オウンドメディア運用の7ステップ|理想的な体制と代行していい範囲

あなたはこれからオウンドメディアを運用しようか検討しているところだ。

いざオウンドメディアの運用を真剣に検討し始めると「どのような工程があるのか」「どのような手順で運用するのか」など分からない点が多く、何から手をつければいいのか途方に暮れているのではないだろうか。

オウンドメディアの運用は下記の7つのステップで進めることができる。

オウンドメディア運用手順

しかし、ただ工程をこなすだけでは、オウンドメディアの成果を最大化できない。

私たちバズ部が相談を受けたお客様の中には「オウンドメディアを運用しているけれど成果が出ない」という声が多いのも事実だ。

一方で、オウンドメディアの運用方法を理解して進めることができれば、私たちバズ部のように成果につなげられる。

バズ部のオウンドメディアの成果

だからこそ、オウンドメディアの運用開始前の段階で誰がどの工程に携わるのか検討して、重要なポイントを押さえながら進められるよう理解しておくことが重要だ。

そこでこの記事では、オウンドメディアの運用手順と事前に知っておきたいポイントをまとめて解説していく。

オウンドメディアの運用開始後に「しっかりと考えて立ち上げるべきだった」と後悔しないためにも、ぜひ参考にしてみてほしい。


1.オウンドメディアを運用するときの流れと体制

アイキャッチ

オウンドメディアは下記の7つのステップに沿って運用できる。

まずは、オウンドメディアを運用するときの手順を1つずつ解説していく。

オウンドメディアの運用手順

ポイント

1.目標設定

・記事の本数を軸に目標設定をする
・まずは120記事で20万PVを目指す

2.ビジョン・主張の定義

・ターゲットを明確にする
・どのような価値提供を目指すか決める
・メディアを通した一貫した主張を決める

3.キーワード選定・戦略設計

・キーワード選定は時間をかけてしっかりと取り組む
・記事を掲載するだけでなくその後のユーザー行動を設計する

4.サイト制作

・企業のホームページの中にオウンドメディアを作る
・立ち上げ段階でデザインにこだわる必要はない
・スピード感を持ち実施する

5.記事制作

・自社にとっての「いい記事」の定義を明確にする
・自社の強みを反映させるために上層部がフィードバックする
・ライターに丸投げはよくない

6.記事のアップロード

・誰が実施しても品質を左右しないので積極的に外注する
・アップロードの負担を減らすツールを使用する

7.効果測定

・オウンドメディア立ち上げ後3ヶ月~半年は記事本数をKPIとして追いかける
・半年以降は検索エンジンの流入数とコンバージョンを確認する

それぞれの工程でどのようなことをするべきか確認しておこう。

1-1目標設定 

目標設定
オウンドメディア運用の目標を明確にする

担当者

・社長、役員
・オウンドメディア責任者

代行について

コンサルティングサポートの中に含まれているケースが多い

所要時間

1~2週間

ポイント

・記事の本数を軸に目標設定をする
・まずは120記事で20万PVを目指す

まずは、オウンドメディアの目標設定をしよう。

オウンドメディアの目標設定時の軸としたいのは、記事の本数だ。

目標設定のポイント

私たちが400社以上のオウンドメディアを支援してきた中で感じるのは、検索エンジンからの集客には一定の記事数が必要になることだ。

「CVやPVも重要なのでは?」と考える方もいるかと思うが、記事数が足りていないとオウンドメディアの成果が出る可能性が減少してしまう。

そもそも一定の記事数がないと、PVやその先のCV(問い合わせ)を生むことはできない。それにもかかわらず、私たちの見てきた一番多いオウンドメディアの失敗原因は「記事数を担保できない」ことだ。

だからこそ、オウンドメディア立ち上げ時には記事数を増やすことを意識しよう。

コンテンツ数と成果の相関イメージ

実際にバズ部が一定期間にコンサルティングをした26社のメディアサイトを調査したところ、10万PV達成までに93記事、20万PV達成までに113記事必要なことが分かった。

