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10/23水12:00〜13:00
「オウンドメディアに良い記事を載せたいけど、そもそも良い記事って何?そしてどう書くの?」
「成果を出すためには何本の記事を公開すれば良いの?」
など、オウンドメディアの記事についてお悩みの方は少なくないはずだ。
オウンドメディアの成果を決めるのは、掲載する記事の質である。だからこそ運営者は、どのように取り組むのがベストなのか模索し、さまざまな疑問を抱えていることだろう。
そこで本記事では、オウンドメディア記事についてよくある質問に回答していく。
私たちバズ部は、12年間で営業なしで50億円以上の売上をオウンドメディア経由で創出してきた。また、バズ部の考え方をもっと知りたい10万人以上がメールマガジンに登録している。
どの回答も、これだけの成果を出しているバズ部のノウハウを凝縮したものになっており、そのとおりに実践すれば間違いないと自信をもっておすすめできる。
たとえば、オウンドメディアにはどんな記事を掲載すべきか?という疑問に対する答えは、「読んだ人の人生の質を上げる記事」だ。
成果を出すために必要な記事数は?に対する答えは、「目標は100記事、最低でも60本」。
このように、オウンドメディアに掲載する記事の要件や作り方、外注の適否など、よくある疑問9つに対して回答していく。
本記事を活用してオウンドメディア記事作成に関する基礎知識を固めることが、多くのコンバージョンを獲得するという目的を最短距離で達成するための武器となるはずだ。
高品質な記事を積み重ねてオウンドメディアの成果を最大化するために、ぜひ最後まで読んでほしい。
目次
まずは、「オウンドメディアにはどんな記事を掲載すべきか?」という疑問にお答えしよう。
オウンドメディアには、以下2つの要件を満たす記事を掲載する必要がある。
この大前提を踏まえていないといくら記事を増やしても成果につながらず、オウンドメディア運営が徒労に終わるため、必ず理解しておいてほしい。
オウンドメディア記事には、「読んだ人の人生の質を上げる記事であること」という要件が欠かせない。
オウンドメディア記事の役割は、ユーザーに価値を提供してロイヤルティを高めることだ。そのためには、人生の質が上がるほど有益な情報を届ける必要がある。
たとえばあなたは、よりよく行動するための指針となってくれる本や人物に出会ったことはないだろうか。
悩みや疑問を解消し、進むべき方向を明示して、最高の結果へ向けて一歩踏み出すことを後押ししてくれる情報源。
オウンドメディアの記事は、ユーザーにとってそういう存在であるべきだ。
記事を読むことで行動が変化し、よい結果が得られると、ユーザーは記事を作成した企業を信頼し、問い合わせや購入といったアクションを起こしてくれる。
読んだ人の人生の質を上げる記事によって、大きな成果を出した事例を紹介しよう。
バズ部が支援させていただいた武蔵コーポレーション株式会社様のオウンドメディア「ウェルスハック」には、「なぜワンルームマンション投資はやめろと言われるのか?」という記事が掲載されている。
出典:ウェルスハック「「なぜワンルームマンション投資はやめろと言われるのか?」
この記事では、「ワンルームマンション投資はおすすめしない」ということを強く主張している。
その理由や実際に失敗した事例を丁寧に解説し、読者を投資の失敗から絶対に守るという気概に満ちた記事になっているのだ。
一般的なWeb記事であれば、ワンルームマンション投資に関する情報をただ解説し、取り組むべきかどうかの判断は読者に委ねるものがほとんどだろう。
武蔵コーポレーション株式会社様の記事はそこから一歩踏み込んで、専門家としての確固たる経験と信念を軸に読者が人生の質を上げためにとるべき行動を明示するところに、大きな価値があるのだ。
このように、ユーザーにとって真に価値のある記事を積み重ねた結果、オウンドメディアを立ち上げた期から翌期にかけて急激な売上増を実現した。
