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11/27水19:00〜20:00
CVRとは、Conversion Rate(コンバージョンレート)の略で、サイト訪問数のうち、資料請求や商品購入などCVまで到達した数の割合を意味する。例えば、サイトへの訪問が100回あったうち、商品購入が1件発生した場合のCVRは1%である。
CVR=CV数÷サイト訪問数(セッション数)×100 |
CVRを算出することで、「Webマーケティングがうまくいっているか」「マーケティングの投資が成果をあげているか」を具体的な数字で把握できる。
CVの件数がある程度発生していたとしても、CVRが0.5%など低い数値が算出された場合には、Webサイトに課題と改善する点があることを意味する。
そして、的確にWebサイトを改善してCVRが向上すれば、訪問数を増やすために広告の予算を計上しなくても、売上や利益の増加につながるのだ。
とはいえ、自社のWebサイトにおいて、CVRを具体的にどのように算出すればいいのか、目標をどうやって決めればいいのかなど、イメージが湧かないという人もいるだろう。CVRの数値を向上させたい場合に、どこから手をつけていいか分からないという人も多いかもしれない。
そこで、本記事では、
について詳しく解説していく。
本記事を読むことで、CVRの意味をしっかり押さえた上で、CVRの目標設定方法や対策について理解を深めてほしい。
CVRの意味について詳しく解説する。また、CVRと混乱しやすいCTRとの違いも明確にしておこう。
CVR(Conversion Rate:コンバージョンレート)とは、「※サイト訪問数のうち、商品購入や会員登録といった成果に至った割合」を表す数値だ。直訳して「顧客転換率」などと呼ばれることもある。
例えば、サイトの訪問数100のうち、1件の商品購入件数が発生した場合、CVRは「1%」となる。
なぜ、CVRを算出する必要があるのかというと、下記のようなメリットがあるからだ。
例えば、CVRがそれぞれ10%と1%のページが存在する場合、CVRが高いページAの訪問数を増やす改善を行えば、効率的に売上を向上させられると分かる。
一方、CVRが低いページBは訪問者数を増やすより先に、サイト改善に力を入れるべきと方針が立てられる。
ページA | 訪問数100・CV10(CVR10%) | CV数だけ見るとページBには及ばないが、CVRが良いので、訪問数を増やす施策を行うことで効率的に売上を伸ばせることが分かる。 |
ページB | 訪問数2000・CV20(CVR1%) | 訪問数もCV数もページAより多いが、実はCVRの数値はよくない。多くの人が訪問しているものの離脱してしまう原因がWebサイトにあると推測できる。 |
また、CVRを算出することで、マーケティング費用の効果を測定しやすくなるといったメリットや、SNSや広告、検索それぞれのCVRを算出すれば、自社に合ったマーケティング手法が分かるといったメリットがある。
このように、具体的にCVRの数値を算出することで、Webサイトにおける売上や利益を効率よく伸ばす方法が見えてくるというわけだ。
※厳密には、他の分野でも「CVR」という意味は使われているが、Webマーケティングにおいて使われるケースが多いので、本記事では、WebサイトにおけるCVRを前提に話を進めていく。
混乱しやすいCVRとCTRの違いについて簡単に押さえておこう。
CTR(Click Through Rate:クリックスルーレート)とは、「※広告が表示された回数のうち、ユーザーにクリックされた割合」を表す数値だ。Webサイトに訪問する前の段階で、広告の集客力を測るために算出される。
CTRが低い場合には、広告掲載場所や広告のターゲット、広告内容を改善する必要がある。
どちらも大切な数値であり、CTRとCVRの数値を算出することで、何を改善すればいいのかが見えてくる。それぞれの数値から、売上や利益を伸ばす施策につなげていこう。
名称 | 内容 | 低い場合の対策 |
CVR (Conversion Rate) | サイト訪問数のうち、商品購入や会員登録といった成果に至った割合 | CVRが低い場合、Webサイトの改善が必要になることが多い |
CTR (Click Through Rate) | 広告が表示された回数のうち、クリックされた割合 | CTRが低い場合、広告やページ自体の見直しや広告ターゲット、検索キーワードの見直しが必要になることが多い |
※「広告」と記載しているが、広告だけではなく、SNSのリンクや特定ページのリンクなどが表示された際のクリック率のことを指す場合もある。本記事では便宜上「広告」を前提に定義付けた。
