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11/27水19:00〜20:00
こんにちは。ルーシー(バズ部)の松澤です。
突然ですが、私は記事コンテンツ制作の外注について否定的な立場です。
記事の品質が低く、全くと言っていいほど使い物にならないからです。
各方面から批判が飛び交いそうですが、まずは私個人が思うことを遠慮なく記載します。
私は記事の外注で失敗したメディアをたくさん見てきました。
数万円程度の記事を100本以上外注したのにも関わらず、全く成果が出ていないようなメディアです。ざっと300万円程度のコストをかけて成果が出ていないのであれば投資としては大失敗です。記事の外注が「浪費(無駄遣い)」になっているケースは非常に多いのです。
一方、記事の外注を活用して大成功を収めているメディアも実在します。ただそれはほんの一部で、私の肌感覚では全体のうち5%程度でしかありません。失敗確率は95%です。
記事の外注は当然ながらリスクを伴います。
ただでさえ成功確率が低い選択肢なわけですから慎重に決断すべきでしょう。
そこで本記事では、私が外注記事に対して否定的な立場を取る理由と、外注を検討する場合に考えておくべきことを解説していきます。
もし記事の外注をご検討されているようでしたら、一旦立ち止まって本記事を判断材料にご活用ください。
目次
「存在意義がない」
これが私がほとんどの外注記事に対して否定的な立場を取る理由です。
私が指摘したいのは、制作のプロセスです。新しい価値を生み出すようなプロセスで制作されていれば、その外注記事はとても素晴らしいものになるでしょう。しかし、多くの場合がそうではありません。既存の情報(インターネット上にある記事など)をまとめ直すような制作手法を取るケースが多い。ここが非常に問題なのです。
類似記事で溢れかえっているような昨今、あえてさらに類似記事を制作する理由(存在意義)はありません。存在意義がなければ成果につながらなくて当然です。(一昔前であればまとめ記事も一定の価値があったのですが・・・)要はユーザーにとっての価値がないのです。
外注記事は社会的に求められているわけではなく、企業が求めているに過ぎないのです。
外注記事はほとんどが以下の特徴を持っています。
抽象的で教科書的なコンテンツになってしまう理由は、やはり制作プロセスに起因します。インターネット上の情報をまとめているため、当たり障りのない一般論に終始する傾向があり、一歩踏み込んだ独自の主張や、個別具体的なケースについて述べるような部分がどうしても少なくなります。
それを踏まえて、ここではいくつかの例を紹介していきます。その分野のプロフェッショナルが制作した例と、外注記事の例を比較しながら見ていきましょう。
はじめに紹介するのは、武蔵コーポレーション株式会社が公開している、不動産投資の節税をテーマにした記事の例です。
以下は、不動産投資のプロフェッショナルが執筆した文章です。
結論からお伝えすると、不動産投資で節税はできます。ネット上や他の記事では節税目的での不動産投資はNGという内容がありますが、それは全くの誤解です。
「不動産投資では大した節税ができない」
「節税目的で不動産投資を始めて失敗した」という声が多い理由は、突然電話してくる不動産会社の営業マンが、節税に向いていない人へ「不動産投資で節税ができる」と謳い、節税効果の小さい物件を売りつけているからです。
当社にも、「不動産会社の営業マンに勧められるがまま物件を購入したけど、節税効果が出ない。収支が悪くて不安だ。」という相談を月に5回以上いただきます。
特に以下の箇所は、プロフェッショナルでなければ書けない文章です。
一方で、外注を通じて記事を制作すると、以下のような内容になることでしょう。
不動産投資は、適切に行えば節税に有効な手段となります。
例えば、減価償却費を活用することで、家賃収入が発生しても所得税や住民税を抑えることが可能です。また、ローンを利用する場合は、金利負担が経費として計上でき、さらなる節税効果が期待できます。
