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11/27水19:00〜20:00
「ページランクは今でもあるの?」
「ページランクは廃止された指標なの?」
SEO対策やコンテンツ作成に携わったことがある方なら、一度は聞いたことがあるページランク。
ページランクは、過去の指標だと思っている方も多いのではないだろうか。
それは大きな間違いである。確かにGoogleのツールバーに表示されていたページランクは2016年で廃止されているが、2022年現在もGoogle内部ではページランクを測定している。
Googleの検索順位を決めるアルゴリズムには200以上の要素が含まれているためページランクばかりを追うのはよくないが、アルゴリズムに含まれているからには少なからず検索順位に影響を及ぼす要素ではある。
だからこそページランクを過去の話として終わらせるのではなく、正しく理解して対策を行うことが欠かせない。
そこでこの記事では、ページランクの概要や仕組み、ページランクを確認する方法などページランクに関する基礎知識をまとめて解説していく。
【この記事を読むと分かること】 ・ページランクとは |
この記事を最後まで読めばページランクがどのような指標なのか把握でき、自社サイトの運営に活用できるようになるはずだ。ページランクを正しく理解するためにも、ぜひ参考にしてみてほしい。
ページランク(PageRank)とは、Google検索エンジン独自の評価指標の一つだ。「ページ間のリンクを投票と解釈し、どのサイトが最高の情報源として投票されているか分析をする」というGoogleの考え方を基に、被リンクの数と被リンクの質でページ評価をする。
簡単に言うと被リンクの数が多く被リンクの質が高いサイトはいいサイトだと判断され、逆に被リンクの数が少なく質が低いサイトは評価の低いサイトだと判断するのがページリンクの仕組みだ。
この考え方は、学術論文を参考にしている。学術論文では参考文献が多ければ多いほど、信頼のおける論文だと考えられる。同じようにサイトでも、被リンクが多ければ多いほど信頼があり評価に値すると捉えている。
例えば、下記のように被リンクの数と質が異なる3つのサイトがあった場合、質の高い被リンクを多く持っているサイトが高く評価されることになる。
ページランクのアルゴリズムは非公開となっており、詳しい基準は分かっていないのが現状である。
ページランクには、下記の2種類がある。
Google内部のページランク | Googleの内部で更新されているページランク リアルタイムで更新されており一般ユーザーや管理者が見ることはできない |
ツールバーページランク(TBPR) | Google内部で更新されるページランクを「0~10」の11段階でランク付けをしたもの(リアルタイム更新ではない) ※2016年で廃止 |
Google内部のページランクは、ユーザーや管理者が把握できないGoogle内部で行われているランク付けとなる。リアルタイムで更新されており、他のSEO要素と併せてページやサイトの価値を評価する指標として使われている。
一方でツールバーページランクは、Google内部のページランクを「0~10」の11段階で表現し可視化したものとなる。Google内部のページランクを反映しランク付けをしているため、リアルタイム指標ではなく多少の時差が発生する。
「Googleのページランクは2016年で廃止された」という言葉を聞いたことがある方は、多いのではないだろうか。
2016年以前までは、Googleのツールバーにページランクが表示されていた。ツールバーを確認すれば、11段階の中でどれくらいの評価を受けているのか確認ができた。
ここで、ツールバーの種類を思い出して欲しい。11段階表示ができるのは「ツールバーページランク」である。つまり、2016年に廃止となったのは、あくまでも「ツールバーページランク」に限定された話なのだ。
ツールバーページランクが廃止となった大きな要因に、スパムリンクがある。当時はGoogle Search Consoleのように、ページやサイトのパフォーマンスが手軽に可視化できるツールがなかった。ページランクのみが視覚的に把握できる要素だったため、上位表示を目指す際に非常に重要視されていた。
ページランクに囚われ過ぎた結果、何とか被リンクを集めようと被リンクの売買やスパムリンクの発生を招くようになった。不自然なリンクの大量発生はGoogleのアルゴリズムにも悪影響を及ぼし、廃止をする流れに至ったのだ。
2016年のツールバーページランク廃止時には、Googleの広報担当者が下記のように語っている。
「ツールバーからページランクの表示を廃止することで、ユーザーとWebマスターがページランクに振り回されて混乱するのを防ぎます」 |
2016年のツールバーページランクの廃止には、ページランクからの解放を促進する背景があった。
現在、ページランクはどうなったのか気になる方も多いのではないだろうか。2022年現在も、Google内部のページランクの使用は継続していると考えられている。その理由としては、次の2つが挙げられる。
①Google社員Gary Illyes氏の発音
Google社員のGary Illyes氏は、ツールバーページランクが廃止となった2016年以降に下記のような発音をしている。
DYK that after 18 years we’re still using PageRank (and 100s of other signals) in ranking?
