「SEOの効果測定はどのように実施するの?」
「SEO効果測定の方法が知りたい」
SEO対策に取り組んでいるコンテンツを持っているなら、SEO効果測定は必須だ。とは言え、SEO効果測定の方法を知らない方も多いのではないだろうか。
SEO効果測定は、主に下記の8つの項目で想定する。
ただこの項目を把握していればいいのではなく、ツールを使いながら適切なタイミングで測定をする必要がある。具体的な方法や手順を把握して、SEO対策とセットで長期的に取り組むことが欠かせない。
そこでこの記事では、SEO効果測定に必要な項目や具体的な手順、そして無料で使えるツールをまとめて解説していく。
【この記事を読むと分かること】 ・SEO効果測定とは |
この記事を最後まで読めばSEO効果測定の方法が理解でき、すぐに実践できるようになるはずだ。せっかくSEO対策をしていても効果測定ができていないと成果や課題が見えて来ないので、ぜひ取り組めるようにしよう。
目次
1.SEO効果測定とは
SEO効果測定とは、SEO対策の効果を得られているのか定期的に測定することを指す。そもそも、SEOとは「検索エンジン最適化」のことだ。もう少し分かりやすく説明すると検索エンジン経由でのサイトやコンテンツへの流入を増やし、サイトやコンテンツの効果を高める施策を指す。
Googleでは下記のようにSEOを定義し、SEO対策はコンテンツの上位表示やユーザーの利便性の向上に必要だと述べている。
SEOは、検索エンジンがコンテンツを理解して他のユーザーに提示するのを助ける作業 |
多くのサイトがSEO対策を取り入れているが、効果測定まで実施できていないケースがある。効果測定ができていないと効果的なSEO対策ができているのか判断できず「なかなか上位表示しない」「コンテンツを有効活用できていない」と、漠然とした悩みを抱えたまま運用することになる。
せっかく運用しているサイトやコンテンツの価値を最大限引き出すためにも、SEO効果測定は必要不可欠なのだ。ではなぜSEO効果測定が必要なのか、次の章で詳しく解説していく。
2.SEO効果測定が必要な理由
SEO効果測定が必要な理由としては、次の3つがある。
SEO効果測定の必要性を実感するためにも、事前にチェックしておこう。
2-1.SEO対策の効果を把握するため
SEO対策の効果を把握するには、SEO効果測定が欠かせない。例えば「SEO キーワード」で検索をした際に、自社のコンテンツが上位表示されていたとしよう。
上位表示された結果は把握できるが、どのSEO対策が功を奏したのか可視化できない。被リンクやSNSでの露出が増え他チャネルでの流入が増えたことが原因かもしれないし、良質なコンテンツの量が増えたことが原因かもしれない。
成功の要因が分からず同じSEO対策を継続していると、競合他社の戦略の変化やユーザーの行動変化により急に上位表示されなくなる瞬間が来るだろう。勘に頼った運用ではなく、PDCAサイクルを回しSEO対策の効果を可視化することが重要なのだ。
また、定期的に効果測定をしていれば、どのようなSEO対策と相性がいいのか把握できる。自社のコンテンツやサイトにとって最良なSEO対策を把握できれば、効率よくコンテンツやサイトの力を最大化できるだろう。
2-2.SEO対策の改善点を把握するため
「SEO対策をしても効果が出ない」「SEO対策を継続しているのに変化がない」という場合は、定期的にSEO効果測定をしていないことが多い。
SEO効果測定をしていれば、改善点が把握でき効果が出ない状況を脱却できる糸口が見つかるからだ。
例えば、自社のコンテンツがなかなか上位表示されない状況が続いているとしよう。SEO効果測定をしてみると、コンテンツ量や被リンク数が少ないことが把握できた。まずはこの点を改善できる仕組みを作り運用するよう改善ができる。
Googleの公式サイトでも検索結果上位になる秘訣は紹介されておらず、さまざまな方法を試行錯誤するしかない状況だ。だからこそSEO効果測定をして改善点を見つけ、SEO対策の方法をアップデートしていくことが欠かせない。
2-3.アルゴリズムの変動に対応できているか確認するため
