コンテンツマーケティング内製化に成功した企業がやっている6つのこと

「コンテンツマーケティングの内製化を成功させるには、どのように進めればよいのか」

まず、この問いにたどり着いた時点で、あなたはすでに正しい方向を向いている。

なぜなら、創業から14年間にわたり数多くの内製化支援を行ってきた私たちバズ部は、支援の現場を通じて、コンテンツマーケティングは外注よりも内製化した方が、成功確率も成果の大きさも明らかに高くなるという結論に至っているからだ。

事実として、バズ部が公開している成功事例の多く、たとえば「累計売上106億円を叩きだした不動産会社」や「月212万PV・4,499件の問い合わせを獲得した大手法律事務所」など、劇的な成果を上げた企業の大半が内製化に取り組んでいる。

だからこそ、コンテンツマーケティングで本気の成果を求める企業ほど、内製化を選ぶべきだと私たちは考えている。

とはいえ、例外もある。内製化に踏み切ったにもかかわらず、思うように成果が出ない企業も、少なからず存在する。

そこで今回は、私たちが今まで支援してきた企業の中で、成功した企業と思うように成果をだせなかった企業のちがいをふまえ、内製化を確実に成功へ導くために欠かせない「6つのポイント」を紹介したい。

【コンテンツマーケティングの内製化を成功させる6つのポイント】

1. AIにコンテンツをゼロから作らせない
2. 社長(大企業の場合は、その分野の責任者)が必ず参加する
3. プロジェクトメンバーは“量”ではなく“質”を優先し、少数精鋭で構成する
4. 最低5万件以上のキーワードを基に、勝てるキーワードを厳選する
5. 最低半年間はプロジェクトを継続する
6. コンテンツ制作に強い支援会社を選ぶ

これら6つのポイントを押さえるだけで、内製化の成功率は大きく変わる。

あなたの取り組みが前へ進む一助になれば幸いだ。

また、私たちバズ部は12年で400社以上のメディア支援を行い、

  • 立ち上げから10ヶ月で14.6億円の売上を産んだ不動産メディア
  • 8ヶ月で月間140万PVを実現したアプリメディア

など大きな成果を挙げ続けている。

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1. AIにコンテンツをゼロから作らせない

「AIを使えば、ラクにコンテンツを作れるのでは?」

もしそんな安易な発想でいるなら、まず改めてほしい。AIにコンテンツをゼロから書かせるのは絶対に避けるべきだ。

例えば、「◯◯というキーワードでSEO上成果が見込める記事を書いて」と指示し、AIがWeb上の総論を寄せ集めて生成した文章をそのまま公開する、といった使い方である。

なぜそれがいけないのか。理由はシンプルだ。AIの仕組み上、「すでに世の中に存在する情報を焼き直したコンテンツ」しか生成されないからである。

Googleは独自性のある情報を評価するし、ユーザーも「他とは違う」「この会社は詳しい」と感じるコンテンツに惹かれる。

どちらの点においても、こうした凡庸な記事が成果を出すことはない。

1-1.具体例:キーワード「離婚 慰謝料 相場」の場合

「離婚 慰謝料 相場」というテーマの記事を考えてみよう。

「慰謝料の相場は50〜300万円です」といった一般論を書いても、同じ内容の記事が無数に存在するため、読者の記憶には残らない。

一方で、

「通常の相場は50〜300万円ですが、〇〇のケースでは、実務上〇〇という理由で〇〇円ほど獲得できることがあります」

というように、弁護士の経験に基づいた独自の視点が入れば話は別だ。読者は瞬時に「この記事は他と違う」と感じ、強く印象付けられる。

あなた自身も問い合わせをする際、「他の記事とは違う」という感覚を持った経験があるはずだ。まさにその「違い」こそが独自性であり、問い合わせを生む原動力になる。

一方AIは、既存情報の“平均値”を抽出して文章を組み立てる。

その結果、独自性ゼロのコンテンツが生まれ、Googleにもユーザーにも評価されない。

1-2.一般論を寄せ集めた記事はAIモードで一瞬で作れる

実際、AIを使えば先ほどの「離婚 慰謝料 相場」の一般論記事などは数秒で生成できる。

Articles displayed in AI mode

Articles displayed in AI mode

このような状況でGoogleが評価するのは、AIが学習データをもとに再構成した一般論ではなく、実際の現場でしか得られない経験や具体的な事例が盛り込まれたコンテンツである。

だからこそ、Web上の情報を寄せ集めただけのAI生成コンテンツが、成果を出せないのは当然の結果だ。どれだけ文章が整っていても、そこに新しい情報がなければ、Googleにとっては「既にどこかにある情報の焼き直し」でしかない。

