キーワード選定は、SEOに強いサイトを作るための基礎であり、絶対に外してはいけない重要施策だ。なぜなら、キーワード選定はサイトの構造を決めるための素材であり、良質なコンテンツを作成するための種になるからだ。
逆を言うと、キーワード選定を疎かにすれば欠陥だらけの効果が出ないサイトになってしまう。だからこそ、弊社ではキーワード選定に1ヶ月近くの時間と労力をかけている。
正直かなり大変だが、妥協せずに力を入れて実施しているからこそ成果に繋がっていると実感している。
そこで今回は、キーワード選定の実践的な進め方を、弊社で実際に行っているキーワード選定法とともにご紹介する。主に以下の3つについてだ。
- サイトの構造を決定するためのキーワードの選定方法
- 優先的に攻略すべきキーワードの選定方法
- CVまでの道筋を考慮したキーワードの選定方法
このあたりを理解し実践してもらえれば、面白いように成果に繋がるサイトの設計やプランニングができるだろう。
ぜひ参考にしてほしい。
目次
1.SEOに強いサイトを構築するキーワード選定4つのステップ
それでは早速、SEOに強いサイトを構築するキーワード選定のステップを紹介していく。
ゴールはサイトの構造を決定することだ。サイトの構造を明確にすることで、ユーザーにとってアクセスしやすいサイトになるし、結果としてSEOの効果が安定する。
具体的には以下の4つのステップだ。
ステップ①:関連するキーワードを全て洗い出す
ステップ②:複合キーワードと月間検索ボリュームを全て出す
ステップ③:キーワードを取捨選択する
ステップ④:サイト構造を決定する
それでは、最初のステップから見ていこう。
ステップ①:関連するキーワードを全て洗い出す
まずは、あなたのビジネスに関連するキーワードを手当たり次第に全て抽出しよう。
ここで大切なのは「問い合わせに繋がらないだろう」「あまり関係ないかも」といった思い込みを一切排除し、できる限り多くのキーワードを抽出することだ。
例えば、バズ部は、「Webマーケティングで結果を出すために必要なことが全て分かるブログ」なので、関連性のあるキーワードとは、ブログ運営やSEO、LPO、コピーライティング、ソーシャルメディア運用に関するキーワードとなる。
つまり、以下のようにキーワードを列挙していくべきだ。
※この段階では細かいキーワードを出すよりも、「親キーワード」と言われるような単語を出す意識で進めよう。
- SEO
- 検索エンジン
- タイトルタグ
- 見出しタグ
- アンカーテキスト
- サイトマップ
- WordPress
- CMS
- 被リンク
- 記事
- コンテンツマーケティング
- コンバージョン
- 集客
- WEBマーケティング
- ブログ
- オウンドメディア
- LPO
- ランディングページ
- コピーライティング
- 文章力
- ソーシャルメディア
- SNS
- メルマガ
- ステップメール etc.
そして、これらのキーワードは以下のような方法を用いて出せるだけ出していく。
- 自分の頭で考えて出す
- あなたのビジネスに関連する資料を参考にする
- Googleの検索結果を参考にする
- Yahoo!知恵袋を使用する
抽出したキーワードはExcelなどのファイルにどんどん追加していくという流れだ。
それぞれ見ていこう。
⑴自分の頭で考えて出す
まずは自分の頭で考えて、キーワードを出せるだけ出していこう。
「そんなことか」と思われるかもしれないが、これが最も広範にキーワードを抽出できる方法だ。直接お客さんと接したり、ビジネスに直接関わったり、現場のことをよく知っている本人が考えることで、効果的なキーワードをたくさん抽出することができるだろう。
まずは何も考えずどんどんキーワードを出してみよう。あなたや同僚、お客さんが普段から使う言葉にたくさんのヒントが隠れているはずだ。
抽出すべきキーワードの6〜7割くらいはこの方法だけ出せるはずだ。
業界にもよるが、400〜500程度のキーワードは出せるだろう。
とにかく数を集めることだけを考えてリストアップしていこう。
⑵あなたのビジネスに関連する資料を参考にする
あなたのビジネスに関連する資料を参考にしよう。
例えば下記はキーワードのリサーチに役立つ可能性が高い。
- パンフレット
- 商品サービスの説明書
- 営業資料
- 書籍などの出版物
- コーポレートサイトやサービスサイト
- ブログ
自分の頭で考えるだけでは、どうしても漏れが発生する。
それを補完するという意味で、これらの資料を活用してキーワードを抜き出すのはおすすめだ。
⑶Googleの検索結果を参考にする
Googleの検索結果を参考にすると、あなたのビジネスに関連するキーワードを探すことができる。
例えば「SEO」と検索してみよう。表示されるページを1つ1つ見ていくと、下記のような言葉を見つけることができる。
- 上位表示
- 外部施策
- 内部試作
- SEM
- Webスパム
- 広告コスト
- CVR
- EAT
- サーチコンソール
- 内部リンク
- 共起語
- クエリ
- ページスピード
- URL正規化
- クローラビリティ etc.
