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06/24火13:00〜16:00
「SEOを外注したいが、本当に効果は出るのか」
「社内リソースが足りないけれど、外注すべきかどうか判断できない」
こうした悩みを抱える企業は後を絶たない。実際のところ、近年のSEO対策は複雑化の一途をたどっており、片手間で対応できる領域をはるかに超えている。
だが勘違いしてはならない。外注すれば魔法のように上位表示できるわけではないのだ。
「SEOを丸投げすれば結果が出る」という幻想を持っているとしたら、これは完全に間違っている。実際に成果を出している企業は皆、自社の強みと外部の専門性をうまく組み合わせているからだ。
この記事では、SEOの外注を検討する際に知っておきたい重要な考え方や失敗回避のコツを解説する。予算を無駄にして後悔する前に、本当に効果を生み出すための考え方を知ってほしい。
目次
SEOの外注について検討する前に、まず必要なのは「SEO」という業務の全体像を理解することだ。これを知らずにSEO業者と話をするのは、失敗のもととなる。
SEOがカバーする具体的な分野は、テクニカルSEO、キーワード調査、コンテンツ制作、外部対策など非常に幅広い。これらが連携し合って初めて効果を発揮するのだ。
【外注検討時にとくに重要となるSEO分野】
「SEOを外注する」と一言にいっても、「どこを・誰に依頼するのか」を高い解像度で捉える必要がある。
多岐にわたるSEOを、「全部プロに任せれば安心」と考えるのは危険である。なぜなら、すべての領域に精通し、万能に成果を出せるSEO会社は存在しないからだ。
SEO会社にも得意分野と不得意分野がある。ある会社はコンテンツマーケティングに強みを持ち、別の会社はテクニカルSEOに長けているといった具合だ。
【SEO会社の例】
「どんな領域でもお任せください」というセールストークに惑わされず、各社のサービス内容や実績を分解して評価することが大切である。
SEO業者を選定する際には「万能かどうか」ではなく、自社の課題領域を補完できる専門性を持っているかに着目すべきだ。
SEO業務は複合的であり、自社の体制だけですべてを賄うのは難しい。しかし逆にいえば、自社の弱点をピンポイントで補ってくれる外注先を選べば、大きな相乗効果が得られる。
外注を検討する際は、まず自社のSEOにおける「穴」を明確にしよう。現在の体制や成果を棚卸しして、弱点を洗い出す必要がある。
【自社SEOの弱点診断(一例)】
このように自社の弱点領域を見極め、それを埋めてくれる専門家にスポットで頼る発想が重要だ。自社にないノウハウは積極的に外部から取り入れ、一方で自社に強みや独自資産がある領域は引き続き内製で推進する、という役割分担が理想的である。
具体的な判断ポイントは、以下に続く。
SEOを内製すべきか外注すべきかは、3つの主要分野ごとに判断するのが効果的だ。ここでは、合計13の問いを通じて、 外注すべきか検討しよう。
【判断のポイント】
テクニカルSEOは専門知識を要するが、外注の場合でも、社内に基礎を理解できる担当者は配置すべきだ。完全に外部任せにすると社内への知見蓄積が進まず、効果が限定的になる点に注意しよう。
【判断のポイント】
理想的には、社内の業界知識と外部の分析スキルを組み合わせた協働体制が最も高い成果につながる。とくに、ニッチな業界や専門分野では、汎用的なSEO会社より社内の専門知識を活かしたほうが的確なキーワードを選定できることも多い。
【判断のポイント】
コンテンツ制作は自社の専門性と制作リソースのバランスで判断すべき分野である。自社の強みや独自ノウハウを伝える核心的なコンテンツは、社内スタッフが深く関わったほうが良い。
一方、業界の基礎知識や一般的なトピックは外部ライターへの依頼で効率良く量を確保できる。多くの企業で効果を発揮しているのは、社内専門家による監修と外部ライターによる執筆の役割分担モデルだ。ここは重要なポイントなので、以下でも詳しく解説しよう。
ここまで検討したように、SEOには内製が向いている部分と外注が効果的な部分がある。実際に失敗しないためにはどのように内製と外注を組み合わせれば良いかを解説する。
まず強調しておきたいのは、コンテンツ制作をすべて外注に丸投げすることは避けるべきだという点である。
コンテンツは本来自社の強みや専門性を反映すべきものであり、それを外部の人間だけで作ろうとするとどうしても薄っぺらい内容になってしまう。Googleが重視するE-E-A-Tの観点でも、実体験に基づく生きた情報や専門家の監修があるコンテンツは評価が高い。
