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11/27水19:00〜20:00
「AMPってなに?導入したらSEOに効果があるの?」
サイト運営の初心者の中には、こんな疑問を持つ人がいるのではないだろうか。
AMP(アンプ)とは、モバイルページを高速表示させるためのフレームワークのこと。
モバイルページを瞬時に表示させ、ユーザーの利便性を高めるために用いられる。
かつてはGoogleがAMP化しているサイトを高く評価するという優遇措置を取っていたため、多くのWebサイトがSEO対策のために導入を検討したが、2021年6月その優遇措置が終了した。
この記事では、AMPの仕組みやSEO効果、優遇措置終了後のメリットとデメリットを、初心者にもわかりやすく解説する。
この記事でわかること |
・AMPとは|仕組みとSEOへの影響力 |
Googleの指標が多様化し、優遇措置も終了した現在、AMPは “すべてのサイトに導入すべきもの” という位置づけではなくなった。
記事後半では、「それでもAMP化を検討する価値があるのはどんなサイトか?」について言及するので、高速表示に興味のある人は参考にしてほしい。
まずはAMPの仕組みから、順に読み進めてしっかり把握していこう。
目次
AMPとは何なのか?
仕組みやSEOへの影響力を解説しよう。
AMP(Accelerated Mobile Pages)とは、Webページの表示を高速化させる手法のことだ。
2015年にGoogleとTwitterが共同してAMPプロジェクトを立ち上げた。
たとえば、あなたはスマートフォンでWebサイトを見ているとき、読み込みの遅さに苛立ちを覚えたことはないだろうか?
特にPCに慣れている人ほど、スマートフォンサイトは読み込みが遅いと感じやすく、待ちきれなくて、ページを離脱してしまうユーザーも少なくない。
そこで、モバイルサイトの読み込み速度や表示速度を高速化し、ユーザーの体験を快適にしようとして始まったのがAMPだ。
AMPを導入したWebサイトでは、導入していないWebサイトの4倍の速度でWebページが表示されるので、ユーザーにストレスを与えず、離脱を防ぐといわれている。
AMP対応しているWebページは、HTMLやCSS、画像などのファイルを、GoogleやTwitterのサーバーに一時的に保存ができる(キャッシュ)。
ユーザーがAMP対応しているWebページのURLをクリックすると、GoogleやTwitterに一時的に保存されていたキャッシュが表示される仕組みだ。
通常、AMP対応をしていない場合は、ユーザーがWebページのURLをクリックしてからファイルの読み込みを始める。順々に読み込んでいくため、リクエスト数の数やファイルサイズに応じて重たくなり、全てのファイルを読み込むまでに時間がかかってしまう。 |
AMP対応していれば、Webページのファイルの読み込みを1から行う必要がないため、Webページの表示速度が上がる。
AMPを導入しても直接的なSEO効果は望めないが、遅いページをAMP化することでページ速度が改善し、ランキングに影響を与える可能性はある。
Googleは2021年4月、AMPの優遇措置を終了することを発表した。(実際に終了したのは6月)。
それまでGoogleは、スマートフォンやタブレットの表示速度改善にAMPの導入を推奨し、AMPに対応するサイトに下記のような優遇を行ってきた。
【Googleの優遇措置(2021年6月以前)】 ・GoogleニュースにAMPバッジ(ページがAMP化されていることを示す雷マークのこと)が表示される |
優遇措置の終了で、現在はAMPバッジは廃止され、モバイルサイトの検索結果上部に表示されていた「トップニュース」枠も、全てのコンテンツが平等に評価され表示されるようになった。
AMP化されているページ(サイト)が、今後も検索結果に表示される点には変わりはないが、優遇されていた時期とは違い、その他多くのページと同様に評価され表示順が決定されるので、現在、AMP化することに以前ほどのメリットはないと言わざるを得ない。
しかしながら、動作が速いということはユーザー体験が大きく改善するということであり、使い方次第ではサイト改善やコンバージョン率の向上などSEO効果にも期待が持てる。