Googleのアルゴリズムは日々変動しているため、それに応じてSEO対策を見直す必要がある。
過去のGoogleのアップデートを例に見てみると、ペンギンアップデートではGoogleのガイドライン違反をしているサイトやスパム的な手法を使いSEO対策をしているサイトの評価を下げている。
パンダアップデートではコンテンツの質に着目し、低品質なコンテンツの評価を下げるアルゴリズムの更新が行われた。パンダアップデート前には評価をされていたコンテンツでも、パンダアップデート後には低評価となる可能性は充分にあり得る。
現にパンダアップデートでは重複コンテンツや過度な広告掲載に厳しくなったため、重複コンテンツは評価を下げている。
このように、検索エンジン自体の判断基準が常に変化するため、一度SEO対策をすれば終わりではない。定期的にSEO効果測定を実施し、常に新しいアルゴリズムに対応できているか確認する必要がある。
3.SEO効果測定を行う時期
SEO効果測定は、サイトの立ち上げから半年経過した時点から毎月実施することが好ましい。サイト立ち上げ後の半年間はまだ検索エンジンからのアクセスが見込めないため、効果測定をしても正確な結果が出ないだろう。
とは言え、サイト立ち上げからの半年間は何もしなくてもいいわけではない。この半年間は、コンテンツ数やクローラーの巡回数を測定して、上位表示されない基盤を整えるようにしよう。
ここまでの内容をまとめると
・サイト立ち上げ後の半年間は上位表示を狙うためのコンテンツ数やクローラーの巡回数を測定する |
という3つがポイントとなる。
では、実際にどのような項目でSEO効果測定を行うべきか1つずつ確認していこう。
4.SEO効果測定に必要な8つの項目
SEOの効果測定に必要な項目は、次の8つの項目だ。
それぞれどのように効果測定を実施するのか、一つずつ解説をしていくので参考にして欲しい。
4-1.コンテンツの数
1つ目に確認したいのが、コンテンツの数だ。コンテンツが増えると、検索エンジンからの集客数は指数関数的に上昇する。
その背景には3つの理由がある。
①サイトの情報量が増える
Googleはサイトの評価をする際に、サイト全体の情報量を見て判断をする。良質な記事が1つあってもサイト全体としての情報量は足りないため、コンテンツを増やすことがかかせない。
②内部リンクや被リンクが増やせる
内部リンクが増えるとユーザーの回遊率が高くなり、滞在時間が増える可能性ある。また、Googleは質の高い被リンクがあるサイトを評価するため、コンテンツが増やすことで被リンクを獲得しやすい状態が作れる。
③多くのキーワードで対策ができる
コンテンツが1つしかないと1つのキーワードでしか、SEO対策ができない。コンテンツが多いとさまざまなキーワードでSEO対策ができ、ユーザーの目に止まる機会が必然的に増える。
実際にバズ部が過去一定期間内にコンサルティングをした企業の26のメディアサイトについて記事数とPV数に関する調査を行ったところ、コンテンツ数によってPV数に差が生まれることが明確となった。
記事数とPV数に関する調査 |
|
サイトローンチ後1年以内の公開記事本数が120本以上のサイト |
7サイト中4サイトが公開1年後に月間20万PVを達成 |
サイトローンチ後1年以内の公開記事本数が120本未満のサイト |
公開1年後に月間20万PVに達したのは19サイト中1サイトのみ |
この調査結果からも、いかにコンテンツ数が重要であるかが分かるだろう。SEOの効果測定では、1ヶ月に1回はアップロードされているコンテンツ数を確認しよう。
目標は年間で120記事以上に設定し、毎月一定の新規コンテンツをアップロードできる仕組みを整えるといいだろう。
SEOの効果測定に必要な項目①コンテンツ数 |
|
効果測定の方法 |
アップロードされているコンテンツ数を確認する |
効果測定の頻度 |
1ヶ月に1回 |
目標の目安 |
半年に60記事、年間で120記事以上 |
改善策 |
毎月定量のコンテンツを作成できる状態を整える |
4-2.クローラーの巡回数
2つ目の項目は、クローラーの巡回数である。クローラーとは、リンクを辿りサイトの情報を抽出する検索エンジンロボットのことだ。SEO対策をしたいサイトにクローラーが回って来なければ、Googleにインデックスされることがない。
