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11/27水19:00〜20:00
「Web業者から『MEO対策しませんか?』と営業された」
という話を聞くことがある。飲食店や美容室など、店舗の経営者が多い。
「MEO対策の費用や相場を知りたい」と、問い合わせを受けることもある。
そもそもMEOとは、Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)の略で、Googleマップに対するSEOのことだ。
結論からいえば、お金をかけて外注する前に、自分でできるMEO対策を実践してほしい。
自分でMEO対策を行って、十分に成果が得られることは、珍しくない。外注するにせよ、自分で取り組んだ次のステップで考えればよいことだ。
この記事では、Webマーケティングに詳しくない方でもスムーズに理解できるよう、「MEOの基本と実践」を解説する。
MEOを上手に活用して、売上アップにつなげていこう。
目次
まず「MEO」とは何か、基本事項から押さえておこう。
冒頭でも触れたとおり、MEOとはマップエンジン最適化のことである。
「SEO(検索エンジン最適化)」という言葉があるが、その「マップ版」と捉えてほしい。
● SEO:検索エンジン(おもにGoogle)の検索結果ページでの上位表示を目指す
● MEO:マップ検索(おもにGoogleマップ)の検索結果ページでの上位表示を目指す
実際の画面を見てみよう。
以下は、スマホで[美容室][近くのコンビニ][六本木の焼肉屋]と検索した結果ページである。
上記のように、マップが表示される検索結果で、検索上位表示を実現するのがMEOである。
MEOと一緒に覚えておいたほうがよい言葉に、「ローカルSEO」がある。
ローカルSEOとは、SEOのうち「ローカル検索結果」に焦点を当てる手法で、MEOとローカルSEOは、同じ意味だ。
「MEO(マップエンジン最適化)」は、「SEO(検索エンジン最適化)」をもじった和製英語の気が強く、一般的には「ローカルSEO」の呼び方が、よく使われる。
MEO(=ローカルSEO)が対象として扱う「ローカル検索結果」とは、ユーザーが現在地付近の店舗や場所をGoogle検索したときに表示される、検索結果のことだ。
▼ 参考:Google公式より引用
ユーザーが現在地付近の店舗や場所を検索すると、Google マップや Google 検索などを横断してローカル検索結果が表示されます。たとえば、モバイル デバイスで「イタリア料理レストラン」を検索すると、ローカル検索結果として、ユーザーが行きたくなるような近くのレストランが表示されます。
localとは「場所の、位置の」という意味だから、一言でいえば「ローカル検索=場所検索」である。
ローカル検索は、「ローカル検索とは?順位決定の仕組みと上位表示するための対策を解説」にて解説しているので、あわせて参考にしてほしい。
ローカル検索をユーザーはどのように使っていて、MEOはビジネスオーナーにどんなメリットをもたらすのか。続けてみていこう。
MEOの取り組みがもたらすメリットを端的に表現すれば、
「新規顧客・海外観光客の集客から、来店客の常連化まで、幅広い集客と関係づくりが可能」
ということに尽きる。
まず、Googleのローカル検索は、日本国内の多種多様なユーザーが利用している。年代やカルチャーを問わない。
そのうえ、Googleは、世界共通の検索ツールでもある。
MEOへの取り組みは、以下のユーザーへのリーチを可能にするのだ。
● 10代〜80代以上まで幅広い層の人々
● 北海道から沖縄まであらゆる地域
● 海外からの観光客
● 日本に住む非日本語ネイティブの外国人
Googleの普及性とともに踏まえておきたいのが、ユーザー行動の変化である。
出先で店舗やサービスを探すとき、[近くの○○]や[地名 ○○]といった検索行動が、習慣化している。
あなた自身にその習慣があれば、よくご存じだろう。
もし、習慣がなければ、お手元のスマホでGoogleを開き、検索ボックスに[近くの]と入力してみてほしい。
さまざまなサジェストワード(検索候補の語句)が表示され、多くのユーザーが検索していることがわかる。
参考までに、[近くの○○]の検索回数が、顕著に増え始めたのは2016年頃からだ。