Wanna know how it works?https://t.co/CfOlxGauGF pic.twitter.com/3YJeNbXLml
— Gary 鯨理/경리 Illyes (@methode) February 9, 2017
これだけでなく、2016年以降の会議では「ページランクツールバーが存在していないだけで、ページランク自体は依然としてアルゴリズムの一部である」とも話しているのだ。Google社員が2016年以降もページランクが存在していることに言及しているのは、一つの理由と考えていいだろう。
②Googleが掲げる10の真実に記載がある
Googleは自社の方針や考え方を示した「10の真実」を公表している。この中にページランクに関する記述が存在している。
Googleでは、200以上の要素と、PageRank™アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。PageRankのアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。 |
10の真実の冒頭では随時見直し事実と相違がないか確認をしていると記載されているため、現在もGoogle内部にはページランクが存在している。
ページランクは、下記の3つの視点で評価をしている。
どのようにページランクが決まるのか把握するためにも、1つずつ確認していこう。
ページランクでは、被リンクの獲得数が多ければ多いほど評価される。
ページランクはウェブ上のリンクを票と見なすことは、既述のとおりだ。最初の段階では票の数は平等だとされており、被リンクを獲得することでどんどん票が増えていく。下記の例では3つのサイトから被リンクをもらったため、自社サイトは3票の被リンクを集めたことになる。
分かりやすいように、飲食店に例えてみよう。外部サイトをユーザーだとすると「おいしい」「いい経験ができた」など評価された飲食店に票が集まる。その結果、飲食店は高評価されて価値が高まる。
この飲食店の例と同じことがページランクでは起こっており、被リンクという票が集まれば集まるほど人気や価値があると判断されてランクアップにつながっていく。
ページリンクは、リンク元の質によって票の価値が変わる。ページランクは数と質によって決まるとされているが、リンク元の状態こそが「質」に当てはまる。
リンク元の質はさまざまな方法で判断されていると言われているが、代表的なパターンを見ていこう。
①リンク元の被リンク数
リンク元の被リンク数が多いと、人気が高いページからリンクを獲得したとみなされる。
例えば、被リンクが5つのサイトからリンクをもらうよりも、被リンクが10のサイトからリンクをもらったほうが1票の価値が高くなる。
②関連性の高いページやサイト
ページリンクでは、関連性の高いページからのリンクを重視する傾向がある。そもそも被リンクの設置は、ユーザーの利便性を向上させるものでなければならない。
関連性のない被リンクや機能しない被リンクはユーザーの利便性を低下させるため、ページリンクの評価も低いのだ。
例えば、洋服の紹介をしているサイトで同じ洋服に関連性のあるサイトからの被リンクは高く評価されるが、自動車販売や保険販売など関係性のないサイトからの被リンクは低く評価される。
③有名なサイトや上位表示サイト
有名なサイトや上位表示サイトからの被リンク獲得は質のいいサイトからの被リンク獲得だと判断されるため、票の価値が高くなる可能性がある。
例えば、
・Yahoo!ニュースやGoogleニュースなど有名なサイトからの被リンク
・特定のキーワードで上位表示を得ているサイトからの被リンク
などは、被リンク元の評価が高いため被リンクの質が高く評価される可能性がある。
被リンクの質や量を増やすために過剰な被リンクや被リンク売買をすると、ページランクの向上どころか評価の低下につながる可能性がある。
それは、Googleが公式サイト下記のようにはっきりと明記をしているためだ。
Googleでは、過度のリンク交換や購入したリンクでのPageRankの転送など、検索エンジンの結果の操作を目的としたリンクについては評価を下げるように努めています。 |
具体的には
