優れた8つの事例から学ぶ動画コンテンツの活用アイデア

今やコンテンツマーケティングにおいて動画コンテンツの活用は不可欠である。

アニメーション動画制作会社のWyzowl社が実施した調査では、ユーザーの10人に8人がブランドが発信する動画コンテンツを見た後にソフトウェアまたはアプリを購入したというデータを発表している。(Wyzowl、2018年)

ユーザーの購買行動や意思決定に動画コンテンツが強く影響を与えることは当たり前になっており、いかに上手に動画を活用するかがマーケターには求められている。

そこでこの記事では、特に優れていると感じる8つの動画コンテンツ事例を紹介する。
本記事では、他のメディアでよく取り上げられている有名な成功事例ではなく、できるだけ新しい事例を紹介している。中小企業にもすぐに実践できそうな学びを解説しているので、ぜひ参考にしてほしい。

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事例1. 家作りのプロセスが疑似体験できるオオトリ建設

まずご紹介したいのが、愛知県名古屋市のオオトリ建設株式会社さんの動画だ。
家作りは人生において最も大きなイベントの一つ。そのための工務店選びは多くの人が慎重に行うはずだ。どこにでもあるような「会社の特長」を単に並べたWebサイトだったり、完成した家の写真をただ見せるだけだったりでは「ここだ!」と思わせるのは難しい。

いかにこれらを明確に伝えられるかが重要だ。
・自分の理想の住宅を作ってくれそうか
・自分の要望(予算、材質、デザイン、スケジュール、ライフスタイル…)に的確に応えてくれそうか
・親身になって相談に乗ってくれそうか

Web検索すれば工務店は大量に出てくる。上記が全く伝わってこないような会社にはわざわざ問い合わせしないだろう。

施工に携わったプランナー自らがルームツアーする動画

まず1点目に私が素晴らしいと感じたのが実際に施工をプランニングしたプランナーの方自らが行うルームツアー動画だ。プランナー自らが建設の背景をテンポ良く解説していくため、オオトリ建設さんの技術力や提案力を強烈に感じ取れる動画になっている。

例えば上の動画でも、
・実際の部屋を動画で見せながら、クライアントのこだわりとプロからの提案を両立させたポイント
・できるだけコストを抑えながら、どうクライアントの要望に応えたか

などがわかる内容になっており、顧客に寄り添ってくれる姿勢がひしひしと感じられる。

ほとんどの工務店HPには実際の施工事例画像を多数掲載しているサイトは多い。
だが、綺麗な施工事例画像からユーザーが知覚できる情報量は、動画と比べると圧倒的に少ないのだ。”おしゃれで機能性が高くて美しい家が作れる”というだけで、工務店を決められる人は少ないだろう。いかにユーザーの意思決定を支える情報をできるだけ多く、知覚しやすい形でユーザーに届けることが重要だ。
その点でこの動画は優れている。

実際の顧客ヒアリングのリアルな様子が見られる動画

もう一つ紹介したい動画が、実際の顧客とのヒアリングミーティングの様子をそのまま公開している動画だ。単なる要望や事務的なヒアリングだけでなく、顧客を深く理解し最高の案を見つけようという姿勢が伺える内容になっている。

少し具体的に内容を紹介すると、動画では顧客の起床時間の確認から始まり、食事のとりかた、家に帰って最初に向かうところなど、顧客の生活スタイルをプランナーの方が深掘りしていく様子が見られる。ありのままのヒアリングの様子を動画にすることで、顧客は自分がどんなサービスを受けるのか疑似体験ができる。これから何があるのか何もわからない不安な状態が払拭され、安心感や期待感が生まれる。

もし工務店を探しているユーザーが、実際に作りたい住宅のイメージや費用感にも満足しているなら、さらにこの動画で強烈にオオトリ建設さんが印象に残るはずだ。問い合わせの背中を強烈に押してくれるだろう。

行動提案

  • 単に完成品を見せるだけではなく、背景や想い、工夫したポイントなど届ける情報量を増やそう
  • 普段提供しているサービスをありのまま届けて擬似体験をしてもらおう

