為です。 |
悪質なスパム | 一部のページで、ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反する手法が使用されている可能性があります。サイトが意味不明な内容の自動生成、クローキング、他のウェブサイトからのコンテンツの無断複製といった悪質なスパム技法を使用しているか、その他の Google の品質に関するガイドラインに繰り返しまたは著しく違反していると思われます。 |
画像のクローキング | サイトに表示される画像の一部が、Google の検索結果に表示される画像と異なる場合があります。クローキングとは、人間のユーザーと検索エンジンにそれぞれ異なるコンテンツを表示する行為です。クローキングは、Google ユーザーに予想外の結果をもたらすため、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反していると見なされます。画像のクローキングが行われると、不明瞭な画像や一致しないサムネイルが原因でユーザーが検索しようとしている画像がユーザーに表示されず、Google の画像検索結果のユーザー エクスペリエンスが低下する可能性があります。 |
隠しテキスト、キーワードの乱用 | 一部のページに隠しテキストが含まれているか、ページ内でキーワードが乱用されている可能性があります。これらの手法は、ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反しています。 |
AMP コンテンツの不一致 | AMP バージョンとその標準ウェブページで、それぞれ内容が異なっています。 AMP バージョンとその標準ウェブページは、内容が基本的に同じでなければなりません。テキストが同一である必要はありませんが、トピックは同じものにして、ユーザーがどちらのページでも同じタスクを完了できるようにする必要があります。 手動による対策の影響を受ける AMP ページは、Google の検索結果に表示されません。その代わりに、標準ページが表示されます。 |
不正なモバイル リダイレクト | サイトの一部のページが、検索エンジン クローラには提供していないコンテンツにモバイル デバイスのユーザーをリダイレクトしている可能性があります。不正なリダイレクトは、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反する動作です。Google サーチ クオリティ チームでは、ユーザーに高品質な検索結果を提供するため、このようなサイトの URL を Google インデックスから削除するなどの対策を講じています。 |
ニュースと Discover のポリシー違反 | Google ニュース、Discover のいずれか、または両方のコンテンツ ポリシーに違反しています。 |
参考:手動による対策レポート – Search Console ヘルプ
サーチコンソールで、手動による対策にページにメッセージが表示されたら、できるだけ早く解除する必要がある。
その手順を見ていこう。
|
まず、何が指摘されたのか、詳細を確認する。
「3-2. 実際に表示されるメッセージの例(14種類)」にて例を紹介したとおり、手動による対策では、具体的に何がよくないのか、指摘される。
その範囲(どのページが影響を受けているのか)についても、一覧で表示される。
▼ 例:影響を受けているページの表示イメージ
出典:手動による対策レポート
さらに、具体的に何を直せばよいのかについてもアドバイスが表示されるので、確認しよう。
▼ 例:「サイトからの不自然なリンク」の修正手順のイメージ
出典:手動による対策レポート
何を修正すべきか把握できたら、影響を受けているすべてのページで、修正を行う。
一部のページだけ修正しても、手動による対策は解除されない。指摘されたすべてのページと、複数の対策が実施されていれば、それらすべてを修正する必要がある。
修正が終わったら、Googleが修正後のページにアクセスできることを確認しておこう。
|
ページにアクセスできるかどうかは、Googleの「URL 検査ツール」で確認できる。
▼ URL検査ツールでチェックした例
修正が完了し、Googleがアクセスできることを確認したら、再審査を依頼しよう。
サーチコンソールの、手動による対策が通知されたページに[再審査をリクエスト]のボタンが出ているので、クリックすると、入力フォームが現れる。
▼ 再審査をリクエストのイメージ
「表示された問題についてどのように対処されたか、経緯など関連情報も含めてお知らせください」
と要請されている。
内容は指摘された問題点や修正内容によって異なるが、できる限り具体的に、詳しく書くようにしよう。
とくに、以下の3点に留意するようにとGoogleがアドバイスしている。
|
出典:手動による対策レポート
リクエストが受理されて、審査が開始されると、そのことを伝える確認メールが届く。その後、審査が完了したときにも、メールが届く。
審査完了の通知がくるまでは、何度もリクエストを送信したりせず、Googleからの連絡を待とう。
再審査のリクエストから審査完了まで、どれくらいの時間がかかるのか、気になるところだ。
Googleによれば「通常、数日〜数週間(一部もっと長くかかるケースあり)」とのことだ。
ほとんどの再審査は、数日から数週間かかりますが、リンク関連の再審査リクエストなどの一部のケースでは、リクエストの審査に通常よりも時間がかかる場合もあります。
出典:手動による対策レポート
手動による対策を受けたときの解除方法は以上だが、大前提として、ペナルティを受けないようにサイトを運営することが鉄則だ。
あらためて「ウェブマスター向けガイドライン」に目を通し、自サイトがガイドラインに違反していないか顧みるきっかけとしてほしい。
本記事では「Googleペナルティ」をテーマに解説した。要点を簡単にまとめておこう。
Googleペナルティの基本として押さえたいポイントは次のとおりだ。
|
Googleペナルティ(手動による対策)の確認方法として以下を解説した。
|
Googleペナルティを受けたときは、以下のステップで解除を行う。
|
健全なサイト運営をしていれば、Googleペナルティとは無縁なはずだ。ただ、知識不足や想定外の出来事によって、ペナルティ当事者となる可能性もゼロとはいえない。
正しい知識をもとに、ペナルティを遠ざけるよう心掛けていただければと思う。
広告に頼り切ったマーケティングの打開策としてコンテンツマーケティングについて調べているけれど、よく分からないと悩んでいませんか?
本書は弊社やクライアント様がコンテンツマーケティングに取り組み
など、コンテンツマーケティングの効果と、具体的な施策内容を全94ページに渡って詳細に解説しているものです。
ぜひ、貴社のWEBマーケティングにもご活用ください。