具体的には、公開から10ヶ月でオウンドメディア起点の合計売上が14.6億円となり、2年9ヶ月経過した時点での累計売上は106億円に到達したのである。
オウンドメディア記事を売上につなげたいのであれば、セールスやエンタメは必要ない。
ユーザーの人生に役立つ情報を届けることに専念しよう。そのためには他社サービスの紹介も厭わない、というくらいがちょうどいい。
そうすれば自ずと結果がついてくる、と断言できる。
武蔵コーポレーション株式会社様の事例についてもっと詳しく知りたい方は、「事例 / 累計106億円の売上を叩き出した不動産会社のコンテンツマーケティング事例」を参照してほしい。
オウンドメディア記事は、「Googleに評価される記事であること」という要件も備えていた方がよい。
オウンドメディアにどれだけいい記事を掲載しても、読んでくれる人がいなければ成果は望めない。読者を集めるルートとして現時点で最も太いのは、Googleだからだ。
2024年7月時点で、Googleの世界シェアは91.04%である。そのため、「検索エンジン=Google」と考えて構わない。
多くの人に記事を読んでもらいたいなら、Google検索で上位表示させるためのSEO(検索エンジン最適化)対策が必要になってくる。
しかし、SEO対策をさほど難しく考える必要はない。「読んだ人の人生の質を上げる記事」を作成すれば、SEOの根幹を制覇できるからだ。
Googleは、「SEO対策として最も有効なのは、魅力的で役立つコンテンツを作成することである」と公言しているのである。
“検索結果での存在感を高めるには、魅力的で役立つコンテンツを作成することが、このガイドで説明している他のどの方法よりも有効であると考えられます。”
引用:Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」
だからこそオウンドメディアには、読んだ人の人生に役立つ記事を掲載しよう。しつこいようだが、これに勝る成功方程式は存在しないのだ。
その上で、可能であれば以下のようなSEO対策も施してみるとよい。
【SEO対策の全体像】
【基本的なSEO対策】
検索エンジン対策 | ・クロール拒否の設定をしていないことを確認する |
内部対策 | ・タイトルと見出しに検索キーワードを入れる |
外部対策 | ・被リンクを歓迎する |
最新情報の | Googleが示す以下の考え方を理解しておく |
これらの対策について、具体的なやり方は「【2024年最新】SEO対策とは?初心者が自分でできる基本対策をわかりやすく解説」という記事で解説しているため、そちらも参照してほしい。
オウンドメディアにどんな記事を掲載すべきかがわかったところで気になるのは、ではそれをどうやって作るのか?ということだろう。
オウンドメディアの記事は、以下の手順で作成する。
それぞれの具体的なやり方は「【初心者でもできる記事作成】4つの基本スキルをわかりやすく解説」で解説しているため、ここでは概要をお伝えしよう。
まずは、検索キーワードを選定する。検索キーワードの選定とは、検索結果ページの上位表示とコンバージョンが叶いそうなキーワードを特定することを指す。
このプロセスは、非常に重要だ。検索キーワードの選定を誤ると、失笑してしまうほどわかりやすく結果が出ない。
たとえば、競合が強すぎるキーワードを選んでしまうと、いつまでも上位表示されない可能性が高い。また、自社ビジネスに関連の薄いキーワードを選んでしまうと、コンバージョンが生まれないのだ。
失敗したメディアを数多く見てきたからこそ、バズ部では「キーワード選定で売上の8割が決まる」と言っても過言ではないと考えている。
そのため、ここで検索キーワード選定の全てを語るのは不可能だ。「【図解】キーワード選定の正しいやり方─SEOの最初に読むべき記事」を必ず参照してほしい。
大まかな手順だけをお伝えしておこう。
キーワード選定には、以下の3つのツールが必要となる。(1)(2)(3)を、それぞれ1つ以上ずつ準備しよう。
(1)関連キーワードを抽出するツール (2)競合サイトの獲得キーワードを調べるツール (3)各キーワードの月間検索ボリューム数を調べるツール |
