「ホームページリニューアルを考えているが、具体的な手順や注意点がわからない。どうすればよいのだろうか」
このような悩みを抱える企業経営者やWeb担当者は、少なくない。
近年、モバイル対応やSEO対策の重要性が高まり、企業のWebサイトも進化を続けている。
古いデザインやコンテンツでは、競合他社に後れを取り、ビジネスチャンスを逸してしまう恐れがある。
本記事では、“ホームページリニューアルの実践”を詳しく解説する。リニューアルの目的から進め方、費用感、依頼先まで、必要な情報を網羅した。
読み終える頃には、リニューアルの計画を立て、具体的な行動をスタートできるだろう。最初の一歩を踏み出すために、本記事を活用してほしい。
1. ホームページリニューアルの目的
ホームページリニューアルは、企業活動において重要なプロジェクトである。
さまざまな目的を持って行われるが、主要な目的として4つ、挙げられる。
以下で詳しく見ていこう。
1-1. ユーザー体験の改善
1つめの目的は「ユーザー体験の改善」である。
ホームページの利用者にとって使いやすく、満足度の高い体験を提供するための重要な目的だ。
「ユーザー体験の改善」という目的を細分化してみると、さらに以下のような目的設定が考えられる。
【小目的の例】
- ナビゲーション最適化:迷わず目的のページに辿り着けるよう、メニュー構造やナビゲーションを改善する。これにより、ユーザーは迅速に情報を見つけることが可能になる。
- レスポンシブデザインの導入:スマートフォンやタブレットでも快適に閲覧できるよう、画面サイズに応じたデザインの調整を行う。多種多様なデバイスからのアクセスに対応し、利用者の満足度を向上させる。
- ページロード時間の短縮:待たせずに素早く情報を提供するため、画像の圧縮やキャッシュの最適化などを行う。サイトの快適性が高まり、訪問者の離脱率低下が期待できる。
- コンテンツの最適化:ユーザーが求める情報を提供するため、コンテンツの質と量を適切に調整する。訪問者のニーズに応え、リピート訪問を促進する。
- アクセシビリティの向上:障害を持つユーザーにも使いやすいサイトを提供するため、色彩のコントラスト調整やテキスト読み上げ機能の導入などを行う。多様なユーザー層に対応し、サイトの適用範囲を広げる。
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ユーザー体験の改善が実現すれば、訪問者のニーズと期待に応え、ホームページの価値を最大限に引き出すことができる。結果として、ビジネスの成長に寄与するだろう。
1-2. SEO対策の強化
2つめの目的は「SEO対策の強化」である。
検索エンジンでの表示順位を上げるための戦略として、ホームページリニューアルが実践されるケースは多い。
【小目的の例】
- 既存コンテンツの見直し:検索エンジンでの評価を高めるため、既存のコンテンツを最適化する。これにより、検索結果での表示順位の向上が期待される。
- 新規コンテンツの追加:ユーザーのニーズに応える新しい情報を提供する。サイトの魅力を高め、訪問者数の増加を図る。
- 外部リンクの強化:信頼性の高い外部サイトからのリンクを増やす。サイトの権威性が高め、検索エンジンの評価を上げていく。
- 内部リンク構造の改善:サイト内のページ同士を効果的につなげる。ユーザーのサイト内での移動が容易になり、必要な情報へのアクセスをサポートする。
- 構造化データの導入:検索エンジンがサイトの内容を正確に理解できるよう、構造化データを導入する。検索結果での表示を適切にし、ユーザーにとって魅力的な結果を提供する。
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上記は、日常的にすでに実践されているケースもある。しかし、ホームページの根本に問題があれば、付け焼き刃的な対応となり、期待する成果をスピーディに得られない。
そこで、抜本的に全体をリニューアルすることで、効率的に成果が出やすくなる。
1-3. ブランドイメージの更新
3つめの目的は「ブランドイメージの更新」である。
企業や商品のブランドイメージは、時代の変化や市場のニーズに応じて更新する必要がある。ホームページリニューアルは、その一環として効果的な手段だ。
【小目的の例】
- コンセプトの明確化:ブランドのコアメッセージを明確に伝えるコンテンツを展開する。ブランドの個性と価値を強調する。
- ロゴやカラースキームの変更:ブランドの新しい方向性を反映させるため、ロゴやカラーの変更を行う。一貫したブランドイメージの構築を目指す。
- デザインの刷新:最新のデザイントレンドに合わせ、視覚的な魅力を高める。ブランドの現代的なイメージを強化する。