このように検索結果を参考にリサーチを進めると、自社ではあまり使わないが他社がよく使う言葉や、専門用語、そもそも知らなかった言葉など、あらゆるキーワードのヒントを数多く得ることができる。
まずは、あなたのビジネスにおいて重要なキーワードを起点に検索し、芋づる式にどんどん新しいキーワードを発掘していこう。
⑷Yahoo!知恵袋を使用する
Yahoo知恵袋を積極的に活用しよう。
ここまで紹介してきた方法の中で、唯一ユーザーの生の言葉が書かれている媒体だ。
いくらGoogleの検索結果を参考にしてもユーザーの生の言葉は書かれていない。
サイト運営者の言葉しか書かれておらず、ユーザーが普段から使う言葉がわからないということだ。
つまり、Yahoo知恵袋を参考にすることで、ユーザーが普段から使うキーワードを発掘することができる。
感情の伴うキーワードや、専門家の間では使わないが一般ユーザーの間ではよく使われている言葉、略語など、多くのヒントを得ることができる。
例えば「SEO」について検索すると以下のような質問があった。
赤枠の言葉がキーワード選定のヒントになりそうだとわかる。
<Yahoo知恵袋の質問から浮かび上がったキーワードのヒント>
- ドメイン年齢
- インデックス
- スモールキーワード
- metaタグ
- html
- キーワード比率
例えば、私たちバズ部では「キーワード比率」という言葉を使用する場面は皆無だ。
おそらく頭の中で考えたり、社内の資料をリサーチしたり、複数名でブレストしても「キーワード比率」という言葉は出てこないだろう。そもそも重要視していないし、議論の余地がないからだ。
でも、ユーザーは違う。
ユーザーが「キーワード比率」という言葉を使っているのは事実だ。
つまり、SEOについて調べているユーザーにとって、重要なキーワードかもしれないということだ。
Yahoo知恵袋には、キーワードのヒントがたくさん転がっている。
このような言葉を見逃してしまうと機会損失を招くことになるから、ぜひYahoo知恵袋を積極的に活用しよう。
※Twitterの活用もおすすめだ。Yahoo知恵袋と同様、ユーザーの生の声が掲載されている貴重な媒体だ。Twitterは複数ユーザーを交えたコミュニケーションが可視化されているから、普段からどのような言葉を使っているのか把握することができる。キーワード抽出のヒントになるはずだから、ぜひ活用しよう。
ステップ②:複合キーワードと月間検索ボリュームをすべて出す
次のステップは、複合キーワードと月間検索ボリュームの抽出だ。
このステップはとても簡単だからそのまま真似して進めてほしい。
まず、ステップ①で洗い出したキーワードのうち1つを選択しよう。
1つのキーワードの複合ワードと検索ボリュームを出したら次のキーワード、さらに次のキーワード、というように、ステップ②の作業を何度も繰り返し行っていく。
地道な作業だが、大切な工程だから気を抜かず進めていこう。
⑴サジェストツールで検索する
まずは、サジェストツール(関連キーワードを一括で取得するためのツール)で複合キーワードを検索しよう。
おすすめは「goodkeyword」だ。
「SEO対策」というキーワード例で手順を解説していく。
goodkeywordにアクセスしたら、検索窓にキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしよう。
すると、下記のように関連キーワードが一覧で表示される。
画面右下の「表示されたキーワードをすべてコピー」と書かれた箇所にカーソルを移動させ、表示されているすべてのキーワードをコピーしよう。
⑵キーワードプランナーで検索する
次にGoogleキーワードプランナーに移動しよう。(Googleが公式で提供している広告運用のためのツールだ。)
