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12/18水13:00〜15:30
「SEOのために記事の文字数を増やすのは意味がないと聞いたけど、本当?」
このような疑問を抱えていないだろうか。
近年、「検索上位表示に必要なのは、コンテンツの質」という考え方が浸透しつつある。実際、Googleの内部者も度々「コンテンツの長さはランキング要因ではない」と発言している。
では、コンテンツの文字数は気にしなくていいのか?この答えは、あなたがどのフェーズにいるのかによって、変わる。
もしあなたが、SEOに取り組み始めたばかりの初心者ならば、私たちは次のとおり答えるだろう。
「文字数は今は気にしないでください。とにかく “コンテンツの質” が大事だと理解してください」
一方、あなたが、コンテンツの質の重要性は十分に理解していて、その先を目指したいフェーズにいるのならば、次のとおり答えるだろう。
「実務現場では、文字数も検索順位に影響すると考えています。そもそも、コンテンツの質と文字数は比例しやすいので、文字数は重要ではないと切り捨てるのは、暴論でしょう?」
もしあなたが後者のフェーズ(上級者)にいるならば、続きを読み進めてほしい。この記事では、建前のSEO論から一歩、踏み込んだ話をしていこう。
結論からいえば、「10,000字前後」(より具体的には7,000〜12,000字)がSEO効果を最大化させやすいと考えている。
本記事の後半では、「文字数にあえてこだわる “1万字” SEOライティングのススメ」として、SEOに強い長文ライティングのノウハウを公開している。ぜひ、最後まで読んでほしい。
冒頭で述べたように、コンテンツの文字数は、SEOに影響すると考えられる。
なぜそういえるのか、まずは論理の部分を知識として知っておこう。6つの理由を解説する。
1つめの理由は「ページの目的を満たす文字数がなければ評価されない」からである。
検索エンジンは、ユーザーの検索意図を満たすコンテンツを高く評価する。そのためには、ページの目的に対して十分な情報量が必要だ。評価されるのは、薄いコンテンツではなく、詳細で豊富なコンテンツである。
実際、Googleの検索品質評価ガイドライン(以下同ガイドライン)(*1)では、記事の詳細さ・綿密さ・大量・豊富といった点が高く評価されている事例が掲載されている。
出典:Google「検索品質評価ガイドライン」をDeepLで翻訳
*1:検索品質評価ガイドラインとは、Googleのアルゴリズムが適切に機能しているかをテストする「検索品質評価者」向けのガイドである。Googleの評価基準を推論するために役立つ。
同ガイドラインでは、そのページの目的(何のために作られたのか)に対して、“満足のいくメインコンテンツ(MC)” であることの重要性が繰り返し、述べられている。
満足のいくコンテンツという評価を得るためには、十分な文字数が必要だ。
【ページの目的に対して十分な文字数が必要な理由】
もちろん、ただ文字数を稼げばいいわけではない。“ユーザーにとって有益な情報を不足なく提供する” という意味での文字数が必要である。
2つめの理由は「文字数は『努力の量』を示唆する」からである。
同ガイドラインでは、コンテンツの質を評価する指標として、「コンテンツ作成に費やされた努力の量、オリジナリティ、才能や技術」が挙げられている。
出典:Google「検索品質評価ガイドライン」をDeepLで翻訳
“コンテンツ作成に費やされた努力の量” を客観的に示す方法は、文字数だけではない。しかし、文字数も含まれることは想像に難しくない。
丹念に作り込まれた力作の長文コンテンツからは、「費やされた努力の量」を容易におもんばかることができるからだ。
3つめの理由は「コンテンツの深さと長さは比例する」からである。
トピックを深く掘り下げて説明するには、ある程度の文字数が必要だ。浅い説明では、ユーザーの疑問を解消できない。コンテンツの深さと長さには比例関係がある。
【長文コンテンツが深い理由】
上記をお読みいただくと、ユーザーと検索エンジンに評価される「質の高いコンテンツ」を作ろうとすると、一定の文字数が目安となることに異論はないだろう。
4つめの理由は「コンテンツの広さと長さも比例する」からである。
長文コンテンツは、トピックに関連するさまざまな側面をカバーしやすい。ユーザーが求める情報に対して網羅性が高いコンテンツは、検索エンジンに高く評価される傾向がある。
【長文コンテンツの網羅性が高い理由】
補足として、ここでいう網羅性とは、SEOテクニックとして知られている “共起語の網羅” などの手法とは別物である。
