あなたは今、集客や売上拡大のために、不動産業界でのオウンドメディア活用を検討しているところだ。
広告や自社ホームページだけのマーケティングに限界を感じているものの「不動産業界のオウンドメディアは成果が出るのか?」「どのように運用したらいいのか」疑問を抱いているのではないだろうか。
私たちバズ部では多くの不動産業界のオウンドメディア支援をしてきたが、ただ不動産業界に関するコンテンツを制作するだけでは成果を出すことは難しい。
分野を特化させて取り組むことが、非常に重要なポイントになる。
分野を特化させて戦略的なコンテンツ制作ができれば、大手メディアの多い不動産業界であっても上位表示を狙うことができる。
実際にバズ部が支援した「武蔵コーポレーション」様では、不動産投資のビジネス領域に特化したキーワードを選定し良質な記事を制作したところ、コンテンツマーケティング開始10ヶ月で14.6億円の売上を達成。
狙ったキーワードで上位表示を連発し、1ヶ月で最高65万PVを記録した。
このように、不動産業界のオウンドメディアは適切な戦略を立てたうえで、運用を開始することが欠かせない。
そこでこの記事では、不動産業界のオウンドメディアを運用するポイントや運用事例をまとめて解説していく。
最後まで読めばあなたの会社では、どのようにオウンドメディアを運用すればいいのか明確になるだろう。成果につながる不動産業界のオウンドメディア運用をするためにも、ぜひ参考にしてみて欲しい。
1.不動産業界のオウンドメディアは分野を特化させて取り組むなら有用
冒頭でも触れたように、不動産業界のオウンドメディアは、キーワードの分野を特化させて取り組むなら有用だ。
なぜ、そう言えるのか、ここでは、理由を詳しく解説していく。
1-1.不動産業界のオウンドメディアは「特化」するポイントがないと難しい
不動産業界のオウンドメディアは、特化するポイントがないと成果を出すことが難しい。
「不動産 仲介」や「不動産 売却」「物件探し」など、不動産業界のよくあるキーワードは、大手メディアで既にやり尽くされている。
試しに「物件探し」というキーワードで、検索してみて欲しい。
上位コンテンツは、見覚えのある大手メディアばかりだ。
今からこの中に入り込み、上位表示を獲得することは非常に難しいだろう。
では、不動産業界はどのような方法でオウンドメディア戦略を立てればいいのだろうか。
多くの不動産業界のオウンドメディア支援で成果を出してきたバズ部は、キーワードを特化させるうえで「特化するポイント」が必要だと考えている。
「私の会社は土地、不動産の売買しかしていないし、特化するポイントは特にない」と思った方も、ちょっと待って欲しい。
不動産業者は、次の2つのいずれかのパターンで「特化するポイント」を作ることができる。
ビジネス領域の特化 | 不動産業界の中でも特徴があるビジネス領域に特化した記事を制作 |
エリア特化 | 不動産業者が扱っているエリアに特化した記事を制作 |
なぜ、この2つのパターンで特化させるといいのか、次の章で詳しく解説していく。
1-2.ビジネス領域特化
不動産業界の中でも、不動産売買や不動産仲介、不動産管理などの一般的な業務ではなく、ビジネス領域に特徴がある場合は、一般的な不動産領域よりも検索での上位表示を獲得できる可能性がある。
一般的な不動産領域と比較すると競合サイトが少なく、まだ参入できる余地があるからだ。
一例として、下記のような特定の領域に特化したビジネスであれば、ビジネスモデルを活かしたコンテンツ制作で上位表示を狙える。
【ビジネス領域特化の例】 ・マンション投資・不動産ST(不動産投資の中でもより特化した領域が望ましい) |
実際にバズ部が支援した富裕層向けの不動産投資メディア「ウェルスハック」は「不動産投資 節税」や「ワンルームマンション 投資」など、不動産投資に関する記事を制作している。
(不動産投資領域自体は一定の競争が行われている領域だ。武蔵コーポレーション様はある程度の企業規模・知名度があるためこの領域全般で勝負を行ったが、よりニッチを攻めるのであれば、不動産投資の中でもさらに「ワンルームマンション 投資」「一棟アパート投資」など領域を限定するのが有効だ。)