つまり、クローラーの巡回数を増やして、コンテンツ内容を正確に評価してもらう基盤を作ることがSEO対策へとつながる。
バズ部ではこれまでに100以上のサイトデータを見てきたが、クロール頻度が多いサイトほど検索流入数が増加しやすいことが明確だった。これを踏まえて、公開半年後に日平均150〜200のクロール数を目安として効果測定をするといいだろう。
クローラーの巡回数は、Google Search Consoleで確認できる。
①SEOの効果測定をしたいサイトのURLでGoogle Search Consoleにログインする。
②設定をクリックした後、クロールの統計情報をクリックする。左上に表示される「クロールリクエスト数」を確認する。
③「右上にあるエクスポート」ボタンを押すと、1日単位のクロールスクロール数が表示される。毎月1回目標値に達しているかチェックすることで、SEO効果測定ができる。
SEOの効果測定に必要な項目②クロール数 |
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効果測定の方法 |
Google Search Consoleを使い1日のクロール数をチェックする |
効果測定の頻度 |
1ヶ月に1回 |
目標の目安 |
半年後に1日平均150〜200回 |
改善策 |
サイト内に不要なURLが確認する サイトを外部露出してGoogleがクロールしやすい環境を作る |
4-3.キーワードごとの検索順位
3つ目の項目は、キーワードごとの検索順位だ。そもそもSEOは検索エンジン経由での流入を増やすための施策なので、検索順位を確認することが欠かせない。
検索順位による流入の差は、下記のデータを見ると把握できる。アメリカのSISTRIXが8000万以上のキーワードと数十億以上の検索結果を分析したところ、上位表示になればなるほど、クリック率が高くなることが分かった。
参考:SISTRIX「Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid」
検索結果1位と10位では、クリック率に10倍以上の差があることが分かるだろう。この結果からも
定期的にキーワードごとの検索結果を把握し効果的なSEO対策ができているか見直す必要性が分かる。
キーワードごとの順位は「GRC」を使うことで確認できる。
①パソコンにGRCをインストールする
②インストールが終了したらGRCのメイン画面を立ち上げる
③メイン画面の「編集」をクリックし、「項目新規追加」を選ぶ。順位を調べるサイト名とURL、キーワード(検索語)を入力する。
④入力後にOKを押すと、メイン画面上にURLやキーワードが表示される。
⑤メニューの「実行」をクリックし「順位チェック実行」を選ぶ。完了するとキーワードごとの検索順位が把握できる。
検索順位が低い場合は、コンテンツの内容を見直す必要がある。具体的には、公開して3ヶ月以上経過している記事のリライト(新規ドメインの場合は半年以上)に着手するといいだろう。
その中でも順位が高く重要度の高いコンテンツから見直しを行い、コンテンツそのものの質を改善していくことが得策だ。
SEOの効果測定に必要な項目③キーワードごとの検索順位 |
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効果測定の方法 |
GRCなどのキーワードごとの検索順位を確認できるツールを使い確認をする |
効果測定の頻度 |
1ヶ月に1回 |
目標の目安 |
検索順位1位を目指す |
改善策 |
公開して3ヶ月以上経過している記事のリライト(新規ドメインは半年以上) |
4-4.検索エンジン経由の流入数
4つ目の効果測定項目は、流入経路だ。流入経路は、どのような経路で自社サイトやコンテンツにアクセスしているのか把握するために欠かせない。ユーザーの流入経路を知ることで、今後どのような策略を立てるべきか明確になる。
