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11/27水19:00〜20:00
こんにちは。バズ部の房宗(ふさむね)です。
バズ部では、2019年に「コンテンツマーケティング実践会議2019(CMCJ2019)」というマーケティングカンファレンスを実施しました。
参加費6万円・定員500名という、セミナーとしては大規模かつ高価格帯のイベントです。
私は当時その集客責任者を務めていたのですが、集客に関わるメンバーは私含めふたりだけ、しかもどちらも兼任の為ほとんどリソースがない状態でした。その上、集客期間はわずか3か月程度という制限付き。
その中でも様々な試行錯誤を行った結果、以下のような成果を達成することができました。
【CMCJ2019の集客成果】
・集客人数:560人 (500名を超えた為急遽増員)
・集客費用:約270万円
・セミナー参加費売上:約2,200万円
※別途早割/既存クライアント割引を実施。
実は今まで表に出すタイミングがなかったのですが、このイベント集客事例は多くの企業のマーケティング活動に活かせるポイントが豊富に詰まっていると思っています。
そこでこの記事では、このイベント集客を行う中で特にうまくいった、かつあなたの会社のマーケティングにも活用できる集客施策を3つご紹介します。
ぜひ参考にしてください!
目次
今回イベントの集客施策のうちどの施策がもっともうまく成果をあげたかというと、「イベントの魅力を伝える記事コンテンツを作成し、それをSNS投稿/広告・メルマガなどに転用したこと」です。
この場合のコンテンツとは、実際にイベントに登壇していただくスピーカーのうち、以下の4名のインタビュー記事です。
※役職/社名はイベント開催当時の内容です。
・株式会社WACUL 取締役CIO 垣内 勇威 × 株式会社ギャプライズ マネージャー/マーケティングエキスパート 鎌田 洋介さん
「データvs.感性!Webマーケティングに必要なのはどっちか?」
・経営コンサルタント・作家・マーケター/アルマ・クリエイション株式会社 代表取締役 神田昌典さん
「神田昌典氏のここが凄い!日本一のマーケターが作り上げたビジネス新常識」
・株式会社ホットリンク 執行役員CMO 飯髙悠太さん
「今、売上をあげたいなら何をするのが効果的だと思う?飯髙氏インタビュー」
・株式会社ルーシー 取締役 石井 穣
「結果の出るWebサイトとそうでないサイトの決定的な違いとは?」
これらの4コンテンツを「集客の核」と位置付けて、バズ部の記事として公開するだけでなく、下記施策にそのまま再利用しました。
・SNSの投稿(オーガニック)
・SNS広告(X、facebook)への出稿
・メルマガの配信
※別途セミナーLPから記事への導線も設置。
上の記事を読んでいただければ分かるのですが、これらの記事はセミナーのLPとは違い「イベントの魅力や価値を伝えながらも、コンテンツの内容自体も学びがある内容」になっています。
その為、LPを広告に回すのと比べ、より多くの方にコンテンツを見てもらえる事ができました。
これらのコンテンツをさまざまな媒体に再利用し露出せたことが、限られた時間の中でも集客を成功できた一番の要因だったと思います。
この「核となるコンテンツを作り、いろいろな媒体に活用する」という考え方は、イベントに限らず通常の集客でも活用できます。
例えば、多くの場合「事例コンテンツ」は問合せを獲得する上で重要なコンテンツです。
実際にバズ部サイトでも、問い合わせを行ったユーザーがよく見ているページを調べると、サービスページの次に見られているのがこの事例ページです。
自分がお勧めしたいのは、この事例コンテンツを作成し、さまざまな媒体に展開、活用するという施策です。
<上手く事例コンテンツの再利用を行う方法>
・お客様に事例インタビューを行う(この際に動画も撮影しておく)
・その内容を記事にして自社サイトに公開する
・撮影した動画も公開する(記事に埋め込む/youtube等に公開)
※当時は時間がなく動画を作れませんでしたが、今なら絶対作ります。動画のほうが伝えられる情報がテキストよりも圧倒的に多い為です。
・その記事をメルマガ/SNSにも投稿する
また、事例コンテンツを作る際は「自社サービスの宣伝」をメインに置かず、「その顧客がどの様な課題をもっており、それをどの様に解決したのか」をメインとして、そちらを具体的に記述することをお勧めします。
大部分のユーザーが知りたいのは、そちらの内容だからです。
この方法で「核となる事例コンテンツを作成し、それをさまざまな媒体で活用する」という施策は、とてもお勧めです!