CVR(Conversion Rate:コンバージョンレート)の具体的な算出方法について解説していく。
CVRは、下記のような計算式で算出できる。
CVR=CV数÷サイト訪問数(セッション数)×100 |
計算式だけ見れば、シンプルで分かりやすい。
しかし、実は、「CV」の定義は会社ごとに異なる。また、「サイト訪問数」以外を分母に設定することもあるので、もう少し詳しくCVRの計算方法を紐解いていこう。
CVR計算上の分母は、一般的には「セッション数」とされる。
セッション数とは、Webサイトへの訪問数のこと。ユーザーがWebサイトを訪問して離脱するまでを1と計測する。
つまり、同じ人物が、1日に3回別のタイミングでWebサイトに訪問した場合には「3」とカウントされるのだ。
ただし、「Googleアナリティクス」におけるセッション数は、下記のような場合に、離脱したとみなされる。
その他、CVRの分母として設定されることのある数値は下記の通りだ。
ページビュー数 | ページビュー数とは、Webサイトで閲覧されたページ数を意味する。例えば、1人が1回の訪問により3ページ見た場合のページビュー数は「3」、この場合、訪問回数は1回なので、セッション数は「1」となる。 |
訪問者数 | 訪問者数を分母にする場合もある。同じ人物が1日に3回別のタイミングでWebサイトに訪問した場合には「3」とカウントするのがセッション数であれば、この場合の訪問者数は「1」である。 |
CVRの計算上の分子であるCV数は、商品購入件数だけを意味するのではなく、会社ごとに異なる。
具体的には、下記のようなCVが考えられる。
例えば、ECサイトは商品販売を目的としていることから、商品購入や注文がCVになるだろう。
一方で、不動産会社のサイトでは、サイトからの購入は考えられないので、お問い合わせや会員登録をCVに設定することがほとんどだ。
また、CVの種類も下記のようにバリエーションがある。
CVの種類 | 内容 |
直接コンバージョン | 広告などからWebサイトを訪問したユーザーがそのままサイトから離脱することなく、商品購入や資料請求などのCVに至ること。 |
間接コンバージョン | 広告などからWebサイトを訪問したが、その際には購入せずに、後に再度Webサイトを訪問し、CVに至ること。 広告が5回クリックされて最後にCVにつながった場合、最後のクリックのみ直接コンバージョン、その他の4回のクリックが間接コンバージョンに計測される。 |
クリックスルーコンバージョン | 広告をクリックしたユーザーがWebサイトからそのままCVに至ること |
ビュースルーコンバージョン | 広告を見たユーザーが検索などの別のルートからCVに至ること。 |
マイクロコンバージョン | 最終的なコンバージョンの前に設定するコンバージョンのこと。商品購入という最終CVの前に、メルマガ登録や会員登録といったCVを用意するイメージ。 |
総コンバージョン | CVの回数 |
ユニークコンバージョン | CVしたユーザーの数。Aさんが別のタイミングで3回CVした場合、総コンバージョンは「3」だが、ユニークコンバージョンでは「1」となる |
種類が多くて分かりにくいかもしれないが、多くの場合は、下記の2パターンで算出される。
ユーザー単位のCVR:ユニークコンバージョン数÷訪問者数×100
アクション単位のCVR:総コンバージョン数÷訪問数(もしくはPV数)×100
例えば、会員登録や資料請求など、CVの回数が重要でない場合には「ユーザー単位のCVR」、購入回数が重要と判断されるECサイトなどの場合には、「アクション単位のCVR」で算出されることが多いだろう。
もちろん、CVRは設定方法を変えて、いくつか算出しても良い。定義を変えて数値を出すことで、色々な角度からの分析が可能になる。
「CVRについては理解したけど、そもそも平均値はどれくらい?」と疑問を持った人もいるだろう。本章では、業界別CVRの目安について紹介していく。
2022年にWordStream社が調査した、業種別Google広告の平均CVRは下記の通りだ。
平均CVR(検索流入) | 平均CVR(広告) | |
自動車 | 4.00% | 0.60% |
B2B | 2.41% | 0.46% |
マッチングサービス | 9.64% | 3.34% |
電子商取引(EC) | 2.81% | 0.59% |
教育 | 3.39% | 0.50% |
人材サービス | 5.13% | 1.57% |
金融・保険 | 5.10% | 1.19% |
健康・医療 | 3.36% | 0.82% |
家庭用品 | 2.70% | 0.43% |
