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11/27水19:00〜20:00
あなたは、世の中の人たちの役に立つ、ヒットするWEBサービスを作ることを夢見ていないだろうか?
昨年の3月にスタートしたチャットワークは、サービスのローンチ以来、着実にユーザーを増やし、今では、10万ユーザーを超え、船井総研やKDDI、京都大学なども導入するなど、大ヒットWEBサービスに成長した。
それでは、このチャットワークはどのようにして生まれたのだろうか?
本日は、今、最も勢いのある国内WEBサービスの一つ、チャットワークを開発した山本敏行氏にお聞きした、「ヒットするWEBサービスを作りたいなら絶対抑えておくべき5つの鉄則」をご紹介する。
上記の写真は、ChatWork社CEOの山本さんがサンフランシスコのbtrax (http://www.btrax.com)社にて2ヶ月のインターンを行っていた時の様子です。
目次
ヒットするWEBサービスには天才的なアイデアや画期的な閃きが必要と思ってしまいがちだ。しかし、実際は、日常の中の、地味で全うなプロセスの中に潜んでいる。
例えばGoogleなどの検索エンジンは、WEB上の情報が膨大になり、求める情報を探すことが困難になってきたことを受けて、「素早く簡単に」求めている情報に到達するための手段として生まれ、ユーザーの支持を得た。
このように、ヒットするWEBサービスの原点は、現状のツールやソフトウェアに存在する「不便さ」や「不自由さ」に着目し、それらの問題点を解決する手段を突き詰めることにある。
開発以来、着実に成長し、短期間で10万ユーザーを超えたチャットワークも、正にこのようなプロセスの中で誕生した。
チャットワークのアイデアは既存サービスの「不便さ」から生まれた
チャットワークのアイデアは、日常業務の中から生まれた。
チャットワークは、前身のEC Studio創業以来、業務効率化のため、オフィスでは電話機もおかず、メールも使わず、Skypeチャットで社内コミュニケーションを行っていた。
しかし、会社が急成長を迎えて、社員数やビジネスプロジェクトの増加にともない、社外とのやり取りが増えてくると、Skypeに対して、様々な「不自由」や「不便さ」が目立つようになってきた。
例えば、以下のようなものだ。
他のツールの使用やメールの導入も考えたが、どのようにシミュレーションをしても、今よりも業務管理が非効率になる結果しか見えて来なかった。
そして、遂に、社員の中から、「自社で効率の良い業務管理ツールを作ろう!」という声が上がるようになった。これが、チャットワークのアイデアが生まれた最初の瞬間だった。
ヒットするWEBサービスのアイデアは日常の中に潜んでいる
そう、チャットワークは、特別な人間の天才的な閃きによって生まれたのではなく、日々の業務の中で直面した既存のサービスに対する「不満」や「不便さ」から自然と生まれたのだ。
もし、あなたがヒットするWEBサービスの開発を目指しているのなら、既存のWEBサービスの問題点は何なのか?それによって、ユーザーはどのような「不満」や「不便さ」を感じているのかをリサーチしよう。そして、その問題点を解決するために、何ができるのかを考えよう。
ヒットするWEBサービスは、このように、地味で全うなプロセスの中から生まれる。
WEBサービスの開発で、犯してしまいがちな失敗は、現状分析やマーケットリサーチを行わずに、そのアイデアに没頭してしまうことだ。そして、素晴らしいアイデアであるほど、この失敗をしてしまいやすい。
当初、代表の山本敏行氏は、チャットワークというアイデアの可能性を認めつつも、参入には否定的だった。
既に多くのユーザーに利用され、しかも無料で提供されているSkypeの競合になるようなツールを安易に開発しても、ビジネスとしてうまくいく可能性が低いからだ。
しかし、「自社と取引先だけが使うものでも良いから、業務効率を上げるために作らせ下さい」という熱い声が社員から出て来たため、業務効率化による利益貢献という考えから開発に着手した。
