コンテンツマーケティングとSEOを混同している企業は成果が出ない

コンテンツマーケティングとSEO。
コンサルティングをしていると、この2つを混同している企業があまりにも多いと感じる。そもそも対比する概念ですらなく、実際は全く異なる本質ものだ。混同して理解しているために、コンテンツマーケティングをやっているはずがSEOにばかり目がいってしまい、思うような結果が出ない企業をたくさん見てきた。

別にSEOを狙うことが悪いと言いたいわけではなく、両者の違いがわかった上でSEOを狙うという戦略なら全く問題はない。ただ言えるのは、少なくとも両者の意味を混同している企業で成果を出しているケースを見たことがないということだ。なぜなら、両者の違いをわかっていないということは、ほとんどが最初の設計が正しくできていないから。施策の目的と本質がずれていたら当たり前だ。

このせいで施策につぎ込んだ1年や2年という時間やコストを無駄にし、切羽詰まった状態で弊社に駆け込んでくる企業が本当に多い。「最初に理解さえしていればうまくいっていただろうに…」と思うケースをこれ以上増やしたくないので、この記事でコンテンツマーケティングとSEOの違いを明らかにする。ぜひ理解して成果につなげてほしい。


コンテンツマーケティングとSEOの違いは明らか

おそらく混同しやすいのは、コンテンツマーケティングとコンテンツSEOだろう。両者の違いは以下の通りだ。

コンテンツマーケティング:ターゲットに対して有益なコンテンツを提供し信頼を得ることで売上につなげる

コンテンツSEO:検索エンジンで上位表示させることでサイトへの流入を増やす

どちらも「最終的に売上につなげる」という意味では大きく目指す方向は同じだが、そこに至るまでのアプローチが異なる。位置づけで言うと、コンテンツマーケティングの戦略の一つにオウンドメディアがあり、そのオウンドメディアを成功させる手段の一つにコンテンツSEOがあるというイメージだ。

この違いがわからないまま施策を進めてしまうとどんな弊害があるのかお話したい。


検索エンジンからの評価=ターゲットからの評価ではない

SEOで成果を出せても、それは一時的なものだ。上位表示されていても、それがターゲットにとって価値あるコンテンツでないと長期的な成果はもたらさない。

今は検索エンジンも進化しつつあって、ユーザーにとって有益な内容にすることが上位表示につながりやすくなっている。しかし、正直なところ検索エンジンの評価基準はまだ発展途上だと感じる。中身がなくても被リンクを稼いだりドメインが強かったりだけで上位に上がるサイトは山程あって、素晴らしいコンテンツが上位を占めているとは言えない。

例えば、SEO専門家の中でも有名なNeil PatelもSEOだけを狙っていって失敗した事例(My Failed Attempt at SEO)がある。
この事例を簡単に説明すると、

Neilが昔オンラインポーカーのサイトを立ち上げたが失敗に終わった(数十万円で売却した)というもの。

・SEOを攻略しようと被リンクを稼ぐなどして記事が軒並み1位獲得した
・しかし直帰率が異様に高いなど「ユーザー反応の数値」が悪く、結局順位も下がり始めた
・自身はポーカーについてほとんど知識がなく、ライターも専門家ではない方を雇っていた
・ポーカープレイヤーにフィードバックをお願いしたら「内容が良くない」「実用的でない」とのこと
・SEOを攻略しようとしても、ユーザーに気に入られる内容でなければ結局成果は出ない

SEOが良くてもそれは一時的なものでしかない。長期的なビジネスを目指す私たちにとって、検索エンジンにどう評価されるかを考えるよりも、常にターゲットに評価されるコンテンツは何かを考えなければならない。


SEOで集客ばかり考えても結果は出ない

SEOを狙っていると検索ボリュームばかりに注目してしまい、「検索数がなくても成果を出すために必要なコンテンツ」を見失うケースがある。SEOでいくらアクセス数が何十万と伸びても、結果コンバージョンしなければ意味がない。

もちろんサイトへの集客は重要だ。月間1,000アクセスほどしかない状態で「サイトから問合せがない…」と嘆いている会社はまずSEO施策を見直すべきだ。アクセスの母数がないとコンバージョンの量も質も低くなる。

一方で、月間数万、数十万のアクセスがあるのにも関わらず「コンバージョン数はこれだけ!?」と驚くほど少ないケースを多々見かける。コンバージョン数だけでなく、狙ったターゲットではない層からの問い合わせなど質も低い。それでは単に「SEOをやっている」だけであって「マーケティング」ではない。

  • 需要がある分野でコンテンツを発信する
  • 検索数に惑わされずターゲット層に関連するキーワード戦略を設計する
  • 検索エンジンが満足する内容ではなくターゲットが刺さる主張をコンテンツに入れ込む
  • コンテンツを見た見込み客が「まさにこの会社だ!」と確信できるような事例コンテンツやダウンロードコンテンツを配置する

企業がコンテンツマーケティングを進める場合、SEOで集客だけを考えるのでは結果が出ない。上記のような売上につなげるまでの全体を捉えられないとだめだ。


SEO上位でなくてもターゲットに刺さればよい

SEOよりもターゲットを優先してコンテンツを作ると、どうしても上位表示されないこともある。でも、それでいい。

ターゲットに刺さるコンテンツを作った場合、どうしてもSEOと離れてしまうケースが出てくる。できるだけターゲットに近いキーワードを設定するのが一番だが、そうもいかないこともある。

例えば、「日本酒 海外」というキーワードの場合。これは一般層もビジネス層も検索するキーワードになる得る。そして大抵の場合、一般層の方が検索数が多いだろう。

考えられる検索シチュエーション
一般層:「日本酒って海外で人気って聞いたけど本当だろうか」
ビジネス層:「自社の日本酒を海外に売りたいが勝機はあるのだろうか」

ビジネス層がターゲットの場合、理想としては一般層も包含するようなコンテンツにできないかを考えることが望ましいが、実際それぞれ悩みのレベル感が違うので提案内容も切り口も変わってくる。

SEOはあくまで最適化した結果なので、一般層のそこまで悩んでいない人向けのコンテンツを上位に表示してくる。つまり、SEOを優先させてコンテンツを作ると、ターゲットのニーズからは離れることがあるということだ。ビジネスの成果を出す(CVさせる)目的からいうと、SEOよりターゲットに届けることを優先すべきだ。たとえSEOからすると偏った主張だとしても、ターゲットに刺さればよい。

私たちはSEOをしているのではない。マーケティングをしている。

SEOに好かれるコンテンツを作って上位表示されても、それがターゲットに響かなければ意味がない。もちろん、「上位表示されなければクリックもされないし意味がないじゃないか」という声もあるだろうが、上位表示にそこまでこだわらなくて良いと思う。何かに悩んでいて本気で情報を探している人は、1ページ目に答えがなさそうなら2ページ目3ページ目と探していく。あなたはその人の目に止まるようにタイトルやテーマを工夫すればいい。


まとめ

SEOを考えることはもちろん重要なのだが、コンテンツマーケティングと混同して考えてしまうと様々な弊害が起こってしまう。

SEOは指標が比較的わかりやすくて目に見えやすい成果になるので、ついつい追ってしまうという気持ちはとてもわかる。コンテンツマーケティングという大きな枠では本来ならブランド指標とかユーザーの満足度などを追っていかなければならなくて、霧で何も見えない森の中を進むように辛いこともある。

しかし、ここに惑わされずに私たちは着実に積み上げていかないと結局成果とならない。

コンテンツマーケティング・SEO両者の違いを明確に認識し成果につなげていこう。

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