「リンク切れはぜったいダメ」「リンク切れのないようにチェックして」
サイト作成者なら、1度はこんな言葉を耳にしたことがあるのではないだろうか。
リンク切れとは、文字通りリンク先のページにアクセスできない状態のことだ。
どうして、リンク切れを避けなければいけないのか?
答えを端的にいうと、リンク切れは情報を得たいユーザーを落胆させ、あるいは苛立たせて、あなたのサイトから離脱する理由になりかねないからだ。
本記事では、「リンク切れ」について原因や発見方法、パターン別の対処法を具体的に解説する。
この記事でわかること |
・リンク切れとは |
リンク切れは、直接検索順位を下げるわけではないが、リンク切れが多発するとユーザーはそのサイトに対する評価を下げ、他サイトに移動してしまう可能性が高まる。
また、サイトを訪問したクローラー(情報を探すロボット)の探索もそこで終了してしまう。
こうしたデメリットについても詳しく述べていくので、最後まで目を通して、「リンク切れ」への理解を深めてほしい。
1.リンク切れとは
リンク切れとは、Webページに貼られているリンクの遷移先にアクセスできない現象のことで、「デッドリンク」とも呼ばれる。
自サイト内の個別記事への内部リンクや、他サイトの引用情報への外部リンクなどで起こるのが特徴で、画像検索のために画像をクリックした際にも起こりがちだ。
たとえば、ニュースサイトやブログ記事で引用されているURLをクリックした際に、「この記事は削除されています」などと表示されたり、「404 not found」といったエラーコードが表示される場合がそうだ。
これらを含むリンク切れの主な症状は3つ挙げられる。
・「この記事は削除されています」と表示される |
ユーザーは当然興味があってリンクをクリックしているため、リンク切れで情報を得られなければストレスを与え、コンテンツの価値にも悪影響を及ぼしかねない。
リンク切れは、サイト運営者にとってできるだけ避けたい現象といえる。
では、どうしてリンク切れが起きてしまうのか?
次章で、原因を探っていく。
2.リンク切れが起きる2つの原因
リンク切れの原因は大きく2つある。
・リンクの貼り間違い |
・リンク先のページが削除されている |
それぞれ見ていこう。
2-1.リンクの貼り間違い
まずひとつめの原因として、サイト作成者のリンクの貼り間違えが挙げられる。
URLのスペルが1語でも違っていたり、スラッシュが1本足りないだけでも、リンク切れになってしまう。
例)
【正しいURL】
https://lucy.ne.jp/bazubu/
【間違ったURL】
https://lucy.ne.jp/bazuvu/
当たり前のことをいうようだが、実際、リンクの貼り間違いは珍しいことではないので、リンクを貼る際には充分な注意が必要だ。
2-2.リンク先のページが削除されている
もうひとつ考えられるリンク切れの原因は、リンク先のページが削除されている場合だ。
このパターンは、作成から時間の経った古いWEBサイトで発生しやすい。
WEBサイト作成時には有効なリンクでも、時間が経つと、リンク先のWEBページが何らかの理由で削除される、もしくはサイト自体が閉鎖される可能性が高まるからだ。
このパターンのリンク切れは、URLのスペルミスと違い、WEB作成者が注意するだけでは防げないので、定期的にリンクをチェックするなどの対処が必要になる。
3.「リンク切れ」に注意したいのは2つのデメリットがあるから
なぜ「リンク切れ」に注意しなくてはいけないのか?
