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11/27水19:00〜20:00
バズ部では世界の最新マーケティング情報をいち早く入手するべく、昨年(2018年4月)よりアメリカを拠点に主要大学でのマーケティング講義の情報、そして主要マーケティング・調査会社のレポートをウォッチする体制を整えている。
皆さんにそのナレッジを毎週1記事、全5回に分けてたっぷりお伝えしていきたい。
第1回目は昨年行われたニューヨーク大学でのデジタルマーケティング集中講義を軸に、昨年一年間にアメリカのコンテンツマーケティング業界で議論された内容を事例を交えながらまとめた。コンテンツマーケティングで成果を出したいと考える方はぜひ参考にしてほしい。
目次
ニューヨーク大学のデジタルマーケティング講座の中のコンテンツマーケティングの講義は、次の言葉を紹介するところから始まる。
トラディショナル広告 =make people want things
コンテンツマーケティング =make things people want
従来のマーケティングを象徴する言葉としての「トラディショナル広告」と現在の「コンテンツマーケティング」の違いを端的に表現した言葉だ。
トラディショナル広告が(それを欲しいと人々に思わせる)のに対し、コンテンツマーケティングは(人々が求めるそれをつくる)こと。広告って嫌だよねという消費者の心理が特徴的になってきた時代背景の中で、もっと好かれるアプローチを実施していこうというところに現在のコンテンツマーケティングがある。企業にとっても消費者にとっても、今よりもっと効果的なアプローチを模索した結果、「人々が求めるコンテンツを作ること」を軸にしていこうということだ。
講義の中で紹介された強いコンテンツマーケティングの5つの特徴を見ていこう。世界のあらゆる良いコンテンツマーケティングを分析すると、実はそれらには以下の5つの特徴が含まれていることがわかる。
(1)今よりも10倍の価値を目指そう(Valuable)
(2)商品ではない。ユーザーが興味があるのは自分のこと。だからユーザーに関係のある話題から始めよう。(Relevant)
(3)ユーザーは進歩したいと考えている。だから学びを提供しよう。(Educational)
(4)ニッチな分野でソートリーダーシップを発揮しよう(Thought Leadership)
(5)モチベーションの導火線に火をつけよう(Inspiring)
それぞれ事例を交えて説明しよう。
来年2020年に世界に流れる情報の量は、人類がいままで4万年以上かけて残してきた情報量の約7千万倍になる見込みだと言われている。ここまで大きい数字になるともはやイメージがつきにくいが、つまりそれだけ多くの情報がインターネット上に発信される時代になってきたということだ。
こうした統計データをみるとコンテンツは山のようにリリースされる時代になってきたが、まだまだ本当に人々が本当に満足するコンテンツは少ないと私たちは認識している。例えば、世界有数の広告・PR代理店ハバスグループが世界33か国約38万人に対して行った調査によると、ユーザーが目にする企業発コンテンツのうち60%は「質が悪い」もしくは「自分に関係ない」と考えられているというデータがある。私たち自身が情報を探している時の実感もまだそれに近いのではないだろうか。
アメリカではそのような状況で強く生き残るコンテンツを”10X Content(テンエックスコンテンツ)”と呼ぶことがある。今ランキング上位に表示されているコンテンツを見て同じようなものをつくるのではなく、その10倍いいものを目指せという意味である。
キーワードを詰め込んで検索上位に表示させたり、どこにでもある情報をかいつまんでまとめてコンテンツの数で数字を稼いでいく時代ではないということだ。アメリカの企業の動向もそれを表しており、メディア業界から人を引き抜き、コンテンツ製作費用を大幅に上げ、コンテンツマーケティングへの力の入れ具合が凄まじい。
逆に言えば、これだけコンテンツが増える中であってもコンテンツに投資する価値を感じているということだろう。最近成功している企業の傾向を見ればそれが良く分かる。ユーザーが求めるコンテンツを提供している企業(提供の形は様々だが)は以前と比べて非常に増えているのではないだろうか。
ここでは、いくつかの企業の事例を紹介しよう。
圧倒的な価値を提供している企業を学べば、大きなヒントになるだろう。
顧客中心マーケティングの究極と言われている、エナジードリンクメーカーRedbull(レッドブル)。