SEO効果測定でチェックするべきなのは、自然検索での流入数である。自然検索での流入数とは、検索エンジン経由での流入を指す。自然検索流入数が少ない場合は「4-3.キーワードごとの検索順位」の結果をもとにコンテンツの見直しをする必要があるだろう。
流入経路は、Google Analyticsで確認できる。
①SEOの効果測定をしたいサイトのURLでGoogle Search Consoleにログインする。
②ツール内の「検索結果」をクリックする。
③画面上に表示される「合計クリック数」が検索エンジン経由での流入数となる。
SEOの効果測定に必要な項目④検索エンジン経由での流入数 |
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効果測定の方法 |
Google Search Consoleを使い検索エンジン経由での流入数を確認する |
効果測定の頻度 |
1ヶ月に1回 |
目標の目安 |
ー |
改善策 |
検索エンジン経由の流入数が少ない場合はコンテンツの見直しをする |
4-5.PV数
5つ目のSEO効果測定の項目は、PV数である。PV(ページビュー数)とは、該当ページの総合計閲覧数を指す。Googleはコンテンツを評価する際に、ユーザーの行動を判断基準の一つとしている。ユーザーが多く訪問し問題解決や商品購入につながっているのであれば、いいコンテンツだと評価されやすくなる。
ここで注意したいのは、サイト全体のPV数を増やすこと=SEO対策にはならないことだ。確かにサイトの平均PV数は少ないよりも多いほうがいいが、サイト全体のPV数が多くてもコンバージョンなど最終的な目的につながるページのPV数が少なければ意味がない。
そのため、SEO効果測定ではサイト全体のPV数ではなく、重要なコンテンツのPV数を把握して検証することが欠かせない。PV数を測定するコンテンツは
・自社のビジネスと親和性が高いカテゴリーのコンテンツ
・過去一定期間でコンバージョンページへの送客数が一定以上あるコンテンツ
を目安にするといいだろう。
PV数は、Google Analyticsを使い確認できる。
①Google Analyticsにアクセスする。
②メニューの「行動」をクリックする。サイトコンテンツの中の「すべてのページ」を選択すると、コンテンツごとのPV数が把握できる。
重要視したいコンテンツのPV数が低い場合は、コンテンツの内容や導線を見直してサイトの最終的な目的につながるよう改善しよう。
SEOの効果測定に必要な項目④PV数 |
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効果測定の方法 |
Google Analyticsを使い重要コンテンツのPV数を確認する |
効果測定の頻度 |
1ヶ月に1回 |
目標の目安 |
過去数値との比較で判断 |
改善策 |
コンテンツの内容や導線を見直しをする |
4-6.コンバージョン率
6つ目のSEO効果測定の項目は、コンバージョン率だ。コンバージョン率とは
・資料のダウンロード
・商品の購入
・サービスの問い合わせ
など、サイトの最終的な目的に到達している割合を指す。コンバージョンを獲得するには、検索エンジンなどから流入してコンバージョンにたどり着くコンテンツや導線を工夫しなければならない。そのため、
・コンバージョンにつながるSEO対策の効果
・サイトの最終的目的であるコンバージョンへの到達率
を確認するために、コンバージョン率を把握する必要がある。コンバージョン率では、サイト全体のコンバージョン率とコンバージョンページへのアクセス数の2つを確認しよう。
サイト全体のコンバージョン率 |
サイト自体が最終的な目的を果たせている確認する |
コンバージョンページへのアクセス数 |
コンバージョンにつながるページへのアクセス数を確認することで、コンバージョンページへの送客が多いページを把握できる |
サイト全体のコンバージョン率は、サイト自体が最終的な目的を達成できているか確認できる。コンバージョン率が極端に少ない場合は、ユーザーが問い合わせや商品購入など最終的な目的にたどり着いていないためコンバージョンへの導線やコンテンツの見直しが必要だ。