事例2. 家具を買おうとする人の気持ちに応える大塚家具

2つ目にご紹介したいのが大塚家具さんのYoutubeチャンネルだ。

さまざまな種類の動画をYoutubeで発信する大塚家具さんだが、コンテンツマーケティングにおいて私が特に優れていると感じる動画を紹介しよう。

家具を買う前の顧客行動・心理を理解した動画

こちらの動画は大塚家具さんの新宿ショールームSOHOギャラリーにて、様々な種類のオフィスチェアーを同社の営業本部長自らが実際に座って紹介している動画だ。

質の高い高価格帯のオフィスチェアの購入を検討するユーザーの購買前心理として、
「様々なタイプの椅子に実際に座ってみて比較したい」
「椅子は高いから、買ってから後悔したくない」
という心理は多くの人が持つはずだ。

そのような購買心理を持つユーザーが、もしこの動画を発見し、様々な種類の椅子を実際に座って比較できるギャラリーの存在を認知した場合、実際に訪れる人・そこで購入にいたる人が発生することは当然想定できる。

この動画2022年の現時点で再生数は2000回前後である。
数万・数十万再生される様な、いわゆる”人気動画”でない。

だが、もしこの動画をきっかけに実際に新宿ショールームに足を運ぶ人が毎月10人でも20人でも発生して、そこで椅子の購入にいたる人が一定数いるとしたら、費用対効果の観点ではどうだろうか。

この事例で理解していただきたいのが、コンテンツマーケティングでは、動画の再生数やチャンネル登録者数といった見えやすい指標だけで、動画を企画・評価をするのは、本質ではないということだ。

ユーザーが求めている情報を”質の高い動画”にし、それを顧客の購買行動・適切なタッチポイントに合わせてユーザーに届けること。

この基本をしっかりと意識することが重要だという示唆をこの動画は与えてくれる。
自社商品の価格帯・顧客の購買行動・心理を踏まえると非常にコンテンツマーケティングにおける動画コンテンツとしては優れた企画の動画であると言えるだろう。

※実際にこの動画を閲覧したユーザーから以下のようなUGCが生まれている。

会社のトップセールスを起用した非常に効率の良い営業動画

次にコンテンツマーケティングにおいて非常に優れていると感じる上記の動画だ。

この動画は、同社のトップセールス自らが自社のショールームで商品を説明・レビューしている動画だ。

まず注目したいのが、なんといっても同社営業本部長の見事なトークと自然な掛け合いによる商品の魅力発信力だろう。商品の魅力や使用感を動画を通じて非常にわかりやすく動画で伝えており、文字による記事コンテンツでは決して表現できない魅力の伝え方に成功している。

また大塚家具の社員の方々の人柄や知識量も間接的に見るユーザーに伝えることに成功しており、webの情報・クチコミだけでは意思決定できない人には、「大塚家具のショールームに行ってみよう」というウォンツを上手く喚起している動画だ。

また「動画」という形式を上手く利用した”効率の良さ”にも注目したい。

動画のタイトルや概要欄を見ると、しっかりとyoutube内のSEO対策が施されており、累計で7万回近く再生されており、おそらく今後もじわじわと再生数を伸ばすだろう。

この動画にかかる作成工数を踏まえても、一度作ったトップセールスの秀逸な”営業動画”がyoutubeでずっと稼働し続けてくれて、CVやブランディングに貢献し続けてくれるのだ。

これは大塚家具の扱う商材・今の時代における顧客の検索プラットフォームともマッチしており、同社のコンテンツマーケティング戦略の観点でも非常に効率が良い。

この動画から得られる示唆は、必ずしも秀逸な企画やネタ探しに都度悩む必要はないという点である。

動画だからこそ伝えられる魅力・空気・人柄・質感、こうしたものを、その情報にニーズを持つユーザーに届く様に設計してあげ、丁寧に営業をするだけで良いのだ。
繰り返しになるが、記事コンテンツ同様、万人にうけるコンテンツを作る必要は全くない。自社の見込み客が求めるコンテンツ・役立つコンテンツを届けてそこから反応が得られる動画を作って届けよう。

