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12/18水13:00〜15:30
SEOの効果測定とは、Googleなどの検索エンジンで自社サイトが上位に表示されるために行っている施策について、効果が出ているのかを確かめることを指す。
やみくもにSEO対策を進めても効果が出ていなければ意味がないため、SEO効果測定を定期的に行い、施策が効果的に作用しているのか確かめる必要がある。
SEOの効果を測定する場合に見るべき指標はさまざまあるが、今回はその中でも特に重要な6つの項目に絞って、詳しく確認方法や分析の仕方を解説していく。
ただこの項目を把握していればいいのではなく、ツールを使いながら適切なタイミングで測定をする必要がある。具体的な方法や手順を把握して、SEO対策とセットで長期的に取り組むことが欠かせない。
そこでこの記事では、SEO効果測定に必要な項目や具体的な手順だけでなく、SEO効果測定に使用を推奨するツールについてもまとめて解説していく。
この記事を最後まで読めばSEO効果測定の方法が理解でき、すぐに実践できるようになるはずだ。せっかくSEO対策をしていても効果測定ができていないと成果や課題が見えて来ないので、ぜひ取り組めるようにしよう。
目次
SEO効果測定とは、自社が行っている「SEO対策(検索エンジン最適化)」の効果が出ているかどうかを定期的に測定することをいう。
具体的には、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどを使って、検索エンジン経由のアクセス数が伸びているかやコンバージョンが上がっているかなど、複数の観点から定量的・定性的に評価するのが望ましい。
定期的に計測して現在地や問題点を確認することで、今後のSEO対策にさらに活かすことができるはずだ。
そもそもSEOとは、検索エンジン経由でのサイトやコンテンツへの流入を増やし、サイトやコンテンツの効果を高める施策を指す。
SEOの全体像については、バズ部の「SEO初心者向けマニュアル」を参考にしてもらうと分かりやすいだろう。
今では多くのサイトがSEO対策を取り入れているが、正しい効果測定まで実施できていないケースがある。適切な効果測定ができていないと、効果的なSEO対策ができているのか判断できず、「なかなか上位表示しない」「コンテンツを有効活用できていない」と、漠然とした悩みを抱えたまま運用することになる。
せっかく運用しているサイトやコンテンツの価値を最大限引き出すためにも、SEO効果測定は必要不可欠なのである。
SEO効果測定を実施する時期としては、サイトを立ち上げて3〜4ヶ月後ぐらいから、毎月1回程度の頻度で実施することが好ましい。「3ヶ月〜4ヶ月後から」としている理由は、立ち上げ当初や最初の数ヶ月はアクセスがそれほど集まらないからである。
SEO効果測定の担当者は、毎月決まった時期に、これから説明する項目について計測する習慣を付けておくと良いだろう。
もちろん毎日や毎週など頻繁に効果測定をしても良いが、短期的な変動を見てもあまり意味がないばかりか、一時的な変化に一喜一憂する羽目になるため、おすすめとは言えないのが本音である。
また、以下のようなタイミングで効果測定を行うのもおすすめである。
・新規ページを追加した場合 |
既存ページのリライトを行った場合は、リライト前とリライト後の差を見て、どのように順位や流入数に変化があったかを確認してみよう。
※なお、サイトを新規で立ち上げた場合には、検索エンジンからの流入数が上がってくるまでには4ヶ月〜半年程度の時間がかかることが一般的である。 例えば、バズ部が支援した3社のオウンドメディアの立ち上げでは、月間10万PV達成までにかかった期間が4.3ヶ月だった。 サイトの立ち上げからSEO効果が安定してくるまでのデータについては、バズ部の「月間50万PVを超えたオウンドメディアの10のデータを解析」の記事もぜひ参考にしてみてほしい。 |
ここからは具体的に、SEOの効果が出ているか測定する場合に、どこを見るべきか具体的に解説していこう。
見るべき指標 |
補足的に見ると良い指標 |
それぞれどのように効果測定を実施するのか、一つずつ解説をしていくので参考にして欲しい。
SEO(検索エンジン最適化)の効果を見る時に最も重視すべきポイントは、検索エンジン経由の流入数の数字や変化である。
サイトの流入は、検索エンジン経由以外にも、広告からの流入やSNSからの流入などさまざまなものがある。SEO効果が出ているかどうかを見るには、当たり前だが、検索エンジン経由の流入(=自然検索)がどのくらい増えてきているかを見る必要があるのだ。