また、コンバージョンページへの送客が多いページが把握できた場合は、そのページを中心に改善を行うことがおすすめだ。より送客につながる導線やリンクを設置することで、コンバージョン率を高められる可能性がある。
コンバージョン率は、Google Analyticsを使い確認できる。
【サイト全体のコンバージョン率】
①Google Analyticsにアクセスする。
②メニューの中の「コンバージョン」をクリックする。
➂目標(事前設定が必要)の中の概要をクリックすると、サイトのコンバージョン率がグラフで提示される。
【コンバージョンページへのアクセス数】
①Google Analyticsにアクセスする。
②メニューの「行動」をクリックする。サイトコンテンツの中の「すべてのページ」を選択する。その後に左上の「ナビゲーションサマリー」をクリックすると、CVページの前によくアクセスされているページが一覧表示される。
SEOの効果測定に必要な項目⑤コンバージョン率 |
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効果測定の方法 |
Google Analyticsを使いサイト全体のコンバージョン率とコンバージョンページへのアクセス数を確認する |
効果測定の頻度 |
1ヶ月に1回 |
目標の目安 |
過去数値との比較で判断 |
改善策 |
コンバージョンへの導線やコンテンツの見直し |
4-7.被リンク
7つ目のSEO効果測定の項目は、被リンクだ。Googleはコンテンツの重要度を判断する上で、被リンクの量と質を評価基準として取り入れていることを明記している。少なからず、サイト内の被リンクの量と質が検索結果に影響を及ぼしていると言えるだろう。
Googleでは、200以上の要素と、PageRank™アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。 |
※ページランクとは被リンクの質と量でコンテンツを評価する独自の指標のこと
ここで注意したいのは、あくまでも質の高い被リンクが必要だというところだ。被リンクを増やしたいが故にスパムリンクや関連性の低いサイトから大量の被リンクをもらうと、ペナルティの対象となる可能性がある。
知らず知らずのうちに意味のない被リンクをもらってしまう可能性もあるため、
・現状の被リンク数を確認する
・意味のない被リンクやスパムリンクがないか確認をする
という2つの視点で、定期的な効果測定が必要だ。被リンクが少ない場合は、サイトの露出を増やして被リンクをもらいやすい状況にしたりインタビューや事例、商品紹介コンテンツなど被リンクをもらいやすいコンテンツを作成してみたりするといいだろう。
被リンクは、Google Search Consoleで確認できる。
①SEOの効果測定をしたいサイトのURLでGoogle Search Consoleにログインする。
②メニューの「リンク」をクリックする。
③内部リンクと外部リンクが表示されるので「外部リンク」の詳細をクリックする。
④被リンクのURLが一覧表示される。リンク元を確認したい場合は被リンクのURLをクリックすると確認できる。
⑤スパムリンクや拒否したい被リンクが見つかった場合は、否認リストを作成してアップロードする。
SEOの効果測定に必要な項目⑥被リンク |
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効果測定の方法 |
Google Search Consoleを使い被リンク数を確認する |
効果測定の頻度 |
1ヶ月に1回 |
目標の目安 |
ー |
改善策 |
被リンクが少ない場合は露出を増やす、被リンクがもらえるコンテンツを増やすなどの工夫を取り入れる |
4-8.直帰率・離脱率・滞在時間
ここまで述べてきた項目を網羅することでSEO効果測定は可能だが、サイトの現状を掴むためにおまけとして見ておきたいのが直帰率や離脱率、滞在時間だ。
直帰率 |
全セッションのうち1ページ目しか見なかった割合 |
離脱率 |
全セッションのうち離脱してしまった割合(直帰率は離脱率の一部) |
滞在時間 |