行動提案

  • 再生数やチャンネル登録者数を増やすことだけを基準に動画の企画を練るのはやめよう
  • 人柄、しゃべりなど、どこか1つが突出している動画を作ろう

事例3. 顧客の声をうまく活用するConversion Rate Experts

次に紹介するのが、グローバルに展開するコンサルティング会社、Conversion Rate Experts社の動画活用事例だ。
同社の事業は社名にもあるように、企業のコンバージョン率改善コンサルティングを行なっている。

GAFAをはじめ、世界の名だたる企業のCVR改善をサポートする同社だが、自社のwebサイトは非常にシンプルで、その中でも目を引くのが圧倒的な数の”顧客の声の動画コンテンツ”である。

まず同社のHPのTOPページファーストビューで目を引くのが、同社の支援によって大きな結果を得ることに成功した様々な顧客の声を紹介する2分弱のサマリー動画だ。
クライアント企業のCEOが次々と登場し、具体的な改善の結果数値と共に、いかに同社が素晴らしい働きをしてくれたかを紹介してくれている。

またファーストビューにある問い合わせCTAの横には、目立つ形で事例ページへのCTAも設置されており、そこをクリックすることで膨大な数の顧客の声動画コンテンツページが集約されたページに遷移する。

この事例アーカイブページには、大企業〜中小企業まで約100にも及ぶ企業のCEO・マーケティング担当者の声とその動画が掲載されている。
ページでは業界カテゴリーごとにも、顧客の声が見れるようにもなっており、誰が見ても同社がいかにCVRを向上させることに長けているか・その実力が企業規模や業界に限らない普遍的なものであるか、をこれ以上ないほどわかりやすく物語っている。

CVR向上において顧客の声・事例がどれだけCV率に貢献するかは、バズ部、私たちのクライアントサイトでこれまで如実に証明されてきた。
CVR向上のスペシャリストである同社が、これほどの数の動画形式の顧客の声を動画として公開していることもそのパワーを物語っているだろう。

もしあなたが今のwebサイトに、無機質で情報量が少ない事例・顧客を掲載しているなら、ぜひ動画コンテンツにしてユーザーに届けてみよう。マーケティングの大原則だが、第三者による声・実力の保証ほど、CVを後押ししてくれるコンテンツはない。

実際、日本でもマーケティングの上手い企業は自社のWEBサイトに事例・顧客の声に”動画”を活用して掲載している。ぜひ参考にしてみてほしい。

行動提案

  • webサイトに掲載する事例・顧客の声を”動画”にして顧客に語ってもらおう
  • できるだけ多くの事例・顧客の声を動画にして配置しよう

事例4. Webサイトを徹底的に分析|法律事務所レーヴェンフェルド・パールスタイン

次に紹介するのが、アメリカ・シカゴの法律事務所のレーヴェンフェルド・パールスタイン動画活用事例だ。

同社はwebサイトの分析を実施したところ、訪問ユーザーが最も閲覧しにきているページが、「弁護士のプロフィールページ」であることを特定した。
見込み客は、どんな弁護士を雇えるのか・本当にこの弁護士で大丈夫なのか、といった潜在ニーズを強く抱えていて、それを確かめにWEBサイトに訪問していたのだ。
そこで同社は弁護士・スタッフページのリッチ化を実施。
同社の各弁護士ページには、詳細な経歴や情報はもちろんだが、特に特徴的なのが、そのプロフィールムービーである。

同社の弁護士プロフィールムービーでは例えば以下のようなことについて話をしている。

・弁護士の仕事において最も誇りを感じる瞬間
・私の最大の成果
・他の弁護士と一線を画している点
・もし弁護士の仕事をしていなければどうなっていたか
・子供のころには何になりたかったか

一般的には、ほとんどの弁護士事務所ではこういった動画は公開していない。
ただ私自身も、これまで弁護士を始め、税理士や司法書士など多くの士業サイトのマーケティングをサポートして来たが、マーケティングの上手い士業事務所ほど、こうした情報をあえてHP上で公開している。