- ビジュアルストーリーテリングの導入:写真や動画を用いてブランドストーリーを描く。感情的なつながりを創出し、ブランドへの共感を深化させる。
- ターゲット顧客とのコミュニケーション強化:ターゲットとなる顧客層に対して鮮明なメッセージを発信する。これにより、ブランドのポジショニングを明確にする。
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ホームページのリニューアルを通じて、ブランドの新しい方向性を示し、ターゲットとなる顧客層に対して、適切なメッセージを届けられる。
1-4. ビジネス目標の達成
4つめの目的は「ビジネス目標の達成」である。
もちろん、前項までに挙げた3つの目的も、ビジネス目標の達成に通じている。
一方、より直接的に、新規顧客の獲得や売上アップを目的としてリニューアルを行うケースもある。
【小目的の例】
- コンバージョン率の向上:効果的なデザインとコンテンツ配置により、訪問者からの問い合わせや購買への転換率を高める。
- ターゲット層への訴求強化:ターゲットとなる顧客層に合わせたデザインとメッセージで、ブランドへの興味と信頼を高める。
- ユーザー行動の分析と最適化:訪問者の行動データを分析し、サイト内での行動フローを最適化する。これにより、ビジネス目標に対する効果を最大化する。
- 製品・サービスの強化プロモーション:新製品や特定のサービスに焦点を当てたページを作成し、販売促進を図る。
- 顧客サポートの向上:FAQセクションやチャットサポートの強化により、顧客サポートを効率化し、顧客満足度を向上させる。
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ホームページリニューアルにより、これらの具体的なビジネス目標を達成する戦略展開が可能だ。企業の成長と市場での競争力を高め、新規顧客の獲得や売上アップに直接貢献する。
2. ホームページリニューアルのメリット
続いて、ホームページリニューアルのメリットを整理しておこう。
2-1. 市場競争力が高まる
1つめのメリットは「市場競争力が高まる」である。
直接的な面からいえば、現代のユーザーはビジュアル情報に対して敏感だ。デザインの良し悪しによって、企業やブランドの価値を推し測る傾向がある。
古くさいデザインや、ITスキルのなさを露呈するデザインのホームページは、(実際はそうでないとしても)価値の低い企業・ブランドという印象を与えてしまう。これは損失である。
ゆえに、制作したホームページは放置せず、定期的にリニューアルを施す必要があるのだ。
加えて、先ほどさまざまな「目的」を紹介した。マーケティングやSEOの戦略を、リニューアルを通じて実行することで、自社の揺るがないポジションを構築できる。
2-2. 顧客満足度が向上する
2つめのメリットは「顧客満足度が向上する」である。
必要があって、どこかの企業や製品のホームページにアクセスしたとき、
「なんて使いにくいサイトなんだ!」
「どこに何があるか、わかりづらい」
といった具合に、不満を覚えた経験はないだろうか。
と同時に、あなたの顧客たちのことを思い浮かべてほしい。
あなたの会社のホームページを操作しながら、
「わかりづらい!ストレスがたまる!」
とイライラしているかもしれない。
こういったホームページは、情報の配置やナビゲーション、サイト構造に問題を抱えているケースが多い。
リニューアルして改善すれば、顧客の不満を解消し、満足度を高めていくことができる。
2-3. ビジネス成長を加速できる
3つめのメリットは「ビジネス成長を加速できる」である。
ホームページリニューアルによって、ビジネスの拡大戦略を具現化することが可能だ。
新市場への進出や新製品のローンチなど、ビジネスの成長に必要な戦略を、ホームページ上で効果的に展開できる。
たとえば、新しいターゲット市場に対応するためのマルチランゲージ(多言語)対応や、新サービスにフォーカスした再構成、データ解析の導入などが挙げられる。
企業の成長戦略に合わせ、柔軟にリニューアルを積み重ねれば、ビジネス拡大が促進されていく。
ホームページリニューアルを、ビジネスの成長戦略と連動させるという視点を持つ企業は、迅速な成長を果たしている。
組織が拡大して手狭になったオフィスを引っ越すように、ホームページも脱皮を繰り返していくのだ。
2-4. ブランドの信頼性を構築できる
4つめのメリットは「ブランドの信頼性を構築できる」である。
ホームページは企業の顔であり、初めて訪れるユーザーに対して、企業の価値観や信念を伝える重要な場所だ。
リニューアルを通じて、以下の要素を強化することで、ブランドの信頼性を高められる。