読者500万人以上のThe Red Bulletinというオンライン&オフラインのマガジンをはじめ、ターゲット層である18-34歳のアクティブな人々が喜ぶ様々なコンテンツを発信している。
コンテンツを見るとわかるが、ほぼRedbullの商品名は出てこない。
“Red Bull gives you wings”(翼を授ける)という企業コンセプトのもと、発信しているのは頑張るアスリートの姿や若手起業家のストーリーなどだ。
この絶妙なターゲット層へのアプローチ・距離感で、アメリカで圧倒的な話題を集めている。
Youtubeには100万ビューを超える動画が100本以上あり、チャンネル登録者数は約812万人、Facebookのフォロワー数は約4,900万人(2019年1月現在)となっている。
Redbullと並んでコンテンツの質の高さを例に出されるのがGoPro(ゴープロ)。
GoPro自身も良質なブログ記事や動画コンテンツを発信しているが、特に力を入れているのが、ユーザーにコンテンツを作ってもらう仕組み(UGC: User Generated Contents)のShort for Awardsだ。ユーザーが自分が撮った動画を公開し、ユーザー同士でコミュニケーションするというものだ。
自分たちでコンテンツを発信するということだけにとらわれず、ユーザーが生み出すコンテンツ、そこから生まれるコミュニケーションが価値あるものとして考え実行したものだ。
Short for Awardsでは、ユーザーが簡単に自分の動画をシェアすることができるのはもちろん、GoProが特に優れたコンテンツを紹介するなど、その後のユーザー同士のコミュニケーションの生み出し方がよく計算されている。
<GoproのUGCが生み出されるプロセス>
1.ユーザーに#GoProを付けて好きに発信してもらう
2.上記の中から優れたものを紹介するページを用意している
3.ユーザーが快適にアップ、シェアするためのインストラクションを別のページで用意している
YoutubeにアップされるGoProの動画は1日平均6,000件と言われ、ほぼ広告なしでYoutubeチャンネル登録者数は650万人まで広がっている。
また、RedbullとGoProの2社がコラボレーションした「大気圏からのスカイダイビング」企画は、最も注目を集めたコンテンツの1つ。
これは両者のターゲット層が似ていることから実現されたものだ。
音速を超える人類初のスカイダイビングとして、3つの世界記録を樹立し、多くの人々に驚きと感動を与えた。
このスケールの大きいプロジェクトはこの2社に資金力があるからだと言われるかもしれない。しかし、このように「商品を売る」という発想から抜け出し、純粋にターゲット層が大きな価値を感じてくれるコンテンツはどんなものかを突き詰めて考える姿勢は、私たちにもアイデアをもたらしてくれる。
私たちのコンテンツ制作方針にもこうした考え方を取り入れるために、「10X Contentになっているか?」を自分自身に問いかけてみよう。
こちらはクリーブランド・クリニックという、臨床と医療ケアを統合させた非営利医療機関が運営するブログメディア。月間訪問数は350万人以上で、病院が運営するブログの中で一番読まれている。
健康になるために日頃気を付けることから、頭痛や風邪などの日常的な問題、さらに癌や手術などのかなり専門的なものまで広くカバー。
コンテンツは全て医師などの専門家のチェックが入り、専門家だけが知り得る有益な解説をつけている。ここまでは正直ヘルスケアのメディアとしてよくある話だ。
違うのは、徹底した読者目線でコンテンツの内容や見せ方が追求されている点だ。
医療系は特に内容が難解で教科書的な内容になりがちだが、トピックは「あなたの尿の色が示しているものは?」「癌を乗り越えた身近な人にしてあげられること」など、ユーザーの興味を掻き立てるものばかり。
さらに、内容によってインフォグラフィックス、動画やスライドショー、QA形式など、見た人が理解しやすいように工夫されているのも特徴的だ。
ここまで紹介した事例でもわかるように、良いコンテンツを作るためには、商品うんぬんよりも「見込み客が興味のある内容か」を考えなければならない。
見込み客が興味あるのは、あなた(企業)ではなく自分のことだ。見込み客の9割以上はあなたの商品にまだ興味がない状態だという認識を持とう。
見込み客に関係したコンテンツを見つける方法には、トピックリサーチやQAサイト、SNSやアンケート、そしてもちろんオフラインでの日々の顧客とのコミュニケーションなど、たくさんの可能性がある。