顧客は決して暇ではない。
何人もの弁護士にわざわざ会って意思決定するのは非常に面倒だし、本質的に”webサイトの役割”を考えれば、webにこうした情報を沢山載せてあげて、こうした多くの情報にアクセスしてもらい、安心して意思決定してもらう方が良いだろう。

先日も、ある士業事務所のサイトリニューアルにおいて、ターゲット層となる複数のユーザーに定性調査を実施し、今のサイト・改善予定のサイトを見てもらった。

結果、ほぼ100%の人が依頼する人の”パーソナリティ”を重視し、できるだけ多くの動画コンテンツをwebサイトには配置していてほしいし、配置されていれば、必ず見ると回答した。

あなたのビジネスにおいて、特に”人”が商品・サービスそのものである場合、こうした紹介動画の配置を検討してもよいだろう。

行動提案

  • テキストだけではなく、できれば人柄・パーソナリティがわかる動画をwebサイトに配置しよう
  • 人は機能的価値と情緒的価値、その両面で意思決定・購買を決断する原則を抑えておこう

事例5. ヒーローズジャーニーを活用するCultureWise

事例3で紹介したように、クライアントの証言やケーススタディなど、Webサイトで第三者的な証明を行う重要を認識し、それを提供するべきだということは多くの人が認識していると思うが、ヒーローズジャーニービデオと呼ばれるものを作成・活用している企業は少ない。 
※そもそもヒーローズジャーニーとは?については、以下の記事でわかりやすくまとめているので、ぜひ一読してほしい。

カスタマージャーニーに違和感を感じる人必見!Carlijn Postmaが提唱するオーディエンスジャーニーとは?

ヒーローズジャーニービデオとは、伝統的なヒーローズジャーニー(映画や文学でよく使用されるストーリーテリング戦略)の手法を使用して、見込み客が、クライアントの視点を自分ごとのように認識し、まるで自分自身にこれから起こる未来を見るビデオ、これから一緒に仕事をしていく擬似体験を”旅”(ジャーニー)に沿って、ガイドしていくビデオのことだ。

まずは実際に以下のサイトに行って、実際のビデオを見てみてほしい。

>CultureWise社の動画ページを見る

動画では、以下の3段構成を用いて、ストーリー性のあるヒーローズジャーニー動画を作成している。

前半:抱えていた課題→解決策を求めて、CultureWise社に連絡することになったきっかけとなる心配や、抱えていた懸念は何だったのかを説明。

中盤:顧客が自社(CultureWise社)と、どのようにして課題を解決していったのかの”道のり”→CultureWise社をパートナーとして、クライアントが問題を解決するために辿った道のりをビデオ内で丁寧に共有している。
具体的には、CultureWise社が、クライアント企業で、より良い文化を確立するために行ったすべての手順と、それがクライアント企業のチームにどのように影響・作用したのかを理解できるようにしている。

後半:最後に結果としてクライアント企業が今どのような状態なのかの結果・現状を説明

→最後にCultureWise社の助けを借りて、クライアントが問題を解決し、より良い結果を得ることができたことを示している。

もしあなたの既存顧客・過去顧客の中で、特に象徴的な成功を収めている案件があるのであれば、このようなジャーニーがストーリーとして伝わる動画を作成してみてほしい。

より魅力的に企業・サービスの良さをユーザーが知覚できるはずだ。

行動提案

  • ただの無機質な事例動画ではなく、ヒーローズジャーニーに沿ってストーリー性のある動画を公開し、情緒的にも刺さる動画にしよう

事例6. 徹底的に患者の不安を払拭する|宮崎歯科

次にご紹介したいのが、東京の新橋にある宮崎歯科さんの動画活用事例だ。

宮崎歯科さんはYouTubeで様々な種類の動画コンテンツを発信しており、それらのコンテンツをサイトTOPページにも非常に多く配置しており、私自身も動画を通じてこの歯科・歯医者さんのファンになった1人だ。