- 専門性の高いコンテンツの提供:業界の最新トレンドや専門的な知識を反映したコンテンツは、企業がその分野のエキスパートであるという印象を強化する。リニューアルによって、これらのコンテンツを際立たせるとよい。
- 情報鮮度の保持:常にフレッシュな最新情報を提供することで、企業が現代の変化に対応しているという信頼を築く。リニューアルは、この鮮度を保つための重要なステップである。
- ロングタームリレーションシップの構築:顧客との長期的な関係を築くためのコンテンツや機能の追加は、顧客のロイヤルティを高め、信頼性を構築する。
- 一貫性の確保:ブランドイメージとメッセージングの一貫性を保つことで、企業のプロフェッショナリズムと信頼性を強調する。リニューアルは、この一貫性を確保するプロセスでもある。
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以上より、ホームページのリニューアルは、ビジネスに直接的な恩恵をもたらす重要戦略であり、取り組む価値があることを、ご理解いただけたことと思う。
次章では、具体的な進め方を見ていこう。
3. ホームページリニューアルの進め方
続いて、ホームページのリニューアルの進め方を解説していく。
先に注意点として、本記事で想定するのは、比較的小規模なホームページリニューアルだ。数十ページ以内の静的ページを中心としたリニューアルを対象とする。
大規模なサイトリニューアルの進め方は「【サイトリニューアルの進め方】具体的にわかる実践手順を詳しく解説」で扱っているので、そちらを参照いただきたい。
では、以下のステップを見ていこう。
- 現状分析
- 目的と目標の設定
- コンテンツの整理
- デザインの検討
- 開発
- テスト
- 新ホームページの公開
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3-1. 現状分析
1つめのステップは「現状分析」である。
ホームページリニューアル計画を立てる基盤となる現状分析では、現在のホームページの強みと弱みを明確にし、改善すべき点を洗い出す。
具体的な分析手法として、以下のような項目が挙げられる。
【現状分析の手法】
- アクセス解析ツールの利用:訪問者の動向やページの人気度を把握するためにGoogle Analyticsなどを使用する。どのページが注目されているのか、どこで訪問者が離脱しているのかを明らかにする。サイトの構造やコンテンツの改善方向を見つけるために役立つ。
- 競合他社のサイト分析:競合他社のサイトを、デザインやコンテンツ、ユーザビリティなどの観点から分析する。自社のサイトがどう優れているのか、どう劣っているのかを明確にし、リニューアルの方向性を見つける。
- SWOT分析の実施:自社サイトの強み、弱み、機会、脅威を分析する。多角的に自社サイトの現状を評価し、改善の方向を定める。
- アンケート調査の実施:ユーザーに対してアンケートを行い、サイトの使用感や改善要望を直接聞く。ユーザーの声を反映させ、使いやすいサイトへと進化させる。
- SEO分析の実施:検索エンジンからの流入状況や表示順位を調査する。検索エンジン最適化(SEO)の現状を分析し、検索結果での競合との差別化や流入増加の方策を立てる。
- ビジネス成果の把握:月間の新規獲得数、問い合わせ数、売上などのビジネス成果を分析する。現状の成果を明確にし、目標に対する進捗状況を確認する。この分析により、ビジネス目標に対する改善の優先順位を決定する。
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現状分析は非常に重要なプロセスだが、しっかり取り組むためには時間と労力が必要となる。リソースが確保できない場合には、専門家に依頼することも検討しよう。
参考までに、以下は弊社が行った現状分析と仮説立案の例である。
3-2. 目的と目標の設定
2つめのステップは「目的と目標の設定」である。
明確な目的と目標は、ホームページリニューアルを成功させる道筋を作るために不可欠だ。
【目的と目標の設定の手法】
- ビジネスの方向性と連動する目的の定義:リニューアルの目的はビジネスの方向性と密接に連動させるべきである。企業のミッションやビジョンに基づき、リニューアルが何を達成すべきなのかを明確にする。
- 具体的な数値目標:リニューアルの成功基準を数値で定める。数値目標によって、リニューアル後の効果測定が可能となる。
- 期限の設定:目標達成の期限を設定する。期限を明確にすることで、プロジェクトの進捗管理がしやすくなり、効率的なリニューアルが実現する。
