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01/16木12:00〜13:00
初心者が WordPress でサイトやブログを作ろうとする時、ほとんどの方が値段だけを見て安いサーバーを選んでしまう。それに安いサーバーを薦める人も少なくない。
しかし、私は安易に安いサーバーを使うのはお勧めしない。
WordPress は構造上、サーバーに大きな負荷がかかるようになっている。そのため、不適切なサーバーを使っていると、すぐにサイトの表示速度が遅くなったり、コンテンツがソーシャルメディアで拡散して、大きなアクセスが集まった時にサーバーダウンが発生してしまう。
それは、ユーザビリティにもSEOにも悪影響を及ぼす。
もし、あなたが、これからコンテンツマーケティングのために WordPress を運用したいと考えているなら、そのような事態は防ぎたいはずだ。
そこで、WordPressを安心して運用するために必要なサーバーの条件と、個人でWordPressを運用する方におススメのレンタルサーバーをご紹介する。
目次
WordPressに適切なサーバーとは、以下の3つの条件を満たすサーバーのことだ。
これらの条件が重要な理由と、それぞれの条件を満たしたサーバーを一つひとつ解説していこう。
WordPressはPHPで作られているCMSだ。そのためPHP及びMySQLの処理速度が早いサーバーを使った方がサイトの表示速度が早くなる。
CMSとは・・・HTMLやCSSのようなWebサイトに必要な知識を必要とせず、テキストや画像などの情報を入力するだけで、サイト構築を自動的に行うことができるシステムのこと。
PHPとは・・・Web開発でよく使われるプログラミング言語のこと。
MySQLとは・・・データーベース管理システムのこと。
PHPの処理速度は、サーバーのCPU・クロック数・コア数/スレッド数が影響するが、サーバーの仕組みの解説は当記事の本意ではないため割愛する。ここではサーバーのスペック云々よりも実際の処理速度を確認していこう。
早速下のデータを見て欲しい。これは主要なレンタルサーバーの処理速度の実測データだ。
レンタルサーバー | CPU | クロック数 | コア数/スレッド数 | PHP処理数/秒 |
ヘテムル | Xeon E5620 | 2.40GHz | 4コア/8スレッド | 17.21 |
さくらサーバー (スタンダード) | Xeon E312xx | 2.40GHz | 4コア/4スレッド | 11.10 |
エックスサーバー (X10) | Xeon E5-2430L | 2.00GHz | 6コア/12スレッド | 22.50 |
エックスツー (スタンダード) | Xeon E5-2430L | 2.00GHz | 6コア/12スレッド | 22.83 |
バリューサーバー (スタンダード) | Xeon E5-2670 | 2.60GHz | 8コア/16スレッド | 18.48 |
コアサーバー (CORE-A) | Xeon L3110 | 3.00GHz | 2コア/2スレッド | 6.95 |
コアサーバー (CORE-C) | Xeon L3360 | 2.83GHz | 4コア/4スレッド | 15.39 |
コアブログ | Xeon L3110 | 3.00GHz | 2コア/2スレッド | 6.82 |
ミニバード | Xeon L3426 | 1.87GHz | 4コア/8スレッド | 18.15 |
ファイアバード | Xeon L3426 | 1.87GHz | 4コア/8スレッド | 19.86 |
クローバー | Xeon L3426 | 1.87GHz | 4コア/8スレッド | 22.38 |
見てみると サーバーによって PHPファイルの処理速度のばらつきが大きい。中でもエックスサーバー系列の2つとクローバーが頭一つ抜けていることが分かる。
サーバーのスペック的にはバリューサーバーが一番高いが、バリューサーバーは低価格を実現するために一つのサーバーに多数のサイトを詰め込んで運用しているため、コンテンツマーケティング用の WordPress サイトを置くサーバーとしてはおすすめしない。