それは「リンク切れ」に、2つの大きなデメリットがあるからだ。
①ユーザビリティを低下させる |
②クローラビリティを低下させる |
よく読んで、リンク切れを防ぐことの重要性を理解しておこう。
3-1.ユーザビリティを低下させる
リンク切れは、ユーザビリティを低下させる。
ユーザーに使いづらいサイト、使えないサイト、という悪い印象を与えてしまうのだ。
考えてみて欲しい あなたがサイトを見ていて、興味ある情報を得るためにそこに貼られたリンクをクリックしたとして、目的のページが開かれず、「404 not found」のエラー表記が出るだけだったら? 「この記事は削除されています」と表示されたら? 存在するはずのページがなくてガッカリするだけならまだしも、怒りを覚えたり、イライラして「こんなサイトもう見たくない!」と離脱してしまわないだろうか。 |
また、リンク先のサイトが閉鎖されていたりすると、リンクを貼りっぱなしにしていたそのサイト自体「古いサイト」と認識されてしまい、他の情報の信憑性すら危ぶまれてしまう可能性もある。
リンク切れはユーザーにストレスを与え、サイト離れを招くきっかけになる。
なので、ユーザビリティを向上させるためには、リンク切れの対処は不可欠といえる。
3-2.クローラビリティの低下
リンク切れは、クローラビリティを低下させ、SEOに悪影響を与える。
わかりやすくいうと、リンク切れによってクローラー(情報を探すロボット)の巡回が止まり、有用なコンテンツとしてのベージ評価が下がり、検索順位が低下するのだ。
現在、検索エンジンのクローラーは、何億という世界中のWebサイトのリンクを辿って情報収集をし、収集した情報や評価基準をもとにGoogle独自のアルゴリズムによって検索順位を決定している。 リンク切れは、このキーになるクローラーの巡回を止めてしまう。 クローラーの巡回回数と検索順位には相関関係があるため、クローラーの巡回を止めてしまうと、検索順位は下がってしまう。つまり、リンク切れは、検索エンジンからの評価を下げる結果を招くのだ。 |
リンク切れで1度検索順位を低下させると、SEOの評価を得るまでに長い時間と対策が必要になってしまう。
クローラーの巡回を促すためにも、リンク切れには注意しなくてはならない。
4.リンク切れの発見方法
WEBサイトの運営では、常日頃から「リンク切れ」が起きないよう注意を払わねばならない。
…とはいえ、頻繁にサイト内の全てのリンクやリンク先ページをチェックするのは、膨大な時間や手間を要するので非現実的だ。
ここでは、効率的な「リンク切れ」の発見方法を伝授する。
1.「Googleサーチコンソール」で確認する |
2.WordPressプラグイン「Broken Link Checker」でチェック |
3.ブラウザ上で実行できる無料チェックツールを試す |
それぞれ説明するので、あなたに合うものを見つけてどれかひとつは導入してほしい。
4-1.「Googleサーチコンソール」で確認する
リンク切れの発見方法で最もポピュラーなのは、「Googleサーチコンソール」を使って確認する方法だ。
Googleサーチコンソールは、Googleが提供する無料のWEBマーケティングツールで、その機能のひとつである「クロールエラー」から下記手順でリンクの状態をチェックすることができる。
ステップ①|Googleサーチコンソールに自社サイトのアカウントでログイン ※利用には登録が必要 |
ステップ②|メニュー欄の「クロール」内にある「クロールエラー」をクリック |
ステップ③|現在リンク先のURLが404エラーとなっているページが一覧で表示される |
また、各URLをクリックするとURLごとのリンク元が赤枠内に表示されるため、各ページのリンク元を調べることも可能だ。
他にも、サーチコンソールでは、サイト検索のトラフィックや自サイトの掲載順位を測定できるなど、SEO対策に役立つ機能が盛り沢山だ。
SEOに取り組む上での必須ツールといっても過言ではないので、導入がまだだという人にはぜひ登録をおすすめしたい。
4-2.WordPressプラグイン「Broken Link Checker」でチェック
あなたのサイトがWordpressで構築しているのであれば、「Broken Link Checker」の利用がおすすめだ。
「Broken Link Checker」は、ブラウザ上のツールではなくWordpressのプラグインで、サイト内のリンク切れを自動でチェックすることができる。
Fetch as Google
検出されたリンク切れをすばやく修正するには、マウスをリンクに合わせて「URLの編集」を選択する。
この方法を使えば、個々のページを開かなくてもリンクを編集できて効率的だ。
4-3.ブラウザ上で実行できる無料チェックツールを試す
リンク切れの発見方法では、上記2つの方法が一般的だが、他にも有料、無料、で様々なチェックツールが存在する。
ここでは、多くの中から特に便利な、インストール不要でブラウザ上で実行できる、
・dead-link-checker.com
・takotubo.jp
・W3C Link Checker
の3つの無料チェックツールを紹介する。