- 関係者との共有:目的・目標はプロジェクト関係者全員と共有する。共通の理解を築くことで、チーム一丸となった取り組みが可能となる。
- KPIの設定:リニューアルの成功を測るためのKPI(重要業績評価指標)を設定する。KPIに基づいて定期的に測定を行い、リニューアルの効果を可視化する。
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【設定例】
- 目的:ブランドイメージ向上を通じて新規獲得を拡大する。
- 目標:リード獲得の増加率10%を目標とする。
- 期限の設定:6ヶ月後に目標達成を目指す。
- 関係者との共有:週次ミーティングで進捗の共有を行う。
- KPIの設定:月間のリード獲得数をKPIとして設定する。
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目的と目標は、いわばプロジェクトの初期設定だ。初期設定がうまくできていれば、この後のプロセスもスムーズになる。
3-3. コンテンツの整理
3つめのステップは「コンテンツの整理」である。
ターゲットとなるユーザーのニーズや期待を前提に、提供する情報やサービスの内容を整理する。
ユーザーが求める情報を効果的に提供するため、サイト全体のコンテンツマップを精査し、戦略を立てる必要がある。
【コンテンツ整理の具体的な手法】
- ターゲットユーザーの理解:市場調査やユーザーインタビューなどを活用し、ターゲットとなるユーザーのニーズや期待を深く理解する。ユーザーの声を直接聞くことで、より効果的なコンテンツ戦略を展開できる。
- 既存コンテンツの分析:サイト内の既存コンテンツを分析し、古い情報の更新や不要なページの削除を行う。ユーザーにとって価値のある情報かどうかを厳密に評価する。
- 新規コンテンツの追加:ユーザーが求める新しい情報を提供するためのコンテンツを追加する。現状でカバーできていないニーズをカバーする。
- 情報設計の最適化:サイト内の情報構造を最適化する。ユーザーが求める情報に素早くアクセスできるよう、ナビゲーションやカテゴリ分けを工夫する。
- コンテンツの品質向上:提供するコンテンツの品質を向上させる。専門的な視点からの情報提供や、デザインの工夫などで、ユーザーにとって魅力的なコンテンツを作成する。
- SEO対策の強化:検索エンジン最適化(SEO)の観点からコンテンツを整理する。検索エンジンからの流入を増やすため、キーワード戦略や内部リンクの最適化などを行う。
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コンテンツの整理は、サイトの使い勝手を向上させ、ユーザー満足度を高めるための基盤となる。
ユーザーが何を求め、どのようにサイトを利用しているのかを深く理解し、それに基づいたコンテンツ戦略を展開しよう。
3-4. デザインの検討
4つめのステップは「デザインの検討」である。
ビジュアルの印象付けとしてのデザインはもちろんだが、サイトの使い勝手やユーザー体験の設計の観点からも、デザインを進めていく。
【デザイン検討のプロセス】
- ユーザー行動の理解:ターゲットとなるユーザーの行動や反応を深く理解する。ユーザーのサイト利用パターンなどを分析し、デザインに反映させる。
- ユーザー体験の設計:ユーザーがサイトを活用する際の体験を設計する。使いやすさとビジュアル的な魅力を両立させるための工夫が必要である。
- ブランドイメージの整合:企業のブランドイメージとデザインが整合するようにする。ブランドの価値やメッセージを反映させ、一貫性を保つための戦略を立てる。
- デザイン案の作成:デザインの方向性が決まったら、具体的なデザイン案を作成する。カラー、フォント、レイアウトなどの要素を検討し、具体的なビジュアルを形にする。
- 意見の収集と反映:デザイン案を関係者やターゲットユーザーに提示し、意見を収集する。収集した意見を元にデザインを修正し、最終的なデザインを確定する。
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デザインの検討は、単なるビジュアルの問題ではない。製品・サービスやコンテンツの価値を最大限に引き出し、ユーザーに提供するための戦略的な活動といえる。
3-5. 開発
5つめのステップは「開発」である。
新しいデザインとコンテンツを反映させる開発作業を行う。前のステップまでに企画した内容を、具現化していくプロセスだ。
【開発のプロセス】
- 新デザインの反映:デザイン画から実際のWebページへ変換していく。HTMLやCSSなどのプログラミング言語を用い、デザインの意図を正確に反映させる。
