去年と同じことをやっているのに、PVは2〜3割落ちている。記事を増やしても、もう以前のように伸びない。それでも社内では「次は何をやる?」と聞かれる。答えに詰まる。打ち手が見えない。
以前と状況が変わった理由はシンプルだ。人々がGoogleではなくAIで調べるようになった。
ChatGPTの週間利用者は、2024年10月の2.5億人から、2026年2月には8億人に増えた。世界の10人に1人が、毎週AIで調べ物をしている。これまでのSEOが前提にしていた「検索結果からサイトを訪問する」という行動そのものが、急速に消えつつある。
この変化はこれからも進む。PVは戻ってこない。
これからのWebマーケティングは、まったく別のやり方が必要になる。キーワードは「地引き網から一本釣りへ」だ。
この記事では、なぜ今までのSEOが機能しなくなったのか、これからの時代に何を揃えるべきかを、具体的に解説する。読み終わるころには、PVが落ちて報われない構造から、自社が抜け出すための一歩目が見えているはずだ。
※ 「魚」「釣る」という比喩を使いますが、ユーザーを単なる獲得対象として捉えるのは、あまりに敬意を欠く見方だと考えています。あくまで構造説明のための比喩としてご理解ください。
目次
これまでのSEOは「地引き網」だった
なぜ、PVがこんなにダイレクトに落ちるのか。
それは、これまでのSEOが地引き網漁のようなやり方だったからだ。
検索されそうな言葉を広く拾い、関連記事を大量に作り、検索結果の上のほうに自社サイトをずらっと並べる。網を広く張るほど、たくさんの人がサイトに来る。来た人のうち、ごく一部が問い合わせてくれる。
この構造の中で、多くの会社が成果を出してきた。バズ部自身、700社以上の支援でそうだった。
ただ、AIの登場で、海そのものが変わった。これまで網を張っていた場所に、もう魚が集まらない。そこに網を広げ続ければ、当然、獲れない。
PVをいくら追いかけても報われない本当の理由は、ここにある。
これからは「一本釣り」の時代
AI時代のマーケティングは「一本釣り」に近い。狙った魚を、ピンポイントで、1匹ずつ釣り上げる。
昔は「相続 税理士」と2語で検索していた。今、AIに相談する人はこう聞く。
「父の相続で、不動産が1億円以上あるんだけど、生前贈与でうまく節税したい。東京で、女性の相続人の気持ちもちゃんとわかってくれる税理士を教えて」
ものすごく具体的だ。そしてAIは、その人の状況にあった結果だけを推薦する。
ユーザーは、自分にぴったりだと思った会社だけにそのまま問い合わせる。
これが一本釣りの世界だ。
ただし、厳密に言えば、現時点ではまだ「完全な一本釣り」には至っていない。しかし、AIの精度は今も上がり続けている。ユーザーの相談はどんどん具体的になり、AIの推薦はどんどん絞られていく。1年後、2年後には、本当に「AIに1社だけ指名され、その1社に直接問い合わせが来る」状態に近づいていく。
今、先に動いた会社だけが、その釣り座を確保できる。
AI経由のコンバージョン率は従来SEOの35倍
一本釣りへの転換を始めた会社では、これまでと逆の現象が起きている。
バズ部が支援した大阪の士業事務所では、AI経由の月間問い合わせ数が3件から8件に増えた。注目すべきは、その問い合わせを生んだアクセス数だ。AI経由の月間アクセスは、たった227件しかなかった。
一般的に、オウンドメディアのコンバージョン率(CVR)は0.1%が一つの基準とされる。一方、この事務所のAI経由のCVRは、227アクセスで8件の問い合わせ。計算すると3.5%、従来SEOの35倍だ。
同じ1件の問い合わせを生むために、地引き網なら1,000人集める必要がある。一本釣りなら、30人でいい。
この現象は、特定の1社の話ではない。都内の司法書士事務所では、サイト全体の月間問い合わせが5件から14件、約2.8倍になった。バズ部自身も、問い合わせの1割以上がすでにAI経由。建設業のクライアントでは15%に達している。