検索エンジン経由の流入数を見る方法はいくつかあるが、例えばGoogleアナリティクスの場合には、【レポート>集客>トラフィック獲得】をクリックすると、チャネルごとの流入数や推移を確認できる。
検索エンジン経由の流入数の効果測定方法 |
(1)Googleアナリティクスにログインする |
「Organic Search」が、検索エンジン経由でサイトに辿り着いたユーザーの数である。
例えばサイトを立ち上げた当初であれば、「Organic Search」の推移を見て、検索エンジン経由の流入数が着実に伸びてきているかを確認したり、設定したKPIの目標値に達しているかなどを見ると良いだろう。
また、Googleアナリティクスの同じ画面の下部には、流入チャネルごとの流入数が表示される。これを見て、「検索エンジン経由での流入は伸びてきたから、今度はソーシャル経由(SNSなど)での流入を伸ばしていこう」など、SEO以外の施策のアイデアに繋げることもできるはずだ。
なお、検索エンジン経由の流入数がなかなか伸びてこない・少ない場合には、それぞれのページの検索順位を確認して、コンテンツの質が評価されているかをチェックする必要がある。これについては、「3-3.キーワードごとの検索順位」で解説するので確認してほしい。
また、サイト立ち上げ当初に流入数が伸び悩む原因としてありがちなのが、「そもそもコンテンツ数が足りていない」「クローラーが回っていない」という問題である。これについては、「6-2.SEOの効果が出るまでには時間がかかるケースがある」で後述するので、こちらも確認してほしい。
SEO効果測定をする際の重要指標として、「コンテンツ経由のコンバージョン数」もチェックすべき大事な項目である。
コンバージョンとは、資料のダウンロードや商品の購入、サービスの問い合わせなど、サイトの最終的な目的に到達したことを指す。
多くのサイトのSEOの最終的なゴールは、顧客開拓にあるはずである。いくら検索順位が上がって多くの人に記事を読んでもらっても、コンバージョンに繋がらなければ、SEOの効果が出ているとは言えないだろう。
コンバージョン率を見る時には、1回目の訪問ですぐにコンバージョンに至るとは限らないため、「コンバージョンに至ったユーザーが、どのページを以前に見ているか」を慎重に分析することが大切となる。
具体的な効果測定方法を見ていこう。コンバージョン率の測定は、Googleアナリティクスの「データ探索」機能を活用する方法がおすすめである。
コンバージョン率の効果測定方法 |
(1)Googleアナリティクスにログインする |
コンバージョンページへの送客が多いページが把握できたら、そのページを中心に改善を行うことがおすすめである。より送客につながる導線やリンクを設置することで、コンバージョン率を高められる可能性がある。
SEO効果測定で見るべきポイント3つ目は、キーワードごとの検索順位とクリック数だ。そもそもSEOは検索エンジン経由での流入を増やすための施策なので、検索順位を確認することは欠かせない。
当たり前であるが、検索結果の1位に掲載されているコンテンツと、10位に掲載されているコンテンツでは、1位のコンテンツの方が圧倒的にクリックされる(=訪問される)。
アメリカのSISTRIXが8000万以上のキーワードと数十億以上の検索結果を分析したところ、上位表示になればなるほど、クリック率が高くなることが分かった。
参考:SISTRIX「Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid」
検索結果1位と10位では、クリック率に10倍以上の差があることが分かるだろう。この結果からも
定期的にキーワードごとの検索結果を把握し、効果的なSEO対策ができているか見直す必要性が分かる。
キーワードごとの順位は、Google公式ツールのサーチコンソールでも確認できるが、これでは残念ながら複数キーワードの順位の推移を追うことまではできない。そこで便利なツールが、「検索順位チェックツールGRC」というツールである。
キーワードごとの検索順位の効果測定方法 |
(1)パソコンから「検索順位チェックツールGRC」のサイトにアクセスして、ツールをインストールする |
※「検索順位チェックツールGRC」は、無料版でも、3URL・10キーワードまでの順位確認が可能である。まずは無料で使ってみて、機能を拡充したい場合には有料版に切り替えるのがおすすめである。