- コンテンツの更新:新しい文章や画像をページに反映させる。WordPressなどのコンテンツ管理システム(CMS)を用いることが一般的だ。
- SEO対策の実施:メタデータの設定やキーワードの適切な配置など、検索エンジンに効果的に認識されるための処置を行う。
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開発のプロセスは、専門的な技術と知識が必要で、Webデザイナーやプログラマーが担当するケースが多い。
専門知識がない場合、WordPressを使って、ノーコード(プログラミングなどコードを書く知識不要という意味)の範囲で、リニューアルする選択肢もある。
※リニューアル業務の外注・内製については、後ほど「4. ホームページリニューアルの依頼先と費用の相場」で詳しく解説するので、続けて読み進めてほしい。
3-6. テスト
6つめのステップは「テスト」である。
一通り開発が終わったら、テストサーバーにホームページをアップロードし、本番環境に近い状態でテストを行う。
【テストのプロセス】
- デバイスチェック:スマートフォン、タブレット、PCなど、異なるデバイスでの表示を確認する。レスポンシブデザインが正しく機能しているか、各デバイスでの表示が適切であるかを検証する。
- ブラウザチェック:異なるブラウザでの表示を確認する。Safari・Chrome・Edgeなど、主要なブラウザでの表示が適切であるかを検証する。
- 機能チェック:フォームの送信、メニューの動作、スライドショーなど、Webページ上の各機能が正常に動作するかを確認する。
- リンクチェック:ページ内の全リンクが正しく機能しているかを確認する。リンク切れやリダイレクトの問題がないかを検証する。
- SEOチェック:メタデータの設定、キーワードの配置、構造化データの適用など、検索エンジンに効果的に認識される設定がされているか確認する。
- 速度チェック:ページの読み込み速度を測定する。速度が遅いとユーザー体験が損なわれるため、最適化の必要があるかを検証する。
- アクセシビリティチェック:障がいを持つ方・高齢の方もアクセスしやすい配慮がされているか、確認する。
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バグやリンク切れがあると、ユーザーの信頼を損なう原因となる。社内の複数の目でダブルチェックを行い、サイトの品質を確保することが大切だ。
3-7. 新ホームページの公開
7つめのステップは「新ホームページの公開」である。
テストまでのすべてのプロセスが終了したら、新しいホームページを発信する。
【新ホームページの公開プロセス】
- 公開タイミングの設定:リリース日を事前に計画し、マーケティング戦略と連動させる。季節やイベントに合わせると、効果的なプロモーションが可能である。
- 告知の方法の計画:新サイトへの移行をスムーズにするために、公開前に告知を行い、ユーザーの期待を高める。メールマガジンやSNSでの告知が一般的だ。
- 公開作業:テストサーバーから本番サーバーへの移行作業を行い、新ホームページを公開する。URLの変更やリダイレクトの設定も忘れずに行う。
- 公開後のモニタリング:公開後に不具合が起きるリスクを考慮して、アクセス数などのモニタリングを行う。ユーザーからの問い合わせにスピーディに対応する体制も整えておく。
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「ホームページリニューアルのお知らせ」を、どのようにすればよいか検討する際には、以下を参考にしてほしい。
【リニューアルのお知らせのアイデア】
- メールマガジン:既存の顧客や登録ユーザーに向けて、リニューアルの内容と日程をお知らせする。特別なキャンペーンや割引を提供することで、新サイトへの興味を喚起する。
- SNS告知:X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSで、リニューアルのカウントダウンを始める。新ページの紹介やビジュアルのプレビューを投稿し、フォロワーを盛り上げる。
- プレスリリース:メディアに対して、リニューアルのプレスリリースを配信する。
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4. ホームページリニューアルの依頼先と費用の相場
前章ではホームページのリニューアルの進め方を詳細に解説した。それぞれのプロセスを具体的に誰が担当するかは、さまざまな選択肢がある。
大きく分けると、自社(内製)、外注、およびそれらの組み合わせがある。
4-1. 自社・外注のメリット・デメリット