その膨大な情報からどれを選べばいいかの考え方について、1日実に600個ものコンテンツを生み出し続けるBuzzFeedのZe Frankは、「アイデアから発想しようとするのではなく、見込み客にどのような影響を与える(もしくはどのような感情にする)コンテンツか、ということをまず決め、そこからアイデアを導き出す」という方法を提唱している。
たとえば、(見込み客)を笑顔にする、寂しさを緩和する、セルフイメージを上げる、など。
これは1つの方法に過ぎないが、もし見込み客に関係しているコンテンツのアイデアがイメージつかない場合は、ぜひ試してみてほしい。
ここで、新しい視点で見込み客に関係するコンテンツを生み出した企業の事例を3つ紹介しよう。
コンテンツマーケティングの始まりは諸説あるが、私たちのよく知っているものでは1900年に始まった「ミシュランガイド」がある。
世界中のレストラン・ホテルを調査して星付けするものだが、ミシュランの本業はタイヤメーカーであることを知っているだろうか。
これは「ミシュラン」という企業名を広めるという目的もあるが、「そのために旅行する価値がある(3つ星)」店を紹介することで、人々がもっと旅行し、タイヤがすり減り、タイヤが売れるというなんとも気が遠くなるようなマーケティングを100年以上続けているのだ。
ガイドによりタイヤがどれくらいすり減り、売れているのかを算出するのは難しそうだが、ミシュランが人々に圧倒的な価値を提供し、ブランドが支持され続けているのは間違いない。
単にタイヤのPRをしただけでは、興味を持つ人々は少ないだろう。
しかし、「人々がタイヤをもっと使うようになる方法」、もっというと「世の中におけるタイヤの存在意義」を顧客目線で突き詰めたことが成功の糸口なのだ。
これはコカ・コーラが250カ国のよくある名前をラベルにつけて販売したキャンペーンだ。
日本でも行なっていたので、知っている方も多いのではないだろうか。
「コカ・コーラ」という商品名よりも人々の名前を前面に出すことで、人々の興味を引いた例だ。
自分や友達の名前を見つけた人たちがSNSなどで大量にシェアし、コーラ関連のシェアを4%引き上げ、特に若い層での売上を7%押し上げた。
トイレタリー企業Charminは、SNSで少し皮肉混じりのボイストーンがうけているブランドだ。SNS以外で行なった面白い取り組みが”sit or squat”アプリの配信だ。
アメリカでは公衆トイレが少なく、さらに綺麗なところというとかなり限定される。
このアプリは自分のまわりのトイレが地図上に表示されるだけでなく、sit or squat (座れる?(綺麗) スクワットしなきゃ?(汚い))というのも色分けして表示されるというもの。
日常的にトイレットペーパーのことを話すことはあまりないだろう。
一般的にコンテンツマーケティングの活用が難しいと言われる消費財だが、見込み客の関心をうまくついた例だ。
コンテンツを作る際は、見込み客がどんな思考や悩みを持っているのか、それをあなたがどう変えたいのか(どう影響を与えたいのか)を考えよう。そこから、発信すべきコンテンツが見えてくるはずだ。
人は常に「進歩したい」と考えている。だから学びを提供しよう。
コンテンツが人々にとって学びがあり知識として役立つ情報であれば、信頼が生まれ、見込み客との良い関係ができあがる。
そのためにはまず、ユーザーがどんなことに悩んでいるのかを可能な限り具体的に理解し、その悩みに合わせた言葉で発信していくことが重要だ。
学びの場として地位を確立した事例を紹介しよう。
Acornsは、おつりを募金箱にいれるくらいの少額(1ドル未満)から資産運用できるスマホアプリだ。
多くのユーザーがAcornアプリの横にファイナンスニュースアプリを置いていることが調査からわかり、オンラインマガジンの配信が始まった。まだ投資知識の少ない若者層をターゲットに学びの多い記事を配信している。2015年にアメリカのCNBCから編集者を引き抜いていることからも、Acornsのコンテンツ配信への力の入れようがわかる。
今まで投資をしたことないような層に、投資を気軽に始めてもらい自信をつけてもらうような記事を発信しており、その徹底したターゲット目線の内容(例えば「連邦準備銀行がレートを上げた」という事実を「あなたのクレジットカード借り入れがもっと高額になった」と表現するなど)が注目されている。