続いてメモリの容量もチェックしておきたい要素の一つだ。もし、サーバーの負荷が一時的に、メモリ容量の許容範囲以上になってしまうと、サイトの表示速度が極端に遅くなる。
また最悪の場合は下図のようにサーバーダウンしてしまう。
サーバーダウンが起きると、非常に大きなロスになってしまうため、メモリ容量には注意しておく必要がある。
結論からお伝えすると、WordPress を置くレンタルサーバーのメモリ容量は16GBは欲しい。
次の表を見て欲しい。これは、弊社クライアントのサイトを集計したものだ。それぞれのサイト規模ごとのリアルタイムアクセス数と常時メモり使用量は大体これぐらいになる。
サイト規模 | リアルタイム アクセス数 | 常時メモリ使用量 |
月10万PV | 10 | 0.05GB |
月30万PV | 30 | 0.15GB |
月50万PV | 50 | 0.25GB |
月100万PV | 130 | 0.65GB |
これだけ見ると、メモリ容量はそこまで必要ないように思われるかもしれない。しかし、以下のようなケースが考えられる。
あなたが月10万PV規模のサイトを運営している。しかし、ある時、Yahooのトップページに記事が引用されたり、ソーシャルメディアで拡散して、リアルタイムで1000ユーザー以上のアクセスが集中したとする。すると、あなたのサイトだけでメモリ使用量は5GBを超えてしまう。
さらに、サーバーのシステムによって常に使用されるメモリ領域が1GBだったとする。また、他の複数のサーバー利用者によって常時4GBのメモリが使用されている。
この場合、メモリ使用量は10GBを超えてしまう。
多少、数値を多めに見積っているが、あなたが真剣にコンテンツマーケティングに取り組んで、良質なコンテンツを作り続けていると月間数十万、数百万PVはすぐに達するし、あなたのコンテンツがソーシャルメディアでの拡散して一時的にリアルタイムユーザー数が1000を超えることも往々にしてあり得る。
以上のことから、使用するサーバーのメモリ容量は16GBは必要だ。
それでは各サーバーのメモリ容量を確認してみよう。
レンタルサーバー名 | メモリ数 |
ヘテムル | 16GB |
さくらサーバー(スタンダード) | 18GB |
エックスサーバー(X10) | 24GB |
エックスツー(スタンダード) | 16GB |
バリューサーバー(スタンダード) | 10GB |
コアサーバー(CORE-A) | 4GB |
コアサーバー(CORE-C) | 8GB |
コアブログ | 4GB |
ミニバード | 16GB |
ファイアーバード | 16GB |
クローバー | 12GB |
PHPの処理速度が早いエックスサーバー系列の2つは16GBを超えていることが確認できる。 一方、クローバーは12GBのため、多少の不安がある。
エックスサーバー及びエックスツーの方が安心して使えるだろう。
データ転送量とは、ユーザーがサイトを閲覧した際、ユーザーのブラウザにサーバーからダウンロード(転送)されたファイル(WEBに関するファイル・画像データ・動画データ等)のデータ量を指す。
レンタルサーバーは、このデータ転送量に上限が設けられており、その量を超えるとサイトの表示速度が著しく下がってしまう。詳しく解説していこう。
必要なデータ転送量の目安を知るために、半年で月間およそ50万 PV に到達したクライアントサイトのデータ転送量を計測したところ、一日およそ20GB以上だった。
このサイトが月間100万PVに達すると単純計算で一日のデータ転送量は40GBを超える。
良質なコンテンツを追求していれば、月間100万PVも比較的簡単に達成できてしまう。そのため、せめて月間100万PV程度までは耐えられるレンタルサーバーを利用しておきたい。
それでは、各サーバーの1日のデータ転送量の上限を確認してみよう。
レンタルサーバー | 転送量/日 |
ヘテムル | 60GB |
さくらサーバー(スタンダード) | 80GB |
エックスサーバー(X10) | 50GB |
エックスツー(スタンダード) | 50GB |
バリューサーバー(スタンダード) | 10GB |
コアサーバー(CORE-A) | 8.3GB |
コアサーバー(CORE-C) | 33.3GB |
コアブログ | 1GB |
ミニバード | 5GB |