工業系事業 | 3.37% | 0.94% |
法律 | 6.98% | 1.84% |
不動産 | 2.47% | 0.80% |
テクノロジー | 2.92% | 0.86% |
旅行 | 3.55% | 0.51% |
参照:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]|Wordstream
業種ごとに差はあるが、全ての業界におけるGoogle広告の平均CVRは、検索で3.75%、ディスプレイ広告で0.77%という結果が出ている。
やはり、ディスプレイ広告と比べると、目的を持って検索しているユーザーの方がCVにつながりやすく、CVRは高い。ディスプレイ広告では、あまり興味がないユーザーがクリックしたり、間違えてクリックしたりすることもあるからか、CVRは低い。
とはいえ、検索からのCVRにおいても2%から7%と幅広く、業種ごとに差が出ている。しかし、それぞれの業種の特性を考えると、数値の理由が見えてくる。
例えば、法律や金融・保険は、ユーザーの緊急性が高いことが、CVRの高さにつながっていると推測できる。
一方で、ECサイトや家庭用品は、「あとでまた考えよう」とすぐに決断しないユーザーが多いこと、不動産サイトでは、他のサイトとの比較をしている可能性が高いことが、CVRが低く出ている理由と推測できる。
このように、それぞれのCVRの平均値には理由を見いだすことができる。
また、ECサイトのCVRは低い傾向にあるが、Adobeの「Digital Index Consumer Electronics Report 2020」の調査結果から、ジャンルごとの平均値を確認しておこう。
平均CVR(検索流入) | |
ギフト | 4.9% |
ヘルスケア | 4.6% |
アパレル | 4.2% |
その他 | 3.4% |
スポーツ | 3.1% |
ジュエリー、コスメ | 2.9% |
大手チェーン | 2.3% |
インテリア | 2.3% |
自動車 | 2.2% |
ホームセンター | 1.7% |
家電 | 1.4% |
参照:Digital Index Consumer Electronics Report 2020|Adobe
ここまで、CVRの平均値について解説してきたが、あくまで目安として見てほしい。
なぜなら、上述した通りCVの概念は様々であり、商品購入と無料会員登録であれば、後者の方がハードルが低いなど、一概に平均値として捉えることが難しいからだ。
自社のCVRの目標を設定する際には、業界の平均値に加えて、下記の点を押さえると適切な目標が立てられるだろう。
|
CVRの意味について理解してもらったところで、CVRを改善するためのステップを紹介していく。
CVRを最適化することを、CRO(Conversion Rate Optimization)と呼ぶ。下記のステップで、CROを進めていこう。
ステップ1:データから仮説を立てる
ステップ2:仮説に基づく施策を立てる
ステップ3:優先順位に従って施策を実行する
ステップ4:施策の効果を検証する
CVRを改善するために、まずは、データから「CVRが低い理由」について仮説を立てよう。
CVRの数値だけでなく、ユーザーの「直帰率」や「滞在時間」などその他のデータを取得して、下記のように仮説を立てていく。
【データと仮説の事例】
データ | 仮説 |
滞在時間が短い |
|
滞在時間が長い |
|
上記は大まかに「滞在時間が短い」「滞在時間が長い」だけで分類したが、「短い」といっても、平均3秒で離脱してしまう場合と、平均20秒で離脱してしまう場合では、仮説は異なるだろう。
平均3秒であれば、サイトを一瞬しか見ていないので、ファーストビューに問題がある、サイトがすぐに表示されなくて離脱してしまっているなどの問題が考えられる。
20秒であれば、ファーストビューをある程度の時間見ているので、ファーストビューにユーザーが求める情報がなかったという仮説が有力となる。
数値をそのまま見るのではなく、ユーザーの視点に立って、「どのような気持ちでWebサイトを開き、どうしてCVにつながらず離脱してしまったのか」を考えることが大切だ。
また、可能であれば、「ヒートマップ」分析や「定性調査」などで、ユーザーの行動や感情をさらに詳しくみていくと仮説を立てやすくなる。
「ヒートマップ」とは、ユーザーのWebサイト上の動きを可視化したもので、「滞在時間が長い箇所」や「離脱場所」などを色や数値で詳しく分析するツールのこと。「定性調査」は、サイトの利便性などユーザーの意見をアンケートなどで吸い上げること。