新着記事が送られてくるニュースレターの登録者数は約100万人、マガジンからの流入でアプリのダウンロード数が伸び、スタートから2年以内でアカウント開設数85万を超えた。
The Furrowは1895年に創刊した農家向けに最新の技術を発信しているマガジン。
アメリカでは、コンテンツマーケティングのレジェンドと呼ばれ知名度も高いContent Marketing Institute(CMI)の創業者Joe Pulizziが度々引用している。
このマガジンは歴史が古く、その始まりは180年以上前と言われている。
1836年、鍛冶屋のJohn Deereが仕事を求めてアメリカの西に旅をし、現地の農家の人たちの話をよく聞くようになる。その中で、その土地の土が粘着質だったためすきにくっつきやすいという不満を聞くようになり、それに対応したすきを開発。その後もいろんな不満を聞き、改良を重ねる。彼はDeere&Companyという農具の会社をつくり、彼の死後、その会社は彼の意思を引き継ぎ、農家の人々が本当に求めている情報をジャーナルにして発信し続けた。
今もデジタルとしてずっと続いており、農家の人々が持つ疑問に答え、最新の技術について解説している。グローバルで購読数は200万人と、農業関連のコンテンツとしては世界的トップレベルの存在となっている。
「ソートリーダーシップを発揮する」とは、企業が特定の分野において、新しいアイデアや解決策を発信するような先導者となることである。
自分のビジネス分野で先導者となり、その地位が確立してしまえば、たくさんの人々が耳を傾けてくれるようになる。
かなり大きい次元の話のように聞こえるが、実はニッチな分野こそソートリーダーシップを築くのに適している。
ではソートリーダーシップを作っていくにはどうすればよいか。
特に重要な視点は、以下の5つだと考える。
・単に情報を発信するのではなく自らの経験やスキルをもって策を示す
・知識を披露するだけでなく、それを使ってどう問題解決するか具体的に示す
・「商品を売る」ことは一旦忘れて、価値ある情報を届けることに集中する
・表層の大量の知識よりも、深い専門性の高いニッチな分野を狙う
・自分の意見がベストだとするのではなく、それをシェアし他の人々からの意見も吸収することで更なる価値の向上を目指す
ここでソートリーダーシップを確立している実際の事例を見てみよう。
最新のデジタルマーケティング情報を得る場として支持されているMoz blog。デジタルマーケターであれば知らない人はいないだろう。中でも人気なのが毎週金曜日に配信される動画シリーズWhiteboard Fridayだが、2007年の開始時はブログ投稿と比べて約20-25%しかビューが取れない状態だったが、2,3年かけてブログを超えるまでに至った。
Whiteboard Fridayはこれまで11年間一度も休まずに金曜日に公開され続けていて、投稿の内容はデータに基づいた信頼性の高い情報を全力で提供している様子が伺える。1投稿あたりの平均UUは1.5〜2万となり、2011年のグーグルのパンダアップデートに関する投稿は20万UUを超えるものもある。
中小企業のアメックスカード会員(主に起業家・経営者)向け情報ソース&コミュニティとして2007年に開設されたアメリカンエキスプレスのメディア。あまりに人気が出たため、メンバー以外にも公開しブランドの中核となるものとなった。
ユーザーから信頼を勝ち得るために、あえて外部の一流の専門家たちにファイナンスなどのコンテンツを作らせたり(自社の社員が発信するよりも外部の専門家が語る方が信頼されるというデータに基づき)、逆に、内部の人が書くべき内容については、それがわかるように明記(投稿の下に”American Express”)することでそれも信頼性につながった。
アメックスのコンテンツがターゲット層にとって有益なものであることはもちろん、特に爆発的に人気となった要因が、ユーザー同士のディスカッションなどを促しオープンフォーラムとして活性化したことにある。フォーラムとしての役割は今だに大きく、FacebookなどのSNSやオフラインイベントなどにもつながっている。
ただ情報が羅列されている取扱説明書のようなコンテンツでは誰の心も動かせない。
ユーザーの感情に訴えかけ(インスパイアする)、モチベーションの導火線に火をつけることがユーザーのアクションにつながるのだ。
アクションを起こしたことでユーザーにとって意義のある結果がもたらされれば、ユーザーからの信頼は高まり、それが結果として企業ブランドへの信頼となる。
ではどのようにユーザーの感情に訴えかけることができるのか?
