検索クエリとは、検索サイトでユーザーが入力したキーワードのことを指す。ウェブマスターツールでは、この検索クエリをサイトごと提供している。この機能をうまく活用するとことで、
- 検索結果の順位の改善
- 検索結果のクリック率の改善
- キーワードの攻略
と3つのことが行える。これはSEO対策の効果を高める重要なポイントなのでじっくり解説していく。
1.検索クエリを使って効果を高める3つのSEO対策
1−1.コンテンツの質改善の指標にする
まず検索クエリのデータでは平均掲載順位が取得できる。
これにより検索順位が上位だったのに、最近になって順位が落ちたキーワードを見つけると、コンテンツをさらに最高の内容に充実しなければならいないことがわかる。また、攻略したキーワードで順位が上がっていけば、あなたの提供したその記事は素晴らしいコンテンツであることも分かる。
サイトの掲載順位を確認することは、コンテンツの質を視認することができ、これがアクセス数を大きく伸ばす要因にもなるので必ずチェックしておこう。
平均掲載順位が実際の検索結果での順位と異なることがある。これについてGoogleは、最上位に表示された URL の平均順位を表示していると公表している。興味のある方は『平均掲載順位の計算方法』を参考にしよう。
1−2.クリック率の改善に活用する
検索クエリのデータには、検索結果の「表示回数」と「CTR(=クリック率)」が確認できる。これをうまく使うとアクセス数の改善に利用できる。
例えば表示回数は多いのにCTRが低ければ、検索結果のタイトルと概要文(ディスクリプション)を疑うことができる。また、表示回数とCTRの両方が比較的高いキーワードがあれば、それを参考して他のコンテンツのタイトルとディスクリプションをより良いものにできる。
それぞれの詳しい設定については『タイトルタグのSEO効果と読まれるタイトルの書き方』と『meta description タグの役割と最適化方法』を一読して実践してみよう。
1−3.攻略したキーワードのチェックになる
また検索クエリを確認することで、攻略したキーワードの検索結果の状況を知ることができる。
意図したキーワードが確認できなかった場合、コンテンツの内容がキーワードと関連性の低いものになっている可能性がある。もう一度、キーワードのターゲット層を深掘りして、そのターゲットが満足するコンテンツに改善する必要がある。
また、万が一攻略した覚えのない予想外のキーワードが表示された場合、悪意ある攻撃を受けている可能性がある。その時は速やかにレンタルサーバー会社に問い合わせるなどの処置が必要だが、このようなセキュリティ・チェックの面でも利用できることを覚えておこう。
1−4.その他の利用方法
WordPress などのテーマデザインがすでにモバイル対応であれば、ここは気にするところではないので飛ばしても構わない。
もしPC用とモバイル用にそれぞれサイトを用意している場合、PCとモバイルでのデバイスごとに検索クエリを比較できる。これにより、モバイルサイトの検索結果でのパフォーマンスが問題ないかを確認する手がかりとなる。
モバイルの詳しい改善内容については『スマートフォンに最適化されたウェブサイトの構築』を確認しよう。
それでは上記で紹介したことを実践する方法を紹介する。まずはアクセス方法から見ていこう。
2.検索クエリ画面へのアクセス方法
まずウェブマスターツールにログインして、対象のドメインを選択したら、左側のメニューにある「検索トラフィック → 検索クエリ」の順にクリックしよう。
すると下図のように検索クエリのデータ一覧が表示される。履歴データはグラフの右上にあるカレンダーを調整して過去 90 日まで表示できる。
ここでは冒頭で紹介したように、SEO対策の効果を高めることを目的に検索クエリデータをうまく活用するため、
- 検索クエリデータを絞り込んで抽出する方法
- 検索クエリのデータを書き出す方法
の特にこの2つについて解説する。最初にデータの絞り込みの操作方法について紹介するが、やることは簡単なのでしっかり身につけておこう。
3.検索クエリデータを絞り込む方法
検索クエリ画面で下図のように「フィルタ」をクリックする。
次の通りフィルタ画面が表示される。
まずグラフのある項目から一つ一つ解説していこう。
3−1.検索・場所・トラフィック
ここでは例として下図のように設定した。