これらの分析・調査を利用することで、例えば、多くのユーザーが離脱している場所が分かったり、ユーザーの不便さに気が付いたりなど、有益な改善につなげやすくなる。
「ページごとのCVR」「ユーザー属性ごとのCVR」「時間ごとのCVR」など様々なCVRを算出することも、仮説を立てるのに役立つはずだ。
データから仮説を立てたら、仮説を改善するための具体的な施策を考えよう。仮説の中でも特に、影響が大きいものから順番に手をつけていく。
例えば、「Webサイトの表示速度が遅い」と「ファーストビューと広告の訴求に齟齬がある」であれば、後者を改善した方が、CVR向上の効果は高いと判断したとする。
そうしたら、「ファーストビューと広告の訴求に齟齬がある」という仮説から、下記のように、具体的な施策を考えていこう。
そして、上記のような考え得る施策の中からひとつを選択するのだ。
1度に複数の施策を行うと、何が原因だったのかの分析がしにくくなるので、基本的にひとつずつ改善を行い、検証をしていくという流れがおすすめだ。
「どのような施策を立てたらいいか分からない」という人は、5章「5.CVRを改善するための具体的な施策」を参考にしてほしい。
優先順位に従って施策を実行するステップに入っていこう。
通常、2週間から1ヶ月程度施策を実行し、その後、成果の検証を行う。
施策の実行は、重要度の高いものをよく吟味してから行なっていくべきであり、「とにかく修正して検証しよう」とは考えないことだ。
些細な修正のみを行い少しのCVR向上で満足してしまい、本質的な改善に到達しない失敗例がよくあるからだ。
大切なのは、ユーザーと自社にとって価値ある修正を行うことである。
そして、施策の実行においては、「A/Bテスト」を活用する方法がある。
A/Bテストとは、異なるデザインや構成のWebサイト(パターンA・パータンB)を準備し、ランダムにユーザーに表示し、効果を測定して最適なものを見つける方法だ。
例えば、ファーストビューの写真をひとつに絞り込むことがどうしてもできない場合、ユーザーごとに「パターンA」と「パターンB」を表示させ、どちらの方がユーザーに訴求するのかを検証することができる。
とはいえ、「A/Bテスト」もとにかくやればうまくいく類のものではなく、実際に成果が出る可能性は約25%と言われているほど難しい。そのため、繰り返しにはなるが、まずは、「本当に意味のある施策なのか?」をよく社内で吟味した上で実行することが大切だ。
最後に実行した施策の効果を検証しよう。
例えば、ファーストビューの写真を改善した場合、CVRが向上することも成果が出ないこともあるだろう。
ただ、どちらにしても、下記のように分析を行うことで、多くのことが見えてくるはずだ。
CVRが向上した | ファーストビューの写真がどのようなユーザーの心情にどのような変化をもたらしてCVにつながったのかを確認する。ユーザーニーズやユーザーの感情がさらに明確になり、次の仮説・施策が立てやすくなる。 |
CVRが向上しなかった | ファーストビューの写真がCVRが低い理由でなかったことが分かる。その他、施策実行によって滞在時間や直帰率、離脱場所などが変わっていないかを検証し、次の仮説・施策に反映する。 |
ただ、1度の施策実行で効果が出ることは稀なので、ここまで解説してきた「ステップ1」から「ステップ4」までを繰り返し行うことが大切だ。
CVRを改善するための具体的な施策を紹介していく。改善によって効果が出やすい項目をまとめたので、ぜひ参考にしてほしい。
広告とサイトにおける訴求内容の乖離を改善しよう。CVRが低い理由として、よくあるパターンのひとつだ。
例えば、「今ならサンプルプレゼント!」と広告にあることに魅かれてクリックしたのに、サイトにサンプルのことが書かれていないなど、ユーザーをがっかりさせてしまえば、離脱してしまう。
他にも、広告には「女性の95%がダイエット成功!」と書かれていたのに、サイトには男性の口コミばかり掲載されていたら、ユーザーの願望を叶える商品でないと判断されるだろう。
このように、広告とサイトにおける訴求内容が乖離しないようにするには、
といったことが大切だ。
ファーストビューを改善すると、CVRに大きく影響を与えることがある。
ファーストビューとは、ユーザーがWebサイトに到達して最初に表示されるエリアである。一般的には、写真やキャッチコピーで構成されている。
まず、前項で解説した通り、広告で訴求した内容と、ファーストビューの内容に乖離がないかチェックしてほしい。
さらに、ファーストビューのデザインも非常に重要である。ファーストビューが魅力的でない場合には、多くのユーザーが離脱してしまうだろう。
特に、ユーザーの滞在時間が短い場合には、ファーストビューを見てユーザーが離脱し、CVにつながっていない可能性が高い。