AIを使うなら、

  • 表現のバリエーションを増やすために語彙を探す
  • 自分の意見を録音して文字起こしし、文章化を助ける

といった“サポート用途”にとどめるべきだ。

Web上の総論をまとめさせるような形で、AIにコンテンツをゼロから作らせることは絶対に避けよう。


2. 社長(大企業の場合は、その分野の責任者)が必ず参加する

次に、社長(大企業であればその分野の責任者)には必ずプロジェクトに参加してもらいたい。

その理由は大きく2つある。

  • 選定するキーワードやコンテンツの質が大幅に上がる
  • プロジェクトの意思決定の速度が上がる

2-1.選定するキーワードやコンテンツの質が大幅に上がるから

1つ目の理由は、選定するキーワードやコンテンツの質が大幅に上がるからだ。

社長や責任者は、会社の理念・経験・ノウハウを最も深く理解し、体現している存在だ。

例えばキーワード選定ひとつを取っても、

「うちのお客様はこの言い方では検索しない」
「この悩みは実際の相談内容とズレている」

といった判断の精度が、一般社員とは比べものにならないほど高い

さらに、彼らの過去の経験から導かれる「このケースならこうすべきだ」という独自の主張は、コンテンツに強烈な説得力を生み出す。

これらをプロジェクトメンバーが吸収することで、キーワードもコンテンツも質が飛躍的に高まるのだ。

2-2.プロジェクトの意思決定の速度が上がるから

2つ目の理由は、プロジェクトの意思決定の速度が上がるからだ。

  • このキーワードで書くかどうか
  • この施策をやるかどうか
  • 何を優先し、何は切り捨てるのか

こうした判断をその場で迅速に下せるのが、社長や責任者の強みだ。

意思決定が早ければ、プロジェクトは迷わず前に進む。逆に、トップ不在のプロジェクトほど、無駄な会議や手戻りが増えて止まりやすい。

このように、コンテンツマーケティングの内製化を成功させたいなら、社長や責任者の参加は不可欠である。

彼らの知見と判断が入るだけで、プロジェクトの質もスピードも別物になるだろう。


3. プロジェクトメンバーは“量”ではなく“質”を優先し、少数精鋭で構成する

内製化プロジェクトに参加するメンバーは、何より「質」を重視し、少数精鋭で構成しよう。

ここでいう「質」とは、やる気も能力も十分に備えている人材のことを指す。

妥協して、やる気も能力も低いメンバーを加えるのは絶対に避けたい。なぜならコンテンツ制作は想像以上に負荷が高く、高い基準を維持し続ける必要があるからだ。

私たちの経験上、やる気がない人材は、ほぼ確実に途中でプロジェクトを離脱する。2〜3回の制作で音を上げるケースも珍しくない。

一方、やる気はあっても能力が不足している場合はもっと厄介だ。ここで言う能力とは、論理的思考や文章力のことを指す。能力が不足している人材は、努力しても質が上がらず成果に結びつかないうえ、低品質の記事によってメディア全体の評価が下がるリスクさえある。

過去、私が見てきた企業すべてにおいて「一見まじめで頑張りそうだが、論理的思考や文章力が極端に弱い人」が少なくとも1人はいた。

このタイプは“やってみないと分からない”面もあるため、ある程度は育成期間を設ける必要があるが、それでも1年単位で見守る覚悟が求められる。人件費の投資としても慎重に判断すべきだ。

「この人は微妙だけど、人数的に入れておいた方がいいだろうか」

その迷いが生じた時点で、答えはNOだ。人数ではなく、質で勝負しよう。


4. 最低5万件以上のキーワードを基に、勝てるキーワードを厳選する

大前提として、コンテンツマーケティングには「情報需要に基づいて情報を発信する」という側面がある。そのため、ユーザーがどんな言葉で情報を探しているのかを知る手がかりとして、検索キーワードのようなデータを活用することには意義がある。

そのうえで、コンテンツマーケティングで成果を出したいなら、最低5万件以上のキーワードを洗い出し、その中から“勝てるキーワード”を厳選することが重要だ。

なぜ、そこまで大量のキーワードが必要なのか。今のSEOは、大企業から中小企業までほぼすべての会社が参入しており、既存のキーワードは競合だらけだからだ。

中小企業が競合と同じキーワードを真似しても、勝てる可能性はほとんどない。

そこでキーワードを選定する際は、単にツールで抽出するだけでは不十分だ。サジェストワードも上位だけを見るのではなく、検索volが10以下のものまで確認したり、一見すると当たり前ではない言葉や見落とされがちな表現を探したりと、地道な調査が欠かせない。

こうした作業を一つひとつ積み重ねていくと、バズ部の場合、キーワードの母数は必然的に5万件前後に達する。この5万件前後をすべて土俵に乗せたうえで厳選していく。そこまでやって初めて、「ちゃんとやっている」と言える最低ラインに到達するのだ。