共通しているのは、「PVは増えていない、むしろ減っているのに、問い合わせは増えている」という現象だ。
あくまで、ここで紹介した成果は「最小の成果」であることにも注目したい。
- これらの成果はどれも、施策を実行したばかりの、ごく初期の数字である。本格的に効果が積み上がるのはこれから。
- AI経由の検索行動は、まだ市場全体の10%程度でしかない。それでこの成果が出ている。AI経由の比率が30%、50%に増えていけば、成果はさらに跳ね上がる。
- ここで紹介した数字は、計測できているCVだけのもの。実際にはAIモード経由の流入など、現状の解析ツールでは正確に捕捉しきれない部分も多い。実際の成果は、数字で見えているよりも大きい可能性が高い。
つまり、今見えている成果は「天井」ではなく「始まり」だ。先に動いた会社ほど、この上昇カーブを大きく取れる。
一本釣りに必要な3つの道具
地引き網と一本釣りでは、使う道具がまったく違う。狙う魚を決め、その魚に合った釣り針を作り、専用の釣り場を用意する。順番も大事なので、この順で揃えてほしい。
道具1:狙う魚を決める
一本釣りは、海全体を相手にしない。「この魚を獲る」と決めてから海に出る。
マーケティングでいえば、「自社の強みが一番活きて、かつ競合に勝てるターゲット像」をはっきり決めることだ。
AIに相談する人々は、自分の状況をものすごく具体的に話す。「不動産1億円以上の生前贈与」「女性の相続人」のように、状況が細かい。だから、AIが「この相談には、この会社」と指名するためには、サイトに「このタイプの相談には、自社が答えです」とはっきり書いておく必要がある。
たとえば税理士事務所なら、こう絞る。
- ×「相続に強い税理士」(広すぎて、AIは具体的な相談にマッチさせられない)
- △「生前贈与に強い税理士」(まだ広い)
- ⭕「不動産1億円以上の生前贈与に強い税理士」(ここまで絞れば、AIが指名できる)
絞りすぎだと感じるかもしれない。でも、AIに指名されるのは、ここまで具体的に書いている会社だけだ。
道具2:釣り針を作る
魚を決めたら、その魚が食いつく釣り針を作る。
マーケティングでいえば、「この絞り込んだ見込み客に対して、自社が他社とどう違うのか」を、サイト上で他社より具体的に書くことだ。
多くの会社はここでつまずく。
- 「誠実な対応」
- 「豊富な実績」
- 「丁寧なサポート」
これでは釣り針にならない。どの会社のサイトにも書いてあるからだ。AIから見たら、全部同じに見える。
AIが引用して推薦するのは、「他のサイトには書かれていない、この会社にしかない情報」だ。たとえば、
- これまで対応してきた具体的な案件数
- 自社独自のやり方、他社にはないプロセス
- お客様が実際にどう成果を出したか、具体的な数字付きで
こうした情報を、徹底的に書き出してサイトに載せる。
実際、バズ部が支援したクライアントでは、このやり方で作ったページがAI検索で軒並み引用されるようになり、順位も圏外から1位に跳ね上がっている。
道具3:専用の釣り場を作る
最後に、その魚専用の釣り場を作る。
マーケティングでいえば、サイト全体を「ターゲットの知りたいことを網羅したサイト」に作り変えることだ。
「いや、それはもうやってる」と思った人ほど、一度AIに自社のことを聞いてみてほしい。たいていの場合、こんな返答が返ってくる。
「中小企業向けにマーケティング支援を行う会社で、幅広い業種に対応しており、サポート体制が充実しています」
これが、AIから見たあなたの会社だ。「同じような会社はたくさんある中で、なぜここを選ぶべきか」が、AIにはまったく判断できない状態になっている。
トップページに実績数値を載せている。サービスページで強みを語っている。それでも、AIにはこう見えている。なぜか。