Google広告の管理画面に入ったら、上部の「ツールと設定」を選択し、「キーワードプランナー」へ移動しよう。
次に2つの選択項目が表示されるが、右側の「検索のボリュームと予測のデータを確認する」をクリックしよう。
すると、以下のような画面が表示される。
先ほどgoodkeywordでコピーした全ての関連キーワードを、入力項目に貼り付けよう。
「開始する」のボタンをクリックすると、次の画面に移動する。
複雑なページのように感じるだろうが、赤枠の「過去の指標」をクリックするだけだ。
次の画面では、右上の「ダウンロードボタン」をクリックしよう。(※参考までに「月間平均検索ボリューム」をクリックすると「昇順」「降順」を切り替えることが可能だ。)
「プランの過去の指標(csv)」をクリックして、csvファイルをダウンロードしよう。
ダウンロードしたcsvファイルのうち、あなたが取得すべきは「検索語句」と「月間検索ボリューム」だ。
つまり、以下の例でいうと「keyword」と「Avg. monthly searches」の2つの項目だ。
この2つをコピーして「ステップ①:関連するキーワードを全て洗い出す」で作成したキーワード保管用のファイルに貼り付けていこう。
この流れをすべてのキーワードで実施していく。
かなりの時間はかかるが、重要な作業なので漏れなく全ての複合ワードと月間検索ボリュームを出していこう。
業種にもよるが、これで合計1〜3万程度のキーワードが集まるはずだ。
※注意
Googleキーワードプランナーでは、「広告運用しているアカウント」と「広告運用していないアカウント」で検索ボリュームの表示が異なる。
広告運用しているアカウント:3,600のように具体的な数字が表示される
広告運用していないアカウント:1,000〜1万のようにざっくりとした数字が表示される
検索ボリュームは需要を把握するために必要な指標だから、広告運用しているアカウントで使用することをおすすめする。
ステップ③:キーワードを取捨選択する
Excelにまとめた膨大なキーワード群から、重要なキーワードとそうでないキーワードを整理していこう。
基本的には以下の2つの軸で選定してくことになる。
検索ボリュームが多いキーワードを選ぶ:PV(集客)という軸
問い合わせや購買行動に繋がりやすいキーワードを選ぶ:CV(コンバージョン)という軸
2つの視点は成果を出すために切っても切り離せない重要な要素だ。
下の図を見てほしい。
基本的には、CVと集客量が見込めないキーワード、つまり④に該当するキーワードは除外すべきだ。
あなたのビジネスに大して影響を及ぼさないからだ。
あなたが選定すべきはそれ以外のキーワードだ。
特に②と③に該当するキーワードは積極的に選定しよう。
競合性が低い傾向にあり、サイト立ち上げ初期の段階で攻略すべきキーワードがたくさん眠っているからだ。そして、①に該当するキーワードは競合性が高い傾向にある。
選定すべきキーワードではあるが、サイト立ち上げ初期の段階において攻略するのが難しい。
このように、CVと集客の2つの軸でキーワードの取捨選択を進めよう。
この視点を考慮した上で、以下の手順に沿って進めていこう。
⑴検索ボリュームが0のものは除外する
まずは検索ボリュームが0のものは除外しよう。
検索ボリュームが0ということは、全く集客できないキーワードということだ。
どんどん除外していこう。
⑵サイトのミッションに沿ったキーワードを選択する
あなたのサイトにはミッションがあるはずだ。
ターゲットユーザーに対して届けたい価値や想いのことだ。
「集客できそうだから」「CVしそうだから」という理由だけでなく、ミッションを成し遂げるために重要なキーワードも選択していこう。
ユーザーがあなたのサイトに集まる理由は、そこに価値を感じるからだ。
あなたはサイトの運営を通じてどんな価値をユーザー(世の中)に届けたいのだろうか?