さらに、このアプローチはコラム記事だけでなく、YouTubeを含むあらゆるコンテンツ制作に応用できる。

自社が確実に勝てる領域のキーワードを選ばなければ、成果の出ない領域に投資し続けることになる。

だからこそ、最低5万件以上のキーワードを基に、そこから“勝てるキーワード”を厳選することが、内製化プロジェクト成功の絶対条件なのだ。

キーワード選定の詳細は以下の記事で解説している。無料・登録不要で「すぐ効くキーワード選定テクニック8選」も読めるため、ぜひ参考にしてほしい。

【図解】キーワード選定の正しいやり方─SEOの最初に読むべき記事


5. 最低半年間はプロジェクトを継続する

どれだけ手応えがなくとも、最低半年間はプロジェクトを継続しよう。

なぜなら、コンテンツマーケティングは即効性のある施策ではないからだ。早いケースでは3ヶ月ほどで成果が見え始めることもあるが、私たちバズ部の経験では、成果が出始めるのは概ね半年ほど経った頃が最も多い。

また、プロジェクトを継続するとは、新しいコンテンツを作り続けるだけを意味しない。読者(視聴者)の反応を元に、改善を重ねることまで含めての「継続」だ。

たとえば動画コンテンツなら、

  • コメントがつく動画とつかない動画の差を分析する
  • 「コメントがついた理由」を他の動画にも取り入れる
  • 再生数が伸びなかった動画は「どの要素が原因か」を見極めて外す

といった改善を積み重ねていく必要がある。

自分のコンテンツで得たリアクションは、次のコンテンツの質を上げるための貴重な材料だ。

コンテンツで成果を生むには、コンテンツを制作し続けながら、同時に制作→公開→反応→改善というPDCAを回し続けることが欠かせない。そのサイクルが実を結ぶまでには、どうしても時間がかかる。

だからこそ、短期で諦めるのではなく、最低半年間はプロジェクトを継続し続ける覚悟が必要なのだ。


6. コンテンツ制作に強い支援会社を選ぶ

もし外部の支援会社を活用して内製化を進めるのであれば、単にSEO対策に強い会社ではなく、コンテンツ制作に強みを持つ支援会社を選ぶべきだ。

いまやAIを使えばSEOのテクニックの大半は、「見出しにキーワードを入れましょう」といった表層的なものから内部施策・外部施策の整理や構造化、基本的な設計に至るまで、誰でも簡単に引き出せる時代になっている。つまり、そうしたノウハウを教えるだけの支援には、もはや高額な費用を払う価値はない。

だからこそ支援会社に求めるべきなのは、SEOのテクニックではなく、自社の強みや主張をどう構造化し、どう独自性のあるコンテンツとして形にするかという、本質的な部分を導ける力なのである。

コンテンツ制作に強い支援会社を見極めるために、次の2点を必ず確認してほしい。これは、公式サイトや問い合わせ、打ち合わせの場で判断できる。

  • 支援会社自身のコンテンツの質が高い
  • 独自性を生み出せないプロセスを採用していない

基準(1)支援会社自身のコンテンツの質が高い

まず最も重要なのは、支援会社が自社で公開しているコンテンツを見て、あなた自身が「ここはすごい」と感じられるかどうかだ。

理由は単純で、自社で良いコンテンツを作れていない会社が、他社にその作り方を教えられるはずがないからである。

支援会社の記事を見て、心から良いと思えないなら選んではいけない。

基準(2)独自性を生み出せない制作プロセスを採用していない

次に確認すべきなのは、その支援会社が独自性を生み出せない制作プロセスを採用していないかという点だ。

避けるべき典型例としては、

  • 上位記事をとにかくたくさん見ましょう
  • まずは上位記事を全部真似しましょう

といった指導が挙げられる。

これらは結局のところ、上位記事のコピーを量産するだけであり、独自性のあるコンテンツは生まれない。


7. まとめ

最後に、この記事の要点を整理しておこう。

コンテンツマーケティングの内製化を成功させるための6つのポイントは、次のとおりだ。

【コンテンツマーケティングの内製化を成功させる6つのポイント】

1. AIにコンテンツをゼロから作らせない
2. 社長(大企業の場合は、その分野の責任者)が必ず参加する
3. プロジェクトメンバーは“量”ではなく“質”を優先し、少数精鋭で構成する
4. 最低5万件以上のキーワードを基に、勝てるキーワードを厳選する
5. 最低半年間はプロジェクトを継続する
6. コンテンツ制作に強い支援会社を選ぶ

この記事が、あなたのコンテンツマーケティング内製化を進めるうえで、少しでも役に立てば嬉しい。

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