・短期間での過度な被リンク設置
・被リンクの購入
・Googleの品質に関するガイドライン違反
などの行為を行うと、検索結果から削除されたりページランクが下がったりする可能性がある。ページランクではただ被リンクを増やすのではなく、意味のある被リンクを増やす仕組みを導入している。
「1-3.Google内部でのページランクの使用は継続されている」でも解説したように、Googleが公表している10の真実の中にページランクは含まれている。つまり、少なからずページランクは検索結果表示に影響を与えていることになる。
また、アメリカのSEO会社であるBacklinkoが2020年に1180万件のGoogle検索結果を分析したところ、Googleで1位表示となるサイトは2位~10位表示のサイトよりも平均3.8倍も多い被リンクをもらっていることが分かったそうだ。
バックリンクが多いページは、バックリンクが少ないページより上位にランク付けされます。実際、Googleでの1位の結果は、2位から10位の位置よりも平均3.8倍多くの被リンクを持っています。 |
※バックリンク=被リンク
この2つの背景から見ても、ページランクは検索結果を決める1つの項目になっていることは違いないだろう。
ただし、Googleの検索順位を決めるアルゴリズムには200を超える要素が関連しており、ページランクは、そのうちの1つの指標となる。
もちろん、ページランクのみに集中し被リンク獲得にこだわるだけではサイトの価値を高めることはできないため、バランスの取れたSEO対策を念頭に置くことも必要だ。
ここまで読んで、自社のサイトのページランクが気になるところだろう。「1-2.2016年で廃止となったのはツールバーページランク」でも解説したように、2022年現在Googleではページランクを公表していない。
ただし、外部ツールを使えばページランクの目安が把握できる。ここでは、2つのツールの使い方を解説していく。
※外部ツールで把握できるのはあくまでもページランクの目安で、Googleのページランクそのものではないことを注意しよう。
Mozは、アメリカのSEO会社が提供している分析ツールだ。下記の手順に沿ってページランクの目安を確認できる。
①Mozの公式サイトを開き、ページランクを把握したいURLを入力する。
(事前に無料の会員登録が必要)
②分析結果が表示されるため「ドメインオーソリティ」を確認する。この部分がページランクの目安となる。
Ahrefs(エイチレフス)も、SEO分析や競合分析ができるツールだ。有料ツールとなっており、幅広い機能を兼ね備えている。
Ahrefsでページランクを確認する手順は、次のとおりだ。
①Ahrefsの公式サイトにアクセスしログインする。(プラン契約が必要)
②ダッシュボード画面にページランクを確認したいサイトのURLを入力する。
③検索結果が表示されるため、「UR(URL Rating shows:URL別評価)」と「DR(Domain Rating shows:ドメインの評価)」を確認する。
URとDRはどちらも被リンクの質や量を評価するAhrefs独自の指標となっている。数値が高ければ高いほど、ページランクとドメインの評価が高いと考えられる。
最後に、ページランクでの評価を上げる3つの方法をご紹介する。
ここまで読み自社サイトのページランクを少しでも向上させたいと感じた方が多いと思うので、ぜひ参考にしてみてほしい。
まずは、現在の被リンクの状況を確認するところから始めよう。被リンクの状況は、Googleが無料で提供している分析ツール「Google Search Console」を使い下記の手順で確認できる。
①被リンクの確認がしたいURLを使いGoogle Search Consoleにログインする。
②メニュー欄にある「リンク」をクリックする。
③画面に内部リンクと外部リンクが表示されるので、外部リンクの詳細をクリックする。
④被リンクページの一覧が表示されるため、被リンクの確認をしたいページをクリックする。⑤リンク元のURLが表示される。
この手順で確認をすると、サイト内にいくつ被リンクがあるのか、どのようなサイトから被リンクをもらっているのか把握できる。高品質なサイトや人気サイトからの被リンクが多い場合は、ページランクが低くはないと考えられるだろう。