サイトのミッションを実現するために重要なキーワードを選択していこう。
⑶検索意図に重複がある場合は検索ボリュームが低い方を削除する
「これは良さそうだ」というキーワードを集めていく過程で、同じようなキーワードを複数選択していることに気づく瞬間がある。
もしそういったキーワード同士で、検索意図が重複しているのであれば、検索ボリュームが低い方を削除しよう。
検索意図は、「狙ったワードで検索上位を達成するためのSEOキーワードの基礎知識」で詳しく解説しているからぜひ読んでおこう。
⑷100〜200ほどのキーワードになるように検索ボリュームの少ないものから削っていく
最終的に、100〜200ほどになるように、キーワードを絞り込んでいこう。100〜200という数はあくまでも目安だ。
あなたのサイト運営にかけるリソースによって、もっと多くのキーワードに選定しても良いだろう。逆に、かけるリソースが限定される場合はもう少し絞り込んでも良いだろう。
いずれにしても、ある程度の段階までキーワードを絞り込まないとサイトの構造を決定するステップに進むのは難しい。
まずは100〜200を目安にキーワードを絞り込んでいこう。絞り込む判断がつかない場合は、検索ボリュームの少ないものから優先的に削っていくと良いだろう。
ステップ④:サイト構造を決定する
ここまでのステップを踏んできたあなたは、100〜200ほどの重要なキーワード群が手元にあるはずだ。このキーワード群を適切な場所に配置し、サイトの構造を決定していこう。
まずは基本的なサイトの構造を確認から始めよう。以下の図を見てほしい。
ざっくり分けると、以下の3つの階層で構成されていることがわかる。それぞれにリストアップしたキーワードを当てはめていく。
トップページ:サイトを象徴する重要キーワード
カテゴリーページ:重要キーワードを構成する複数のキーワードグループ
記事ページ:カテゴリーページを構成する個々のキーワード
たとえば「靴」に関するサイトの場合、以下のような構成になる。
最も重要なキーワードをトップページに配置し、そのキーワードを分解しカテゴリーページにキーワードを配置する。さらにカテゴリーページに設定したキーワードを分解し、個別の記事ページにキーワードを配置していく。
サイトの構造はこの流れで決定していく。
そして、より効果的なサイトの構造に仕上げていくためには、下記の2つの視点が重要だ。
- 漏れなくダブりのない構造にする
- 記事ページ同士の関係性を整理する
それぞれ見ていこう
⑴漏れなくダブりのない構造にする
漏れなくダブりのないサイト構造にしよう。
漏れやダブりがあると、どこにどのようなコンテンツがあるかわかりにくくなり、ユーザーを迷わせてしまう可能性が高まるからだ。
例えば、あなたのサイトで扱っている主要なトピックが「旅行」の場合、「国内旅行」と「海外旅行」という2つのカテゴリを用意すれば漏れなくダブりのない構造になる。
しかし、「国内旅行」「海外旅行」「新婚旅行」の3つのカテゴリに分けると、ダブりが発生する。新婚旅行は国内、海外どちらでも行う可能性があるからだ。
このようなダブり(または漏れ)はできる限りなくそう。
※注意
重要キーワードをうまく整理できない場合もある。
例えば「海外旅行」と「新婚旅行」の2つが重要なキーワードの場合、どちらかをカテゴリから削るのは避けたいところだ。(※カテゴリーページはSEOの恩恵を受けやすい。下層のコンテンツページのSEO効果を上層のカテゴリーページが受け取るからだ。)
これらを考慮すると、できる限り漏れやダブりのない構造を目指しつつ、重要キーワードを積極的にカテゴリに設定することが現状の最適解と言える。
⑵記事ページ同士の関係性を整理する
記事ページ同士の関係性を整理すると、より効果的なサイトの設計ができる。簡単にいうと、内部リンクの設計を含めた構造の整理ができるということだ。
以下の赤枠の部分を見てほしい。
本来のディレクトリ構造上、記事ページの下層に記事ページが配置されることはあり得ない。
ただ、記事ページの下層にさらに記事ページを配置する思考で設計すると、記事ページ同士の関係性をはっきりと定義することができる。
個々の記事ページの役割が明確になることで、ユーザーの内部回遊を大きく促進させることができる。
上記の例では、「革靴 おすすめ」というキーワードと、それ以外の関連するキーワードの関係性を整理している。「革靴 おすすめ」という抽象度高めなキーワードに対して、「革靴 種類」などの個別具体的なキーワードを下層に位置付けている。