4つのインタビュー記事を横展開する中で、特に効果的だったのが「メルマガ」です。
バズ部では当時から5万件以上のリストを持っていたので、上でお伝えした4記事をそのままメルマガ化したもの(4通)と、イベント紹介の1通の合計5通のメールを送りました。
<イベント紹介のメルマガ(上部のみ抜粋)>
メルマガ経由の申込数はトラッキングできなかったのですが、申込者アンケートでは「このイベントを知ったきっかけ」として100名以上がメルマガを挙げました。
5通送ったうちの4通は記事内容をそのままメルマガ化したもの、残りの1通も基本的なイベント内容をメルマガにしただけです。
これだけの作業で100名以上の集客に繋がったので、メルマガ施策はやはり効果が高いなと再認識させられました。
メルマガ施策の有用性は昔から言われ続けてはいますが、様々なお客さんに接する中で「リストの活用を行えていない会社はまだ意外と多いな。」と思います。
ぜひ手持ちのリストの方々にメールを送るべきです。
というのも、メールアドレスを登録された方々は、すでに多少なりとも自社と関わりを持っている方たちですので、そこにアプローチするほうが新規の顧客を集めるよりも格段に集客しやすいからです。
特別な労力をかけてメルマガを作る必要はありません。
自社サイト用に作った事例コンテンツや、自社サイトでよく閲覧されている記事など、すでにあるものをそのまま送れば大丈夫です。それだけでも集客効果は上がるはずです。
また、オフラインの施策も集客には有効です。WEB業界ではオフラインの施策は軽視されがちな印象ですが、これが馬鹿にできません。
実際に、施策の1つとして過去の名刺交換者等に紙のDMを郵送しましたが、2,000件送付してなんと69件の申し込みがありました。CVR(=コンバージョンレート)にすると3%を超えていて、この価格帯だとかなり高いことがわかると思います。
といっても、ただDMを出した訳ではありまあせん。「封筒」と「中身」にはこだわりました。
下の画像は、実際に送付したDMです。赤い封筒に金の箔押しの招待状のようなデザインにしました。
一般的なDMは、もっと宣伝色が強く、デザインや紙、印刷などの質もあまりよくないものが多いので、一緒に届いた中でもすごく目立って読んでもらえるんじゃないか、という意図です。
さらに中身も2,000通すべて同じではなく、ユーザーの属性に応じて4種にグループ分けして内容を変えました。(代表からも直筆で一筆添えてもらいました。)
手間はかかりましたが、その結果は約5万円のイベントに対してCVR3%超と、十分すぎる効果が出たなと思っています。
WEBマーケティングを集客の中心にする企業が増えている現状にあって、オフラインの施策は逆にチャンスだと思っています。
特にDMは、多くの企業があまり内容にこだわらず雑に送っている印象です。(読む気の起きない宣伝丸出しのDMが私の元にもよく送られてきます。)
その為、逆に封筒や中身までこだわってDMを送る事で、ユーザーにとって魅力的に写り開封率を高めることができると感じています。
実際自分の元にも、過去Googleから下記の様なセミナーの案内DMが届いたことがあるのですが、思わず中身を開いたことがあるのを覚えています。この程度でも十分目立つDMになると思います。
出典:全日本DM大賞 第36回 日本郵便特別賞「ITエグゼクティブ向けプログラムのご案内」
また少し極端な例ですが、下記の様なSalesforceさんのDMもたまにSNSで見かけますよね。これも高い確率で開封されそうです。
SalesforceさんのDMとどいた。
営業担当者のユニークな自己紹介、それ(野球)になぞらえたホワイトペーパー、捨てられないノベルティ。
めちゃくちゃ練り込まれてる。すごすぎる。
にしても、どうやって当社ターゲティングされたんだろう?笑 pic.twitter.com/cdTUnn5Cj1