検索エンジンから真に評価されるのは、検索ユーザーが求める情報を網羅する、という意味での網羅性である。
テクニック的に共起語やサジェストワードなどをコンテンツ内に網羅する行為に対しては、私たちバズ部は懐疑的であるので、その点は付言しておく。
5つめの理由は「文字数が多いほど滞在時間が長くなる」からである。
ユーザーがページに長く滞在することは、良質なコンテンツの指標のひとつだ。
【文字数が多いとユーザーの滞在時間が長くなる理由】
滞在時間が直接的にランキング要因になっているという情報は、Googleから公式には公表されていない。
しかしながら、ユーザーエンゲージメント(例:滞在時間・ページビュー・直帰率など)がSEOに間接的に影響を与える可能性は高いと、広く考えられている。
6つめの理由は「長文コンテンツは被リンクを受けやすい」からである。
文字数の多いコンテンツは、その特性から、他サイトからリンクされる機会が多い。
【長文コンテンツがリンクされやすい理由】
被リンクの多さは、検索エンジンがコンテンツの価値を評価するうえで、重要な指標だ。
とりわけ、上記のような理由による被リンクは、その質が高くなりやすく、高評価につながる(詳しくは「被リンクとは?SEO効果と良質なリンクの増やし方を解説」も参照してほしい)。
一方、文字数が少ない短文コンテンツがSEOに効果的なケースもある。
以下で詳しく確認していこう。
1つめのケースは「クイックアンサー」である。
検索エンジンは、ユーザーの検索意図に合わせて最適な検索結果を表示する。そのため、ユーザーが求める情報が簡潔な回答の場合、短文コンテンツが上位に表示されることがある。
【クイックアンサーの例】
ただし、クイックアンサー系の検索キーワードの場合、ゼロクリックサーチ(検索結果ページで求める情報が得られてクリックしないこと)に陥りやすい点に注意が必要だ。
たとえば、以下は検索キーワード[すみやか 漢字 ひらがな](ニーズ:“すみやか”を漢字で書くべきかひらがなで書くべきか知りたい)の検索結果ページである。
ユーザーは、検索順位1位のURLをクリックするまでもなく満足してしまい、サイトのアクセス増には、貢献しにくい。
2つめのケースは「画像や動画が中心のコンテンツ」である。
画像や動画を中心としたコンテンツの場合、テキストは補足的な役割を果たすため、長文である必要はない。むしろ、メインの画像や動画を邪魔しない短文コンテンツの方が効果的なケースもある。
【具体例】
たとえば、以下は[小豆島の風景]と検索した結果ページである。
検索順位1位のページの文字数は約1,700字であり、短文コンテンツながら1位を獲得している。
ただし注意点としては、同2位のページの文字数は約8,200字・同3位のページの文字数は約9,400字と、しっかりした文字数があることだ。
以下で補足しよう。
前述の事例のみならず、私たちが接触している案件でも、「2,000字しか書いていないのに、ビッグワードで1位に君臨し続けている」といったケースに遭遇することがある。
ある意味コスパが良く、「それが成立するなら、ウチも狙いたい」と思う方は多いだろう。
しかし残念なことに、クイックアンサー系の検索クエリを除けば、短文コンテンツでの上位ランクイン事例は、再現性が低いケースが多い。
つまり、「なぜだか、ハッキリした理由はわからないけれど、上位に表示されている」というページが多いのだ。むろん仮説はいくつかあり、以下のような要素が見られた。
このように、コンテンツ内容以外に重要な勝因がありそうだ。
よって、多くのコンテンツ作成者にとっては、「短文にこだわって、打率の低いホームランを狙う」よりも、「一定の再現性のある長文コンテンツで、コンスタントに上位表示を狙う」ほうが有益だろう。
長文コンテンツで上位表示を狙う方法は、そのノウハウを以下に公開するので、読み進めてほしい。
結論からいえば、あえて文字数にこだわり、「10,000字前後」(より具体的には7,000〜12,000字)をターゲットに、コンテンツづくりを行う手法を提案したい。
以下のポイントを見ていこう。
ここで、前出「文字数がSEOに影響する6つの理由」をおさらいしておこう。
これらの正の影響力を最大化する最適範囲の目安が、先ほど述べた、「10,000字前後」(より具体的には7,000〜12,000字)である。
この文字数に精密な数値的根拠はないものの、年間1,000本以上の良質なコンテンツを世に送り出しているバズ部チーム(*2)の体感として、10,000字前後は確かな目安である。
実際に良質なコンテンツを追求して記事執筆すると、7,000字〜12,000字になることが多いからだ。
*2:参考までに、以下はバズ部チームの実績である。