PV数に対しての記事数

この結果を参考にしつつ、オウンドメディア立ち上げから半年で60記事、1年で120記事20万PVを目標にするといいだろう。

1-2.ビジョン・主張の定義

ビジョン・主張の定義
オウンドメディアのターゲットや提供価値、主張の定義を明確にする

担当者

・社長、役員
・オウンドメディア責任者

代行について

サポートできる業者は少ない

所要時間

1~2週間

ポイント

・ターゲットを明確にする
・どのような価値提供を目指すか決める
・メディアを通した一貫した主張を決める

続いて、オウンドメディアのビジョンと主張を明確にしよう。

大切な工程ではあるがサポートしてくれる業者は少ないので、オウンドメディア責任者や役員が携わって実施するといいだろう。

ビジョンと主張を明確にするときのポイントは次の3つだ。

ビジョン・主張のポイント

この3つのポイントが揃わないと私たちの経験上、オウンドメディアのタ―ゲットが曖昧で提供できる価値を明確にできていないと、下記のような事態に陥りやすい。

・記事の質や方向性が揃わない
・オウンドメディアの個性が出しにくい
・記事に説得力がなくファンがつかない

ユーザーが何度も訪れたくなる独自性の高いオウンドメディアでないと、集客が成功したとしても一過性のものになってしまうだろう。

あなたの企業にとって価値のあるオウンドメディアを運用するためにも、この3つのポイントは明確にしておこう。

一例としてバズ部の場合は、下記のようなターゲットと価値提供、一貫した主張を掲げている。

ターゲット

売上アップに悩んでいる企業

価値提供

Webマーケティングの力を使い、低コストかつ短期間(半年から3年)で、業界のトップを取れるようにする

一貫した主張

真に良質なコンテンツを一貫して提供し続ける

そのため、どの記事を見てもWebマーケティングの力を使い低コストかつ短期間で業界トップを獲得できるような、本当に良質な記事を発信し続けてきた。

その結果「バズ部の発信する情報をもっと知りたい」と多くのファンを獲得。一貫した主張が信頼性、専門性の証となり、12年間で50億円以上の売上獲得ができている。

オウンドメディアに一貫した主張があるとユーザーに刺さる記事制作につながる。

オウンドメディアの運用を始める前に「どのようなターゲットに向けて何を伝えるのか」明確にしておこう。

1-3.キーワード選定・戦略設計

キーワード選定・戦略設計
記事のキーワード選定とユーザー行動の設計をする

担当者

・オウンドメディア担当者

代行について

代行しやすい

所要時間

1~2ヶ月

ポイント

・キーワード選定は時間をかけてしっかりと取り組む
・記事を掲載するだけでなくその後のユーザー行動を設計する

オウンドメディアのビジョン・主張が明確になったら、それに合わせたキーワード選定・戦略設計を行おう。

キーワード選定・戦略設計のポイント

「キーワード選定はすぐにできるのではないか」と考えている方もいるかと思うが、コンテンツマーケティングの専門家の観点から見ると「キーワード選定で売上の8割が決まる」と言っても過言ではないほど重要な工程だ