以下が、GRCで検索順位を取得したキーワードのサンプル画面である。GRCでは、Google・Yahoo・Bingでそれぞれ何位になっているかを取得することができる。
検索順位が低い場合は、コンテンツの内容を見直す必要がある。具体的には、公開して3ヶ月以上経過している記事のリライト(新規ドメインの場合は半年以上)に着手するといいだろう。
その中でも順位が高く重要度の高いコンテンツから見直しを行い、コンテンツそのものの質を改善していくことが得策だ。
4つ目のSEO効果測定の項目は、被リンク数やページランクの高さである。検索結果での上位表示を実現させるためには、一定の被リンク数を獲得していることや一定以上のページランクが必要になるケースが多いからだ。
Googleは、コンテンツの重要度を判断する上で、PageRank(被リンクの量と質でコンテンツを評価する独自の指標)を評価基準として取り入れていることを明記している。つまり、少なからず、サイト内の被リンクの量と質が検索結果に影響を及ぼしていると言えるだろう。
Googleでは、200以上の要素と、PageRank™アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。 |
ただし、被リンクが多ければ良いという訳では決してない。質の高い被リンクを得ることが重要であり、「リンクをお金で買う」という行為は逆にペナルティに該当してサイトの価値を失墜させるので注意しよう。
また、検索上位に表示されるために必要なページランク及び被リンクの値には、絶対的な数があるわけではなく、相対的な尺度で考える必要がある。例えば、競合サイトが強い分野では、それなりにページランクがあるサイトの方が上位表示されやすい。一方で、競合となるサイトがあまり無い分野では、ページランクがそれほど高い必要はないケースがある。
競合サイトをベンチマークにして、競合サイトのページランク(Ahrefsでは「ドメインレーティング」)を目標にすると良いだろう。
被リンクについてさらに詳しく知りたい方は、バズ部の「被リンクとは?SEO効果と良質なリンクの増やし方を解説」の記事もぜひ参照してほしい。
SEO効果測定の中で「被リンク分析」を行なうためには、有料ツールである「Ahrefs(エイチレフス)」を使う方法がおすすめである。Googleサーチコンソールでは、被リンクの総数を確認することはできるが、競合と比べてどうかという分析まではできないからだ。
なお、Ahrefsの無料版「被リンクチェッカー」でも、ページごとにURLを入力して、以下のようにドメインレーティングや被リンクの数、どのようなページからリンクされているかを個別に見ることは可能だ。競合サイトの数字と比較することで、ある程度の分析はできるだろう。
ただし、一つ一つ個別のページを見ていかなければならないため、サイト全体の被リンクやドメインレーティングを見たい場合には、有料版の導入を検討してみることをおすすめする。
被リンク数のSEO効果測定方法 |
(1)Ahrefs(有料ツール)に登録して、ログインする |
なお、Ahrefsにおける「ドメインレーティング」とは、Ahrefsが独自に使っている指標であり、Googleのページランクそのものではない点に注意が必要である。
Googleのページランクそのものは公開されていないため、ページランクをどこかで確認することはできない。そのため、Ahrefsのドメインレーティングの数値を見て、推測するしかない状態なのである。
SEO効果を測定する場合は、被リンク数やドメインレーティングが順調に伸びてきているかを確認し、伸び悩む場合には施策を打っていくことを考えよう。
被リンクが少ない場合は、サイトの露出を増やして被リンクをもらいやすい状況にしたりインタビューや事例、商品紹介コンテンツなど被リンクをもらいやすいコンテンツを作成してみたりするといいだろう。
SEO効果測定において、補足的に見ることをおすすめするのが、クリック率(CTR)です。特に、検索順位は良いのにクリック率が悪い場合には、タイトルの付け方が悪かったり、記事の方向性・言葉の選び方が間違っていたりする可能性がある。
なお、クリック率は検索順位によっての変動が激しいものである。検索結果の1位に表示されている方がクリック率は高くなるし、10位や20位となってくるとクリック率は10分の1以下になることもある。
【検索順位と平均CTRの関係】
検索順位 | 平均CTR |
1位 | 30%程度 |
2位 | 15%程度 |
3位 | 9%程度 |
4位〜5位 | 4%〜6%程度 |
6位〜8位 | 2%〜3%程度 |
9位〜20位 | 1%台 |