サイト内の各ページが、それぞれ別のターゲットに向けて、別のメッセージを発信しているからだ。トップページは「幅広い業種対応」を謳い、サービスページは「サポートの手厚さ」を訴え、ブログ記事は「SEOの基礎知識」を解説する。これでは、AIは「この会社、結局何の専門家?」と判断できない。
AIに推薦されるサイトは、こう変わっている。
「士業・コンサル・BtoB無形サービスのWebマーケティングに特化し、商談で伝わっている強みをWeb上で再現することを得意とする会社。支援実績300社以上、問い合わせ数平均2倍アップを達成」
サイトのどこを見ても、同じ専門領域・同じターゲット・同じ実績数値が一貫して書かれている。トップページもサービスページも個別記事も、全部が「この分野の、この専門家です」と同じ方向を向いている。
これが「ターゲットの知りたいことを網羅したサイト」の意味だ。情報量を増やすことではなく、サイト全体を一つの専門領域に向けて作り変えることだ。
ここまでやって、初めてAIに「この相談には、この会社」と推薦される。
追うべき数字は、PVから「問い合わせの質」へ
ここまで読んで、こう思った人もいるかもしれない。
「じゃあ、これまでSEOで書いてきた記事は無駄だったのか」
そんなことはない。ただし、役割が変わる。
これまでの記事は「集客の主役」だった。これからは「AIに、この会社は信頼できると判断してもらうための土台」になる。AIは会社を推薦する前に、サイト全体を見て「本当に専門家か」を判断する。過去の記事の蓄積は、ここで効く。ただし、集客の主役ではなくなる。
そして、追うべき指標も変わる。
PVでも順位でもセッション数でもない。
「狙ったターゲットから、どれだけ質の高い問い合わせが来たか」
ここに指標を切り替えた瞬間、マーケターの仕事は「報われる仕事」に変わる。会議で「で、売上は?」と聞かれて詰まる構造から、抜けられる。
2026年、地引き網を畳んで、釣り竿を持てるか
これまでのSEOは地引き網だった。網を広げ、大量の人を集める戦い方。PVが正義で、記事数が武器だった。
これからのAI時代は一本釣りだ。狙うターゲットを絞り、強みを言語化し、サイト全体でその専門領域に作り変える戦い方。アクセスは減っても、問い合わせと売上はむしろ増える。
まず、自社のサイトをAIに聞いてみることから始めるといい。「うちの会社、どんな専門家?」と聞いて、返ってきた答えと、自社が「こう見られたい」という像のギャップを確認する。
そのギャップが、これから埋めていくべき仕事の全量だ。
なお、この記事で紹介した3つの道具は、AI時代のマーケティングを成立させるための入り口でしかない。実際には、サイトの構造化、エンティティ設計、事例生成の仕組み化、ターゲットプロンプトごとの計測など、18の施策を並行して動かす必要がある。ただ、秘匿性の高いノウハウも多いため、この記事で公開できるのはここまでだ。
また、AIの時代には、SEOそのものの闘い方も大きく変わりつつある。この話は別の記事で詳しく書く予定だ。
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この記事で紹介した「狙うターゲットの特定」「強みの言語化」「サイト全体の再構築」の3つの道具を、貴社の状況に合わせて90日で一括して実行します。
具体的には、次のような施策を並行して進めます。
- 勝つべきニッチ領域の特定:自社の強みが一番活きるターゲットを、議論を重ねて3つまで絞り込む
- 独自の強みの言語化とサイト反映:AIに推薦されるレベルで強みを再定義し、トップページ・サービスページ・個別ページに反映
- 事例コンテンツの量産体制構築:AIが最も引用しやすい事例コンテンツを、5分で生成できる貴社専用の仕組みを整備
- AIクローラー対応の技術施策:構造化データの実装、ページ速度改善など、AIに認識されやすい構造へサイトを最適化
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