何となくキーワード選定をするのと戦略的なキーワード選定をするのとでは、スタート記事と同じでも成果に大きな差が出る。

キーワード選定なしとキーワード選定あり

ユーザーのニーズと向き合いながら、1~2ヶ月かけてキーワード選定を実施しよう。

ただし、キーワード選定には専門的な知識が必要となり難易度が高いため、外注することも検討してみてほしい。

戦略設計では、ユーザーが記事を読んだ後に起こして欲しい行動を想定して問い合わせ、売上拡大につながる設計を検討しよう。

バズ部の場合は、記事内にEbookのバナーを設置し、興味を持ったユーザーがダウンロードできる設計にしている。

Ebookダウンロードを機にユーザーの情報を入手できるためメルマガで関係を維持しつつ、最終的に問い合わせへとつなげている。

問い合わせへと繋げる手順

このように、記事制作のみで終えるのではなく、記事を読んだ後のユーザー行動を意識してオウンドメディア設計をしておこう。

▼キーワード選定の基礎知識は下記の記事を参考にしてみてほしい。
【図解】キーワード選定の正しいやり方─SEOの最初に読むべき記事

1-4.サイト制作

サイト制作
スピード感を持ちサイト制作をする

担当者

・オウンドメディア担当者
・エンジニア
・デザイナー

代行について

代行しやすい

かかる時間

1~2ヶ月

ポイント

・企業のホームページの中にオウンドメディアを作る
・立ち上げ段階でデザインにこだわる必要はない
・スピード感を持ち実施する

オウンドメディアの方針が固まったところで、サイト制作も進めよう。

オウンドメディアのサイト制作のポイントは次の3つだ。

サイト制作のポイント

最も重要なのは、あなたの企業のホームページ内にオウンドメディアを作ることだ。

既存のホームページのドメインを利用できるため、SEO評価がつきやすい。

SEOの観点では、新しいドメインを取得してオウンドメディアを立ち上げるより有利になる傾向がある。

成果が出るまでの期間が1年以上変わるケースもあるので、企業のホームページ内にオウンドメディアを作りサブディレクトリを取得するといいだろう。

ホームページのドメイン:https://abcde.co.jp/
サブディレクトリ:https://abcde.co.jp/blog/

また、オウンドメディア立ち上げ時にデザインにこだわる必要はない。

WordPressの既存テーマなどであっても十分に活用できる。

まずはオウンドメディアを少しでも早く運用するスピードにこだわり、サイト制作を進めるようにしよう。

▼バズ部が提供しているWordPressのテーマは下記を参考にしてみてほしい。
バズ部が提供する無料のワードプレステーマ「Xeory」

1-5.記事制作 

記事制作
自社にとっていい記事の定義を明確にして一定水準の記事を制作する

担当者

・オウンドメディア担当者
・ライター
・デザイナー

代行について

できる限り代行しないほうがいい

かかる時間

1記事:7時間以上

ポイント

・自社の強みや特徴を反映させるために上層部がフィードバックする
・自社にとっての「いい記事」の定義を明確にする
・ライターに丸投げはよくない

オウンドメディアの核となるのは記事の制作だ。

バズ部が一定期間にコンサルティングをした26社のメディアサイトを調査したところ、1記事に7時間以上時間がかかり、3名以下のライター体制で制作していることが分かった。

記事制作の運用体制

60記事を制作する場合は最低でも420時間が必要になるので、記事制作に注力できる環境整備が必要だろう。

記事制作をするときに大事なポイントは次の3つだ。

記事作成のポイント

記事はライターが執筆をして完成ではなく、自社の主張やコンテンツに相応しい内容なのかフィードバックする必要がある。

フィードバックをするには評価するための基準が必要なので、自社にとっていい記事の定義を明確にすることが重要だ。

実際にバズ部が制作しているコンテンツも社員が制作するだけでなく、役員が主張や品質をしっかりと確認している。

フィードバックには上層部が積極的に関わり、自社ならではの強みや主張がしっかり反映されているか確認するようにしよう。

▼バズ部が実践してきた良好な記事を制作するコツは下記にまとめているので参考にしてみてほしい。
良質なコンテンツを作成するための20のコツ

【記事制作は外部ライターに丸投げしない】

2.オウンドメディアの運用体制は内製化がおすすめ」でも詳しく解説しているが、オウンドメディアの記事制作を外部ライターに丸投げすることはよくない。

なぜなら、企業の強みや魅力を最も理解しているのはあなたの企業の他ならないからだ。

表面的なコンテンツではなく、熱量や思いの伝わるコンテンツがユーザーの心を掴む。

どうしても外注しなければならない場合もあるかと思うが、基本的には社内で記事制作ができる体制を整えるようにしよう。

とは言え、工数が足りない場合があると思うので、そのような場合は下記のポイントを参考にしながら外注先を決めるといいだろう。

・インタビューをして自社の強みや特徴を反映させてくれるところに依頼する
・重要な記事とそうでない記事をわけて、比較的重要性の低い記事を依頼する

1-6.記事のアップロード

記事のアップロード
執筆した記事をアップロードして公開する

担当者

オウンドメディア担当者

代行について

積極的に代行する

所要時間

1記事:2~3時間

ポイント

・誰が実施しても品質を左右しないので積極的に外注する
・アップロードの負担を減らすツールを使用する

記事もアップロードでは、制作した記事の内容を確認して公開する作業を行う。

アップロードには1記事2~3時間程度かかるため、意外と時間を割かなければならない工程になる。

しかし、誰が実施しても品質が左右される工程ではないので、積極的に外注するといいだろう。

記事のアップロードのポイント

自社でアップロードする場合は、できる限りアップロードに割く時間を減らせるツールを活用するのも1つの方法だ。

私たちバズ部が提供しているライティングツール「Pencii」は1クリックでWordPressにアップロードできるため、アップロードに必要な画像調整などの負担が大幅に軽減できる。