万が一、質の低いサイトやGoogleのガイドラインに反するサイトから被リンクをもらっていた場合は、否認テキストファイルを送信で被リンクを拒否することも可能だ。
ページランクでは被リンクの質と量の双方が評価されるため、まずは自社サイトの被リンクの状態を整えることが欠かせない。
ページランクを向上させるには、何よりもユーザーにとって有益な質の高いコンテンツを作成することが必要だ。
そもそも質の低いコンテンツには、被リンクが設置しにくい。リンク元やリンク元のユーザーによって、メリットが生まれないからだ。「リンクを設置したい」と感じるコンテンツがなければ、被リンクを集めることや質の高いサイトから被リンクをもらうことが難しい。
そのため、まずはユーザーファーストを念頭に置いて、価値のあるコンテンツ作成に励むことが重要となる。
【無意味な被リンク設置をしない】 被リンクをもらえたとしても、ただリンクを並べるだけの意味がない被リンクの設置方法では評価が低くなる。いい記事を生み出す過程で発生する、意味のある被リンクが大切なのだ。 例えば ・サイドバーやフッターにリンクを並べる などは、せっかく被リンクをもらっても評価が低い。メインコンテンツ中に文脈に沿って、関連性のある被リンクを使うことで質の高い被リンクとして評価される。 |
コンテンツ内の被リンクが少ない場合、敢えて被リンクが増やせるコンテンツを作成するのも一つの方法だ。
被リンクをもらいやすいコンテンツとしては、下記が挙げられる。
・事例紹介や商品紹介
・インタビューコンテンツ
・監修者のいるコンテンツ
・独自の研究やアンケート結果を扱うコンテンツ
事例や商品の紹介は、商品や事例元となる会社から被リンクを獲得できる可能性がある。同じく、インタビューコンテンツや監修者を必要とするコンテンツも、インタビュー元の会社や監修者から被リンクを獲得できるだろう。
また、他のコンテンツにはない独自の研究やアンケート結果を扱うコンテンツは、一次情報だとみなされて多くの被リンクを獲得できる可能性がある。
例えば、自社独自のSEOアンケート調査を実施しその結果をコンテンツで公表したとすると、他のコンテンツや資料では補えない情報があるため被リンク獲得につながりやすい。
このように、コンテンツの内容を工夫することで被リンクを獲得することも検討してみよう。
最後まで読み、ページランクの概要や現状、そしてページランクを向上させる方法が把握できたかと思う。ここで、もう一度内容をまとめてみると
〇ページランクとは、Google検索エンジン独自の評価指標の一つ。被リンクの数と被リンクの質でページ評価をする
〇ページランクには下記の2種類がある
Google内部のページランク | Googleの内部で更新されているページランク リアルタイムで更新されており一般ユーザーや管理者が見ることはできない |
ツールバーページランク(TBPR) | Google内部で更新されるページランクを「0~10」の11段階でランク付けをしたもの(リアルタイム更新ではない) ※2016年で廃止 |
〇2016年に廃止されたのはツールバーページランクであり、2022年の現在もGoogle内部でのページランクは継続している
〇ページランクの仕組みは次のとおり
1)被リンクの獲得数が多ければ多いほど評価される
2)リンク元の被リンクが多い、関連性の高いページからの被リンク獲得などリンク元の質によって票の価値が変わる
3)過剰な被リンク獲得や被リンクの販売はページランクの低下を招く可能性がある
〇ページランクは少なからず検索結果表示に影響を与えている
〇ページランクの評価を上げる方法は次の4つ
1)Google Search Consoleを使い現在の被リンクの状態を把握してスパムリンクを削除する
2)ユーザーにとって有益な質の高いコンテンツを作成する
3)インタビュー記事や商品紹介記事など被リンクをもらいやすいコンテンツを作成する
この記事をもとにページランクについて知識を深め、自社サイトの運営に活用できることを願っている。
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