ユーザーは数秒で、Webサイトの第一印象を決定し、「デザインがダサい」「思ったのと違う」といった印象を抱かせてしまえばすぐに離脱してしまう。
そのため、ユーザーにCVまで読み進めてもらうためには、ファーストビューの写真やキャッチコピーがユーザーを惹きつけるものかどうかをチェックしなければならない。
【ファーストビューの主なチェックポイント】
・キャッチコピー ユーザーニーズに沿ったキャッチコピーであることが何より大切。提供する商品やサービスがどのようにユーザーの悩みを解決するのか、ユーザーが望む未来を実現できるのか、といった点から考えてみよう。 ・画像、デザイン ファーストビューでユーザーの目に最初に飛び込んでいくる画像は、第一印象を決める。ユーザー層に合わせたカラーやデザインを選択することが大切だ。写真は好みによって印象が変わってくるので、A/Bテストなどを活用して最適化すると良いだろう。 ・CV機能 ファーストビューにCV機能を持たせることを検討してみよう。「お問い合わせ」や「資料請求」ボタンをファーストビューに表示させるようにするのだ。これによってCV率が向上した例が多くあるので、念頭に入れておこう。 |
Webサイトのコンテンツ内容を改善しよう。とはいえ、「コンテンツの内容」と一口に言っても幅広く、業種によっても最適なコンテンツ提示方法は異なるので、一概に何が正しいか断言することは難しい。
ただ、多くのWebサイトは下記のような問題を抱えていることが原因で、CVRが低くなっている。
・情報が多すぎてユーザーを混乱させている あれもこれもと伝えたいことを整理せずに掲載してしまっていないか確認する。伝えたいことを絞り、それぞれ簡潔に伝え、ユーザーの気持ちを動かす必要がある。 ・ユーザーの気持ちに沿ったコンテンツを提供できていない ユーザーの気持ちに沿ったコンテンツを提供できているか確認しよう。ユーザーが「口コミ」を知りたいのに、全く口コミがない、ユーザーの意欲が低いうちに商品を売り込んでいるなど、ユーザーの気持ちに沿ったコンテンツを提供できていないために、ユーザーに不満を与えているかもしれない。 |
ヒートマップなどで、ユーザーの離脱場所や滞在時間の長い場所を確認しながら、コンテンツの内容を適切に作り上げていこう。
CVRが低い理由として、CTAの問題が考えられる。
CTAとは、Call To Action(コール トゥ アクション)のことで、ユーザーを具体的な行動に誘導することだ。CVの入り口となる、お問い合わせや資料請求ボタンを想像してほしい。
このCTAに下記のような問題があると、CVRが低い理由となり得る。
・CTAがどこにあるか分からない そもそも、お問い合わせや資料請求ボタンがどこにあるのか分かりづらいという可能性がある。商品に興味を持ったとしても、どこからどう申し込みをすればいいか分からず、ユーザーが諦めてしまうパターンなので非常にもったいない。ユーザー目線に立って、見つけやすい場所に設置しよう ・CTAが複数ある CTAの選択肢が複数あることで、CVRが低くなっている可能性がある。ユーザーの混乱を引き起こしている可能性があるものは削除や位置の変更を行おう。 ・CTAが目立たない CTAを目立つデザインにしただけでCVRが向上した例もあるくらい大切だ。色やデザインを再度見直してみよう。 ・CTAのキャッチコピーが最適化されていない CTAを促すキャッチコピーも大切だ。この文言を、例えば「ここからどうぞ」から「月末まで無料でダウンロード」など、ベネフィットを強調する文言に変えるだけでも、CVRが向上する可能性がある。 ・デバイスごとに最適化されていない PCサイトでは非常に見やすいCTAを設置していても、スマートフォンサイトでは見えにくくなる場合があるので注意が必要だ。ユーザーにとって見やすいCTAであるかをチェックしよう。 |
ユーザーの滞在時間はある程度長いにも関わらず、CVにつながっていないのであれば、CTAに問題がある可能性を疑ってみよう。
ページの読み込み速度が遅くないかどうかを確認しよう。基本的なことではあるが重要だ。
読み込み速度が遅い場合、ユーザーはストレスをためて離脱してしまうだろう。下記のように読み込み速度が2秒遅いだけで、CV率が38%低下したというデータもある。
操作開始時間が1秒のサイトと3秒のサイトを比較しても、3秒のサイトは1秒のサイトに比べ、ページビューが22%低下、コンバージョン率は38%低下、直帰率は50%上昇してしまうというデータがあります(増山氏) |
参考:サイト表示が2秒遅いだけで直帰率は50%増加! DeNA事例から学ぶWebの自動最適化手法/日本ラドウェア|Web担当者Forum