宮崎歯科さんも、1つ目にご紹介したオオトリ建設さん同様、徹底的に患者の視点に立った動画を発信されていて、見た人が以下のようなことを瞬時に直感的に知覚できる動画コンテンツを沢山発信されている。

・歯医者や衛生士さん、助手の方々の非常の高い技術力
・患者に寄り添った声かけや丁寧な治療説明を通して伝わる高いホスピタリティ
・各治療のおける重要ポイントのわかりやすい理解のサポート

現在のGoogleのアルゴリズムだと、検索をかけて1位に来るコンテンツが特にYMYLの領域であれば、ほとんど参考にならないようなページが上位にくることは決して珍しくない。

また私自身も経験上そうなのだが、実際に受ける治療や歯医者のことを知りたい人は、YouTubeでも積極的に検索行動を行う。そうした時にたどり着いたのが、この宮崎歯科さんの動画コンテンツだ。

たとえば、一部だが以下3つの動画をみてみてほしい。
・難易度の高い根管治療をあえてノーカットでありのまま見せてくれる動画
・実際の施術風景とサポートイラストを活用して、非常に論理的な説明してくれる動画
・退職するスタッフへの感謝を伝える動画

注目したいのが、なんといってもこの動画からユーザーが受け取れる圧倒的な情報量の多さだ。

歯医者選びに迷っていたり、そもそも歯医者にいくべきか、今の歯医者を変えたいと思っているユーザーが、満たされることで意思決定しうるトリガー(技術力・ホスピタリティ・清潔さ・わかりやすく合理的な治療説明etc・・・)は多岐にわたるはずだが、そのほとんどがこの数分の動画を見るだけで解消される。

また治療動画だけでなく、スタッフの退職動画なども公開されていて、歯科医院のブランディングや採用にも貢献するような良質な動画も公開されている。

動画のコメント欄にも、見込み客はもちろん、同業の歯科の方々からも称賛のコメントが寄せられており、それがさらに患者がこの歯医者さん・この先生に見てもらいたいという感情を後押しするだろう。

コンビニよりも多いと言われる歯医者のwebマーケティングにおいて、動画活用をこれ以上ないほど、うまく行なって差別化・ブランディングにつながっている秀逸な動画活用事例と言えるだろう。

ここで以下の図を見てみてほしい。
下図は、Bain&Companyがリサーチをして発表している「顧客がほしいと思う30の価値要素」を図視化したである。

The B2B Elements of Value(Bain&Company)

この研究結果について一部簡単に解説すると、

・数多くの商品やサービスの提供している価値を研究した結果、どの業種業界でも商品そのものの「品質」が最も重要だということがわかった。品質の面で競合を下回ると、他のどの要素を持ってしても挽回することはできない。

・約30の価値要素のうち複合的にいくつもの価値を高いレベルで保有している商品やサービスは、長く愛されるブランドを維持している傾向があること。

・機能的価値をしっかりと持っており、さらにより高次元の欲求(希望やビジョン、モチベーションなど)を提供することができればさらにユーザーは価値を感じる。

といったことがわかっている。

要はどの価値があなたのビジネスにおけるエンドユーザーにとって重要な価値なのかを整理し、それを動画にするかということだ。

行動提案

  • サービスの”品質・技術”が顧客にとっての大きな意思決定要因である場合、それを動画にして見せよう
  • 顧客が特に大事にする「価値」の要素を複合的に動画に取り入れられないかを検討しよう

事例7. フォームページに動画を配置するiMPACT

次にご紹介するのは、CV率を高める上でより即効性の高い動画の活用事例だ。
マーケティング支援会社のiMPACT社は、これまでのクライアントとの改善取り組みにおいて、CV手前のフォームページ中に動画を追加することで、これまでCVRが80%~250%と非常に大きく向上させた。

設置した動画は、顧客が問い合わせ・見積もり・ダウンロード等のCVアクションをする際に抱く、不安や懸念を速やかに解消するショートムービーだ。

以下3つの異なるサイトのCVフォームページをみてほしい。

CVオファーのそのもののユーザーにとっての”価値”を簡潔に説明したり、フォームを入力し送信後に無理なセールスや電話をかけたりしないことを説明して、何が起こるかをすばやく伝達。ユーザーに安心感を与えている。