このように記事ページ同士の関係性を考慮したサイト構造の設計ができれば、内部リンクの配置に悩むことがなくなるだろう。
以上がサイトの構造を決定するまでのキーワード選定の流れだ。
おそらく、ここまでのステップを真面目に進めていくと1ヶ月ほどの時間がかかるだろう。
ただ、それくらいの労力をかけるべきだ。
私たちも1ヶ月ほどの時間をかけて入念にキーワードを選定し、サイトの運営を開始している。そこまでしないと、効果的なサイト運営ができないことが明白だからだ。妥協せずにここまでのステップを進めていこう。
そして、キーワード選定にはまだ続きがある。「どのキーワードから順番に攻略していくべきなのか?」という点だ。
次から、優先的に攻略すべきキーワードを選定するための視点について解説していく。
2.優先的に攻略すべきキーワードを選定する3つの視点
それでは、優先的に攻略すべきキーワード選定の方法について解説していく。100〜200のキーワードを無作為に抽出して、なんの意味もなく執筆をスタートすることはやめよう。
必ず3つの視点に沿って優先順位をつけてから執筆を進めるべきだ。競合性が高い領域を狙っても、なかなか攻略することができないからだ。
下記の図を見てみよう。
必ず3つの視点で状況を把握し、効果的な進め方を選択しよう。
- 競合の視点(競合性が低い領域を探る)
- 自社の視点(自社の強みが活かせる領域を探る)
- 市場の視点(需要が高い領域を探る)
これらの視点を1つ1つ解説していく。
2.1.競合の視点(競合性が低い領域を探る)
まずは競合の視点だ。
競合性が低い領域を探って、効果的なキーワード選定に活かそう。
⑴ニーズに沿ったコンテンツが上位表示しているか確認する
任意のキーワードで検索し、上位表示しているコンテンツを確認してみよう。
そのキーワードで検索したユーザーのニーズを捉えたコンテンツになっているだろうか?それとも、ニーズからかけ離れたコンテンツになっているだろうか?
もし、明らかにニーズからかけ離れたコンテンツが上位に表示されているとしたら、そのキーワードは競合性が低いと考えて良いだろう。逆に、ニーズにマッチした良質なコンテンツが上位表示しているキーワードは、競合性が高いと考えて良いだろう。
このプロセスをいくつかのカテゴリーに分けて複数回行っていこう。
「明らかにニーズを満たせていない!」と感じるキーワードの領域がいくつか見つかるはずだ。
⑵膨大な労力をかけたコンテンツが上位表示しているか確認する
先ほどと同様、上位表示しているコンテンツを確認してみよう。膨大な労力をかけたコンテンツが表示されていたら、そのキーワードは競合性が高いかもしれない。
例えば、長い期間を通じて作成されたコンテンツや、大量のデータを集めて作成されたコンテンツ、著者の実体験に基づいて書かれたコンテンツなどだ。
膨大な労力をかけて作成されたコンテンツは、高く評価される傾向にある。(実際に私たちも膨大な労力をかけてコンテンツを作成することが多いが、常に上位表示を維持し続けている。)
もしできる限り早くSEOで成果を上げたいのであれば、このようなコンテンツが上位表示しているキーワードは初期の段階では避けるのが無難だ。
2.2.自社の視点(自社の強みが活かせる領域を探る)
次は自社の視点だ。
この視点は非常にシンプルで、他社にはなく自社だけが持つ強みがどこなのかを探っていくだけだ。
例えば私たちの場合、「SEOコンテンツの作成」がどこよりも強く、圧倒的な成果をあげていると自負している。再現性の高いノウハウを持っているし、多くの成功事例やデータがある。ユーザーにとって価値や、コンテンツの質に対するこだわりは日本一だと信じている。
つまり、私たちの強みは「徹底的にユーザーのことを突き詰めたSEOコンテンツ作成の理論や方法」にある。あなたの場合も同じように考えてみると良い。
「間違いなくどこよりも強い!」と言える領域があるのであれば、その領域を優先的に攻略していくべきだろう。
2.3.市場の視点(需要が高い領域を探る)
最後は市場の視点だ。
そもそも需要がない領域を狙っても意味がない。前述した通りだが、ある程度の検索ボリュームがあるキーワードを選定することが重要だ。
できれば月間検索ボリュームが1,000を超えるようなキーワードを選定したい。競合の視点、自社の視点を加味した上で、1,000以上の検索ボリューム(需要)があれば、ぜひ狙うべきだ。