【外注コンテンツの問題点】
実際、近年のGoogleアルゴリズム更新では、中身の薄い量産記事は大きく順位を下げる傾向が顕著になった。完全外注による大量生産コンテンツは、もはや通用しない時代と心得よう。
SEO施策全般にいえる成功のコツは、「まずは自分たちでやってみる」という内製志向を持ち、どうしても無理な部分だけ外注するというスタンスである。
たしかに、外注に出せば楽になる面も多い。しかし、丸投げでは効果が上がりにくい。また外注費をかけ続ける限り社内にノウハウも蓄積されないため、いつまで経っても自走できない状況に陥る。
【内製のメリット】
ただし、内製には内製の苦労もある。最大の課題は「人材」の問題で、専門スキルを持つ担当者を確保し育成しなければならない。SEOは片手間では難しく、専任担当を置けないと最新情報のキャッチアップもおろそかになりがちだ。
そこで検討したいのが、自社では無理な部分だけを外注する「ハイブリッド型」のアプローチである。
内製と外注を賢く組み合わせる「ハイブリッド型」のSEO運用は、多くの企業で成果を上げている。
【ハイブリッド型パターン】
私たちバズ部でも、さまざまな企業と協働してSEO支援を行っている。実際に「ハイブリッド型ってどんな感じなのか?」をイメージしやすい事例として、グラディアトル法律事務所のケースがある。
同事務所は当初、SEO会社に記事制作を依頼していたが、結果は惨憺たるものだった。代表の若林弁護士は「クオリティが圧倒的に低かった」と振り返る。法律知識の乏しいライターが書いた記事は使い物にならず、「これを直すくらいならイチから書いたほうが早い」と判断せざるを得なかった。
この経験から明らかになったのは、専門性の高い分野では単純な丸投げ外注は機能しないという現実だ。多くの企業がここで諦めるか、全部内製に切り替えるかの二択を選びがちだが、グラディアトル法律事務所は第三の道を選んだ。
具体的には、同事務所のSEO体制は段階的に進化していく。
現在は外部ライター3〜4人と契約し、記事の設計図から執筆、チェック、公開までの一連のプロセスをバズ部と協働で進める体制を確立。この体制により、月30本ペースでの高品質コンテンツ制作を実現し、「2年で注力領域の問い合わせ数が7倍以上」と大きな成果を挙げている。
若林弁護士のインタビューは「2年で注力領域の問い合わせ数を7倍以上に増やした法律事務所」から確認できる。SEOの外注・内製をどう切り分けていくか、実践から学べる点が非常に多いので、ぜひ目を通してほしい。
※文中敬称略
以上の話をまとめつつ、SEOの外注・内製のメリット・デメリットや外注先選定のポイントを整理しておこう。自社にとって何が最適か判断する材料にしてほしい。
項目 | 外注 | 内製 |
---|---|---|
ノウハウ蓄積 | ×社内に知見が残らず、毎回依頼が必要。依頼先の手法に依存しがちで再現性が低い | ○自社に知見・ノウハウが蓄積し、継続するほど有利。将来の施策展開で社内資産として活用可能 |
専門知識・スキル | ○最新のSEO動向や専門スキルを持つプロに任せられる。幅広い施策(技術・コンテンツなど)に対応可能 ×SEO以外の専門知識(業界特性や技術・顧客理解など)には乏しい | ○業界や自社サービスへの深い理解を活かせる ×社内で最新SEO情報を収集・習得する必要あり |
人的リソース | ○自社に専門人材がいなくても施策実行できる。社内リソースをコア業務に集中できる | ×専任者の確保・育成が必要(片手間では難しい)。担当者退職時に停滞するリスクあり |
コスト | ×専門サービスの費用が発生 | ○外注費用が不要で予算圧迫しない×ただし社内人件費や教育コストは発生する |
スピード・柔軟性 | ×依頼〜実施にタイムラグ(調整・契約)がある。契約期間中は柔軟な変更がしにくい場合もある | ○承認フローが短く機動的に施策実行できる |
コミュニケーション | ×打ち合わせや報告対応などコミュニケーション負荷あり。要件伝達ミスによる齟齬リスクもある | ○社内完結のため意思疎通が速く負担が少ない |
品質・成果 | ○豊富な事例・知見から効果的な施策提案が受けられる。短期間で結果を出すノウハウを持つ場合が多い | ○自社の専門性や独自の視点を反映した品質担保が可能 ×成果が出るまで試行錯誤が必要 |
リスク | ×業者選定を誤ると効果が出ない・ペナルティリスクあり。契約解除時に施策が止まる恐れ | ×社内体制に依存(担当不在時に停滞)。最新アルゴリズムへの対応漏れリスク |