出典:Google トレンド
2023年の今、MEOに取り組む意義は大いにあるといえる。
詳しくは後述するが、MEOで使用するのは、Googleが提供する「Google ビジネス プロフィール」という機能だ。
ビジネス プロフィールでは、ローカル検索結果に表示させる営業時間や臨時休業、お店の紹介文や写真などを管理できる。PRツールとして、利用価値が高い。
出典:gmb.pdfを改変
街や駅の広告看板やチラシ投函などはコストがかかるが、Google ビジネス プロフィールは、無料で利用できるのもポイントだ。
MEOで目指すのは、ユーザーが現在地や場所指定で検索したローカル検索結果ページで、上位に表示されることだ。
たとえば、以下は[東京の公園]で検索した例である。
上記の順位で表示されているが、このランキングは、どのように決まるのだろうか。それを知ることが、MEOの第一歩である。
大きく分けて、3つの要因がある。
● “ユーザーが探しているもの”とのマッチ度
● 検索された位置や指定された場所からの距離
● 知名度・目立ち度・存在感
それぞれ見ていこう。
1つめの要因は「“ユーザーが探しているもの”とのマッチ度」である。
ユーザーがGoogleで検索するときには、何かを探していて、達成したい目標がある。
Googleは、ユーザーが使用した語句、前後の検索、時間帯、その他のユーザーの行動履歴などを踏まえつつ、“ユーザーが探しているもの”を判別する。
その後、検索結果として表示可能な選択肢のうち、“ユーザーが探しているもの”に最も適合するのはどれか判別し、最もマッチ度が高い順にランキングする。
そのランキング順に表示されたのが、検索結果ページである。
2つめの要因は「検索された位置や指定された場所からの距離」である。
ユーザーが検索したときの位置情報と、表示可能な選択肢の場所が、どれだけ近いかをGoogleは考慮している。
あるいは、場所が指定された場合(○○駅など)は、その場所との距離を、ランキング要因として利用している。
距離が近ければ近いほど、上位に表示されやすくなる。
3つめの要因は「知名度・目立ち度・存在感」である。
Googleには、できるだけ代表的な模範解答をユーザーに提示したい意図があることを踏まえると、理解しやすいだろう。
たとえば、東京に遊びに来た観光客が[上野駅 公園]と検索したとする。
同じ上野駅の近くにある公園のなかでも、「台東区立西町公園」より「上野公園(上野恩賜公園)」のほうが、模範解答だ。
以上がローカル検索におけるランキング要因である。
MEO対策に取り組むときには、
「上記の3要素を高めるために、何をすべきか?」
という視点を、常に忘れないことが大切だ。
ここからは、MEO対策の実践の話に移ろう。
まずやるべきことは「Google ビジネス プロフィールを充実させる」だ。
“ユーザーが探しているもの”とのマッチ度が、検索順位を上げるために重要、という話をしたが、ユーザーとマッチングしてもらうためにプロフィールが必要となる。
このあたりのロジックは、マッチングアプリと同じだ。
プロフィールの写真、自己紹介文、スペック情報などを充実させることで、マッチングされやすくなる(=ローカル検索結果に表示されやすくなる)。
「Google ビジネス プロフィール」は、その名のとおりプロフィールのビジネス版で、店舗やサービスのプロフィールを設定できる機能である。
最初に、Google ビジネス プロフィールを作成する流れを、簡単に見ていこう(重要なポイントは、別途、後ほど補足説明をする)。
まず、パソコンで Google アカウントにログインする。Google アカウントを持っていない場合は、新しく作成しよう。
ログインした状態で[プロフィールの作成]にアクセスすると、以下の画面遷移となる。
(1)ビジネスの名前(店舗名や屋号など)を入力する。
(2)ビジネスカテゴリで業種を入力する。
(3)接客対応する実店舗や拠点を構えているかを選択する。
(4)ビジネスのサービス提供地域を入力する。
(5)電話番号とWebサイトのURLを入力する。
(6)Googleからの通知を受け取るか選択する([はい]が推奨)。
