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10/23水12:00〜13:00
あらゆるリスクに備えてデータのバックアップは不可欠だ。バックアップさえできていれば万が一データが消えてしまっても、また復元できるからだ。次の2つを叶えるバックアップができればかなり心強いだろう。
詳しくは後ほど解説するが、数多くある WordPress のプラグイン中でも2つを可能にし、更に画像ファイル、記事、プラグインなど丸ごとバックアップが取れるのが「BackWPup」である。安定的な動作をしてくれるので、バックアップする際はこのプラグインを使おう。
ここでは、 BackWPup を使ってファイルとデータベースのバックアップを取る方法をご紹介しよう。
目次
最初に、誤ったバックアップをして復元ができなかった、ということがないように WordPress の基本的な仕組みについて解説しておこう。
通常、Webページは、「静的ページ」と呼ばれるHTMLファイルで作られている。
しかし、WordPress の場合、「動的ページ」と言って、ユーザーがページにアクセスする度にデータベースからデータを引っ張り、そのデータを元に、都度、HTMLファイルが作られる。
静的ページであれば、サーバー上のデータを単純にバックアップするだけで良いのだが、WordPress のような動的ページの場合は、次の2つのバックアップを取る必要がある。
このことを覚えた上でバックアップを取るようにして欲しい。
WordPress では、BackWPup というプラグインを使うと、サーバー上とデータベース上の2つのデータのバックアップを安定して行うことができる。BackWPup の設定は、図の通り進めるだけで簡単に完了するので、安心して読み進めてほしい。
注
ここからはプラグイン「BackWPup」を使用する。数多くあるプラグインの中でも、定期的に自動でバックアップが取れ、自由なスケジュール設定も簡単にできるのでこのプラグインを推奨する。「BackWPup」だけでバックアップは安心なので、必ずインストールしておこう。インストール方法は、『WordPress プラグインのインストールと停止・削除・更新の方法』を参考にしよう。
BackWPupをインストールしたら、管理画面の左メニューから「BackWPup → 新規ジョブを追加」の順にクリックしよう。
するとバックアップの設定画面にアクセスすることができる。
バックアップの設定には、次の2つの方法がある。
基本的に自動バックアップを推奨する。しかし、早急にバップアップを取りたいという状況も起こりうるので、手動バックアップについても後ほど解説する。
また、BackWPup を設定する時に「 ジョブ」という言葉が頻繁に出てくる。
あなたがスマートフォンで目覚まし時計を設定するとき、何時何分にどんなメロディーを流すか、スヌーズ機能はオンにするか、という設定プランを作るだろう。 ジョブとは、この“設定プラン”と同じ意味と考えてよい。まずは、自動バックアップの“設定プラン”を作る方法を紹介しよう。
最初にサーバー上のデータ(画像データ、テーマなど)を自動バックアップする設定を行う。最初にお伝えしたように、WordPressでは、
の2つのバックアップを取る必要がある。まず前者の設定方法からご説明する。
サーバー上のデータのバックアッププランは、次の2つの項目をかなえる内容がベストだ。
画像データを含むサーバー上のデータのバックアップのサイズは、おそらく数十〜数百MB(メガバイト)になるだろう。このサイズのバックアップを頻繁に行うとサーバーの容量を無駄に消化し、またサーバー処理に相当な負荷がかかってしまう。
そのため、記事の更新頻度にもよるが、週に1回ほど、過去3ヶ月分のデータをバックアップして、ローカル上に保存するようにすれば良いだろう。
さらにバックアップの処理を、アクセスの多い時間帯に設定すると表示速度が遅くなる原因になり、ユーザーは離脱してしまう。アクセス数が一番少ない時間帯に行われるように設定することで、サイトのユーザビリティを損なうことなくバックアップを行えるようになる。
以上をふまえて設定を行う。
1−1−1.一般設定
まず「一般」タブでは、次の通り設定を行う。
「ジョブ名」は、分かりやすい名前を入力しておこう。今回は、サーバー上のデータをバックアップするので「File backup」とした。
また「ジョブタスク」には次の5種類がある。「ファイルのバックアップ」にチェックを入れよう。
「データベースのバックアップ」と「インストール済みプラグイン一覧」は、データベースのバックアップの設定で使用する。「WordPressのXMLエクスポート」は、データベースのバックアップを取るので不要だ。
「データベーステーブルをチェック」は、データベースをチェックするプログラムを走らせる機能だが、今回は外す。
「アーカイブ形式」には、次の3種類がある。
ここは利用環境に合わせて選択しよう。Windows ユーザーの方は「Zip」、Mac ユーザーの方は「Tar GZip」を選択すると良い。
続いてバックアップ先と自動転送メールの設定を行う。
どこにバックアップデータを保存するかを決める。「フォルダーへバックアップ」にチェックを入れよう。他にもいろいろとバックアップ先が選べるが、まず自社サーバーに保存できれば良い。