上表からわかるように、内製と外注は一長一短である。内製はコスト面とノウハウ蓄積で優れるが、人材確保と継続運用の負荷が課題だ。
一方、外注は専門知見を即座に活用できる反面、業界・顧客理解、費用やコミュニケーションの面でハードルがある。企業の状況(予算、人材、目標期間など)によってどちらを重視すべきかは変わってくるだろう。
外注先を選ぶ際には、以下のポイントを押さえよう。
【外注選びのポイント】
先にも述べたとおり、内製と外注のメリットを掛け合わせ、デメリットを補い合う形でハイブリッド運用できればベストだ。
判断に迷う場合は、お気軽に私たちバズ部にお問い合わせいただければと思う。バズ部にご依頼いただくかどうかに関わらず、どのような選択がベストなのか知るために利用していただきたい。
なお、バズ部は「コンテンツマーケティング」の支援を主体としているため、良質なコンテンツ制作を通じた検索上位の実現に強みがある。ユーザー第一主義でコンテンツにこだわりたい方は、外注先の選択肢としていただければ幸いだ。
最後に、実際にSEO業務を外注する場合の費用相場について、主要なパターン別に整理しておこう。SEOサービスの料金体系は提供内容によってさまざまなため、あくまで目安となるが、一定の相場感として役立ててほしい。
「総合SEOコンサルティング」や「SEO運用代行」といった名称で提供される包括支援サービスは、戦略設計からコンテンツ制作サポート、技術改善提案まで幅広く対応してくれるプランである。
このような総合支援を月額契約で依頼する場合の費用相場は、月額10万〜50万円程度がひとつの目安となっている。中小企業向けでは10〜20万円/月のプランが多く、サイト規模が大きかったり競合が強い業界の場合は50万円以上の高額になるケースもある。
総合コンサルの契約期間は6カ月〜1年など中長期に及ぶことが多く、その間は成果の有無に関わらず一定の費用が発生する。「費用対効果に見合うか」「信頼できる実績があるか」を見極めて依頼する必要がある。
コンテンツSEO対策(記事制作代行)を外注する場合は、一般的に1記事あたりの単価×本数で費用を見積もる形になる。相場感としては、1記事あたり数千円〜数十万円と振れ幅が大きい。
記事の種類や専門性によって価格帯が大きく異なるため、自社ニーズに合った適切な単価を見極めることが重要だ。
【記事タイプ別の相場】
制作代行を依頼する際は、ライティング費だけでなくディレクション費(編集者による構成作成や進行管理)が別途発生することも多い。記事本数が多い場合、月◯本で月額固定○○万円というパッケージプランを提示している会社もある。
注意点としては、安価なライターに大量発注すると思わぬ品質低下を招くことがある。低予算では転載コピー記事などが納品されるリスクもあるため、発注先の選定と納品物チェックは怠れない。
内部SEO対策(テクニカルSEO)の外注費用は、月額またはスポットでの料金設定がある。相場は月額10万〜50万円程度で、対応内容によって異なる。
【テクニカルSEOの費用目安】
一方、外部SEO対策(被リンク対策)の外注費用は、月額契約の場合5万〜20万円/月程度が相場とされる。内容としては被リンクを獲得するためのコンテンツPRや、サイテーション(他サイトやSNSでの言及)を増やす施策などが含まれる。
注意点としては、不自然な被リンク売買を行う業者に依頼すると、Googleからペナルティを受けるリスクがある。
私たちバズ部では、外部SEO対策(被リンク対策)の外注はまったく推奨していないし、不要と考えている。被リンクは、良質なコンテンツ提供の結果として自然に生じるものだからだ。
本記事をここまでお読みいただいた方には、先にも述べたとおり、「まずは自分たちでやってみる」という内製志向で良質なコンテンツづくりに取り組んでいただければと願う。
本記事では「SEOの外注」をテーマに解説した。要点をまとめておこう。
最初に、SEOを分解して捉える重要性についてお伝えした。
3つの分野に分けて考えるSEO外注の判断基準を解説した。
SEO外注・内製のあり方や比較として以下のポイントを解説した。
SEOを外注したときの費用相場を解説した。
本記事の内容を参考に、予算を最大限に活かせる内製・外注プランを策定してほしい。SEO対策は中長期の継続戦略である。適切な判断と戦略的なパートナー選びによって、大きな成果を生み出していこう。
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