開始10ヶ月で14.6億円の売上を記録して、オウンドメディアのPVも65万を達成した(詳しくは「3.不動産業界のオウンドメディア事例」で解説している)。
このように、ビジネス領域に特徴があり良質なコンテンツを制作できれば、成果の出るオウンドメディア運営ができる。
1-3.エリア特化
ビジネス領域に特徴がない場合は、基本的には「エリア特化」しか戦略がない。
エリア特化とは、特定の地域に焦点をあてたコンテンツを指す。
下記のように、地域名や駅名などと、不動産業界ならではの知見を組み合わせると、ニッチではあるがそこに住みたい方や興味のある方にとって需要のあるコンテンツになる。
また、まだまだ競合サイトが少ない領域なので、良質なコンテンツを制作できれば上位表示できる可能性がある。
【エリア特化の例】 ・「地域名」:「品川 賃貸」「豊島区 おすすめ マンション」など |
実際に筆者が引っ越し先として文京区がいいなと思いネット検索をしていたら文京区に本社を構える不動産の賃貸仲介・管理事業者が運営している「文京くらしナビ」が目にとまった。
文京区の駅名やエリアごとに、文京区について「知り尽くしていないと分からない情報」が記載されていて参考になると感じた。
例えば、後楽園駅周辺の住みやすさについては治安やアクセス、周辺環境、子育てのしやすさなどを細かく紹介。
周辺施設については下記のように写真があり、その地域に住むとどのような暮らしができるのかイメージしやすく印象に残った。
また、随所に営業の一言コメントがあり「この地域のことをよく知っている」と思え、信頼できると感じた(詳しくは「3.不動産業界のオウンドメディア事例」で解説している)。
このように、エリア特化のコンテンツを制作して、商圏に対する知見をアピールすると信頼を獲得できるチャンスになるだろう。
2.不動産業界のオウンドメディア運用のポイント
不動産業界のオウンドメディアの運用方法が分かったところで、オウンドメディア運用時に意識したいポイントを2つ紹介する。
不動産業界のオウンドメディアの成果を最大化するためにも、どのような点に注意して運用するべきか参考にしてみて欲しい。
2-1.エリア特化ではボリューム0のキーワードでも取り組むべき
エリア特化はニッチなキーワードになりやすく、Googleのキーワードプランナーで検索ボリュームが「0」と表示されるケースがある。
「検索ボリュームがないからコンテンツを制作しない」という判断はよくない。
下記の2つの理由から検索ボリューム0のキーワードでも取り組むべきだ。
Googleのキーワードプランナーでは月間検索ボリュームが0であっても、実際にはごくわずかではあるが検索が発生しているケースが多い。
特定のユーザーが検索している限りは、CVを生み出す可能性を秘めている。
また、記事を公開した結果、類似する検索意図を持った需要(検索ボリューム)のあるキーワードでも上位表示ができることがよくある。
複数の類似キーワードやロングテールワードで上位表示できれば、そこから多くの流入が見込めるだろう。
実際にバズ部では塗装会社様のキーワード設計をしたときに、「エリア」×「塗装会社」のキーワードに取り組んだことがある。
「区」「町」単位×「塗装会社」のキーワードは、ツール上では検索ボリュームが「0」だと表示されていた。
しかし、町があれば戸建て住宅があり、少なからず塗装会社のサービスを必要とするユーザーはいる。
そこで、「区」「町」単位でニッチなエリア特化キーワードを使い、質の高い記事を多く制作することにした。
単月で20記事の検索ボリューム0の記事を公開した結果、上位表示を連発し、短期間でCVを大きく伸ばすことに成功した。
この事例のように、検索ボリュームが0であってもそこに市場がある限り、興味を持つユーザーは存在する。
検索ボリュームがないキーワードを避けるのではなく、可能性を秘めたキーワードにチャレンジする姿勢を持つことが大切だ。
▼検索ボリューム0のキーワードの可能性は下記の記事でも詳しく解説している。
検索ボリュームがゼロのキーワードなのに、あなたのサイトのCVを倍増させる可能性が!