そのためには、まず第一に企業として「自分たちが世の中をこう変えたい」「未来をこうしたい」というビジョン、想いを明確に持とう。
そうでないと、コンテンツの内容にブレが出てしまい、結果としてユーザーからの感動を得ることはできないからだ。
特にアメリカではセンシティブな政治や社会問題(人種、ジェンダーなど)についても企業として立場を明確にすることが支持を集めるケースも多く、それもビジョン・思いを明確に持つことの一貫とされる。
ここで代表的な2社を紹介したい。
NIKEの30年間変わらないコピー”Just do it.”は、例えリスクや不安を感じたとしても、ただやってみればいいんだと多くの人々の背中を押してきた。
他にもかっこいいメッセージを発信する企業はたくさんあるが、ナイキが違うのはそのメッセージを自分たちの行動で示しているという点だ。
例えば、こちらはナイキの”Just do it.” 30周年キャンペーンの広告。
“Believe in something.
Even if it means sacrificing everything. Just Do it.”
「信念を持とう。たとえそれが全てを犠牲にしたとしても。Just do it.」
実はこのキャンペーン、アメリカのトランプ大統領も批判するような大きな社会論争を生んだものだ。
理由は起用した人物にある。
起用したアメフト選手のコリン・キャパニックは、黒人に対する警察の暴力がアメリカで立て続けに起こったことに抗議し、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の試合で国歌の斉唱時に起立することを拒否した選手。この様子は全米に放映され、反対派と擁護派の大きな論争を生み、彼は以降どのチームとも契約できない状況が続いていた。
そんな選手を起用し”Just do it.”と表現したナイキは、当初多くの批判を呼び、キャンペーン発表の翌日には株価が4%近くも下落したり、不買運動が起こったりしたほどだった。
しかし、状況は一転する。徐々にナイキのその大きな決断を支持する声が増え、特にターゲット層である若者からナイキを支持する声が数多く上がり形成は一気に逆転したのだ。とてもリスクがあり、勇気のあるキャンペーンだ。ナイキ自らがリスクを負い”Just do it.”を体現したことが多くの人々の心を揺さぶり感動を与えた。
広告にあまりお金をかけず店舗での体験をブランディングの核として大成功を収めているスターバックス。アメリカではメディアとしてのプロモーションも行っている。
「普通の人が普通でないことを成し、コミュニティにポジティブな変化を起こす」というメッセージを軸に、一般の人々が頑張る姿を5-6分の動画にして”Upstandard”シリーズとして配信している。
「コーヒーを売る」というセールスの視点は全く見られず、ユーザーを前向きな気持ちにしてくれるコンテンツばかりだ。分断や格差の広がるアメリカで、このコンテンツで勇気をもらった人々は少なくないはずだ。アメリカに行くと良く分かるが、スターバックスを好きな消費者はとても多い。こうしたコンテンツが少なからず影響しているのだ。
良いコンテンツの特徴を5つと数多くの事例を紹介したが、今すぐあなたのコンテンツマーケティングの方針に微修正を加えるきっかけになるものが見つかっただろうか。それぞれの事例の根底にある大事な要素は「ユーザーを幸せにする」という信念だ。つまりどれだけユーザーを具体的に詳細に理解し、その人たちを幸せにするアイデアを実行できるかどうかが企業として試されている。
さあ、いますぐ10Xコンテンツを作成しよう。
ニューヨーク大学のデジタルマーケティング講座で学んだ内容について、全5回に分けて配信していく予定だ。
ぜひ次回も楽しみに待っていてほしい。
第1回目:ニューヨーク大学講義から学んだ強いコンテンツマーケティングの要点(当記事)
第2回目:10の海外マーケティング事例から新しいアイデアを探そう
第3回目:コンテンツマーケティング責任者必見|チームで共有「戦略の文書化」
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