オウンドメディアの目的・コンセプト・ターゲットを明確化し、それらをもとに「種となるキーワード」をリストアップしていこう。
種キーワードとは、主にこの3つだ。これらをできる限り数多く、思いつくだけ抽出する。
・集客力の高いキーワード |
たとえば以下は、オンラインでコーヒーを販売するビジネスの種キーワードだ。
種キーワードから、検索ボリュームや関連キーワード・競合の動向などに範囲を広げ、まだ誰も見つけていないお宝キーワードを探索するのである。
候補となるキーワードを網羅したリストが出来上がったら、記事を作成すべきキーワードを絞り込み、優先度を決めよう。
その際には、検索意図に着目して重複を排除し、上位表示とコンバージョンがしやすいゾーンを探っていくことになる。
具体的には以下のように、重複を省いたキーワード(100個程度)を選び出し、キーワードごとにA・B・Cの優先度を入力する。
優先度を判断する基準は、以下のとおりだ。
・「検索ボリュームの大小」と「コンバージョンへの近さ」の2軸で4つの領域に分類、それを踏まえて上位サイトに勝てそうなキーワードを優先する ・それとは別に、自社ならではの専門性を発揮できる、突き抜けて良質な記事を作れそう、というキーワードも優先する |
上記の図だけを見ると、「検索ボリュームが多くコンバージョンに近い」キーワードが最優先になるが、大抵この領域は競合が多い激戦区だ。
そのため、現状上位のものよりもよい記事を書けるという見込みがあれば採用、そうでなければ優先度を下げるという判断になる。
反対に、検索ボリュームが小さくコンバージョンからは少々遠いキーワードでも、確実に上位に勝てそうであれば優先度を上げることを考えよう。
それとは別に、自社ならではの突き抜けて良質な記事を作れる可能性が高い場合には、そのキーワードでも優先的に記事を作るとよい。
検索キーワードを選定したら、ペルソナを設定する。ペルソナとは、実在するユーザーのデータから共通項を抽出して設定した象徴的な仮想ユーザーのことだ。
選定したキーワードで検索するペルソナを設定することで、ユーザーの思いを深く理解できるため、真に求められる記事を作ることが可能になる。
たとえば[春の旅行]という検索キーワードであれば、以下のようなペルソナが考えられる。
《ペルソナ》 《現状》 以前の旅行で服装の失敗や交通手段の選び方で失敗した経験がある。服装に関しては季節の変わり目で寒暖差に対応できず、交通手段では料金が高くついたり時間がかかったりした。次回の旅行は失敗しないように計画したい。 夫がグルメ好きなので、旅行先で春の味覚を楽しみたいと考えている。自分は絶景に興味があるが、混雑しすぎるところには行きたくない。 地元で愛される隠れた桜の名所や、春限定の地元の美味しいグルメなど、夫婦で楽しめる旅行を考えるために、[春の旅行]と検索した。 |
人物像と状況を設定したら、顕在ニーズと潜在ニーズ・ゴールを明らかにする。
顕在ニーズ | 何のために検索しているのか? |
潜在ニーズ | 自覚していないが心の底にある願望は? |
ゴール | 最終的に何を成し遂げたいのか? |
上記のペルソナであれば、以下のようになるだろう。
《顕在ニーズ》 《潜在ニーズ》 《ゴール》 失敗しないためのコツを活用し、快適で思い出深い旅行を実現する。 夫婦で楽しい時間を過ごすことで絆が深まり、今後の人生がより豊かになる。 |
これらに応える情報が得られて、ペルソナがそれ以上検索しなくて済むような記事を作ればよいということになる。
ペルソナを設定したら、記事を書くために必要なリサーチを行う。
正確で奥深い情報を用いることは、ユーザーにとって役立つ記事を作る上で欠かせない条件だ。以下のような情報を収集するために、綿密にリサーチしよう。
・公的機関や学術論文などから得られる信頼性の高い情報 |
高品質な情報をできる限り多く収集すべきだが、オウンドメディアの記事作成においては時間に限りがあるケースも少なくないだろう。
「【初心者でもできる記事作成】4つの基本スキルをわかりやすく解説」では、効率的なリサーチのやり方についても解説しているため、ぜひ参照してほしい。