4-3-1.dead-link-checker.com
「dead-link-checker.com」は、ブラウザ上で実行できる、インストール不要のツール。
ツールを開き「リンク切れチェックを実行する」の下にある検索窓に、URLを入力してチェックを行えば、内部リンクを介してサイト全体のリンク切れが調査できる。
4-3-2.takotubo.jp
株式会社ディーボが提供する無料SEOツール「takotubo.jp」の機能の一つとして、リンク切れチェックができる。
ページURLを入力して「Check!」ボタンを押せば、「リンク切れの有無」「リンク切れのリンク先URLとアンカーテキスト」「リンク一覧」が自動で取得できる。
こちらもインストールの必要なし。でブラウザ上で簡単にリンク切れが確認できる。
4-3-3.W3C Link Checker
出典:W3C Link Checker
「W3C Link Checker」は、World Wide Web Consortium(W3C)というWebの標準化団体が提供するリンク切れチェックツール。
URLをテキストフィールドに入力してCheckをクリックするだけで、サイト全体のリンク切れが調査できる。
こちらもブラウザ上で利用でき、インストールは不要。
ただし、表示が英語のみなので、人によってはわかりづらいという難点がある。
5.【パターン別】リンク切れの対処方法
最後に、具体的なリンク切れの対処法を、「自社サイト(内部リンク)のリンク切れ(内部リンク)」と「外部サイト(外部リンク)のリンク切れ」の2つのパターンに分けて解説する。
リンク切れに気づいたら、迅速に対処できるようにしっかり把握しておこう。
5-1.自社のサイトでのリンク切れの場合
自社サイトの内部リンク切れの場合は、原因のほとんどが「リンクの貼り間違い」なので、確認して修正しよう。
修正後は、GoogleサーチコンソールのURL検査ツール(旧Fetch as Google)を使い、下記手順で再検査をしておくとよい。
①Googleサーチコンソールの画面を開く |
②画面上にある検索窓に公開URLのテストをしたいページのURLを入力する |
③インデックスステータスの右上にある「公開URLをテスト」をクリックすると、公開URLのテスト結果が表示される |
リンクの修正は人の手で施すしかないため、どんなに細かく確認しても設定ミスが生じる可能性がある。
修正したのにリンク切れ?!…、といった事態を引き起こさないために、信頼性の高いツールで、リンクエラーがないことを確認しておけば安心だ。
5-2.外部サイトでのリンク切れの場合
外部サイトでのリンク切れの場合は、以下のどちらかの対処をしよう。
①リンク先サイトが閉鎖されていた場合、または削除されて新しいページが見つからない場合はURLを削除する |
②リンク先ページのURLが新しくなっていて、該当ページが見つかった場合はリンクを貼り直す |
ただ、②のケースでは、リンクを貼り直す前に、リンクの設定自体を見直した方がいいだろう。
その外部サイトのページが削除(閉鎖)されたのは、何か問題があったせいかもしれないからだ。
さらに可能性として、そのページがリニューアルと共にアダルトサイトといった(あなたの)サイトのSEO評価に悪影響を及ぼすページに変わっているケースもある。
当然そんな場合は、再度リンクを設定するのはやめた方がいい。
特にユーザーのアクセス数が多いページや上位表示されているページの、外部リンクの選定はしっかり吟味するようにしたい。
ここもチェック! 外部サイトのページ削除でリンク切れが発生する場合に備えて、自サイト専用の404エラーページをあらかじめ作成しておくことをすすめたい。 どうしてかというと、通常の404エラーページは、さらなる情報を得ようとリンクをクリックしたユーザーの気持ちを挫けさせるからだ。 オリジナルのエラーページを作成しておけば、リンク切れが起きたとき、ユーザーに与える混乱や不快感を最小限に抑えることができる。 自社の「404エラーページ」には、ユーザーに有益な情報が掲載されているページ案内など、サイト内で次の検索行動を促せるリンクを設置しておこう。 サイトのデザインにトーンを合わせておくと、視覚的にもユーザーのストレスを軽減し、安心感を与えることができる。 参考記事:バズ部|「SEO効果を最大化するための404エラーページのカスタマイズ方法」 |
6.まとめ
「リンク切れ」は、ターゲットユーザーのサイトへの興味を削ぎ、クローラーの巡回を止めて検索エンジンからの評価を下げる可能性がある。
サイトを運営する限りは、チェックツールを導入するなどして、定期的なサイト内のリンクチェックを怠らないようにしよう。
リンク切れを発見した場合は、できるだけ迅速な対処が望ましい。
内部リンクの「リンク切れ」では、修正後に必ずGoogleサーチコンソールのURL検査ツールを使って再検査をしておこう。
外部サイトの「リンク切れ」は前もって防げないので、万一に備え、ユーザーに親切なオリジナルのエラーページ作成を検討してほしい。
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