また、時期やターゲットの属性、地域によって需要が異なるケースもある。
例えば、男性をターゲットにしているのに、「美容液」といったキーワードを選定しても意味がない。検索ボリュームが多くても、男性が検索している数は全体の1割にも満たないからだ。
本当にあなたが獲得したい見込み客にとって需要があるのかを確認すべきだ。
それでは次に、発展的なキーワード選定の方法を紹介していく。
CVを獲得するための方法だ。
3.CVまでの道筋を考慮したキーワード選定の方法
ほとんどのサイト運営者にとって、CVを獲得することが主要なゴールではないだろうか。CVを獲得するためには、ユーザーがCVするまでの道筋を考慮してキーワードを選定していく必要がある。
つまり、カスタマージャーニーを活用することで、CV獲得のためのキーワード選定ができる。
カスタマージャーニーとは
顧客がどのように商品やサービスと接点を持ち購買に至るのかという道筋を旅に例えたもののこと
ユーザー行動をフェーズごとに分解して考えることで、集客→教育→セールスの流れをキーワードベースで構築できる。CVまでの道筋(動線)を考慮した、効果的なキーワード選定ができるということだ。
カスタマージャーニーと聞くと難しく聞こえるかもしれないが、とても単純なことだ。
以下の3つのフェーズごとに、ユーザーが検索する可能性のあるキーワードを検討していくだけだ。
- 認知
- 興味関心
- 比較検討
まずはざっくり、3つのフェーズについて検討してみよう。
これだけでも効果的なキーワードを発見できる。
3.1.「認知」のフェーズ
認知とは、ユーザーがあなたの商品やサービス、ビジネスを知るフェーズのことだ。
あなたのことを知らないユーザーは何をきっかけにあなたのことを知るのだろうか?そのきっかけを想像し、ユーザーの悩みを捉え、キーワードに落とし込んでみよう。
SEO支援のサービスがコンバージョンと仮定した場合、以下のように整理することができるだろう。
<認知のきっかけ(シチュエーション)は何か?>
webマーケティングを通じて集客量を増大させたいと願っているシチュエーション。
<どのような悩み、願望があるか?>
できる限りコストを抑えて、かつ早く集客量を増やしたいと願っている。
<その悩みを抱えたユーザーはどのようなキーワードで検索するか?>
web集客 方法
リピーター 獲得
CPA 下げるetc.
ポイントはコンバージョンを意識しすぎないことだ。あなたが想像しているよりも、もっと時間軸を遡って考えてみよう。コンバージョンを意識すると、コンバージョンに寄った偏りのあるキーワードしか出てこない。
2つ3つ手前の段階のシチュエーションを考え、「その状況にいるユーザーだったらどんなキーワードで検索するのだろう?」と思考することが大切だ。
※参考
「認知」のフェーズは、徹底的に考え抜くことでお宝キーワードの発見につながる。
お宝キーワードとは、単にコンテンツをリサーチするだけでは発見できないような、考え抜いてはじめて浮かび上がってくる効果的なキーワードのことだ。競合性が低いのにも関わらず、たくさんの集客やCVに寄与するようなキーワードだ。だからこのフェーズは、時間をかけてでも徹底的に考え抜くべきだ。
3.2.「興味関心」のフェーズ
興味関心とは、あなたの商品やサービス、ビジネスに興味や関心を抱くフェーズのことだ。
あなたに興味や関心を抱く瞬間はどのようなシチュエーションだろうか?先ほどと同じく、そのきっかけを想像し、ユーザーの悩みを捉え、キーワードに落とし込んでみよう。
例えば、以下のようなイメージだ。
<興味関心のきっかけ(シチュエーション)は何か?>
SEOが今の自分にとって最適な方法だと確信するシチュエーション。
<どのような悩み、願望があるか?>
SEOを通じて集客量を増やすためにどのように進めていけば良いかわからない。できる限りコストを抑えて、短期間でSEO で成果を上げるためにどうすれば良いか知りたい。
<その悩みを抱えたユーザーはどのようなキーワードで検索するか?>
SEO リスティング どっち
オウンドメディア 効果
Google アルゴリズムetc.
ポイントは、「どのような不安が解消されると良いか?」を考えることだ。
例えば上記の例でいうと、以下のような不安を抱えていることを想定してキーワードを抽出した。
- SEOが効果的なのはわかったけど、本当にリスティング広告などの他の手法と比べて良いのだろう?