リサーチによって必要十分な情報が集まったら、記事のアウトライン(概要・構成案)を作成する。
アウトラインは、ペルソナの検索意図に明快に答えるとともに、さらに役立つ一歩先の情報まで伝えられる形にしよう。論理的で理解しやすい流れも必要だ。
たとえば、前述の[春の旅行]で設定したペルソナに向けて記事を書く場合、以下のようなアウトラインが考えられるだろう。
《タイトル》 《構成案》 2. 春の味覚を楽しむグルメ旅のオススメ 3. 失敗しない!春の旅行を楽しむコツ |
記事のアウトラインができたら、本文を執筆する。
執筆方法の詳細は「【初心者でもできる記事作成】4つの基本スキルをわかりやすく解説」に譲るが、以下のポイントを押さえるべきだということはここで理解しておいてほしい。
・Web記事に最適化した文章にする |
オウンドメディアの記事は、Web記事に最適化した文章にする必要がある。
Web記事は、書籍のようにじっくりと読まれるものではないからだ。検索してWeb記事を読むユーザーは、手っ取り早く答えを得ようとしている。
自分が求めている情報がないと判断したり、わかりにくいと感じたりすると、すぐに読むのをやめてしまうのだ。
そのため、以下のような工夫をしよう。
・最初に結論を明示する |
オウンドメディアの記事は、論理的に記述しよう。そうすることで、わかりやすく説得力がある記事になるからだ。
論理的な記述をするための代表的なフレームワークとして、「PREP」がある。活用すると格段に書きやすくなるため、試してみてほしい。
【PREPとは】
|
オウンドメディアの記事では、単に情報を伝達するだけではなく、読者に具体的行動を促すべきだ。
この行動とは、購入や問い合わせといったコンバージョンではない。
思い出してほしい。オウンドメディア記事とは、読んだ人の人生の質を上げるものだったはずだ。
読者が自分の人生をよりよくするための具体的行動をとれるようにすべきだ、ということがわかっていだけただろうか。
バズ部では、この点が記事の価値を決める非常に重要なポイントだと考えている。そのため、記事の品質チェックに以下のスコアリングをおすすめしたい。
ユーザーに対して何をどう行うべきかを詳細に示すとともに、行動することのメリットや障壁を回避する方法を伝えよう。
執筆が済んだら、校正を行う。
質の低い記事を公開すると、読んだ人を失望させてしまう。ロイヤルティの獲得というオウンドメディアの目的を果たせなくなるのは明白だ。
そのような事態を避けるために、複数人で何度でも校正を行おう。
「【初心者でもできる記事作成】4つの基本スキルをわかりやすく解説」では、誤字脱字や文章の一貫性など、テクニカルな校正ポイントを紹介している。
そのためここでは、記事の価値を確認するという点における校正のポイントをお伝えしておこう。
・自分でも読みたいと思えるものになっているか |
すべてのポイントに自信をもってYESと言える段階になったら、公開しよう。その記事は非常に優秀な営業マンとなって、たくさんの優良顧客を連れてきてくれるはずだ。
オウンドメディアで成果を出すためにはどのくらいの記事が必要か?という疑問をもつ人はとても多い。
バズ部の見解はこうだ。目標は100記事、最低でも60記事。
1カ月に10記事のペースでまずは1年間がんばれると、かなり効果的だと考えている。
実際に、バズ部が実施したアンケートによると、成果を出しているオウンドメディアが月間の総PV数10万PV・20万PVを達成するまでにかかった公開記事数の平均は以下のようになった。
・立ち上げから10万PV達成までが93記事
・10万PV時点から20万PVまでが113記事
出典:株式会社ルーシー「バズ部が運営する月間20万PV超サイト11の生データ集」
100記事近く公開したあたりから一定の効果がみられ始める、ということがわかるだろう。
実は、どれだけ高品質な記事でも、公開する数が少ないと上位表示されないのだ。さっきまでの話と違うじゃないか!というお怒りは甘んじて受け入れよう。