— ワタリユウタ@スゴすぎる事業を作る男 (@watari922) November 10, 2023
ちなみに当時のイベントで送ったDM含め、バズ部でDMを出す場合は、「あさだ屋」さんという印刷屋さんによくお願いしています。
箔押しが得意なところで、少し値は張りますがデザインがよくとてもお勧めです。
1点注意したいのは、DMは「モノを送る=相手に対して負担を強いる」行為だということです。
実際、多くのDMは「どうせすぐ捨てるから送ってこなくていい」「送られてもジャマ、迷惑」という扱いを受けます。
そう思わせないよう、送る場合は「本当に価値のあるもの・情報を届けるんだ」というスタンスは崩さず持ち続けることが大事だと思います。その意識がメッセージや内容にも反映されて、ほかの「迷惑なDM」とは違う「魅力的な情報」として相手に届くはずです。
ここまでいろいろと集客施策についてお話ししてきましたが、結局のところ、今回集客の一番の成功要因は、「来てくれたユーザーにとって本当にタメになる良いイベントにする」というビジョンを掲げてイベント作りを行った事だと思います。
どういう事かと言うと、当時イベント運営メンバーで上記ビジョンを共有し、登壇者の方の選定にかなり時間をかけました。
社内外のメンバーに「誰の話を聞きたいと思うか?」と話を聞いて回ったり、一般的に競合と言われる企業の方であっても関係なく、登壇の打診を行いました。
結果として、以下のような素晴らしい登壇者の方々に参加して頂けました。
【CMCJ2019 登壇メンバー】
※役職/社名はイベント開催当時の内容です
・経営コンサルタント・作家/アルマ・クリエイション株式会社 代表取締役 神田 昌典さん
・株式会社ベイジ 代表取締役社長 枌谷 力さん
・株式会社才流 代表取締役社長 栗原 康太さん
・株式会社ウェブライダー 代表取締役 松尾 茂起さん
・株式会社ホットリンク 執行役員CMO 飯髙 悠太さん
・株式会社グローアップマーケティング 代表取締役 谷本 理恵子さん
・株式会社リスティングプラス 代表取締役 長橋 真吾さん
・株式会社ルーシー 取締役 石井 穣
ビジョンを持ちイベント自体を価値のあるものにできた事が、これだけの集客が行えた一番の要因だと感じています。
この「ビジョンを持つこと」の重要性は、どんな企業・製品のマーケティングを行う際にも共通して言えることだと思いますし、結局はこの点が一番大事だなと今も感じています。
最後に、この記事でお伝えしたことを簡単にまとめます。
・核となるコンテンツを作りそれを様々な媒体に転用した事で、限られた時間でも大きな集客を生むことができた
→多くの場合事例は核となるコンテンツになるので、事例コンテンツでこの施策を行うのがお勧め。
・メルマガは数ある施策の中でもとても効果的だった
→今あるコンテンツそのままでも良いので、既存のリストにメールを送ってみるべき
・DMは「内容にこだわる事で」高い集客成果を生むことができる
・ビジョンを持ち、セミナー(商品)自体を価値ある物にする事が、結局は一番重要
何か一つでも、この記事からあなたの会社のマーケティングのヒントが見つかっていればとても嬉しいです。
私たちバズ部は、12年で400社以上のコンテンツマーケティング支援を行ってきた中で
・立ち上げから10ヶ月で14.6億円の売り上げを産んだ不動産メディア
・わずか8ヶ月で月間140万PVを実現したアプリ企業メディア
・月間4400件以上の問い合わせを実現した弁護士事務所メディア
など、今までの常識を覆す成果を挙げ続けてきました。
大企業・中小企業を問わずコンテンツというものをしっかりと理解して、真剣に取り組んでいただければ、誰でも、これと同じ、またはこれ以上の成果を出すことができます。
実際にバズ部が取り組んだプロジェクトについて、どの様に圧倒的な成果を実現してきたのかを下のページで詳細にまとめています。ぜひ参考にしてください。