「10,000字を書き切る」という目標を立てたとき、ただ文字数を達成すればよいのではない。「やってはいけないこと」があるので、それを避けたうえで到達せねばならない。
【× やってはいけないこと】
一方、1つのトピックで10,000字に到達しようとするならば、以下が必要となってくる。
【◎ 10,000字書き切るために必要なこと】
これらの点に気をつけながら、10,000字を書く訓練を繰り返す。訓練を重ねるほどに、無駄のない長文が書けるようになる。
じつは、多くのWebライターにとって、3,000字程度の文章が、高品質をキープして書ける限界だ。それ以上の文字数になると、内容の質が落ちたり、執筆に苦労したりする傾向がある。
【多くのWebライターが3,000字で息切れする理由】
世の中の多くのコンテンツは、3,000字程度で息切れしているにもかかわらず、「精一杯がんばって書いたから、良質なコンテンツに違いない」という思い込みによって公開されている。
しかし、本当の勝負はここからだ。3,000字では、“コンテンツの作成に費やされた努力の量、オリジナリティ、才能や技術” が十分でない可能性が非常に高い。以下は再掲だ。
出典:Google「検索品質評価ガイドライン」をDeepLで翻訳
3,000字で息切れせず、長文を高品質に仕上げられるライターこそが、真のプロフェッショナルといえるだろう。
一方、バズ部ライターにとっては、7,000〜12,000字の記事を書き上げるのは、通常運転である。その理由として、以下が挙げられる。
【バズ部ライターが長文を書ける理由】
最後の記事構成力については、もう少し詳しく説明したいので、以下に続く。
10,000字を書き切るためには、「記事構成をどうするか?」が重要な核となる。
よくある失敗は、「検索キーワードの顕在ニーズ(表層的なニーズ)にしか応えていない構成」である。顕在ニーズに答えるだけでは、3,000〜5,000字程度で書き終えてしまうケースが多いだろう。
重要となるのが、検索ユーザーの心の中にあり、表面的には見えていない「潜在ニーズ」に応えるコンテンツまで、構成案に組み込むことだ。
「そこまで踏み込めているか?」を測るうえで、文字数は一定のバロメーターとして機能する。
例として、本記事の構成を見てみよう。本記事も約10,000字のコンテンツとなっている。
見ていただくとわかるとおり、[SEO 文字数]と検索したユーザーの顕在ニーズ(=SEOでの文字数の影響を知りたい)に応えるだけでは、3,500字程度のコンテンツで終わってしまう。サブトピックまで広げても5,500字だ。
しかし、潜在ニーズ(=SEOで結果を出したい、自サイトの検索順位を高めたい)に応えるコンテンツまで、しっかり書き切ると、記事全体で10,000字程度に到達する。
このスタイルの記事構成のポイントは、記事の前半では、顕在ニーズに単刀直入に応えることだ。そのうえで、記事の後半で潜在ニーズに応える。
慣れるまでは上記をテンプレートとして、構成案作成に取り組んでみよう。上記の構成だと、各セクション2,000〜2,500字、導入文・まとめで1,000字程度の執筆で10,000字の記事が完成するはずだ。
最後に注意点としてお伝えしたいのが、「長文コンテンツにチャレンジすると決めたら、視覚表現のスキル向上の努力を惜しまないこと」である。
なんの工夫もなく羅列された10,000字ものテキストは、誰にも読んでもらえないからだ。
文字数が多くなるほど、見出し・箇条書き・図解などを駆使して、視覚的にわかりやすい記事作成を心がけてほしい。
【読者の理解を助ける視覚表現】
とくに近年、SEO的にも重要度が上がっているのが、図解・インフォグラフィックなどのビジュアル要素の充実だ。
文字だけ書くのではなく、画像挿入もセットで、記事作成ととらえよう。Canvaなど、プロ品質のデザインが簡単にできるツールがある。苦手意識のある方もぜひ取り組んでほしい。
生成AIの図解機能(例:Napkin AI)や、マインドマップツール(例:Mapify)も、視覚表現の強力な味方だ。これらのツールを駆使しながら、読まれる長文コンテンツづくりに挑戦しよう。
本記事では「SEOと文字数」をテーマに解説した。要点をまとめておこう。
文字数がSEOに影響する6つの理由として、以下を解説した。
短文コンテンツがSEOに効果的なケースとして、以下が挙げられる。
文字数にあえてこだわる “1万字” SEOライティングのススメとして、以下を解説した。
本記事を通じて、SEOと文字数に関する疑問をスッキリ解消し、次なる行動に役立てていただければ幸いだ。10,000字の良質コンテンツの執筆に、チャレンジしてほしい。
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