ユーザーの人生に役立つ記事を作れば上位表示されて成果が出る、そのことに断じて嘘はない。ただし現実的な話として、実際には少々の制約があるのだ。
今のGoogleの評価は記事1本の純粋な評価だけではなく、どのドメインに載っているのかということも影響している。
そのため、最初は10記事くらい公開してもあまり上位表示されない、という現象が毎回起きるのだ。
そこから記事を増やせば増やすほどドメインが強くなり、上位表示されていくというのが、一般的な動きなのである。
だからこそ100本を目安として、ある程度記事の本数を上げなければ、読者を獲得して成果につなげるのが難しいというわけだ。
冒頭で伝えた要件に加えて「少なくとも60記事、できれば100記事必要」という目標が果てしなく遠く感じられ、だったら量産するしかないと考える人もいるかもしれないが、それはおすすめしない。
低品質な記事は、たとえ1000本書いても使えないからだ。
闇雲に記事を増やせばいいわけでなく、読んだ人の人生の質を上げるられるほどの品質を担保することが欠かせない。
そのためには、以下のポイントを押さえよう。
高品質な記事を作るためにまず欠かせないのは、ユーザー中心主義を貫くことだ。ユーザー中心主義とは、読者のニーズや幸福を最優先に考える姿勢である。
とにかくユーザーのためを考え、120%満足させることを目指して作られた記事は、自ずと信頼を得られる。
一方で、作成者側が発信したい情報が掲載された記事は、スルーされるか最悪忌み嫌われる。ユーザーは、自己アピールやセールスにとても敏感だ。
たとえばあなたが、[ダイエット]について検索したとしよう。
ある記事では、短期間で効果が出るダイエットの方法について簡単に解説し、自社のジムやサプリメントを紹介している。世の中の多くの記事はこのタイプだ。
ユーザー中心主義を貫く記事では、無理なダイエットの弊害についても注意喚起し、健康的に体型維持を行うための方法を即実践できる具体性をもって解説するという違いがある。
このうちのどちらがユーザーのためになるのかは、議論の余地がないはずだ。
読者が何を求めているのか、どんなことが幸福につながるのかを常に考え、それに応える記事を作ろう。
高品質な記事は、ユーザーの潜在ニーズを満たすものでなければならない。潜在ニーズとは、検索時には自覚していない、ユーザーの心の奥底にある願望のことだ。
ユーザーが検索窓に打ち込むキーワードは、あくまで表面的な顕在ニーズに過ぎない。それを満たすだけの記事では、人生の質が上がるほどの気付きを得られないのである。
一方、潜在ニーズまで満たされると、ユーザーは記事を読んだときに「自分が欲しかったのはまさにこれだ!」と痛烈に感じ、感動を覚える。その感動が、企業へのロイヤルティにつながっていくのだ。
たとえば、小学校低学年の子供がいる3人家族の父親が旅行を計画していて、「沖縄 シュノーケリング」と検索していたとする。
彼の顕在ニーズと潜在ニーズはこのようになっているはずだ。
顕在ニーズ | 沖縄のシュノーケリングスポットを知りたい |
潜在ニーズ | ・家族が安全に楽しめるシュノーケリングスポットが知りたい |
だとすれば、有名なシュノーケリングスポットを紹介するだけでは不十分だ。
子供でも安全に楽しめるシュノーケリングスポットや、家族皆が満足できるようにするためのポイントなども伝えた方がよいだろう。
オウンドメディアの記事を作るときには、検索キーワードを手掛かりに、ユーザーの心の奥深くに眠っている潜在ニーズを追求し、それに応える内容にすることが重要だ。
独自の価値を提供すると、記事の品質は格段に高くなる。独自の価値とは、他の記事を大きく上回る、その記事ならではの価値のことだ。
世の中には、多くのコンテンツが溢れている。あなたの記事はそれらと比較され、相対的に評価されるため、他の記事と同等のものを作ってもユーザーは価値を感じないのだ。
ユーザーから選ばれる記事を作るためには独自の価値を提供すべきだということはわかったが、そんなに難しいことはできないと諦める必要はない。
