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12/18水13:00〜15:30
他の店が、同じような商品を売っていたら、ほとんどの方は、「自分も下げなければいけない」と感じてしまう。
しかし、低価格競争に巻き込まれた状態で、一度、価格競争力を失ってしまったら一貫の終わりだ。
つまり、低価格戦略は非常にリスクが高いのだ。従って、私は自信のある商品を扱っているのなら、少しでも高く売りたいと思う。
そして、「どうすれば商品を高く売れるようになるのか?」その方法を研究し、実践してきた。
本日は、その中で、特に有効だと感じているものを7つご紹介する。
目次
最新の研究によると、人は商品の実際の価格よりも、その商品を使うことによって得られる時間(経験)に対して、より強い関心を持っている。つまり、商品そのものよりも、その後の時間(経験)に焦点を当てて伝える方が高く売れるのだ。
プリンストン大学のエイカー教授は、この理論を証明するために、公園で6才の息子2人にレモネードスタンドを運営させてみて実験を行った。その際、通行人に以下の3つの売り文句を言うように伝えた。
そして、レモネードの価格は、1ドル〜3ドルの間で、お客さん自身に選んでもらうようにした。結果、それぞれのケースで、実際にお客さんがレモネードに対して払ったお金は以下の通りだ。
お金にフォーカスさせるような言葉よりも、その商品を手に入れることによって、どのような時間を過ごせるか?(経験)にフォーカスさせた場合の方が、2倍もの料金を払った。商品は、同じレモネードであるにも関わらず!
商品をもっと多く、もっと高く売りたいなら、「あなたの商品を手に入れることによって、どのような時間(経験)を手に入れることができるか」を伝えよう。
※ただし宝石やブランドもののファッションなどの高価なものの場合、お金にフォーカスして「お得感」を伝える方が効果的な場合が多いという点も抑えておこう。
人は、最初に印象に残った数字や言葉が後の判断に大きな影響を受ける。そして人間のそうした習性のことを、「気まぐれな一貫性」と呼ぶ。詳しくお話しよう。
MITのドレーゼン教授が55人の生徒に対して行った実験がある。
彼は、ワインや、PCのキーボードや書籍、ベルギーチョコレートなど4つの商品について説明し、それらの商品リストを生徒全員に配った。それぞれの商品の横には空白の価格欄が用意されており、そこに各生徒自身のクレジットカード番号の下2桁を紙に書かせた。
※例えば、最後の2桁が79だった場合は79ドル(7000円)と記入する。
そして、それぞれの商品を、その価格で買いたい場合はマルを、その価格では買わない場合はバツをつけさせた。 さらに、それぞれの商品に対して最大でいくらまでなら出せるか「入札額」を書いてもらった。
研究室にそのデータを持ち帰り分析したところ、最初に書かせた下2けたの番号が、明らかに最後の入札額に影響を与えていたのだ。具体的には、下2桁が80〜99の生徒たちの入札額は平均56ドルで、下2桁が1〜20の生徒たちは平均16ドルだった。
この実験は、人がいかに簡単に価格アンカリングにかかりやすいかを証明している。
ECサイトでは、このアンカリングを効果的に使うことで購入率を高めることができる。例えば、育毛剤を5980円で売りたいなら、最初は定価の9800円で見せておき、商品をカートに入れる直前の、商品詳細ページのところで本当の価格を見せる。
すると、ユーザーは最初の価格でアンカリングがかかっているので、強いお得感を持ってもらうことができる。
※他にクロージングの成約率を高める手法に関しては、「私の成約率を5倍にしたクロージング手法」も、参考にしていただけると幸いだ。
カーネギー・メロン大学、スタンフォード大学、MITの共同研究によると、人はお金を払う時、脳内では物理的な痛みを感じている時と同じ反応が起こっている。
当たり前のことかもしれないが、自ら進んで痛みを求める人間はいない。
例えば、確実に8千円を手に入れるか、85%の確率で1万円を手に入れるかのどちらかを選べと言われたら、ほぼ全員が前者を選ぶ。
しかし、確実に8千円を失うか、85%の確率で1万円を失うかのどちらかを選べと言われると、後者の方が損失期待値が大きいにも関わらず、人は後者を選ぶ。
従って、お客に与える痛みをできるだけ少なくするために、複数の商品を、パッケージ化してしまおう。例えば、
シャツ:9980円 ネクタイ:6980円 ポケットチーフ:2980円
とバラバラに見せるのではなく、全てを組み合わせて19800円とした方が、お金を払うことに対する痛みを感じる回数を一回に抑えることができる。
※こうした販売手法のことをバンドリングと呼ぶ。