ファイアバード | 10GB |
クローバー | 33.3GB |
見てみると、エックスサーバー系列の二つは、一日の転送量が40GBを超えているため月間100万PV規模のサイトでも安心して使えることが分かる。
全てのデータをまとめたので比べてみよう。
レンタルサーバー | 月額費用 | PHP処理数/秒 | メモリ | 転送量/日 |
ヘテムル | 1620円 | 17.21 | 16GB | 60GB |
さくらサーバー(スタンダード) | 515円 | 11.10 | 18GB | 80GB |
エックスサーバー(x10) | 1080円 | 22.50 | 24GB | 50GB |
エックスツー(スタンダード) | 1944円 | 22.83 | 16GB | 50GB |
バリューサーバー(スタンダード) | 360円 | 18.48 | 10GB | 10GB |
コアサーバー(CORE-A) | 428円 | 6.95 | 4GB | 8.3GB |
コアサーバー(CORE-C) | 3420円 | 15.39 | 8GB | 33.3GB |
コアブログ | 103円 | 6.82 | 4GB | 1GB |
ミニバード | 270円 | 18.15 | 16GB | 5GB |
ファイアバード | 540円 | 19.86 | 16GB | 10GB |
クローバー | 1620円 | 22.38 | 12GB | 33.3GB |
バズ部が考える条件を全て満たしていたのは、エックスサーバーとエックスツーだ。一通りのサーバーを実際に試してみたが、この2つは使い勝手も非常に良かった。
この2つのサーバーの特徴を詳しく解説していく。
エックスサーバー(x10)のスペックと料金は以下の表の通りだ。
レンタルサーバー | PHP処理数/秒 | メモリ | 転送量/日 |
エックスサーバー(x10) | 22.50 | 24GB | 50GB |
契約期間 | ご利用料金 | 合計 |
1ヶ月 | 1,000円×1ヶ月 | 1,000円(税込1,080円) |
3ヶ月 | 1,200円×3ヶ月 | 3,600円(税込3,888円) |
6ヶ月 | 1,100円×6ヶ月 | 6,600円(税込7,128円) |
12ヶ月 | 1,000円×12ヶ月 | 12,000円(税込12,960円) |
24ヶ月 | 950円×24ヶ月 | 22,800円(税込24,624円) |
36ヶ月 | 900円×36ヶ月 | 32,400円(税込34,992円 |
前述したように、エックスサーバー(x10)はサーバーの処理速度も他のサーバーよりも高く、サーバーのメモリ容量が24GBで、必要な16GBを超えていて、月間100万PV規模のサイトでも安心して耐えることが出来る目安であるデーター転送量40GBの基準も50GBとクリアしている。
価格もオススメしているエックスツー(スタンダード)よりもお手頃になっているため、初心者でサーバーを迷っている方におすすめのサーバーである。
エックスサーバー(x10)のスペックと料金は以下の表の通りだ。
レンタルサーバー | PHP処理数/秒 | メモリ | 転送量/日 |
エックスツー | 22.83 | 16GB | 50GB |
契約期間 | ご利用料金 | 合計 |
3ヶ月 | 2.372円×3ヶ月 | 7,116円(税込7,683円) |
6ヶ月 | 2,086円×6ヶ月 | 12,516円(税込13,512円) |
12ヶ月 | 1,800円×12ヶ月 | 21,600円(税込23,328円) |
前述したように、エックスツー(スタンダード)はサーバーの処理速度も他のサーバーよりも高く、サーバーのメモリ容量が16GBで、必要な16GBをと同じ水準で、月間100万PV規模のサイトでも安心して耐えることが出来る目安であるデーター転送量40GBの基準も50GBとクリアしている。
価格は若干エックスサーバー(x10)よりも高めだが、ぜひとも利用したいサーバーである。
いかがだったろうか。
サーバーを選択する際は、以下の3点に気をつけて選ぶようにしよう。
後半で解説したおすすめのサーバーもぜひ参考にしてほしい。
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