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12/18水13:00〜15:30
ディープリンクとは、スマートフォンアプリに直接遷移できるリンクのことである。Webサイトからアプリへの遷移、アプリから別のアプリへの遷移が含まれる。
ディープリンクを活用するとシームレスな遷移が可能となるため、ユーザー体験が向上し、コンバージョンアップやアプリ再訪率の改善などを見込める。
ディープリンクを活用するメリット |
❶ ユーザー体験を向上できる ❷ アプリの再防率・継続率を改善できる ❸ コンバージョン率を改善できる ❹ 広告から直接コンバージョンできる ❺ アプリのインストールを促せる |
この記事では、アプリ開発の技術的な知識がない方でも理解できるよう、イメージ画像や簡単な言葉を使ってディープリンクについて解説していく。
FacebookやTwitterなどのディープリンク対応プラットフォームを使えば、比較的簡単にディープリンクを作成することができる。効果の高い広告を出稿したい方は、ぜひ最後までお読みいただきたい。
目次
ディープリンクとは、スマートフォンアプリに直接遷移できるリンクのことである。Webサイトからアプリへの遷移、アプリから別のアプリへの遷移が含まれる。
※狭義ではスマホのネイティブアプリ間のリンクだけを指すこともある。
通常のリンクはWebページにしか遷移できないが、ディープリンクならアプリを直接起動できる。
ディープリンクの例
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なお、ディープリンクを成立させるには、遷移先のアプリがユーザーのスマホにインストールされている必要がある。インストールされていない場合には、App StoreやGoogle Playなどのアプリケーションストアに遷移することとなる。
ディープリンクを活用すると、以下のようなことを実現できる。
ディープリンク活用で実現できること |
❶ アプリ間をシームレスに遷移できる ❷ アプリの深い階層に誘導できる ❸ 検索結果から直接アプリに誘導できる ❹ アプリインストールを促せる |
ディープリンクを活用することで、異なるスマホアプリへの遷移をシームレスに実現できる。
例として分かりやすいのが、FacebookアプリとFacebook Messengerアプリの遷移である。
知人や興味がある相手の投稿を見ることができるFacebookアプリにはメッセージをやり取りする機能もついている。メッセージアイコンをタップすると、瞬時にMessengerアプリが起動し、Messengerアプリ内でメッセージを閲覧したり返信したりできる。かなりシームレスに遷移するため、別のアプリを起動した感覚すら感じられない。
Facebookの例のように、複数のアプリを連携させたい時に使われる技術がディープリンクである。最近ではアプリの単機能化が進んでおり、そのために必須の技術といえるだろう。
広告をクリックしたユーザーを、アプリの深い階層にある特定のセクションに誘導することもできる。
例えばGoogle広告をクリックするとアプリが起動し、アプリ内の特定の商品を紹介しているページに直接遷移させることができる。
アプリの初期画面ではなく特定のセクションに直接遷移できるため、ユーザビリティの向上やコンバージョン率アップが期待できる。
Google検索結果もディープリンクに対応しており、検索結果から直接アプリを起動できる。
アプリをインストールしていないユーザーがディープリンクをタップすると、アプリではなくApp StoreやGoogle Playに誘導される。この仕組みを「ディファードディープリンク」という。
App Store(iPhoneアプリ)・Google Play(Andoroidアプリ)とは、アプリを入手できるアプリのことである。ここに誘導することで、アプリをまだ使っていないユーザーにインストールを促す効果がある。
ディープリンクを実装・活用することで得られるメリットには、以下のようなものがある。
ディープリンクを活用するメリット |
❶ ユーザー体験を向上できる ❷ アプリの再防率・継続率を改善できる ❸ コンバージョン率を改善できる ❹ 広告から直接コンバージョンできる ❺ アプリのインストールを促せる |
最も大きなメリットは、コンテンツ利用者のユーザー体験を大幅向上できる点にある。ディープリンクがない場合と比較してみると分かりやすい。
例えば、楽天市場ユーザーが父の日に贈るギフトを探していて、楽天のモバイルサイト内で「父の日特集」を閲覧していたとしよう。閲覧はサイト内で、購入はポイントが多く貯まるアプリ経由で行いたいと考えていたと想定する。
ディープリンクがなければ、サイトの閲覧を一旦終了し、楽天市場アプリを自分で起動し、再度商品を検索し直さなければならない。しかしディープリンクがあれば、モバイルサイトから直接気になる商品ページに遷移できる。
アプリを立ち上げ直したり検索し直したりする工程が減り、シームレスに遷移できるため、大幅にユーザー体験を向上することができるのだ。
アプリをインストールしてはいるものの活用していない「休眠ユーザー」に対して、ディープリンクでアプリを起動させることで、アプリの再訪率を高めることができる。
「モバイルマーケット白書2020」によると、スマホにインストールされているアプリ(平均103.4個)のうち、約6割のアプリは使われていない休眠状態であることが分かっている。
ディープリンク広告を活用し、休眠ユーザーにアプリを開いてもらうことで再訪率を高めることができる。
例えば、以下画像は、資格勉強アプリをプレイ中に表示された「Googleアプリ」のディープリンク広告である。「開く」をタップすればGoogleアプリに遷移できるようになっている。
アプリを久しぶりに使ってもらい利便性や面白さを感じてもらうことができたら、アプリの継続率を高めることができるだろう。
ユーザー体験を向上させることで、コンバージョンへのハードルを取り払うことができるため、コンバージョン率の改善を期待できる。