人は、欲求よりも痛みの方に強く反応する。そのため、商品を高く多く売ることを目指すなら、商品の良さを伝えて欲求を高めると同時に、お金を払うことに対する痛みをできるだけ小さくするように心がけよう。
1800年代に活躍したドイツの物理学者ウェーバーの「ウェーバーの法則」は、あなたの商品を値上げする正しい方法を教えてくれる。
現在では、このウェーバーの法則が、マーケティングの世界、特に日用品や服などの消費物業界で適用できることが分かっている。詳しくお話すると、人は10%以内の価格の変化に対しては、反応を示さないということだ。
例えば、あなたはスターバックスが、少額の値上げを何度も行っていることをご存知だろうか?直近の事例で言えば、2011年に、Sサイズのスターバックスラテを320円から340円に、ドリップコーヒーを290円から300円に値上げしている。
どちらも、最も注文数が多い商品の1つだ。
また、その前にも2008年に一部の商品の値上げを行っている。このように、スターバックスは、数年ごとの短いスパンで、最も注文数が多い商品群の中から、いくつかを定期的に値上げしているのだ。
しかも、値上げ幅は、どれも面白いぐらいに10%以下に収まっている。
しかし、今では、あなたの周りでも「スターバックスが値上がりした!」と不平不満を漏らしている人はいないはずだ。このように商品の価格を上げたいのであれば、じっくりと少しずつ上げて行こう。そうすれば、販売数は減らさずに売上を伸ばすことができるようになる。
経済学をかじったことがある方は、「物の価格は需要と供給のバランスによって決まる」と教えられたはずだ。
そして、自由経済の中では、全ての人間は論理的に購買判断をするので、「神の見えざる手」によって、需要と供給のバランスは最適化され、商品の価格は売り手と買い手の双方の便益が最大化される場所で固定されると、、、。
シカゴ大学のリチャード・テイラー教授は、こうした従来の消費者行動に対する理解をひっくり返す面白い実験をした。
ある暑い日のビーチで、ある有名銘柄のビールの販売実験だ。その際、あるお客に対しては、「このビールは、あそこの高級ホテルから持って来たものです。」と伝え、また別のお客に対しては、「このビールは、ダウンタウンの古びた居酒屋から買って来たものです。」と伝えた。
従来の理論であれば、商品の実際の価値が変わらないので、どちらも同じ価格でビールを買うことが予想された。しかし、実験の結果、同じビールであるにも関わらず、前者のお客は、より高いお金を支払った。
つまり、同じような商品であっても、その背後にある「ストーリー」を変えるだけで、より高く売ることができるのだ。
ウェブ上でも、サイトのデザインに高級感を与えたり、お問い合わせフォームの見栄えを良くしたりなどの視覚的情報を変更するだけで、今までよりも高価格帯の商品が売れるようになったり、顧客一人当たりの購買単価が上がる。
人は、価格そのものよりもパーセンテージに強く反応する。
詳しく説明するために、まず2つ質問させて欲しい。
実際に、この実験が行われた。結果は、どちらも500円の得という事実は変わらないにも関わらず、前者の場合は、ほとんどの人が安い店に行くことを選んだ。しかし、後者の場合では、ほとんどの人が店を変えなかった。
その理由はパーセンテージにある。
前者は、料金の25%も得する一方で、後者は料金の2.5%の得にしかならない。つまり絶対値ではなく、パーセンテージの大きさが人の行動を変える。つまり、お得感を高めるには、大きなパーセンテージで見せる必要があるということだ。
例えば、以下の2つを見比べて欲しい。
同じ商品であるにも関わらず、後者の方がずっと魅力的に見えることだろう。このように、割引価格などの表示は大きい数字でパーセンテージで表示するようにしよう。すると、同じ商品でも高く売れるようになる。
最後に、文字情報が大部分を占めるEコマースにとって、ほんの小さな言葉遣い1つでお客の反応は大きく変わる。
カーネギーメロン大学の、スコット・リック教授と、ジョージ・ローウェンスタイン教授は、あるDVDプログラムのお試しキャンペーンの時に、以下の2つの文言を使って、コピーライティングの簡単なテストをした。
結果は、「たったの」という言葉を入れただけで、コンバージョン率が20%も上がった。
このように、サイト内で使う文言の1つ1つに、しっかりと気を配ろう。たったのそれだけで、同じ商品でも売れ行きが全く変わる。
最後に、それぞれのポイントの要点を簡潔に振り返ってみよう。
ぜひ、セールスの参考にして頂きたい。
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