独自の価値とはなにも、自社しか知り得ない希少なデータやレアな経験則ばかりではないからだ。他の記事と同じ情報を扱うにしても、その伝え方を工夫すれば独自の価値を生み出せる。
たとえば、先ほどのシュノーケリングスポットを紹介する記事で考えてみよう。
紹介するスポットは同じだったとしても、各スポットを疑似体験できるような画像をたくさん掲載すれば、それが独自の価値になる。
また、実際にそのスポットを訪れた人の口コミや、おすすめのガイド・料金などの情報を追加してもよいだろう。
他のどの記事にも負けない強みはここだ!と明言できる記事を積み重ねていってほしい。
記事中では、主張と根拠を明示しよう。そうすることで、読者の行動変容が促進されるからだ。
情報がただ並列に並んでいるだけの記事だと、どう行動すべきかは読者自身が考えて判断しなくてはならず、その労力が行動変容の障壁になってしまう。
そのため、あなたの幸福のためにはこうするのがベストだという主張と、その主張を裏付ける根拠を示す必要があるのだ。
主張と根拠の関係性は下図のようになる。根拠には、主張する理由とその証拠となる事実を用いるとよい。
読み終えた人が納得して速やかに行動変容したなら、それは高品質な記事を提供できた証だ。
高品質な記事にするためには、日本一わかりやすく書くように努めよう。
検索して見付けた記事を読む人は、素早く確実に疑問を解消したいと考えている。内容が理解しにくいと感じたら、すぐに離脱して他の記事へと去って行ってしまうのだ。
読まれない記事が相手の人生の質を上げることはあり得ないし、ユーザーの滞在時間が短い記事はGoogleに評価されにくい。
だからこそ、オウンドメディアの記事は「楽に読めてよくわかる」形であるべきだ。
そのために参考になるリストをご紹介しておこう。米国証券取引委員会による“避けるべき悪文の特徴”である。
● 長い文章
Long sentens
● 主張がはっきりしない受動態
Passive voice
● 意味があいまいな動詞
Weak Verbs
● 余分な言葉
Superfluous words
● 専門用語
Legal and financial Jargon
● 定義が複数ある用語
Numerous defined terms
● 抽象的な言葉
Abstract words
● 不必要な細かい説明
Unnecessary details
● 読みづらいデザインとレイアウト
Unreadable design and layout
出典: SEC.gov「A Plain English Handbook」
このような要素を徹底的に排除して、どこよりもわかりやすい記事を目指してほしい。
E-E-A-Tを高めることも、高品質な記事を作るために重要なポイントだ。
E-E-A-Tとは、経験(Experience)・専門性(Expertise)・権威性(Authoritativeness)・信頼(Trust)の頭文字を取った略語で、Google社の造語である。
GoogleはE-E-A-Tを記事の品質評価基準として利用しているため、E-E-A-Tの高い記事ほど上位表示されやすくなる。
経験 | 記事作成者が、そのトピックに必要な実体験や人生経験をどの程度持っているか |
専門性 | 記事作成者が、そのトピックに必要な知識や技術をどの程度持っているか |
権威性 | 記事作成者やサイトが、そのトピックに関する有力な情報源としてどの程度知られているか |
信頼 | そのページが、どの程度正確で、正直で、安全で、確かなものか |
また上記の内容を見れば、E-E-A-Tを高めることはSEO対策だけでなく、ユーザーにとってより有益な記事作成にもつながることがわかるだろう。
たとえば[腰痛]についての記事だとしたら、どこの誰かわからない人物が書いた記事よりも医療従事者が書いた記事の方が上位表示されやすく、ユーザーの役に立つ可能性が高いというわけだ。
E-E-A-Tを高めるための具体的なアクションについては、「E-E-A-Tとは?SEOでGoogleが重視する4要素と評価を高める具体策」で解説しているため、参照してほしい。