ファーストビュー表示までに3秒以上かかるようであれば、ページの読み込み速度の改善に取り掛かるべきだ。
Webサイトの内の写真やキャッチコピー、構成をどんなに最適化してもページの読み込みが遅ければ全て台無しになるので、まずは、Page speed Insightsなどを利用し、現状の確認を行おう。
CVのハードルが高いことが、CVRの低さにつながっている可能性がある。
例えば、不動産サイトで、土地の購入をインターネットから行うことはほとんどないので、まずは、その手前の資料請求やお問い合わせなどのCVを用意してあげる必要があることは理解できるだろう。
このように、自社のサービスや商品において、ユーザーの気持ちを考え、CVのハードルが高くないかをチェックしてみよう。
【CVのハードルを下げる方法】
定期購入しかない→単品購入や無料サンプルの取り寄せができるようにする 電話での問い合わせしかない→メールやチャットでの問い合わせを用意する 商品購入のCVしかない→会員登録で情報を集められるようにする |
ただ、CVRを向上させるためだけにCVのハードルを下げないよう注意が必要だ。あくまで最終的な目的につながるようなCVに設定することを心がけよう。
入力フォームの項目が多いことも、CVRが低い理由につながっている。
ユーザーがCVにつながるボタンをクリックするなど、資料請求や商品購入への意欲を持っているのに、入力フォームの項目が多くて途中で離脱してしまうパータンである。
これは非常にもったいないことだが、実は、よくあることだ。入力フォームの項目が適切かどうかを確認しよう。
他にも、ユーザーが入力フォームまでたどり着いていながら離脱していることが分かった場合には、下記のような点もチェックしておこう。
スマートフォンユーザーが多いのに各種デバイスへの対応を怠っているため、CVRが低い可能性がある。ユーザーがスマートフォンでWebサイトにたどり着いた際、見にくいと感じればすぐに離脱してしまうだろう。
特に、CTAのデザインや位置をPCに最適化しているために、スマートフォンで見るとデザインが不自然になっていたり、大切な箇所で非表示になっていたりすることはよくあるので注意しよう。
これまで解説してきたことと同様であるが、ユーザーのことを考えて、Webサイトを作成することが大切だ。
具体的には、下記のような点をチェックしよう。
【スマートフォン表示でチェックする点】
Webサイトの改善を行ってもCVRが向上しない場合には、表現の問題ではなく、商品やサービス自体に魅力がない可能性もある。
商品やサービスの見直しとしては、
などの視点を持って行うべきだ。
CVRが低い理由として、外部要因が関係している可能性がある。Webサイト内の問題や商品自体の問題が見つけられない場合には、下記のような点もチェックしてみよう。
・季節的に売れにくい商品である 日傘や日焼け止め、暖房器具などが分かりやすいが、季節的に売れる時期とそうでない時期が存在する商品がある。売れにくい時期なのにも関わらずCVRの目標を高く設定しすぎていないかチェックしよう。 ・ライバル企業が良質な商品を提供している ライバル企業が自社の商品より良質で、さらに価格も安く提供している場合には、そちらにユーザーが流れている可能性がある。例えば、スキンケア商品で、同じような成分構成にも関わらず、ライバル企業が安い価格で、さらにサンプルなどをつけて販売していれば、自社の商品は売れにくくなるだろう。 |
本記事では、
について解説した。
CVRの意味とは、サイト訪問数のうち、資料請求や商品購入などCVまで到達した数の割合を意味する。例えば、サイトに100回の訪問があった場合、商品購入が1件発生した場合のCVRは1%である。
CVR=CV数÷サイト訪問数(セッション数)×100 |
CVRを算出することで、
など、直接的に会社の売上・利益につながるような検証・改善を行うことができる。
一見シンプルな計算式であるが、CVRの計算元の数値は色々な設定方法があるため、自社の性質や目的に合わせて設定していく必要がある。
また、CVRを向上させるためには、仮説・実行・検証が大切である。
本記事を参考に、CVRの意味をしっかり押さえ、CVRの目標設定方法や対策について理解を深めてほしい。
広告に頼り切ったマーケティングの打開策としてコンテンツマーケティングについて調べているけれど、よく分からないと悩んでいませんか?
本書は弊社やクライアント様がコンテンツマーケティングに取り組み
など、コンテンツマーケティングの効果と、具体的な施策内容を全94ページに渡って詳細に解説しているものです。
ぜひ、貴社のWEBマーケティングにもご活用ください。