訪問者がサイトやページに滞在した時間 |
なぜ「おまけ程度」なのかと言うと、直帰率や離脱率、滞在時間が長いことが良質なサイトと直結しないからだ。直帰率が高くても、1ページ目でユーザーの目的や悩みが解消されていれば良質なサイトだと言える。
同じように、滞在時間が短くても短時間でコンバージョンにたどり着いていれば問題はない。そのため、直帰率や離脱率、滞在時間は追いすぎないで他の項目と併せてバランスが取れているか軽く確認をするようにしよう。
5.SEO効果測定に使用できるツール
SEO効果測定の方法が把握できたところで、SEO効果測定に活用できるツールをまとめてご紹介しよう。ツールによって効果測定ができる項目が異なるため、どのツールを導入する必要があるか検討してみるといいだろう。
5-1.Google Analytics
Google Analyticsとは、Googleが提供している無料の分析ツールだ。サイトを訪問したユーザーの行動を細かく分析したいときに向いている。
Google Analyticsでは、主に下記の5つの指標が把握できる。
リアルタイム |
サイトを訪れているユーザーの数やユーザーが閲覧しているページ、流入経路などをリアルタイムで確認できる |
ユーザー |
訪問者数や滞在時間などサイト全体の情報を確認できる |
集客 |
ユーザーの流入経路を細かく確認できる |
行動 |
離脱率や滞在時間、直帰率などサイト上でのユーザーの動きを確認できる |
サイトコンテンツ |
ページごとの離脱率やよく閲覧されるページなどページの情報が確認できる |
SEO効果測定では流入経路やサイト全体の状態を把握したいときなどに活用できるため、あらかじめ登録しておこう。
Google Analytics |
|
利用できるSEO効果測定の項目 |
PV数・流入経路・コンバージョン率・滞在時間・離脱率・直帰率 |
料金 |
無料 |
公式サイト |
5-2.Google Search Console
Google Search Consoleも、Googleが提供している無料の分析ツールだ。Google AnalyticsとGoogle Search Consoleの2つがあれば、おおよその効果測定ができるようになる。
Google Search Consoleは、検索結果でのパフォーマンスが把握できるところが大きな特徴だ。検索順位や検索ページでのクリック数などサイトが検索結果でどのように扱わているのか確認できる。
また、Googleにインデックスをされているかの確認やセキュリティ上の問題の検出などサイトを運用する上で欠かせない事項の確認も可能だ。
Google Search Console |
|
利用できるSEO効果測定の項目 |
クローラーの巡回数・検索順位・被リンク・流入経路 |
料金 |
無料 |
公式サイト |
5-3.Ahrefs
Ahrefsは、多くの国で使用されているSEO分析ツールだ。日本語にも対応しており、見やすいダッシュボードで直感的に使いやすいところが大きな魅力となっている。
Ahrefsは被リンクや検索順位の分析などSEO効果測定に使える項目に加えて、競合分析やキーワード選定などコンテンツ作成に役立つ機能が備わっている。
また、Google Search Consoleと連携して使用することもでき、データ管理がしやすいところも特徴だ。月額99ドル~の有料ツールなので、本格的にSEO対策をしたい場合やSEO対策とコンテンツ作成に役立つツールを導入したい場合に向いている。
Ahrefs |
|
利用できるSEO効果測定の項目 |
PV数・検索順位・被リンク |
料金 |
月額99ドル~ |
公式サイト |
5-4.GRC
GRCは、キーワード単位での検索順位を調査できる分析ツールだ。「4-3.キーワードごとの検索順位」でも解説したように、パソコンにGRCをインストールすることで使用できるようになる。
GRCはキーワードの登録ができるため、SEO効果測定の手間を省けるところが特徴だ。Googleだけでなく、他の検索エンジンでの順位も調査できる。