※ただし、検索意図の種類(DoクエリなのかKnowクエリなのか)や競合コンテンツの多さなどによってもクリック率はかなり違ってくるため、あくまで参考程度に活用してほしい。
キーワードごとのクリック率(CTR)を確認する時に使うのは、Google公式の無料ツール「Googleサーチコンソール」だ。具体的には、以下の方法で、キーワード(クエリ)ごとのCTRおよび掲載順位を確認していこう。
キーワードごとのクリック率(CTR)のSEO効果測定方法 |
(1)Googleサーチコンソールにログイン |
例えば、表示回数が多いのにCTRが低いクエリ(キーワード)や、掲載順位は上位なのにCTRが低いクエリを確認すると、多くの検索ユーザーの検索結果には表示されているのに、クリックされていない状態であることが分かる。
タイトルに問題があるのか、使っている言葉や方向性が間違っているのかなど、クリックされない原因を追究して、リライトするなどの対策を行おう。
また、この画面を見ると、自分では狙っていなかったクエリ(キーワード)の表示回数が意外と多かったり、掲載順位が上位になっていたりということも分かる。ユーザーのニーズを発見できることもあるので、見てみると良いだろう。
ここまで述べてきた項目を網羅することでSEO効果測定は可能だが、サイトの現状を掴むために「おまけ程度」に見ておきたいのが、Googleアナリティクスで確認できる「エンゲージメント」周りの指標である。
Googleアナリティクスにおける「エンゲージメント」とは、簡単にいうと、その記事(ページ)に対して何らかの反応があった割合のことである。具体的には、以下のようなセッション(ユーザーがサイトを訪問している間のこと)が「エンゲージメントがあったセッション」とカウントされる。
・10秒を超えて継続したセッション |
つまり、エンゲージメント率は、エンゲージメントのあったセッションの割合である。また「直帰率」は、エンゲージメント率の反対の意味で、エンゲージメントが発生しなかった割合を指す。
エンゲージメントがあったかどうかを確認することで、全訪問数の中で、有効的な訪問がどのくらいあったかを確認することができるのである。逆に、エンゲージメントが発生しなかったということは、ユーザーがサイトに訪問したものの価値を感じられずすぐに離脱してしまったということになる。その原因を探って対策する必要があるだろう。
例えば、サイト全体のエンゲージ率を確認するには、以下の順番に見ていけばよい。
SEO効果測定においてサイト全体のエンゲージ率を確認する方法 |
(1)Googleアナリティクスにログインする |
また、【レポート>エンゲージメント>ページとスクリーン】を見ることで、ページごとの平均エンゲージメント時間を見ることもできる。(ただし、ここには検索エンジン経由ではない流入経路のものも含まれるが。)
適切なエンゲージメント率や平均エンゲージメント時間は、サイトのジャンルや性質によっても異なるため一概に言えない。しかしながら、他のページと比べて明らかにエンゲージメント時間が短いページがあったり、サイト全体のエンゲージメント率が著しく低かったりする場合には、原因を追求して特定し、何らかの対策を行う必要があるだろう。
例えば、コンバージョンへの導線を再確認してみたり、動画などのリッチコンテンツを用意したり、原因に合わせて施策を考えてみることをおすすめする。
SEO効果測定の方法が把握できたところで、SEO効果測定に活用できるツールをまとめてご紹介しよう。
ツールによって効果測定ができる項目が異なるため、どのツールを導入する必要があるか検討してみるといいだろう。
Googleアナリティクスは、Googleが提供している無料の分析ツールである。
Googleアナリティクス(GA4)は大きく分けて、(1)基本レポート、(2)探索レポートに分かれており、さまざまな分析ができる。
【Googleアナリティクスのレポート】
(1)基本レポート | ユーザー属性や流入経路、ページ別の閲覧数やエンゲージメント時間など、サイト全体の状況を掴むことができる |
(2)探索レポート | カスタマイズして自分が行いたい詳細な分析を行える |
無料ツールでありながら、サイトを訪問したユーザーの属性や行動を細かく分析できるため、SEO効果測定を行うならば必ず使うべきツールである。
まだ登録していない場合は、バズ部の「google analytics(GA4)を導入する4つのステップと使い方を詳しく解説」の記事も参考に、必ず登録を済ませておこう。