開発をする以上、経営者として、収益化の可能性を模索することも重要という考えから、同時進行で、以下の3つの観点からマーケットリサーチも行った。
このように、チャットワークというアイデアが浮かんだ後も、アイデアの素晴らしさに酔わずにロジカルな調査を行ったことが、成功の大きな要因だった。
あなたがWEBサービスを開発する場合は、妥協せずに、徹底的なリサーチを行って、「これは成功する」という確信を持ってから市場に乗り出そう。
WEBサービスの開発につきまとう最も大きな問題は、ユーザー側が求めている機能と開発側の理念のバランスを取ることだ。
ユーザー側も人間であり、開発側も人間なので、時に両者の考え方にズレが発生する。そして、ユーザーの声を鵜呑みにするのも危険であり、開発側の考えを押し付けるのも危険だ。
なぜなら、一人一人のユーザーは、それぞれ環境も考え方も違うので、チャットワークという全体を考えての意見ではなく、乱暴な言い方をすると、自己中心的な立場にたった発言をする。一方、ユーザーの小さな声を無視して、開発側の考えを押し付けると、市場のニーズとかけ離れたものサービスになってしまう。
この問題を解決するために、サービス開発や運営の判断における一本の軸となる明確なサービスコンセプトが重要だ。
チャットワークのコンセプトは世の中の生産性を上げること
チャットワークには、「メールやSkypeチャットの代替品となり、世の中の生産性を上げる」という明確なサービスコンセプトがある。そして、この明確なサービスコンセプトが、開発や運用に関する重要な判断決定の指標となっている。
例えば、この主目的に沿わない機能は、例えユーザーから要望があってもつけることは無い。日本発のサービスは、機能をどんどん付け足していく傾向があるが、チャットワークはコンセプトに合わない機能の付け足しを行わない。
サービスコンセプトに合うか、合わないかの判断は、チャットで仕事をしてきた10年の経験からロジカルに判断する。
例えば、Skypeが持つ「相手がオンラインなのか、オフラインなのか分かる機能」はユーザーから要望があるものの、あえて付けない。相手がオンラインだと分かると、メッセージが届くとすぐ返信しないといけないというプレッシャーや退席がしにくくなり、お互いのストレスになる。「自分の都合に合わせて伝えておけるメールの強みと短くレスポンスよく返信できるチャット」という両者の強みを損なう結果になるからだ。
本格的な開発の前にサービスコンセプトを打ち立てよう
サービスコンセプトが明確であれば、何を付けるべきかだけでなく、何を付けないかという判断の精度が上がる。判断の精度が上がれば、サービスが迷走して、ユーザーのニーズから乖離した使いづらいサービスになる危険性をなくすことができる。
当然のことながら、WEBサービスの開発には、ヒト・モノ・カネ、そして膨大な時間が必要だ。しかし、そうしたリソースには限りがあるため、既存のリソースを、最も効率よく配分し、開発を進める必要がある。
そのためには、小さく始めてテストを重ねることが重要だ。
そのためチャットワークは、最小限の人員で開発をスタートし、「イケル!」と判断してから、リソースの追加投入を行った。
チャットワークはたった2人でのスタートだった
チャットワークでは、2010年中旬からCTOの山本正喜氏と、デザイン部リーダーの2名で開発をスタートした。
2011年の3月の一般公開までは、開発リーダー1人でプログラムを書き、一般公開後、反響が良いとわかってから開発者の増員を決めた。
(※2012年9月現在は、8名の開発者、2名のデザイン担当者、計10名で開発をしている。)
しかし、小さく始めるとは言っても、ビジネスの可能性を最大限まで追究するために、以下の2つの点を徹底した。
徹底①:一般公開を前提に、最初から良いものを作る
チャットワークを使えば業務効率が上がることは10年の経験から確信があった。しかし、社内ツールを前提にスタートすると、外部のフィードバックが得られず中途半端に終ってしまう。