さらに、不動産投資で発生する修繕費や管理費なども経費として認められます。ただし、節税を目的とした物件選びは注意が必要です。収益性や将来の資産価値も見極めることが大切で、無理な投資は逆にリスクを伴うこともあります。
あなただったらどちらの会社に相談したいと思うでしょうか。きっと前者の方が良いと感じるのではないでしょうか。一方後者は「適切に行えば〜」「無理な投資は〜」といった抽象的な文章と、「減価償却費を活用することで〜」「金利負担が経費として計上でき〜」のような教科書的な文章が特徴的です。
前者のような踏み込んだ主張は一切ありません。
次に「横浜相鉄ビル眼科医院 霰粒腫(さんりゅうしゅ)の治療と患者さんの体験談」を紹介します。
霰粒腫とはまぶたの中にできる小さな腫瘤のことを指します。以下は、医師が直々に執筆した霰粒腫の治療方法に関する文章です。
治療法は3通りあります。
1 ばい菌が入ったり、中でばい菌が増えるとこじれるので、ばい菌を抑えるように目薬、ないしは軟膏をつけて様子を見る。
これがいちばん楽なコースです。お薬自体に油を減らす作用はありません。こじれないようにしながら自然治癒を目指しているわけです。インパクトはないですが、運がよければこれで自然に治ります。ただし、運がよければ、です。2 トリアムシノロン(商品名ケナコルト)というお薬を注射する。
私の妻にやっているのはこれです。注射した日から赤みがどんどん引いていき、80%は治癒する、という印象です。最終的にちょっと芯が残ることが多いですが、見た目にまったくわからないのでこれでOK、というわけです。まぶたの注射は通常かなり痛いのですが、これを痛くないようにやるノウハウを持っています。
これの良いところは、暴れる子供を押さえつけてでもなんとか可能なところです(ちょっとかわいそうですが、押さえつけてでも治療するのが愛、ですからね)。手術はあばれる子供には無理ですから。お子さんの霰粒腫でお悩みの方、ご相談ください。3 手術で中身を出してしまう。
これが一番確実ですが、まぶたは血管が多く、術後は赤み、腫れが1週間ぐらい続きます。根治したい人にはお勧めですが、見た目的には1週間ぐらいは、切ったことによる腫れが残ります。
手術はまぶたを器械ではさむことにより、血管を圧迫して、出血しないようにするのですが、このはさむのがふつうはものすごく痛い。しかし、この痛みを感じないようにやる私たちなりのノウハウを持っています。
特に以下の文章からプロっぽさを感じますよね。
今紹介したような文章からはこの人がプロであることが伝わるんじゃないかと思います。
一方で、外注を通じて記事を制作すると、おそらく以下のような内容になるでしょう。
治療法は次の5つです。
1 温罨法(おんあんぽう)
温めたタオルや市販のアイマスクを使用して、まぶたを温める方法です。温めることで瞼板腺の詰まりが解消され、しこりが自然に吸収されることを期待できます。
2 マッサージ
温罨法を行った後、優しくまぶたをマッサージすることで、瞼板腺の詰まりを解消しやすくなります。医師の指導のもとで行いましょう。
3 薬物療法
霰粒腫が小さい場合や初期の段階では、抗生物質の点眼薬や軟膏が処方されることがあります。炎症や感染のリスクを抑えるため医師の指示に従って使用しましょう。
4 切開手術
しこりが大きく自然治癒が見込めない場合には、切開手術が行われることがあります。局所麻酔を施した後、瞼板腺に溜まった内容物を排出し症状を改善します。
5 ステロイド注射
切開手術が難しい場合や、しこりが繰り返し発生する場合には、ステロイド注射による治療が有効なことがあります。ステロイドを直接しこり部分に注射することで、炎症が抑えられ、しこりが徐々に小さくなります。
あなただったらどちらの病院に治療をお願いしたいと思うでしょうか。
前者の方が良いと感じる方の方が圧倒的に多いはずです。一方後者はありきたりな文章になっていることがわかります。調べれば出てくる情報だけで構成されているような文章ですよね。
本当のプロフェッショナルならば、独自の経験や考えを表明できますが、外注記事ではそういった部分がどうしても弱くなってしまう。それによって記事の品質に大きな違いが生まれるのです。
やや否定的な立場でお伝えしてきましたが、そんな中で記事の外注を検討せざるを得ない企業がいらっしゃるのも事実かと思います。そんな時、何を考えて外注を進めていくべきなのかお伝えします。