Google AnalyticsやGoogle Search Consoleにプラスして活用すると、よりSEO効果測定がしやすくなるだろう。
GRC |
|
利用できるSEO効果測定の項目 |
検索順位 |
料金 |
無料(一部有料プランもある) |
公式サイト |
6.SEO効果測定の手順
SEOの効果測定は、下記の手順で進めると導入しやすい。
成果につながるSEO効果測定を行うためにも、ぜひチェックしておこう。
6-1.ツールを導入する
まずは、SEO効果測定を行うためのツールを導入しよう。「6.SEO効果測定の手順」で紹介したツールを参考に、使いやすいツールを使える状態にしておくといいだろう。
基本的には無料で使用できるGoogle AnalyticsやGoogle Search Consoleがあれば、おおよそのSEO効果測定ができるようになる。
6-2.定期的に効果測定を行う
ツールが用意できたら、1ヶ月に1回SEO効果測定を実施する。毎月スケジュールを決めてしまうと忘れずに実行しやすいだろう。
例えば、毎月30日に行う、毎月第四月曜日に行うなど定期的に効果測定ができる基盤を整えると取り組みやすくなる。
6-3.効果測定結果を分析する
SEO効果測定は、実施したら終わりではない。分析を行い、SEO対策がどのような結果を与えているのか確認することが非常に重要となる。SEO効果測定の結果を分析するときのポイントは、次の3つだ。
①各項目ごとに以前のデータと比較をする
まずは、各項目ごとに過去の月間データと比較をしよう。以前のデータと比べて改善されている場合は、SEO対策が功を奏していることになる。
分かりやすい例で言うと、先月よりもキーワードごとの表示順位が上がっていたら何らかのSEO対策の効果があったことになる。
ここで注意したいのは、先月との比較だけで留めず広い視点で比較をすることだ。1ヶ月程度ならコンテンツ内容によっては時期的な問題で、低下する可能性がある。そのため、短期間でSEO対策の成果を判断しないようにしよう。
②全ての項目を踏まえてサイトの状態を評価する
各項目ごとの状態が把握できたところで、全ての項目を踏まえてサイトのSEO対策がプラスなのかマイナスなのかを評価する。1つのSEO対策が複数の項目や要因に作用することがあるため、サイト全体を俯瞰的に分析することも忘れないようにしよう。
③評価するべき点と改善点を書き出す
効果測定の結果を分析して見えてきた、評価するべき点と改善点を書き出そう。例えば、サイトの露出により被リンクの獲得が増えているならこの点は評価するべき点だと言える。
逆に、キーワードごとの検索結果が上がっているのにも関わらずコンバージョン率が低下している場合は、ページの内容や導線を見直す必要があるだろう。
このように、具体的な改善点を見つけることで今後のSEO対策に活かせるようになる。
6-4.改善するべき点を把握しSEOに活かす
改善するべきポイントが明確になったところで、今後のSEO対策に活かすための施策を考えよう。具体的にはいつまでにどのような施策をするのか示し、改善できるようにするといいだろう。
このように、SEO効果測定は測定をしてデータを蓄積し終わるのではなく、具体的な改善点を見つけ出してより的確なSEO対策ができるよう活用することが重要になる。
7.SEO効果測定をするときの3つのポイント
最後に、SEO効果測定をするときのポイントを解説する。どのような点に注意をすればいいのか、チェックしておこう。
7-1.継続して測定する項目を明確にする
SEO効果測定をするときには、測定する項目を明確に決めておこう。何となく検索順位を見ている、コンバージョン率を見ているだけでは、SEO対策を最適化することにつながらない。
「4.SEO効果測定に必要な8つの項目」を参考にしながら、毎月必ずSEO効果測定をする項目を決めてデータを蓄積していこう。
例えば、先ほどご紹介した7つの項目をSEO効果測定の項目として定めた場合は、毎月必ず各項目の数値を確認してシートに書き込む。改善点や評価する点と一緒にデータ管理をすれば、有益なデータとして蓄積していくことが可能だ。
7-2.SEOの効果が出るまでには時間がかかるケースがある