次にログに関する自動転送メールの設定だが、デフォルトのままにしよう。
図は、ログを取るごとにメールが届くとどんどん貯まっていくので、エラーがあったときだけに来るような設定になっている。
1−1−2.スケジュール設定
「スケジュール」タブをクリックして、図の通り設定しよう。
「ジョブの開始方法」では、バックアップをとるタイミングを設定する。
自動で行うため「WordPressのcron」にチェックを入れよう。
CLI は、テキストベースの対話形式で操作する方法なので、特に不要だ。
「実行時間をスケジュール」では、日付の詳細設定は不要なため「基本」を選択する。
続いて、いつバックアップを実行するか設定しよう。
バズ部では、深夜の2時から4時の時間帯が一番アクセス数が少なかったので、これを根拠に図のように「毎週日曜日の深夜3時」という設定を行った。
もちろん、あなたのサイトへのアクセス状況を見て、曜日と時刻は変えてかまわない。
1−1−3.バックアップするファイルの設定
これは下図の通り全てデフォルトのままで良いだろう。
大きく分けて以下の5項目のデータのバックアップを取る。
これらは全て図の通りデフォルトのチェックで問題ない。
また「除外」について、キャッシュや BackWPup に関するデータはバックアップ対象外にした。
キャッシュは、一時保存ファイルであり、古くなったものは不要なため取らない。
また、BackWPup の稼働中に自身のデータのバックアップを取る、というのはバックアップの不具合を誘発する可能性が考えられるため、行わない。
続いて残りの設定も次の図の通りでOKだ。主にサーバー管理者向けの内容となるので、デフォルトのままで問題ない。
1−1−4.バックアップ先 = 宛先:フォルダ
バックアップの保存先を次の図の通り設定しよう。
次の保存先名を参考にして、管理する際にわかりやすい名前をつけよう。
例./home/◯◯◯.co.jp/public_html/wp-content/uploads/file-backup/
「ファイルを削除」では、3ヶ月分のデータを保存するため「12」とした。(月4回×3ヶ月=12バックアップ)
図のように「変更を保存」をクリックしよう。
これでサーバー上のデータのバックアップ設定は完了だ。
1−1−5.設定の確認方法
設定内容の通りでバックアップデータは取れているかを確認しよう。図のように「今すぐ実行」をクリックすると、設定プランは実行される。
次の画面が表示され、バックアップが実行されている経過が表示される。「ジョブ完了」と表示されたらバックアップが完了だ。
続いて、バックアップしたデータをダウンロードしよう。
管理画面の左メニューより「BackWPup → バックアップ」をクリックする。
すると実行されたバックアップの履歴が表示される。「ファイル」にカーソルをあてると「ダウンロード」リンクが表示されるので、クリックするとバックアップデータのダウンロードが可能だ。
ダウンロードしたデータを開いてみよう。下図の赤枠の通りに3つのフォルダが表示されれば、サーバー上のデータのバックアップはうまくいったと考えて良い。
注
ここでさらにリスク回避の強化をするなら、サーバー上に定期的に取られたバックアップを手動でダウンロードしてローカルに保存するとベストだ。これはサー バー障害時の対策で、万が一、サーバー上のデータが消失した時のリスクを回避するためのものだ。バックアップを様々な方法で取りすぎると管理が煩雑になり 良ろしくないが、サーバーとローカルの両方で定期的にバックアップを取ることは、あなたのコンテンツを大いに守ってくれる。
続いてもう一つのデータベース上のデータのバックアップを行おう。すでにプラン設定を一度行うと、あとはその繰り返しなので簡単だ。
データベース上のデータの設定プランは、次の2つの項目をかなえる内容がベストである。
毎 日、バックアップを行う一番の理由は、あなたの財産と言っても過言ではないコンテンツをあらゆるリスクから守るためだ。可能性として一番高く考えられるリ スクは、人的な操作ミスだ。複数人で同じコンテンツを管理して、結果的に先祖帰りを起こしていたりする時にバックアップが頼りになる。
1−2−1.一般設定
「一般」タブでは、次の通り設定を行う。
詳細に関しては「1−1−1.一般設定」を参考にしてほしい。
そして、バックアップ先と自動転送メールの設定を行う。
1−2−2.スケジュール設定
続いて「Schedule」タブに移り、下図の通り設定しよう。詳細は、「1−1−2.スケジュール設定」を確認してほしい。
1−2−3.バックアップするデータベースのファイル設定
下図の通り設定を行おう。
「バックアップするテーブル」では、すべてチェックを入れよう。
サーバー上のデータと比べてバックアップのファイルサイズはとても小さいので、すべてバックアップをとっても問題ないだろう。
また、全てのデータのバックアップを取っておいて、これを減らすことは出来きる。しかし、不足したデータ自体を復元することは不可能だ。
「バックアップファイルの圧縮」について、「GZip」を選択して圧縮しよう。データベースのデータは、圧縮すると大幅にサイズ容量が押えられる傾向があるからだ。