Googleの優遇措置終了後における、AMP導入のメリット、そしてデメリットを次章から詳しくみていこう。
ここもチェック! 新たな基準としてGoogleが重要視していくと明示したのが「ページエクスペリエンス」だ。 『ページ エクスペリエンスとは、ユーザーがウェブページで操作を行った際の、情報そのものの価値以外に関するエクスペリエンスの尺度となるシグナルのセットです。これには、ウェブに関する主な指標(ページの読み込みパフォーマンス、インタラクティブ性、視覚的安定性に関する実際のユーザー エクスペリエンスを測定する指標のセット)が含まれます。また、モバイル フレンドリー、HTTPS、煩わしいインタースティシャルに関するガイドラインといった既存の検索シグナルも、これに含まれます。』 2021年6月より段階的に導入された「ページエクスペリエンス」は、2022年現在、ランキングシグナル(検索順位決めの指標)に与える影響はまだそこまで高くないが、将来的には重要視される可能性も低くないので、注視が必要だ。 |
Googleの優遇措置が終了しても、AMPを導入するメリットといえる点は2つある。
・クリック後の離脱が減る可能性がある
・検索結果の表示順位が上がる可能性がある
ただし、このメリットは表示スピードの向上によるものなので、今の時点で表示スピードが十分早いという場合は意味がない。
そのことを頭に入れた上で、読んでいってほしい。
AMPを導入することで、Webサイトをクリックした後の離脱率が下がる。
先述のように、AMPでは事前にキャッシュしたページ情報をそのまま表示するため、通常より読み込みが早く、素早い表示が可能だ。
表示にかかる時間が短くなるので、長い待ち時間というストレスがなく、クリック後に離脱するユーザーは少なくなる。
実際、2018年のGoogleの調査で、モバイルページの読み込みに3秒以上かかると、53%のユーザーが離脱することが明らかになっている。
とはいえ、先述のように、今のページ表示スピードがさほど遅くない場合は、読み込みの遅さからの離脱者は元々少ないと考えられ、AMP導入の恩恵は少ない。
必ずしも断定はできないが、検索結果の表示順位が上がる期待も持てる。
Googleは、AMPであるかどうかは検索ランキングに影響することはないとしつつ、一方で「表示スピードはランキングに影響する」とも発表している。
『AMP であるかどうかが直接 Google 検索のランキングに影響することはありませんが、スピードはランキングに影響します。』 |
AMPの導入に直接的なSEO効果はないとしても、モバイルサイトの読み込み速度や表示速度を高速化し、ユーザーの体験を快適化することで、結果的に、検索の表示順位に良い影響を及ぼす可能性も全くの0ではない。
ただし、ページスピードは評価の1要素に過ぎない。可能性は0ではないのでメリットとして紹介したが、検索結果の順位を主な目的として実装をするのはおすすめできない。
AMPで検索結果の表示順位が上がるというのは、あくまで実装の上での副産物と捉えておいた方がいいだろう。
一方で、AMPの導入にはいくつかのデメリットがあることを知っておいてほしい。
・運用に手間がかかる
・ページデザインが崩れてしまう可能性がある
・広告制限でコンバージョンが減少する可能性がある
それぞれ解説していこう。
まず、ひとつめのデメリットは、運用に手間がかかることだ。
AMP用のページを作り、適切に管理運用するためには、時間と人、つまり「人件費」がかかる。
AMPを導入すると、AMP化したページと本来のページの2ページを作成する必要が生じる。
ページ数に応じて管理データも増加するため、管理し続けるには、多くの手間がかかるのだ。
管理面での手間の増加、すなわち「人件費」の負担は、AMP導入に踏み切れないサイト運営者が多い大きな理由だろう。
コストによっては、AMP対応することの方が差し引きで考えてマイナスになってしまった、というケースもあり得る。
但し、WordPressで構築したサイトであれば、専用のプラグインを導入することで自動的にAMPページが生成されるため、こうした負担はない。
ページごとのAMP切り替えも比較的簡単にできるので、WordPressのサイトを運用しているのであれば、運用の手間はそこまで気にしなくてもいいだろう。
AMPの導入で、Webページのデザインが大幅に崩れてしまう可能性がある。