Googleサーチコンソール(Google Search Console)も、Googleが提供している無料の分析ツールである。
Google Search Consoleは、検索結果でのパフォーマンスが把握できるところが大きな特徴だ。検索順位や検索ページでのクリック数などサイトが検索結果でどのように扱われているかを確認できる。
また、コンテンツが正常にインデックスをされているかの確認や、セキュリティ上の問題の検出など、サイトを運用する上で欠かせない事項の確認も可能だ。
SEO効果測定をする上では、掲載順位や表示回数、クリック率(CTR)、被リンクの確認のほか、クローラーの巡回数なども確認できる。
有料の分析ツールを入れた場合にはGoogleサーチコンソールは不要ではないかと思われるかもしれないが、各ページの検索結果の状態やエラーの原因を教えてくれるため、こちらも必ず登録しておこう。
Googleサーチコンソールで確認できるエラーについては、バズ部の「17種類のサーチコンソールエラーの原因と修正方法をわかりやすく解説」の記事もぜひ参考にしてほしい。
GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールの2つがあれば、おおよその効果測定ができるようになる。
Ahrefs(エイチレフス)は、Google公式ではないサードパーティー製の有料ツールで、多くの国で指示されているSEO分析ツールである。日本語にも対応しており、見やすいダッシュボードで直感的に使いやすいところが大きな魅力となっている。
Ahrefsは被リンクや検索順位の分析などSEO効果測定に使える項目に加えて、競合分析やキーワード選定などコンテンツ作成に役立つ機能が備わっている。Googleサーチコンソールと連携して使用することもでき、データ管理がしやすいところも特徴だ。
月額19,900円(ライトプラン)からの有料ツールなので、競合サイト調査や被リンク・ドメインレーティングの分析など、本格的にSEO対策をしたい場合に導入を検討してみよう。
公式サイト:SEOの被リンク分析・競合調査ツール | Ahrefs(エイチレフス)
検索順位チェックツールGRCは、Google公式ではないサードパーティー製の無料ツールで、キーワード単位での検索順位を調査できる分析ツールだ。「3-3.キーワードごとの検索順位」でも解説したように、パソコンにGRCをインストールすることで使用できるようになる。
キーワードを登録しておくことで自動で順位を追うことができるため、SEO効果測定の手間を省けるメリットがある。さらに、Googleだけでなく、YahooやBingの順位も調査できる。
無料ツールだが、有料のライセンスプランを購入すると、より多くのキーワードをチェックできるようになるため、さらに使い勝手が向上するだろう。
必要に応じてGoogleサーチコンソールにプラスして導入して、SEO効果測定に活用してみてほしい。
公式サイト:検索順位チェックツールGRC
SEOの効果測定は、下記の手順で進めると導入しやすい。
成果につながるSEO効果測定を行うためにも、ぜひチェックしておこう。
まずは、SEO効果測定を行うためのツールを導入しよう。ここまでで紹介したツールを参考に、使いやすいツールを使える状態にしておくといいだろう。
基本的には、無料で使用できるGoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールがあれば、おおよそのSEO効果測定ができるようになる。
さらに詳しい分析や競合調査などを行いたい場合には、必要に応じてGoogle公式ツール以外のツールも導入を検討すると良いだろう。
ツールが用意できたら、1ヶ月に1回SEO効果測定を実施する。毎月スケジュールを決めてしまうと忘れずに実行しやすいだろう。
例えば「毎月30日に行う」「毎月第四月曜日に行う」などと日にちを決めて、定期的に効果測定ができる基盤を整えると取り組みやすくなる。
SEO効果測定は、実施したら終わりではない。分析を行い、SEO対策がどのような結果を与えているのか確認することが非常に重要である。
SEO効果測定の結果を分析するときのポイントは、次の3つだ。
まずは、各項目ごとに過去の月間データと比較をしよう。以前のデータと比べて改善されている場合は、SEO対策が功を奏していることになる。
分かりやすい例で言うと、先月よりもキーワードごとの表示順位が上がっていたら何らかのSEO対策の効果があったことになる。
ここで注意したいのは、先月との比較だけで留めず広い視点で比較をすることだ。1ヶ月程度ならコンテンツ内容によっては時期的な問題で、低下する可能性がある。そのため、短期間でSEO対策の成果を判断しないようにしよう。