例えば、先ほどの楽天市場の例を再度考えてみよう。ディープリンクがなければ、アプリを立ち上げ直し、さらに検索し直す必要がある。その間にユーザーのモチベーションが下がり、途中で購入を諦める可能性がある。
一方、ディープリンクがあればスムーズに1タップで商品画面にたどり着けるため、離脱が減り、購入率(コンバージョン率)を改善できるのである。
Twitter広告やFacebook広告などのSNSもディープリンクに対応している。こうしたSNS上に表示されたディープリンク広告を活用することで、直接コンバージョンを得ることもできる。
例えば、Twitterのタイムラインに投稿型の広告を掲載し、ユーザーがクリックするとアプリに直接遷移させることができる。これを使えば、漫画の一部をタイムラインに表示させ、直接漫画アプリに遷移して購入させることなどが可能だ。
先ほども解説した通り、ディープリンク先のアプリがインストールしていない場合は、アプリ画面ではなく「アプリインストール画面」に遷移する。
例えば、クックパッドのスマホサイトのレシピ画面には、「アプリでひらく」というディープリンクが用意されている。このリンクをタップすると、クックパッドアプリを入れてないユーザーに対しては、App StoreやGoogle Playのアプリインストール画面が表示される。
アプリの利便性をユーザーに伝えることができれば、アプリのインストール率をアップさせることができるだろう。
ここまで解説したように、ディープリンクは独自アプリを持つ企業ならば必ず活用すべき技術といえるだろう。
ディープリンクを使ってアプリ活性化させる方法
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ディープリンクは使い方によって、新規顧客獲得や休眠ユーザーの掘り起こし、コンバージョンアップ、アプリ間の連携などさまざまに活用できる。
ディープリンクに対応しているプラットフォームを使えば、自社で開発などを行わなくても効果の高い広告を出稿できる。ぜひ活用しよう。
ここからは、ディープリンクに対応しているプラットフォームを紹介していく。
自社アプリにディープリンクを実装し運用するには多くの工数が必要となる。しかし、これから紹介するディープリンク対応のプラットフォームが用意した仕組みを使えば、比較的簡単に実装することが可能だ。
それぞれのプラットフォームの対応状況と実装方法を確認してほしい。
Facebookは簡単にディープリンクを実装できる「App Links」という仕組みを用意しており、Facebook投稿にディープリンクを含めることが可能だ。これを使えば、アプリインストール済みのユーザーを直接アプリに遷移させることができる。
ディファ―ドディープリンクにも対応しており、アプリ内の特定の箇所に誘導したり、アプリをインストールしていないユーザーをアプリストアに誘導することもできる。ただしこの場合は、「Facebook SDK」というキットを使い、WebサイトとアプリをFacebookと連携させる必要がある。
詳しい実装方法については、Meta for Developersの解説ページを参考にしてほしい。
Twitterもディープリンクに対応しており、ツイート内にアプリの情報を含めると、インストール済みの場合は直接アプリに遷移できる。
この仕組みを利用し、簡単にディープリンク広告を作成することができる。なお、インストールしていないユーザーがタップするとアプリストアが開き、インストールを誘導できる。
詳しい実装方法は、Twitterアプリマネージャーの解説ページを参考にしてほしい。
Googleが提供しているオンライン広告では、Googleの検索エンジンやYouTube内はもちろん、インターネット上のさまざまなサイトにバナーや動画広告などを出すことができる。
Google広告はディープリンクに対応しており、広告をクリックしたユーザーがアプリ内の特定のコンテンツに直接遷移させることが可能だ。
例えば、Google検索で「楽天 水」と検索すると、Google検索の上部広告枠に楽天市場で販売されている飲料水の画像が表示される。この広告枠をユーザーがタップすると、楽天市場アプリの購入ページにダイレクトで遷移できる。
また、Google以外のアプリ内やサイト内に広告を出稿することもでき、同様に広告をタップするとシームレスに特定コンテンツに遷移できる。
詳しい実装方法については、Google広告ヘルプの解説ページを参照してほしい。
Google検索では、ディープリンクを使って検索結果からアプリ内の特定のコンテンツにユーザーを直接遷移させることが可能である。
以前は「Firebase App Indexing」という方法が推奨されていたが、現在はAndroidでは「Androidアプリリンク」、Appleプラットフォームでは「ユニバーサルリンク」が推奨されている。
詳しい実装方法については、Googleディベロッパーズの解説ページを参照してほしい。
Appleは、Appleデバイス用のプロトコルとして「ユニバーサルリンク(Universal Links)」という手法を展開している。ユニバーサルリンクを使えば、Appleデバイス用にディープリンクを設置することが可能だ。
例えば、Google検索結果からアプリを起動させたい場合は、Appleデバイス用にこのユニバーサルリンクの実装を行う必要がある。
詳しい実装方法については、Appleディベロッパーの解説ページ(英語)を参照してほしい。
この記事では、ディープリンクとは何か、ディープリンクを活用すると何ができるか、そしてプラットフォームごとの実装方法まで詳しく解説してきた。
ディープリンクを活用すると、ユーザーがホーム画面からアプリを立ち上げ直すなどの無駄な動作が必要なくなり、ユーザー体験を大幅に向上させることができる。そのため、アプリの再訪率を高めたり、コンバージョン率をアップさせたりできるのだ。
プラットフォームによっては比較的簡単に実装できるディープリンク。ぜひ広告手段の一つとして検討してみてはいかがだろうか。
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