AMPでは通常のHTMLと異なる方法でHTMLやCSSを記述するため、従来のHTMLや外部CSS読み込み、JavaScriptやjQueryなどが利用できなくなるからだ。
ニュースサイトや情報サイトなど、テキスト中心のコンテンツであれば影響は少ない。
しかしながら、ページデザインにこだわったサイトの場合、AMPの導入で本来のデザインを表示できなくなることは、大きなデメリットといえそうだ。
AMPページには広告制限があり、限られた広告しか表示できない。
広告によってはAMPページに全く表示されない場合もあるため、コンバージョンが減少する可能性がある。
たとえば、アフィリエイトサイトを運用している場合、AMPに対応していない広告は表示されないので、広告収益が減ったり、ゼロになったりすることも考えられる。
AMP化はモバイルページを高速表示できるという大きなメリットがあるものの、手間や制限が多く、優遇措置も終了した現在、必ずしも「すべてのサイトに導入すべきもの」という位置づけではない。
とはいえ、先述のメリットもあるので、次のようなサイトでは導入を検討してみるのも一案だろう。
①記事コンテンツがメインのサイト(AMP化によるページデザインの崩れの心配が少ない) |
②AMPの導入によるコーディング(※)の手間や口数が負担にならないサイト |
③広告を収益化していないサイト(AMPには広告制限があるため) |
④Wordpressのプラグイン導入だけでAMP化ができるサイト(手間をかけずに導入できる) |
(※)コーディング:作成されたデザインを元にHTMLやCSSなどのマークアップ言語で見出しをつけたり、リンクを設定したり、文字を太くしたりして、制作したデザインをブラウザで見える形にすること
高速表示に興味があって、これら4つの条件にあてはまるサイトなら、AMP化の恩恵を享受できる可能性はある。
WebサイトにAMPを導入する方法は、WordPressサイトとそうでないサイトで方法が異なる。
ここでは、比較的簡単な、Wordpressの環境でAMPを導入する手順を紹介する。
【Wordpressの環境でAMPを導入する手順】
手順1|WordPressの公式プラグイン「AMP」をインストール&有効化 WordPressのプラグイン新規追加画面で「AMP」で検索し、作成者が「AMP Project Contributors」となっているプラグインをインストールする。 |
手順2|WordPressのダッシュボード左側のメニューの中に追加された「AMP」をクリック |
手順3|設定画面が表示されたら、AMPの設定を行う |
手順4|テンプレートモードを選択 |
手順はこれで完了となるのだが、実際のところ、WordPressにAMPプラグインを導入しただけでは、サイトのAMP化がスムーズに運ばないことも少なくない。
デメリットで解説したような、デザインの崩れや、広告タグがAMPに対応していないことによる広告非表示などのトラブルが起きがちだからだ。
AMP対応が不完全なサイトでは、Webページをスクロールしてもサイトが表示されず真っ白になることもある。
こうしたトラブルを避けるためにも、AMPプラグイン導入前には事前調査をして、AMP導入後の影響や自社サイトとの相性をしっかり検討した方がいいだろう。
ここもチェック! WordPress以外でAMPを導入する場合は、AMPに必要なタグや、機能を記述したHTMLコードを作成することになる。 詳しいコードの記述方法については、以下の記事で詳しく解説されているので参考にしてほしい。 |
AMP(アンプ)とは、Webページの表示を高速化させる手法のことだ。
かつては、GoogleがAMP化しているサイトを高く評価するという優遇措置をとっていたため、高いSEO効果が期待できたが、今は全てのサイトで取り入れるべきものという位置づけではなくなった。
特に、画像や動画がメインコンテンツである場合や、デザインを重視したサイトには、AMP化はおすすめできない。表示崩れが起きたり、正しく動作しなかったりするからだ。
またAMPの導入には手間がかかるため、コストによっては、AMP対応すると総体的にマイナス面の方が大きいということもあり得る。
導入を考える場合は、メリットとデメリットをよく読み、自社サイトとの相性も含めて検討しよう。
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