実際、テスト環境で試したところ、1.6MB(メガバイト)あったファイルサイズが、130KB(キロバイト)まで押えることが出来た。実に80%以上の圧縮率だ。
1−2−4.バックアップするプラグイン一覧の設定
次の図の通り設定しよう。
プラグイン一覧は、どのプラグインをインストールしているかが一目で確認できるので便利だ。主にサーバーの復元時や移管の際に使用する。
サーバーの移管の予定が当面なくても、ファイルサイズは数KBと圧縮も必要ない程小さいので、取っておいても問題ないだろう。
1−2−5.バックアップ先:フォルダー
次の保存先名を参考にして、管理する際にわかりやすい名前をつけよう。
例./home/xtwolucy/xtwolucy.xtwo.jp/public_html/wp-content/uploads/database-backup/
「File Deletion(ファイルの削除)」では、1ヶ月分のデータを保存するため「30」とした。(月30回×1ヶ月=30バックアップ)
サーバー上のデータのバックアップと同様に3ヶ月分でもかまわないが、記事の場合、3ヶ月も経つと新しいコンテンツがたくさん反映されるだろう。あまり古いデータのバックアップは不要なので1ヶ月分とした。
注
サーバー上のデータのバックアップと同様、リスク回避の強化をするなら、サーバー上に定期的に取られたバックアップを手動でダウンロードしてローカルに保 存するとベストだ。サーバー障害時の対策で、万が一、サーバー上のデータが消失した時のリスクを回避するためのものだ。
詳細の確認方法については、「1−1−5.設定の確認方法」を参考にしてほしい。
手動バックアップが役立つ状況は、サーバーの移管時だろう。BackWPup は、すぐにでもサーバー上のデータとデータベース上のデータもまとめてバックアップできるので、便利なプラグインだ。
早速、設定方法を紹介しよう。
まず、管理画面の左メニューから「BackWPup →新規ジョブを追加」の順にクリックしよう。
そしてバックアップの設定画面にアクセスする。
ここでは、次の3つのバックアップをとる設定を行う。
ここから先は図の通り進めるだけだ。詳細については、自動バックアップのところで説明したものと同じなので割愛する。
ここで「手動」を選択することで、手動のバックアップを取ることができる。
特に「バックアップから除外」などは、サーバー管理者向けの内容となるので、デフォルトのままで問題ない。
次の保存先名を参考にして、管理する際にわかりやすい名前をつけよう。
例./home/◯◯◯.co.jp/public_html/wp-content/uploads/20140526-backup/
ここで一番注意してほしいのがバックアップ先の「フォルダー名」だ。
このフォルダー名を誤ってデフォルトにしたとしよう。
そして今回は、手動バックアップ1回だけを取るとして、「File Deletion(ファイルの削除)」を「1」にする。
この状況でバックアップを実行すると、最新の手動バックアップのデータ1つを残して、過去に自動でバックアップを取っていたデータが全て削除されてしまう。
必ずフォルダー名は、過去に取ったバックアップと重複しない名前にしよう。
全ての設定が完了したら、図の「Save changes(更新ボタン)」をクリックしよう。
これで手動でのバックアップ設定は完了だ。
手動でバックアップしたデータをダウンロードする方法を紹介しよう。
図のように上部に「今すぐ実行」が表示されるのでクリックしよう。するとバックアップは、実行される。
「ジョブ完了」と表示されたらバックアップが完了だ。手動バックアップのジョブが赤枠のように表示されたら問題なくバックアップが実行された。
バックアップしたデータをダウンロードするために、管理画面の左メニューより「BackWPup → バックアップ」をクリックしよう。
ここでは、実行されたバックアップの全てを閲覧することができる。
該当する「ファイル」にカーソルを持っていくと次の図のように
「ダウンロード」リンクが表示されるので、クリックするとバックアップデータのダウンロードが開始する。
ダウンロードが完了するまで WrdPress 管理画面を操作しているブラウザは、閉じずにそのままにしておこう。
管理画面の左メニュー「BackWPup →バックアップ 」よりアクセスしたバックアップ一覧画面にデータが見当たらない!という時に覚えておくと良い操作方法を紹介しよう。
これは、普段から自動バックアップを行っており、早急に最新のバックアップ・データが必要となった時に起こりえることだ。下図の通り「FOLDER」のプルダウンメニューをクリックして該当のフォルダー名を選択しよう。そしてすぐ右隣りの「宛先を変更」をクリックすると閲覧できる。
これでWordPressのバックアップを取る方法は完了だ。万が一データが消えてしまった時のためにバックアップは定期的に行おう。
「BackWPup」は指定したスケジュールで画像、記事、プラグインなどWordPressのデータを丸ごとバックアップが取れるプラグインだ。この機会に必ず設定をしておこう。
もし、バックアップファイルをもとにサイトを復元したい場合は、『簡単!WordPressのバックアップデータの復元方法』を参考にして欲しい。
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