継続してSEO効果測定をしていると、なかなか変化を感じられず戸惑うケースがある。そもそもSEOの効果が出るまでには、時間がかかることが多い。
1年ほどかかり、何らかの変化が見えてくることもあるくらいだ。そのため、SEO効果測定を開始した当初は大きな変化がなくても焦らないで欲しい。
長期的に取り組むことを前提としてコツコツと継続していると、小さな変化や半年前との違いが見つけられるようになるだろう。
7-3.サイトやコンテンツの目指すところを明確にする
SEO効果測定を行うときは、サイトやコンテンツが目指すところを明確にしよう。明確なゴールがないとSEO対策の良し悪しが判断できなくなるためだ。
例えば、コンバージョンの獲得をゴールとしている場合は、コンバージョン率が重要な指標となる。コンバージョン率を高めるためのSEO対策に効果があるのかという視点で効果測定を実施することになる。
一方で、特定キーワードでの上位表示がゴールとなっている場合にコンバージョン率ばかり追いかけていても、有効なSEO対策ができない。このように、目指すゴールに応じてSEO対策や効果測定の基準が大きく異なる。
・サイトやコンテンツのゴールの設定
・サイトやコンテンツのゴールを評価するための判断基準、指標
をあらかじめ決めておくと、有意義なSEO効果測定ができるだろう。
8.まとめ
この記事を最後まで読み、SEO効果測定の項目や具体的な方法を把握できただろう。最後にこの記事の内容をまとめてみると
〇SEO効果測定とはSEO対策の効果を得られているのか定期的に測定すること
〇SEO効果測定が必要な理由は次の3つ
1)自社が行っているSEO対策の効果を確認するため
2)自社が行っているSEO対策の改善点を知るため
3)Googleのアルゴリズムの変化に対応できているか確認をするため
〇SEO効果測定を実施する時期は下記のとおり
1)サイト立ち上げ後の半年間はコンテンツ数やクローラーの巡回数を測定する
2)サイト立ち上げ半年後からは本格的なSEO効果測定を開始する
3)サイト立ち上げ半年後からは1ヶ月に1回定期的にSEO効果測定を行う
〇SEO効果測定に必要な項目は次のとおり
項目 |
概要 |
コンテンツの数 |
コンテンツ数が増えると検索エンジン経由での集客が増える |
クローラーの巡回数 |
クローラーの巡回数を増やしコンテンツ内容を正確に評価してもらえるようにする |
キーワードごとの順位 |
キーワードごとの検索表示結果を確認する |
検索エンジン経由の流入数 |
検索エンジン経由の流入数を確認する |
PV数 |
重要なコンテンツのPV数を確認してコンバージョンなどの目的達成につながっているか検討する |
コンバージョン率 |
サイト全体のコンバージョン率とコンバージョンにつながっているページのアクセス数を確認する |
被リンク数 |
サイトの被リンク数やスパムリンクがないか確認する |
直帰率・離脱率・滞在時間 |
サイトの現状を把握するためにおまけ程度に確認する |
〇SEO効果測定に活用できるツールは下記のとおり
Google Analytics |
Googleが提供している無料の分析ツール |
Google Search Console |
Googleが提供している無料の分析ツール |
Ahrefs |
多くの国で使用されているSEO分析ツール |
GRC |
キーワード単位での検索順位を調査できる分析ツール |
〇SEO効果測定の手順は次のとおり
1)SEO効果測定に活用できるツールを導入する
2)1ヶ月に1回定期的に効果測定を実施する
3)効果測定の結果を踏まえて分析をする
4)改善すべき点を把握して具体的にSEO対策に活かす
〇SEO効果測定をするときのポイントは次の3つ
1)継続してSEO効果測定を行う項目を決めておき決めた項目は確実に測定をする
2)SEOはすぐに結果が出るものではないので継続して効果測定を行う
3)サイトやコンテンツの目的やゴールを定めてSEO効果測定を行う
この記事をもとにSEO効果測定の項目や実施方法が把握でき、自社に合う方法でSEO効果測定ができるようになることを願っている。
SEOをより深く理解したい方へ。バズ部のノウハウを全て詰め込みました。