まずは内製を中心に考えましょう。
社内のプロフェッショナルを集め、チームを編成し、自社内で記事制作を進めるべきです。
もし人が足りないとしても、なんとか社内で人を集められないか(協力してもらえないか)考えましょう。ライティング未経験者であっても問題ありません。ライティングの技術は後から身につけられるからです。
その上で、どこまでの範囲が外注するべき範囲かを決めていくのです。自分たちがやれないことは、外注してもコントロールできません。そう思っておいた方がいい。だから、まずは自分たちで構築してから外注する範囲を決めていくことをお勧めします。
次に記事制作のコア部分以外の外注を検討しましょう。
リソース不足の対処法は記事の外注だけではありません。イラスト制作、校正、投稿作業のような記事制作の周辺タスクの外注や、その他の社内業務の外注などを通じて、リソースをコントロールしましょう。
それによって時間が削減できたら、その時間を記事制作に充てましょう。
もしここまでやっても、十分な記事制作体制が用意できないのであれば、外注を検討しても良いでしょう。ただし、なんでも外注すれば良いというものではありません。重要な記事とそうでない記事を分けて外注を検討しましょう。
それらの区別は一つ一つ精査して判断していくべきですが、大まかな傾向として、前者はハウツー系、後者は知識系の記事になりがちです。
ハウツーを提供するためには、現場レベルでの深い専門性とそれを下支えする価値観が必要になることが多いからです。もちろん知識系の記事でも必要なのですがその度合いは比較的低めになりがちです。
重要な記事とそうでない記事を分類できたら、そうでない記事を対象に外注を検討していきます。ポイントは、十分なコミュニケーションを取れる会社に依頼することです。投げっぱなしで記事を制作し始める会社ではなく、説明やヒアリングの機会を設けたうえで記事制作に移ってくれるような会社です。
あなたの会社と外注先の会社では、特定分野における理解にギャップがあるはずだからです。そのギャップを埋めるためには十分なコミュニケーションが必要です。それで十分カバーできるわけではありませんが、全くカバーできないよりは遥かにましです。
十分なコミュニケーションが取れると判断した会社に依頼しましょう。
納品されたら終わり、ではいけません。
十分な記事が納品されることはほぼあり得ないからです。一部が許容できたとしても、全てが許容できることはないはずです。
どこかであなたの考えと乖離があるはずです。
そういった部分は必ず自分たちで手を加えましょう。必ず記事の全てに目を通して、会社としてGOサインが出せる状態になってからリリースしましょう。
納品された記事は完成品ではありません。
あなたが責任を持って記事を完成させるべきです。
以上が、私が外注記事に対して否定的な立場を取る理由です。
当然ですが記事の外注が絶対に悪というわけではありません。
ユーザーにとって価値がある記事を作るための選択肢として、品質を担保できるメンバーがいるのにも関わらず、安易に外注を選択してしまうのは避けるべきということです。
この順番で記事の外注を検討し、プロフェッショナルとして品質に責任を持つ覚悟があるのであれば、私は一つの選択肢としてありだと思います。ぜひ本記事を今後の記事制作体制を構築するためにお役立てください。
私たちバズ部は、12年で400社以上のコンテンツマーケティング支援を行ってきた中で
・立ち上げから10ヶ月で14.6億円の売り上げを産んだ不動産メディア
・わずか8ヶ月で月間140万PVを実現したアプリ企業メディア
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など、今までの常識を覆す成果を挙げ続けてきました。
大企業・中小企業を問わずコンテンツというものをしっかりと理解して、真剣に取り組んでいただければ、誰でも、これと同じ、またはこれ以上の成果を出すことができます。
実際にバズ部が取り組んだプロジェクトについて、どの様に圧倒的な成果を実現してきたのかを下のページで詳細にまとめています。ぜひ参考にしてください。