- SEOで成果を出すために、オウンドメディアを立ち上げるべきだと聞いたけど本当に効果があるのだろう?
- SEOはGoogleのアルゴリズムですぐ圏外に飛ばされる不安があると聞いたけど実際どうなのだろう?
このあたりの不安が解消されれば、興味関心が強くなるということだ。
3.3.「比較検討」のフェーズ
比較検討とは、ユーザーがあなたの商品やサービスを前向きに検討しているフェーズのことだ。
あなたの商品やサービスを前向きに検討する瞬間はどのようなシチュエーションだろうか?そのきっかけ、ユーザーの悩み、キーワードを洗い出していこう。
例えば、以下のようなイメージだ。
<興味関心のきっかけ(シチュエーション)は何か?>
SEOで成果を上げるためには専門家による支援が必要だと実感するシチュエーション。どこに依頼すれば期待している成果が出せるか検討している。
<どのような悩み、願望があるか?>
自社の課題解決に繋がる専門家を探したい。
<その悩みを抱えたユーザーはどのようなキーワードで検索するか?>
SEO 専門家 選び方
SEO 成功事例
SEO 都内etc.
ポイントは、コンバージョンに寄与する可能性の高いキーワードを考えることだ。
認知や興味関心のフェーズと比べると、明らかにコンバージョンに近いキーワードが抽出できるはずだ。「自社の商品サービスを購入してくれるとしたらどんなキーワードで検索するだろう?」という視点で考えてみよう。
ここまで紹介した「認知」「興味関心」「比較検討」それぞれのキーワードをバランスよく選定し、コンテンツ化できれば、全ての歯車が絡み合いたくさんのコンバージョンを生むサイトになる。
ここまで考えてキーワード選定を進めていこう。
4.弊社に寄せられるキーワード選定にまつわる疑問とその回答
キーワード選定に関する疑問は、弊社に寄せられる質問のなかでも特に多い。
ここでは、その中でも特に多い3つの質問について回答していく。
4.1.キーワード選定は一度行えばそれだけで十分ですか?
一度だけでは不十分だ。
私たちは、月に1度はキーワードを見直すべきだと考えている。
「狙ったキーワードでなかなか上位表示されない」という場面は多々ある。だから、月に1度は状況を確認し、最適な打ち手を考え直す必要があるということだ。
キーワード選定はあくまでも「仮説」の積み重ねだ。仮説通りにサイト運営が進むのであれば、誰も苦労しない。
定期的に状況を把握し、キーワードを見直そう。
4.2.どのようなツールを使えば良いキーワードが見つかりますか?
おすすめは「Ahrefs(エイチレフス)」だ。
有料のツールだが、競合サイトがどのようなキーワードで上位表示を獲得しているのかリサーチすることができる。つまり、キーワードの競合性を一覧で把握できるということだ。
競合サイトの被リンク状況やドメインの強さを調べることもできるから、SEOに携わる方であれば絶対に導入すべきツールと言える。
ただし、ツールを使うことで裏技のようにすぐ成果が上がるわけではない。あくまでもツールは補助であり、基本的な進め方は本記事でお伝えした通りだ。
何度もお伝えしているが、キーワード選定に楽な道はない。ツールを活用しながらもコツコツ進めていこう。
4.3.キーワードを抽出するだけでかなり時間がかかるのですが普通ですか?
時間がかかるのは普通だから安心してほしい。
私たちも普段からキーワード選定に1ヶ月ほどの時間をかけている。決して、たった1日でできるようなものではない。
キーワード選定を疎かにするということは、中途半端な設計図をもとに住宅を建てるようなものだ。中長期的に利益をもたらす大切なサイトを運営していくのだから、どれだけ時間がかかったとしても丁寧に進めていくべきだ。
妥協することなく、最後までやり遂げよう。
まとめ:キーワード選定はサイト運営の基礎
キーワード選定は、あらゆるサイト運営の施策のなかでも特に苦しい思いをする作業だ。一方で、最も成果に直結する作業とも言える。
サイトの基礎を作るようなものだから決して手を抜いてはいけない。
何度も読み返して、素晴らしいサイトを作っていただけたら幸いだ。
コンテンツSEOをより深く理解したい方へ。バズ部のノウハウを全て詰め込みました。