参考ページ:Request Pricing for a Fiberglass Pool

参考ページ:Bridge Crane Quote Comparison Tool

参考ページ:Ultimate Foam Insulation Buying Guide for New Build Homes

行動提案

  • フォームページには、ユーザーのCVアクション障壁を下げる動画を用意しよう
  • 動画内容は「ユーザーにとってのCVオファーの価値」・「その価値をユーザーが享受できる根拠」・「そのページのCVアクション後に何が起きるのか」の3ステップで端的にまとめよう

 


事例8. 価格の裏側を明かす動画|River Pools

River Pools社はアメリカのプール施工会社であり、アメリカで最もコンテンツマーケティングを成功させている企業の1つだ。

River Pools社は、プール施工そのもの・自社の商品についての価格、具体的には、価格設定・上下する要因・価格にまつわる、普通は話さない価格の裏側まで語るコストページ・コストビデオを公開。
その結果、数年に渡って優良な見込み客と収益を獲得することに成功しているという。

たとえば上記の動画では、プールのコストにまつわる以下のテーマについて、セールス要素を一切排除して解説をしている。

  • 自社で扱うグラスファイバー製プールと、自社で扱いはないが、よく比較に挙げられるコンクリートプールとビニールプール、それぞれのコストについて丁寧に説明。 
  • 3種のプールそれぞれについて、短期〜長期においてトータルコストがどのように変化するかを説明。

こうしたコストビデオが効果的な理由はシンプルで、”検索結果に表示される価格に言及したwebページをみて、ユーザーが感じるギャップ”を、動画を通してしっかりと埋めてくれる点にある。

今や多くの企業が自社のwebサイトに料金ページを設置しているが、同じぐらい多くの企業が、明確な価格の代わりに、「まずは無料でお見積もりしてください」というオファーを設けている。

だが、近年の顧客の購買習慣の急速な変化を念頭におくと、このやり方にも少し疑問を持った方が良いかもしれない。
ユーザーはあなたのウェブサイトで明朗でクリアな価格情報を探し、それを見つけることができない場合、ユーザーはすぐにあなたのサイトを離れ、それを真摯に透明性を持って明示してくれ、意思決定させてくれる競合をすぐに見つけてしまうだろう。

実際、River Pools社も当初は、コストの明確な開示に躊躇っていたが、思い切ってコストについて公然とオープンにしたグラスファイバー製プールの費用に関する記事・動画”を公開した後、信じられないようなことが起こり始めたという。
それは、業界の他の企業がこれまでその情報を提供したことがクリアされてこなかったため、この記事はますます多くのトラフィックを生み出したそうだ。

この記事は、彼らが思い切ってコストについて公然と書いていなければ、会社が決して稼ぐことができなかったであろう何百万ドルもの収入をもたらしたという。

このようにコストビデオは、見込み客が、主たる意思決定者と間で、”価格情報とその妥当性”を共有するために非常に効率的な役割を果たしてくれる。 

また価格妥当性を十分に理解できていない状態で商談が始まった場合、ユーザーは単純な”安さ”で意思決定したり、比較を行ってしまうだろう。

行動提案

  • 製品・サービスにおいて顧客が支払うコストを上下させるうる全ての要因について丁寧に解説しよう。
  • 類似・同等スペックの製品・サービスがなぜ安いのか・なぜ高いのかなど、市場構造の裏側にまでしっかりと解説しよう。
  • 提供する製品・サービスにおいて、なぜ・何に・どれくらいの費用がかかるのかについて丁寧に開示しよう。

まとめ

今やコンテンツマーケティングで動画活用はあたり前になりつつある。
あなたのマーケティングを大きく前進させる費用対効果の高い動画になるか・一過性の成果に結びつかない動画になるかは設計や企画次第なので、ぜひこの記事を起点に自社にマッチする動画を作ってみてほしい。

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