2-2.プロとしての知見を入れる
不動産業界のコンテンツを制作するときには、不動産業界に精通しているからこそ言えるプロとしての知見を入れて独自性を出すようにしよう。
具体的には、下記のような情報を意識するといいだろう。
ビジネス領域特化 | ・専門分野に特化した知識や主張 |
地域特化 | ・地域のリアルな声や写真(この道は坂が多い・夜の治安が悪いなど) |
ここでは、ビジネス領域特化と地域特化に分けて、プロとしての知見を入れた事例を紹介するので、参考にしてみて欲しい。
2-2-1.ビジネス領域特化では知識や主張を積極的に入れる
ビジネス領域特化の場合は、その領域の知見があるからこそ共有できる知識や主張を入れるといいだろう。
例えば、「ワンルームマンション投資」というキーワードで記事を制作するときに、ありきたりな情報だけを詰め込むと下記のような構成になる。
これでは「ワンルームマンション投資はやったほうがいいのか」「ワンルームマンション投資は危険なのか」判断ができず、ただ知識を増やすだけの記事になってしまう。
【プロの知見がない構成】 ・ワンルームマンション投資とは |
この構成にワンルームマンション投資への知見があるからこそ言える「ワンルームマンション投資は安易に手を出さない」という主張を入れると、下記のような構成に変わる。
【プロだからこそ言える主張を入れた構成】 ・ワンルームマンション投資とは |
「ワンルームマンション投資」で検索するユーザーが心から納得してCVするためには、認識を変えたり新たな気付きを与えたりして、感情を揺さぶる必要がある。
あなただからこそ与えられる専門性の高い内容はユーザーの気付きにつながり、記事を制作した不動産会社への信頼性獲得に大きく貢献する。
2-2-2.地域特化では地域のリアルな情報を入れる
地域特化の場合は、地域のリアルな声や写真、地域の売買事例など、キーワードの地域に特化したリアルな情報を入れよう。
その地域に根ざしていないと知り得ない情報こそが「この地域に住んでみたい」「この地域の不動産を売却したい」と考えているユーザーが知りたい情報だからだ。
バズ部が支援した「ホームセレクト」様では、店舗を構える仙台市の泉区・若林区・宮城野区の3つのエリアに特化したページを制作した。
地域の不動産売買傾向やエリアでの売却実績、売却時期のタイミングなど、その地域に詳しくないと知り得ない情報を惜しみなく発信している(詳しくは「3.不動産業界のオウンドメディア事例」で紹介している)。
泉区や若林区周辺での不動産売却を検討しているユーザーにとっては「この情報が欲しかった」と感じてもらえるので、安心して相談できると思ってもらうきっかけになる。
このように、ただ単に不動産業界に関する情報を発信するのではなく、あなただからこそ言える情報を取り入れるようにしよう。
3.不動産業界のオウンドメディア事例
ここからは。不動産業界のオウンドメディアの事例をご紹介する。
オウンドメディアごとの特徴や成果もまとめているので、不動産業界のオウンドメディア運用の参考にしてみて欲しい。
企業・サイト名 | 特化領域 | 特徴 |
ビジネス領域特化 | ・不動産投資のビジネス領域を中心としたキーワードで良質なコンテンツを制作 | |
エリア特化 | ・仙台市の泉区・若林区・宮城野区の3つのエリアに特化したページを制作 | |
エリア特化 | ・文京区の駅ごとの住みやすさや文京区の施設、交通状況などをまとめたコンテンツを制作 | |
ビジネス領域特化 | ・リノベーションや中古マンション購入の領域に特化したコンテンツを制作 |
3-1.武蔵コーポレーション様|不動産投資に特化した主張のある記事で14.6億円の売上を記録
富裕層向けの収益不動産の販売、管理をしている「武蔵コーポレーション」様は、メルマガ広告や運用型広告などの「出したら終わり」という広告中心のマーケティングをしていた。
しかし、広告費を投資しても思ったような成果が出ず、とくに前向きで能動的なユーザーからの問い合わせが
少ないことに課題を感じていた。
そこで私たちバズ部にご相談いただき、魂を込めたコンテンツ制作を開始。
武蔵コーポレーション様のビジネス領域に特化したキーワードを選定して、徹底的にコンテンツの質を高めることにこだわった。
【ビジネス領域特化のキーワード例】 ・不動産投資 節税 |
とくに、ユーザーが行動できるレベルまで情報を研ぎ澄ませ、一歩踏み込んだ行動提案ができるように主張を明確にするように心がけた。
例えば「サブリース」というキーワードではサブリースの意味や仕組みを解説するだけでなく、「サブリース契約すべきなのかしないべきなのか」という明確な主張があり独自性の高いコンテンツを目指した。
また、コンテンツマーケティングの運用体制を整備して、良質なコンテンツを制作できる環境も整えた。
その結果、コンテンツマーケティング開始10ヶ月で、14.6億円の売上を記録。狙ったキーワードでSEO上位表示を連発して、1ヶ月で最高65万PVを達成した。
不動産投資を中心とした領域特化キーワードで良質なコンテンツを制作して、成果につなげた好事例だと言えるだろう。
▼武蔵コーポレーション様の事例は下記で詳しく紹介している
わずか10ヶ月で14.6億円の売上を叩き出した不動産会社様のコンテンツマーケティング事例
3-2.ホームセレクト様|店舗を構える地域に特化した情報を網羅するページを制作
