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10/23水12:00〜13:00
Google アナリティクスで検索キーワード分析を行おうとして、「not provided」の表示に戸惑った人がいるかと思う。
not providedとは、『情報提供されていない』という意味。
つまり「not provided」は、『webサイトを訪問したユーザーの検索キーワードが、検索エンジンからGoogleアナリティクスに提供されなかった』ということを示す表示だ。
2011年、Google検索のセキュリティ強化・プライバシー保護を目的にしたSSL化が発表されて以降、Googleアナリティクスの仕様は大きく変更された。
情報の暗号化によって多くのユーザーの検索情報が不明になってしまったのだ。
この記事では、サイト運営者が知っておくべき「not provided」が加速する背景や問題点について言及する。
この記事のポイント |
✔️Googleアナリティクスの「not provided」とは |
ユーザーがどのキーワードを検索して自社サイトに辿り着いたかを把握することは、SEO対策において欠かせない取り組みのひとつといえる。
ただ、現状では「not provided」の内容を完璧に把握するツールは存在せず、一定のクエリだけが見られるGoogleSearchConsole(サーチコンソール)を使うのが1番現実的な方法といえる。
記事後半では「not providedを調べる方法」として、サーチコンソールで流入キーワードを調べる手順を紹介するので、最後まで目を通して参考にしてほしい。
目次
Googleアナリティクス(※)のオーガニック検索キーワード欄に表示される「not provided」。
(※)Googleアナリティクス:Googleが無料で提供するWEBページのアクセス解析サービス。登録したWebサイトのユーザー行動について、ユーザーの属性や訪問したページ、成果の達成率、広告効果や反響調査などを分析する。
冒頭で述べたように、not providedを直訳すると「情報提供されていない」という意味で、「webサイトを訪問したユーザーの検索キーワードが、検索エンジンからGoogleアナリティクスに提供されなかった」ことを表している。
元々は、このGoogleアナリティクスのオーガニック検索によって、ページを訪問したユーザーの検索キーワードを調べることができた。
「ユーザーがどんな情報を知りたいのか」「どういった悩みを持って検索しているのか」といったデータを収集し、コンテンツをよりユーザーに最適化できるよう改善策を練るための重要な指標として活かされてきたのだ。
しかしながら、2011年、Google検索のセキュリティ強化・プライバシー保護を目的にしたSSL化(※)
が発表されて以降、Googleアナリティクスの仕様は大きく変更された。
(※)SSL化:インターネット上の通信を暗号化する技術
その結果、情報の暗号化によって多くのユーザーの検索情報が不明になってしまったのだ。
2014年にはGoogleのほぼ全てのサービスにSSLが導入され、現在、Googleアナリティクスでは、上図のように「not provided」という表示が実に9割以上を占めるようになっている。
「not provided」が増えた背景には、SSL化の普及の加速がある。
2013年後半にGoogleが導入を始めたSSL化だが、その後2015年には、Yahoo!もSSL化に乗り出した。
あなたも、検索窓に表示される鍵のマークを見たことがあるだろう。
この鍵のマークが表示されていれば、SSLが対応しているということだ。
国内の検索エンジンの9割を占めるGoogleとYahoo!が、セキュリティ強化のためにこの仕組みを採用したため、ユーザーの検索キーワードもセキュリティの観点から多くが暗号化されてしまい「not provided」が表示されるようになったのだ。
チェック! ネット社会となった今、ECサイトや会員登録フォームなどに、個人情報やクレジットカード情報、パスワードを入力する機会は増える一方だ。 機密情報が抜き取られて不正に利用されてしまうリスクも格段に高まっている。 その対策として、セキュリティやプライバシー保護を重視するGoogleをはじめとした企業は、SSL化対策を強力に邁進していった。 2014年、Googleは「検索結果でHTTPS化されたサイトを優遇する」といった公表を行い、それをきっかけにサイト全体のSSL化が一気に加速した。 現在Googleでは、SSL技術が採用されていないWebページには、ユーザーがアクセスした際に警告文を表示するなどの対応がとられている。 |