「オウンドメディア記事の適切な文字数は?」に対する答えは、「文字数を気にする必要はない」だ。
ユーザーにとって有益で魅力的なコンテンツであれば、何文字でも構わない。Googleの公式見解でも、検索順位の決定に記事の文字数は影響しないとされている。
記事の文字数に関する詳しい解説については、「SEOでは「文字数は気にしない」が正解!その理由・根拠・事例を詳しく解説」を参照してほしい。
ただし、具体的な解説でユーザーの潜在ニーズまで満たす記事を作ろうとしたならば、必然的に5000文字を超えるはずだ。
実際に、バズ部が支援して成果を出している(月間20万PV超)サイト担当者に行ったアンケートでは、最も集客貢献度の高い記事の平均文字数は6365文字という結果が得られた。
そしてバズ部の記事は、概ね8000文字を超えている。
もしあなたの記事が5000文字に満たない場合は、ユーザーが求めている情報を網羅できているか、より詳細に解説すべき部分はないか、をチェックしてみよう。
良質なオウンドメディア記事を作るためには、相当な工数がかかりそうだと不安になったかもしれない。当然、記事作成にかかる工数はリソースの状況によって異なる。
しかしひとつの目安として、成果を出している企業は1記事あたり最低でも7時間以上かけているという事実がある。
以下は、バズ部が支援して成果を出している(月間20万PV超)サイト担当者に行ったアンケートの結果である。
出典:株式会社ルーシー「バズ部が運営する月間20万PV超サイト11の生データ集」
77%の企業が1記事を作るのに7時間以上かけており、14時間以上という企業も24%存在しているのだ。
ちなみにこれは、キーワード選定などの企画段階を除いた執筆まわりの工数だ。「2.オウンドメディア記事の作り方は?」で解説した手順全体としては、さらに時間がかかることになる。
オウンドメディア記事の作成は、通常業務と兼務するケースも多いだろう。決して少なくはない工数がかかることを織り込んで、無理なくスケジューリングすることをおすすめする。
自社にはオウンドメディア記事作成のリソースが足りない、と考える方も多いだろう。そこで検討したい外注だが、全てを代行してもらうのは避けるべきだ。
バズ部がおすすめするベストバランスは、「キーワード選定を外注・執筆は内製」。これからオウンドメディアを立ち上げるという場合には、戦略設計も外注するとよい。
戦略設計とキーワード選定は、オウンドメディアの成功を左右する重要な要素かつ、専門的な知識が必要な領域だ。
よくわからないまま取り組んでも無駄な努力になる可能性が高いため、プロに依頼するのが確実だといえる。
一方で、記事の執筆はできる限り内製化したほうがいい。
なぜなら、代行業者ではあなたの思いや知見が十分に詰まった記事を作成するのが難しいからだ。
記事の価値をなす強い主張やリアルな経験知を、そのままの熱量で文字にできるのは、あなた自身に他ならないのである。
実際にバズ部のコンサルティング現場でも、記事の執筆を他社に外注しているが内容が薄い、コンバージョンにつながらない、というご相談が多い。
もし記事の執筆を外注せざるを得ないなら、丁寧なヒアリングによってあなたの意向を理解し、しっかりと記事に反映させてくれる業者を選ぼう。
オウンドメディアの外注について、業者の選び方や費用相場などの情報が欲しい方は、「オウンドメディアの全代行は避けるべき!外注するべき範囲と費用相場」を参照してほしい。
作成したオウンドメディア記事の良否を評価するためには、最低でも60記事公開した上でGoogleの検索順位を確認しよう。
順位が高ければ、世界トップシェアの検索エンジンに「ユーザーにすすめる価値がある記事だ」と認められたことになる。
ひとつのラインとしては、検索順位3位以内をとれるとよい。3位以下になるとクリック率が10%を切ってしまうからだ。
検索順位 | クリック率 |
1位 | 39.8% |
2位 | 18.7% |
3位 | 10.2% |
4位 | 7.2% |
5位 | 5.1% |
6位 | 4.4% |
7位 | 3.0% |
8位 | 2.1% |