ビジネスとして成功するか否かは市場の判断だが、一般公開することを前提に開発するスタンスは開発者やデザイナーを鼓舞する。Skypeチャットでは解決できなかった問題に、自分たちに必要な機能や改善を加え、それを叶えるデザインを熟考。これをベースにプログラムを書き始めた。
徹底②:絶対に譲れない機能なら、どんな壁でも乗り越える
当初チャットワークを開発する上で、大きな問題があった。それは、デスクトップアプリとして開発するか、WEB上で使えるクラウドサービスとして開発するかという問題だ。デスクトップで使えるアプリとして開発すれば、スムーズなチャットの切り替えは難しくないが、通信が発生するクラウドでは非常に難しいという課題があった。
しかし、様々な要因を分析した結果、主にユーザビリティの観点から、チャットワークはクラウドサービスとして提供するべきとの決断を下した。
同時に、ビジネス用途で使えるツールにするためには、チャットルームの切り替えがスムーズなことが非常に重要であり、画面切り替えはサービスの本質に関わる部分のため譲ることはできない。クラウドサービスとして提供するために、この問題の解決に四苦八苦した。
最終的に、Google App Engineをフロントエンドとして、Amazon Web Serviceをバックエンドとしてハイブリッドで使う方法を採用することで、この問題を乗り越えることができたのだが、この時に、デスクトップアプリという楽な道を選んでいたとしたら、今の高いユーザー満足度を誇るチャットワークとは別物になっていただろう。
結論:
ヒットするWEBサービスを作るには、良いものを作る前提でデザインを熟考し、最小限の人員でスタートさせる。サービスの本質に関わる機能のためなら、開発の壁もあきらめずに必ず乗り越えると決意しよう。そして、ユーザーが求めるサービスを開発することを第一優先にして、それを達成するための社リソース配分を心がけよう。
全てのWEBサービスには、必ず、ある一つの問題がつきまとう。
それは「いつどんなサービスが世界から無料で登場し、ひっくり返されるかわからない」という問題だ。
これを解決する唯一の方法は、サービスが目新しいリリース直後に大量のユーザーを一気に獲得し、追随を許さず市場を取り、参入障壁を築くことだ。そして、ユーザー獲得と同時に、機能面を随時改善し、乗り換えられる理由にならないよう洗練させる必要がある。
チャットワークでは10万ユーザーを得た今でも、ユーザー獲得を最優先課題としている。
そのため、引き続き、日本国内でのユーザー獲得施策にも力を入れながら、海外ユーザーを獲得するべく、2012年8月から、代表山本氏がシリコンバレーに渡って英語圏のユーザー獲得に着手している。
そして、2013年の3月までに100万ユーザーを必達目標としている。
あなたがWEBサービスを開発する時も、最初から、どのようにユーザーを獲得するかという明確なプロモーションプランを立てておこう。それでは、ローンチと同時に一気にユーザーを獲得するためには、どのようにすれば良いのだろうか?
チャットワークが短期間で10万を超えるアクティブなユーザーを獲得したプロモーション法を、バズ部で特別に公開させて頂けることになった。その具体的な策を、明日、公開させて頂くので楽しみにしていて欲しい。
チャットワークが10万ユーザーを達成した成功の5つの秘訣があなたのサービスの参考になれば幸いだ
また、チャットワークは現在、10万ユーザー突破の感謝キャンペーンとして、MacやiPad、ルンバ、ダイソンなどの豪華賞品が当たるプレゼントキャンペーンを行っている。
バズ部でも、今年の5月からチャットワークを導入して、業務を効率化している。その効果は抜群で、信じられないかもしれないが、今では、社員の全員が定時の18時にオフィスを出ている。
ぜひ、あなたもチャットワークという、これから世界に出て行く日本初の素晴らしいサービスを導入して、業務効率化に役立ててみてはいかがだろうか?
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