(7)オーナー確認のための住所を入力する(ここで入力した住所に郵送で確認コードが記載されたハガキが届く)。オーナー確認の方法は他にもオプションがある。詳しくはこちら
▼ 参考:
(8)営業時間を追加する。
(9)DM機能を利用するか選択する([有効にする]が推奨)。詳しくはこちら
(10)ビジネスの説明を追加する。
(11)ビジネスの写真を追加する。
(12)広告掲載やドメイン取得のGoogleからのレコメンドが表示されることがある。必要なければ[スキップ]で問題ない。
(13)以上で一通りの設定が完了となる。
[続行]をクリックすると、前の画面で設定した内容を再編集できる画面へ遷移する。
オーナー確認の手続きが済むと、Googleで検索結果に表示されるようになる。
多くの場合、オーナー確認の審査が必要となります。こうした審査は、すべてのプロフィールで整合性を維持するのに役立ちます。審査には 7 営業日ほどかかる場合があります。
オーナー確認についての詳細は、Google公式の「Google でオーナー確認を行う方法」を確認してほしい。
検索ユーザーとのマッチング度を高めるためには、プロフィールの充実がカギとなる。具体的に4つのポイントを意識しよう。
最初に[ビジネスカテゴリ]の選択画面が表示されるが、適切なカテゴリを選ぶことが重要だ。
ユーザーが[近くの○○]と検索したときの、○○にあたるワードがビジネスカテゴリと一致していると、検索上位に表示されやすくなる。
広すぎるワード(例:スタジオ)では、マッチング度が下がる。逆に狭すぎるワード(例:リラックスヨガ専門スタジオ)では、検索される数が少ない。
● スタジオ → × 広すぎる
● リラックスヨガ専門スタジオ → ×狭すぎる
● ヨガスタジオ → ◎ちょうどよい
入力欄に一部のテキストを入力すると、候補が表示される。候補を見ながら、最適なカテゴリを選ぼう。
Google公式の「ビジネス プロフィールのカテゴリを選択する方法」も、チェックしておこう。
プロフィールは、未入力の項目があっても作成できるが、すべての項目を埋めるようにしよう。
内容に間違いがなく、正確であることも重要だ。
● 住所
● 電話番号
● 営業時間
これらの情報がないと、検索結果に表示されにくくなるし、表示されてもユーザーが来店しにくい。
また、選択した業種によって、提供する料理メニューやほかの属性を追加・編集できる。詳しくは「ビジネス プロフィールの属性を追加、編集する方法」を確認してほしい。
[ビジネスの説明を追加]で入力する説明文は、極めて重要度が高い。
750字の上限ギリギリまで、みっちりと説明文を書こう。その際に、ユーザーが検索時に使うキーワードを散りばめることを意識する。
説明文内にあるワードと、検索キーワードが一致したときに、検索結果に表示される可能性が高まるからだ。
どんなキーワードが検索時に使われているのか調べるためには、無料のキーワードリサーチツール「ラッコキーワード」が便利だ。
▼ [タイ料理]で調べた例:
出典:ラッコキーワード
4つめのポイントとして、写真は、検索結果ページに表示されることがあるため、ユーザーがクリックしたくなる写真を選ぶ。
ユーザーが探している対象物であることが視覚的に伝わること、しかもそれが魅力的に映ることが必要だ。
たとえば、[ヨガスタジオ]なら“ヨガ”と伝わり、スタジオの雰囲気や清潔さなど、アピールポイントがわかる写真を選ぶ。
[タイ料理]なら、いかにもタイ料理とわかりやすい定番の料理で、見るからに「おいしそう!」と言ってしまう写真が最適だ。
ビジネス プロフィールのオーナー確認が完了し、無事に検索結果に表示されるようになったら、次に取り組むことは「高評価の口コミを増やす」である。
Google公式に、以下のとおり明記されている。
Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。
「知名度・目立ち度・存在感」がランキング要因となっていることは、先に述べたとおりだ。その指標のひとつとして、口コミ数とスコアが使われている。
★4.3(2.4万件)の上野公園と、★3.5(214件)の西町公園では、上野公園のほうがランキングが高くなるのだ。
高評価の口コミを獲得できればMEO効果が高まるわけだが、サクラ・やらせなどの行為はもちろん、口コミ操作とGoogleに疑われるアクションの一切は、控えてほしい。