仙台市の不動産の売買・仲介をしている「ホームセレクト」様は、自社の商圏に特化した情報を発信している。
具体的には、ホームセレクト様が店舗を構える仙台市の泉区・若林区・宮城野区の3つのエリアに分けて、ユーザーが気になる情報を網羅したページ制作をバズ部が支援させていただいた。
【エリア情報ページの内容】 ・マンション、戸建て、土地の売却相場 |
また、ページ内にはホームセレクト様のアドバイザーだからこそ知り得る、専門性の高い情報を随所に散りばめている点も特徴だ。
例えば、売却相場の高いエリアについてなぜ人気があるエリアなのか、アドバイザーだから分かる地域の情報や動向を踏まえて解説している。
出典:「ホームセレクト」様公式サイト
ただ「泉区は人気エリアです」と言われるよりも説得力があり、ホームセレクト様の専門性の高さや実績を感じてもらえるだろう。
ホームセレクト様の仙台に特化した情報ページは、検索結果で1位を獲得できた実績がある。
上位表示ができたことで、問い合わせ獲得も実現できた。
3-3.文京くらしナビ|駅ごとの住みやすさや治安など細かい地域情報を網羅した記事を制作
「文京くらしナビ」は、文京区に本社を構える不動産の賃貸仲介・管理事業者「株式会社ベステックス」が運営しているオウンドメディアだ。
「文京区の住みやすさや賃貸マンション探しに役立つ街の情報を発信する」をコンセプトに、文京区の駅ごとの住みやすさや文京区の施設、交通状況などを細かく解説している。
【駅ごとの住みやすさをまとめた記事の内容】 ・駅の概要 |
例えば、湯島駅の住みやすさを見てみると「誰に向いているのか」「家賃相場はどれくらいなのか」など、不動産業の営業だからこそ分かる情報が盛り込まれている。
下記のように「一人暮らしの女性には向かない」という明確な主張があり、自分はどの駅周辺が向いているのか選択できるような内容になっている。
正直なところ、湯島駅周辺は万人向けのエリアではありません。特に駅前にホテル街や風俗店の並ぶエリアもありますので、一人暮らしの女性には積極的におすすめしていません。
ただ、湯島駅からは【上野駅】や【秋葉原駅】も徒歩圏内で、飲食店も豊富という大きなメリットも。アクセスのよさを重視する。もしくは外食が多い一人暮らしの男性の方には、かなり住みやすい街と言えるでしょう。
また、治安については実際に歩いてみた写真と感想が記載されており、その駅を検討しているユーザーが本当に知りたいことを1つ1つ丁寧に解説している印象がある。
先ほども触れたが、筆者も引っ越し先を検討しているときに「文京くらしナビ」を見て、情報の網羅性や知見がある人だからこそ分かる情報に信頼感を覚えた。
地域に特化した情報を丁寧に伝えて、信頼性を獲得できる好事例だと言えるだろう。
3-4.リノベる。JOURNAL|中古マンションやリノベーション領域に特化した情報を発信
「リノベる。JOURNAL」は、リノベーションサービスを提供している「リノべる株式会社」が運営するオウンドメディアだ。
まだリノベーションが主流でなかった頃から運営していて、下記のような中古マンションの購入やリノベーション領域に特化した情報を発信し続けている。
【リノベる。JOURNALで発信している内容】 ・リノベーションの基礎知識:リノベーション費用、リノベーションに使用する建材情報など |
例えば、リノベーション事例では自社の事例を写真とともに紹介することで、リノベーションに興味を持つユーザーがイメージを持てるように工夫している。
また、顧客へのインタビュー記事も制作しており、実際にリノベーションをした感想やこだわったポイントなどをまとめている。
リノベーションを検討しているユーザーにとって、リノベーションへの期待、興味が持ちやすいコンテンツになっている。
このように、リノベーションというビジネス領域に特化した様々なコンテンツを制作することで、興味を持ってもらうきっかけづくりになるだろう。
4.まとめ
この記事では、不動産業界のオウンドメディア運用の考え方やポイント、事例をまとめて解説してきた。
最後にこの記事の内容を簡単に振り返ってみよう。
〇不動産業界のオウンドメディアは「ビジネス領域特化」「地域特化」のいずれかで戦略を立てる
ビジネス領域特化 | 不動産業界の中でも特徴があるビジネス領域に特化した記事を制作 |
地域特化 | 不動産業者が扱っているエリアに特化した記事を制作 |
〇不動産業界のオウンドメディアを運用するときのポイントは次の2つ
1.エリア特化ではボリューム0のキーワードでも取り組むべき
2.プロとしての知見を入れる
〇不動産業界のオウンドメディアの事例は下記のとおり
企業・サイト名 | 特化領域 | 特徴 |
武蔵コーポレーション様 | ビジネス領域特化 | ・不動産投資のビジネス領域を中心としたキーワードで良質なコンテンツを制作 |
ホームセレクト様 | エリア特化 | ・仙台市の泉区・若林区・宮城野区の3つのエリアに特化したページを制作 |
文京くらしナビ | エリア特化 | ・文京区の駅ごとの住みやすさや文京区の施設、交通状況などをまとめたコンテンツを制作 |
リノベる。JOURNAL | ビジネス領域特化 | ・リノベーションや中古マンション購入の領域に特化したコンテンツを制作 |
不動産業界のオウンドメディアは適切な戦略を立てて取り組むことで、成果の創出を目指せる。
今回ご紹介した考え方やポイントを参考に、オウンドメディア運用を検討してみて欲しい。