1-7.効果測定

効果測定
オウンドメディアの改善を重ね成果を最大化するために定期的に効果測定をする

担当者

・オウンドメディア担当者

代行について

レポーティングサービスができる会社もある

所要時間

数時間/月

ポイント

・オウンドメディア立ち上げ後3ヶ月~半年は記事本数をKPIとして追いかける
・半年以降は検索エンジンの流入数とコンバージョンを確認する

オウンドメディアは公開して終わりではなく、改善を繰り返すために効果測定が必要になる。

効果測定にこだわりチェックし過ぎるのはよくないが、毎月1回程度は下記のポイントを押さえて実施してみよう。

効果測定のポイント

オウンドメディアの立ち上げ後3ヶ月~半年は「1-1目標設定」で触れた記事本数をKPIとして追いかけよう。

半年以降は、キーワードごとの検索エンジンの流入数とコンバージョンを確認することが重要だ。

▼効果測定については下記の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてほしい。
SEO効果測定とは?測定が必要な8項目と活用できるツールを解説


2.オウンドメディアの運用体制は内製化がおすすめ

アイキャッチ

ここまでオウンドメディアの運用の流れを紹介してきた。

オウンドメディアの運用には一定の時間と労力がかかるが、基本的には内製化することがおすすめだ。

あなたの会社の強みや特徴を最も理解しているのは、あなたの会社他ならない。

外部の業者に丸投げしてしまうと、あなたの会社の良さを十分に伝えられないオウンドメディアになってしまう可能性がある。

自社のことを最も理解しているからこそユーザーの興味関心を惹きつけるオウンドメディア運用ができる

実際にバズ部コンサルティング現場でお客様の相談に乗っていると、記事代行で成果が出ているのは稀なケースであることが分かった。

せっかく代行依頼したものの「コンバージョンにつながらない」「記事の内容が薄い」などのお悩みを抱えているケースがほとんどだ。

価値のあるオウンドメディア運用をするためにも、自社で運用することを前提として体制を整えるようにしよう。

【どうしても記事の外注が必要な場合は重要度で分けるのも一つの方法】

リソース不足などで継続的に記事制作をする余力がない場合は、重要度の高い記事を自社で制作しそれ以外の記事を外注する方法も1つの手段だ。

ただし、外注する記事も社内でフィードバックを行い、一定の品質を保てるようにすることが大切になる。


3.オウンドメディア運用を代行してもいい範囲

アイキャッチ

オウンドメディア運用は基本的には内製化したほうがいいが、下記のような工程は専門性が高く自社だけで取り組むと的確な判断ができないケースがある(記事のアップロードを除く)。

オウンドメディアの成功を左右する部分でもあるので、外部業者の力を借りながら進めるといいだろう。

【代行依頼してもいい運用工程】

・目標設定
・ビジョン・主張
・キーワード選定
・戦略設計
・記事のアップロード(作業者により品質が変わらないため、このタスクは代行を強く推奨。)

もちろん外部業者への丸投げはよくないが、意見を出し合いながら進めることでオウンドメディアの質を高めることができるだろう。


4.まとめ

今回は、オウンドメディアの運用手順について解説してきた。

最後にこの記事の内容を簡単に振り返ってみよう。

〇オウンドメディアの運用手順は下記のとおり

オウンドメディアの運用手順

ポイント

1.目標設定

・記事の本数を軸に目標設定をする
・まずは120記事で20万PVを目指す

2.ビジョン・主張

・ターゲットを明確にする
・どのような価値提供を目指すか決める
・メディアを通した一貫した主張を決める

3.キーワード選定・戦略設計

・キーワード選定は時間をかけてしっかりと取り組む
・記事を掲載するだけでなくその後のユーザー行動を設計する

4.サイト制作

・企業のホームページの中にオウンドメディアを作る
・立ち上げ段階でデザインにこだわる必要はない
・スピード感を持ち実施する

5.記事制作

・自社にとっての「いい記事」の定義を明確にする・自社の強みを反映させるために上層部がフィードバックする
・ライターに丸投げはよくない

6.記事のアップロード

・誰が実施しても品質を左右しないので積極的に外注する
・アップロードの負担を減らすツールを使用する

7.効果測定

・オウンドメディア立ち上げ後3ヶ月~半年は記事本数をKPIとして追いかける
・半年以降は検索エンジンの流入数とコンバージョンを確認する

〇オウンドメディアの運用は基本的には内製化がおすすめだが、知識が必要な部分は外部業者と協力して進めることもおすすめ

オウンドメディアは継続的に運用できる基盤を整え、会社全体でコミットしていく姿勢が大切だ。

この記事をもとに成果を最大化できるオウンドメディア運用ができることを願っている。

カテゴリー オウンドメディア

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