まず、それぞれの進め方のメリット・デメリットを、簡単に見ておこう。
方法 | メリット | デメリット |
すべて自社 | ○コスト削減 ○秘匿性の保持 ○チームワークの強化 | ×専門的なスキルや人材確保の課題 ×社内リソースの時間や労力面での負荷 ×新しい技術に対応する困難さ |
外注・自社の組み合わせ | ○専門性とコストのバランスがよい ○社内リソースを効率的に利用できる ○新しい視点の導入 | ×進行管理の煩雑化 ×外部とのコミュニケーションにかかる労力 |
すべて外注 | ○高い専門性 ○スピーディな対応 ○最新技術へのアクセス ○革新的なアプローチ | ×コストが高くなりやすい ×情報漏洩のリスク(新商品情報など) ×外部依存による社内スキルの低下 ×外部パートナーとの価値観が合わないリスク |
簡単にまとめると、すべて自社で内製すると、コスト削減が期待できるが、専門スキルやリソース確保の課題がある。
外注と自社を組み合わせる場合、専門性とコストのバランスは取りやすい。一方、プロジェクトメンバーの所属や特性にばらつきが出るため、進行管理の難易度が上がる。
すべて外注すると、コストは高くなるが、専門性の高さや進行のスムーズさなどの面でメリットがある。
どの進め方を選択するかは、リニューアルの目的・予算・期限などの要素に応じて、検討する必要がある。
4-2. ホームページリニューアル外注の依頼先
外注を検討する場合、依頼先の選定が重要となる。主な依頼先を以下にリストアップした。
【外注の依頼先】
- Web制作会社:Web制作の専門スキルを持つ人材が集まる会社である。デザインからコーディングまで一貫して対応する。大規模なプロジェクトに適している。
- コンテンツマーケティング支援会社:コンテンツ戦略に特化した会社である。ターゲット層への訴求力を高めるコンテンツの企画制作やSEO経由での集客が得意である。オウンドメディアのリニューアルに適している。
- デザイン事務所:独自のセンスや高度なデザイン力を持つ。ブランドサイトなどデザイン性を重視するホームページのリニューアルに適している。
- システム会社:システム開発に特化した会社である。高度なプログラミングが必要な場合や、既存システムとの連携が求められる場合に適している。
- クラウドソーシング:多岐にわたるフリーランサーと連携できる。予算に応じてさまざまな選択肢がある。小規模なプロジェクトや特定部分のデザインに適している。
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※補足として、バズ部を運営する株式会社ルーシーは、上記のコンテンツマーケティング支援会社に該当する。
オウンドメディアのリニューアルを検討中であれば、こちらのお問い合わせページよりお気軽にご相談いただければと思う。
4-3. ホームページリニューアル費用の相場
ホームページリニューアル費用の相場を知りたい方は、以下を参考にしてほしい。
【ホームページのリニューアル費用の相場】
サービス内容 | 費用相場 |
自社でのリニューアル | 10万円~50万円 |
外注(小規模) | 50万円~200万円 |
外注(中規模) | 200万円~500万円 |
外注(大規模) | 500万円以上 |
具体的な費用は、リニューアルの規模や要件、依頼先によって変動する。複数の会社から見積もりを取り、比較しながら依頼先の選定を進めよう。
5. まとめ
本記事では「ホームページリニューアル」をテーマに解説した。要点をまとめておこう。
ホームページリニューアルの目的として、以下が挙げられる。
- ユーザー体験の改善
- SEO対策の強化
- ブランドイメージの更新
- ビジネス目標の達成
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ホームページリニューアルのメリットは次のとおりだ。
- 市場競争力が高まる
- 顧客満足度が向上する
- ビジネス成長を加速できる
- ブランドの信頼性を構築できる
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ホームページリニューアルの進め方を7つのステップで解説した。
- 現状分析
- 目的と目標の設定
- コンテンツの整理
- デザインの検討
- 開発
- テスト
- 新ホームページの公開
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ホームページリニューアルの依頼先は、プロジェクトの要件や予算と相談しながら検討してほしい。
効果的なリニューアルによって現ホームページを生まれ変わらせ、新たな価値を創造していこう。