SSL化が重要なことは理解できたと思うが、サイト運営の立場からみると、検索キーワードが「not provided」になってしまうことはデメリットが大きい。
ユーザーニーズに合わせてコンテンツを改善するために、検索キーワードは重要な指標になるからだ。
具体的には、「not provided」の割合が増え、ユーザーが使用した検索キーワードがわからなくなることによって、下記のような問題が生じてしまう。
・Webサイトがどのようなイメージで検索されているかわからない |
ユーザーが流入するに至ったキーワードを把握し分析することで、自社サイトにおいて「どんな情報を知りたいのか」「どういった悩みを持って検索しているのか」というユーザーの検索ニーズが読み取れる。
ユーザーのニーズに応え、欲求を満足させられるコンテンツこそが、ユーザーや検索エンジンから評価される条件であり、ニーズを無視したコンテンツでは高い評価を得られない。
質の高いコンテンツの作成には、「not provided」で見えなくなっている検索キーワードの把握こそが重要なのだ。
そこで次章では、「not provided」の中身を調べる方法を紹介していく。
ユーザーがどのキーワードを検索して自社サイトに辿り着いたかを把握することは、SEO対策において欠かせない取り組みのひとつといえる。
この章では、『not provided』で隠された中身を調べる方法を伝授する。
・Google アナリティクスの「ランディングページ」から予測する
・Google Search Consoleで調べる
ただ、冒頭でも述べたように、「not provided」の内容を完璧に把握する方法やツールは存在しない。
ここで紹介する方法で「not provided」の100%が調べられるわけではないことを頭に入れて見ていってほしい。
Googleアナリティクスの「ランディングページ」とは、自社サイトを訪れたユーザーが最初にアクセスしたページのこと。
検索結果からアクセスしたページを知ることで、どのようなキーワードが使用されたかを予測することができる。(※)ただし検索キーワード自体は表示されない。
手順は次の通りだ。
手順①|Googleアナリティクスにログイン | |
手順②|メニュー内「集客」→「キャンペーン」→「オーガニック検索キーワード」の順に開く | |
手順③|「セカンダリディメンション」→「ランディングページ」を選択 |
この方法では検索キーワードの特定まではできないが、検索キーワードの傾向を知るには有効な方法といえる。
Google Search Console(※)で、自社サイトに流入しているキーワードを調べられる。
(※)Google Search Console(サーチコンソール):Googleが提供するインターネット検索の分析ツール
100%ではないが、今のところ「not provided」で見えない所を探るのに1番現実的な方法だ。
Google Search Consoleを開いた後の、手順は下記の通りだ。
手順①|画面右上の「レポートを開く」か、サイドメニューの「検索パフォーマンス」をクリック グラフ上にある「合計クリック数」「合計表示回数」「平均CTR」「平均掲載順位」のすべてにチェックを入れる | |
手順②|「ページ」をクリック | |
手順③|検索キーワードを確認したいURLを選択 | |
手順④|「クエリ」をクリック (例) |
ただし、この方法で取得できるキーワードは「Google検索経由で訪れたユーザー分のみ」となっていて、Yahoo!をはじめとしたほかの検索エンジンによる検索結果は含まれない。
急激にネット社会となった現在、機密情報が抜き取られて不正に利用されてしまうリスクを考えれば、検索エンジンのSSL化はやむを得ない施策だろう。
だが、それに伴いユーザーの検索キーワードが「not proivided」で把握できなくなったことは、ニーズを汲み取ったコンテンツをめざすサイト運営者にとっては痛手といえる。
記事で紹介した2つの方法を利用して、ユーザーの検索ニーズをできる限り推測し、悩みに応える質の高いコンテンツの作成に活かしていこう。
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