9位 | 1.9% |
10位 | 1.6% |
参考:FirstPageSage「Google Click-Through Rates (CTRs) by Ranking Position in 2024」
ただし厳密には、検索順位だけを見ればよいというのは少々乱暴かもしれない。実際に読んだユーザーがどれほどいい記事だと思うかは、正確に数値化できないからだ。
また「3.オウンドメディアで成果を出すために必要な記事数は?」で解説したように、検索順位はドメインパワーの影響を受ける。
このように、純粋に1本の記事の品質を評価するのはなかなか難しい、というのが実際のところだ。
しかしそれを踏まえても、その記事が多くの人にリーチできるか、コンバージョンにつながる確率が高いか否かは、やはり検索順位で判断するのが妥当なのである。
たとえば上位表示されていた記事の順位が下がったとしたら、何らかの改善が必要なのは明らかだからだ。
まずは記事の本数を増やした上で、検索順位の推移を追っていこう。
SNS検索もメジャーになってきた昨今、オウンドメディア記事の作成と並行してSNSも活用した方がよいのか?と考える企業も少なくないだろう。
しかし、オウンドメディアに記事を更新したことを伝えるただの「お知らせボット」になるなら、意味がない。
まったく別のフィールドとしてそのSNSに最適化した投稿をする、そのためにオウンドメディアの記事を活用するのであればアリだ。
たとえば以下はバズ部松澤のXだが、メディア記事で詳しく解説している内容を一目でわかるイラストにまとめて投稿している。
これなら、Xユーザーのニーズに合った形で有益な情報を提供できる。オウンドメディアの記事は、その投稿に活用できる資産だ。
オウンドメディアに記事を更新しました!という投稿は、ユーザーに対する「自分で時間と労力を使って情報収集してね」という乱暴なオファーになるだけなので、やめておこう。
本記事では、オウンドメディア記事に関してよくある9つの疑問について解説した。以下にQ&Aを一覧化しよう。
Q1. オウンドメディアにはどんな記事を掲載すべき?
A1. 以下2つの要件を満たす記事。
Q2. オウンドメディア記事の作り方は?
A2. 以下の手順で作成する。
Q3. オウンドメディアで成果を出すために必要な記事数は?
A3. 目標は100記事、最低でも60記事。
Q4. 高品質なオウンドメディア記事を作るためのポイントは?
A4. 以下のとおり。
Q5. オウンドメディア記事の適切な文字数は?
A5. 何文字でも構わない。ただし、記事の品質がよければ必然的に5000文字を超える。
Q6. オウンドメディア記事を作るのにかかる工数は?
A6. 成果を出している企業は、最低でも執筆まわりに7時間以上かけている。
Q7. オウンドメディア記事は内製と外注どちらがよい?
A7. 「キーワード選定を外注・執筆は内製」がベスト。
Q8. オウンドメディア記事の評価方法は?
A8. 最低でも60記事公開した上で、Google検索結果の順位をチェックする。
Q9. オウンドメディア記事の作成と並行してSNSも活用した方がよい?
A9. 記事更新のお知らせに使うのは無意味、当該SNSに最適化した形に情報を加工して投稿するのはアリ。
オウンドメディア記事は、とにかくユーザーのためを考え、心の奥底にある願望を叶えられるように作成すればよい。
勘のいいあなたなら、もう気付いているのではないだろうか。それはビジネスの根底をなす精神であり、何も目新しく難しい概念ではないことに。
あなたの抱えていた疑問が解消され、より良質なオウンドメディア記事作成に向けて動き出すことができたら、嬉しく思う。
広告に頼り切ったマーケティングの打開策としてコンテンツマーケティングについて調べているけれど、よく分からないと悩んでいませんか?
本書は弊社やクライアント様がコンテンツマーケティングに取り組み
など、コンテンツマーケティングの効果と、具体的な施策内容を全94ページに渡って詳細に解説しているものです。
ぜひ、貴社のWEBマーケティングにもご活用ください。