各項目ごとの状態が把握できたところで、全ての項目を踏まえてサイトのSEO対策がプラスなのかマイナスなのかを評価する。1つのSEO対策が複数の項目や要因に作用することがあるため、サイト全体を俯瞰的に分析することも忘れないようにしよう。
効果測定の結果を分析して見えてきたら、評価するべき点と改善点を書き出そう。例えば、サイトの露出により被リンクの獲得が増えているならこの点は評価するべき点だと言える。
逆に、キーワードごとの検索結果が上がっているのにも関わらずコンバージョン率が低下している場合は、ページの内容や導線を見直す必要があるだろう。
このように、具体的な改善点を見つけることで今後のSEO対策に活かせるようになる。
改善するべきポイントが明確になったところで、今後のSEO対策に活かすための施策を考えよう。具体的にはいつまでにどのような施策をするのか示し、改善できるようにするといいだろう。
このように、SEO効果測定は測定をしてデータを蓄積し終わるのではなく、具体的な改善点を見つけ出してより的確なSEO対策ができるよう活用することが重要になる。
最後に、SEO効果測定をするときのポイントを解説する。どのような点に注意をすればいいのか、チェックしておこう。
SEO効果測定をするときには、測定する項目を明確に決めておこう。何となく検索順位を見ている、コンバージョン率を見ているだけでは、SEO対策を最適化することにつながらない。
今回解説した「3.SEO効果測定で見るべき重要な6項目と分析方法」をベースに自社で測定項目を決めて、毎月決まったタイミングで必ずSEO効果測定をする習慣を付けて、データを蓄積していこう。
例えば、先ほどご紹介した6つの項目をSEO効果測定の項目として定めた場合は、毎月必ず各項目の数値を確認してシートに書き込む。改善点や評価する点と一緒にデータ管理をすれば、有益なデータとして蓄積していくことが可能だ。
継続してSEO効果測定をしていると、なかなか変化を感じられず戸惑うケースがある。そもそもSEOの効果が出るまでには、時間がかかることが多い。
1年ほどかかり、何らかの変化が見えてくることもあるくらいだ。そのため、SEO効果測定を開始した当初は大きな変化がなくても焦らないで欲しい。
長期的に取り組むことを前提としてコツコツと継続していると、小さな変化や半年前との違いが見つけられるようになるだろう。
※SEOの効果測定を続けていてもなかなか伸びてこないという場合には、サイト立ち上げ初期のKPI「コンテンツ数」と「クローラーの巡回数」が足りていない可能性がある。
バズ部の別記事「効率的に最大の成果を出すためのコンテンツマーケティングのKPI設計」を参考に、十分なコンテンツ数やクローラー巡回数が確保できているかをしっかり確認しよう。
・目標コンテンツ数の目安:サイト公開から半年で60本、年間で120本
・クローラーの巡回数:半年後に平均150〜200回/日
SEO効果測定を行うときは、サイトやコンテンツが目指すところを明確にしよう。明確なゴールがないとSEO対策の良し悪しが判断できなくなるためだ。
例えば、コンバージョンの獲得をゴールとしている場合は、コンバージョン率が重要な指標となる。コンバージョン率を高めるためのSEO対策に効果があるのかという視点で効果測定を実施することになる。
一方で、特定キーワードでの上位表示がゴールとなっている場合にコンバージョン率ばかり追いかけていても、有効なSEO対策ができない。このように、目指すゴールに応じてSEO対策や効果測定の基準が大きく異なる。
・サイトやコンテンツのゴールの設定
・サイトやコンテンツのゴールを評価するための判断基準、指標
をあらかじめ決めておくと、有意義なSEO効果測定ができるだろう。
この記事を最後まで読み、SEO効果測定の項目や具体的な方法を把握できただろう。最後にこの記事の内容をまとめてみたので確認してほしい。
▼SEO効果測定とは?
・自社が行っている「SEO対策(検索エンジン最適化)」の効果が出ているかどうかを定期的に測定すること |
▼SEO効果測定で見るべき重要な6項目
見るべき指標 |
補足的に見ると良い指標 |
▼SEO効果測定に使用するツール
・Googleアナリティクス(無料/導入必須) |
この記事をもとにSEO効果測定の項目や実施方法が把握でき、自社に合う方法でSEO効果測定ができるようになることを願っている。
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