まず「検索」には次の5つの項目から選べる。
- すべて:PCとモバイル、画像や動画検索のクエリをすべて含む
- ウェブ:PCのみのクエリ。デフォルトではこの項目が選択されている。
- モバイル:モバイルのみのクエリ。PCと比較するときに活用する。
- 動画:動画検索のみのクエリ。
- 画像:画像検索のみのクエリ。ファッション関連の場合、このキーワードにも注視したい。
デフォルトでは「ウェブ」となっているので、全体のデータを確認するためには「すべて」を選ぶ。また、冒頭で紹介した「1−4.その他の利用方法」のようにデバイスごとに確認したいときは、ここで「ウェブ」、「モバイル」と選択しよう。
次に「場所」とあるが、これは地域ごとのクエリで分けることができる。ここでお勧めなのが上図の通り「日本」を選択する。すると検索クエリデータの精度が上がる。特に英字のキーワードを対策している場合、活躍しよう。
「トラフィック」では、「すべてのトラフィック」と「表示回数/クリック数が10以上のクエリ」の2つから選べる。ここは埋もれたキーワードの発見の可能性があるので、デフォルトの「すべてのトラフィック」のままにしよう。
3−2.特定の語句を含む(または含まない)クエリ
下図のように赤枠箇所に絞り込みたいキーワードを入力して抽出することもできる。
デフォルトでは「次を含む」となっているが、逆に「次のテキストを含まない」と選択することもできる。設定が完了したら画面右下の「適用」ボタンをクリックすると反映される。
後述する方法で全てのデータを書き出して、後で Microsoft のエクセルや Mac の Numbers などの表計算ソフトでフィルタをかけるのもいいが、その場ですぐにチェックしたいときに便利な機能だ。
3−3.スター付きクエリのみ
これは特定の検索クエリ(検索キーワード)を選び、その選んキーワードだけのデータを抽出して比較できる方法だ。
まず下図の通りデータを抽出したキーワードの冒頭のスターをクリックしよう。
続いてフィルタ画面を開いて、「スター付きクエリのみ」にチェックをれて、下部の「適用」ボタンをクリックする。
するとスターを付けたキーワードだけ抽出できる。
3−4.上位のページ
次のように「上位のページ」タグをクリックすると、検索結果によく表示されて、またよくクリックされるコンテンツが表示される。
例えばデータを見ていくと、検索結果の上位に表示されている良質なコンテンツにもかかわらず、クリック率の低いことが判明した場合、そのタイトルとディスクリプションの改善に取り組める。
検索クエリのフィルタに関しては、すでに解説した内容と同じなので参考にしよう。
続いて抽出したデータを書き出す方法を解説しよう。
4.検索クエリのデータを書き出す方法
操作は簡単で下図の「このテーブルをダウンロード」をクリックするだけだ。
その右横にある「グラフ データをダウンロード」とあるが、日付ごとに表示回数・クリック数のデータが抽出できる。SEOでは直接活用しないデータなのでここでは割愛する。
次の画面が表示されたらファイル形式を選択して「OK」をクリックしよう。
CSVの方がデータの加工がしやすくて便利だが、複数のメンバーと共有すならGoogle ドキュメントの方が便利だ。状況に応じて選ぶと良いだろう。
すると下図のファイル保存のダイアログが表示されるので、「OK」をクリックしてPCに保存する。
次のイメージはCSVファイルを開いたものだ。これで抽出したすべてのデータが確認できる。
ここで上図の項目名に「変更」とあるが、これは過去のデータと比較した変動率のことだ。次の図を見てほしい。
「変動率付き」をクリックすると、表示回数・クリック数・クリック率(CTR)・平均掲載順位の各項目の変動率が表示される。
これは選択した期間の 1 日あたりの平均と(Googleがデフォルトで定める)その前の期間の 1 日あたりの平均を比較したデータとなる。
その前の期間を Google は明示していないが、このデータで最近攻略したキーワードでしっかり上位表示できたことを確認したり、逆に人気のあったコンテンツが他のコンテンツの影響で順位を下げていないかなどが一目でわかる。
検索クエリの使い方については以上だ。
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