なぜなら、Googleは機械学習アルゴリズムを使って口コミを管理しており、詐欺・不正行為を厳しく排除しているためである。
▼ 参考:Googleブログより引用
Google は、ユーザーが目にする情報、特にクチコミは、すべてのユーザーにとって信頼できるものであるべきだと考えています。Google は常にシステムを改善し、マップから不正なクチコミを含む悪用をなくすために努力を続けています。この領域における Google の取り組みは終わることがありません。
安易な気持ちで、自作自演の口コミをしたり、来店していない家族や友人に口コミを依頼したりするのはやめよう。
不正行為としてGoogleから低評価を受ければ、検索結果に表示されなくなる危険がある。ビジネスに対して大きな悪影響だ。
本当の顧客による自然な口コミを増やすためのアイデアを紹介しよう。
WordPressでサイト運営をしていれば、Googleの口コミを表示できるプラグインがある。
参考:GoogleマイビジネスのレビューをWordpressで表示できるプラグイン
自サイトにGoogleの口コミが掲載されていれば、顧客に口コミの存在を知らせることができ、口コミするきっかけを作れる。
ユーザーは、来店きっかけとなったサイトに口コミする傾向がある。たとえば、食べログで知った店の口コミは食べログでするし、Twitterで知った店の口コミはツイートでする。
Google経由の顧客を増やすためには、引き続きMEOに注力するほか、Google広告を活用する手もある。
広告予算を確保できる場合は、検討してほしい。
参考:気軽に利用できるオンライン広告で顧客を増やしましょう | Google 広告
Googleの口コミには、返信ができる。
顧客との関係構築に役立つほか、誤解などによって低評価の口コミが投稿された場合、返信によって誤解が解ければ、ユーザーが口コミを修正してくれる可能性がある。
詳しいやり方は「Google でクチコミを読んで返信する方法」を参照してほしい。
「口コミをしたい」というモチベーションは、ユーザーが「ほかの人に伝えたい!」と感じたときに、生まれる。
どんなときに伝えたくなるかといえば、ポジティブであれ、ネガティブであれ、何かしらの驚き体験があり、感情が強く動いたときだ。
高評価の口コミを増やすためには、「うれしいサプライズを作ること」がカギとなる。
想像していたよりもおいしい料理、思ってもみなかったサービス、びっくりするほどの満足感——。
顧客にとって想定外のうれしい価値を、届け続けよう。気づけば、口コミに高評価が蓄積されているはずだ。
最後に3つめとして、「自サイトのページを検索順位の上位に表示させる」ことである。
Googleの公式に以下の記述がある。
ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、検索エンジン最適化(SEO)の手法も適用できます。
ローカル検索結果のランキングを決める際に、通常の検索結果ページで上位に表示されているサイトのほうが、知名度が高いと判定されるのだ。
ここまでに解説してきた、ビジネス プロフィールの設定や、口コミ評価に比較すると間接的ではあるが、意識したいポイントである。
通常のSEOに初めて取り組むという方には、「SEO対策ビギナーズガイド 基本と実践方法」がおすすめである。
以下の内容を体系的に学べるため、スピーディに成果を出しやすい。
● 1章:検索アルゴリズムとは
● 2章:キーワード選定
● 3章:オンページSEO
● 4章:テクニカルSEO
● 5章:被リンク獲得
● 6章:SEOの効果測定
● 7章:SEOに関するよくある質問と回答
こちらのページからアクセスできる。
本記事では「MEO」をテーマに解説した。
▼ 3つのMEO対策
● (1)Google ビジネス プロフィールを充実させる
● (2)高評価の口コミを増やす
● (3)自サイトのページを検索順位の上位に表示させる
まずは(1)の Google ビジネス プロフィール を充実させるところから、すべては始まる。さっそく[プロフィールの作成]のページから、プロフィールの作成をスタートしよう。
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