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11/27水19:00〜20:00
こんにちは。ルーシー(バズ部)の松澤です。
良質なコンテンツを作れる人と作れない人にはどのような違いがあるのでしょうか。
能力やセンス、経験を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、それらはさほど重要ではありません。コンテンツ制作のプロセスの方がはるかに重要です。
その中でも差を大きく分けるのは、シチュエーションの設定です。
私はどんなに自信のない初心者でもシチュエーションの設定に力を入れるだけで、みるみるコンテンツの品質が向上していくのを目の当たりにしてきました。シチュエーションの設定は、検索ユーザーのニーズ(検索意図)をこれまで以上に的確に捉えるのに役立つからです。
私たちが制作するコンテンツの検索エンジン上位表示率(1~3位にランクインする確率)は約55%です。2本中1本は上位表示される計算です。
相場よりかなり高い数値だとは思いますが、この数値を下支えしているのが、私たち独自のコンテンツ制作プロセスであり今回紹介するシチュエーションの設定です。
もしあなたがコンテンツの品質をもう一段階引き上げたいとお考えなのであれば、これから紹介する方法を試してください。
目次
まずは、シチュエーション自体の理解を深めていきましょう。
シチュエーションとは検索ユーザーが置かれている「状況」です。性別、年齢、職業のような「属性」とは異なります。ユーザーが直面している困りごとやそこに至るまでの経緯や文脈を指します。
次で紹介する例を通じて理解を深めていきましょう。
※注意
シチュエーションの設定に絶対的な正解はありません。コンテンツの価値を決めるのはユーザーです。私たちができるのは仮説の精度を高めることです。シチュエーションの設定は、仮説の精度を高めるという点において、他の手法と比べて優れているに過ぎません。正しさという観点は一旦横に置いておき、まずはシチュエーションを設定してみるところから始めてみましょう。
さっそくですが、キーワードが「しいたけ カビ」の例で考えてみましょう。
まずはシチュエーションを設定しない場合から考えてみましょう。
何の工夫をすることもなく、キーワードから直接ニーズを考えるパターンです。きっと次のようなニーズの案が出てくることでしょう。
ニーズ:
しいたけにカビが生える原因や対処法、対策を知りたい
一見すると間違っていないように思えますよね。
このニーズの案に基づいて進めると、例えば1章に「しいたけにカビが生える原因」、2章に「しいたけにカビが生えた場合の対処法」といったコンテンツになるでしょう。
でも、このまま進めてしまうとコンテンツ制作は失敗します。次の例を見るとこのニーズの案が的外れであることがわかります。
キーワードから直接ニーズを考えるのではなく、まずはシチュエーションを設定してみましょう。すると次のようなイメージが浮かびます。
シチュエーション:
夕飯で使用する予定のしいたけを冷蔵庫から取り出したらカビのようなものが生えていた。せっかく料理で使う予定だったのに食べられなかったら困る。これは本当にカビなのだろうか?そして料理で使うことはできないのだろうか?そう思って「しいたけ カビ」と検索した。
このシチュエーションを描くことができれば、次のような重要なニーズを導き出すことができます。
ニーズ:
このしいたけが食べられるのか、食べられないのかを知りたい
前述したような「原因」や「対処法」、「対策」は特に求められていないことがわかります。「食べられるか食べられないか」について論じるコンテンツを作れば良いと判断できます。
シチュエーションを設定した場合としていない場合の違いは理解できたでしょうか。
シチュエーションはコンテンツの方向性を180度変えるほどの影響力を持っています。実際にこの考えに基づいて制作したコンテンツは、5年以上経過する今でも上位表示し続けています。
ここまでの話を聞いて「なんだか難しそう」と思われる方もいるかと思います。でもそんなに難しいものではありません。
まずはシチュエーションについて思考を巡らせる時間を1分だけでよいので確保してみてください。多くの場合、それだけで上手にシチュエーションを設定できるものです。
私はよく「しいたけ カビ」のお題をクライアントに出すのですが、ほぼ全ての方の回答が一致します。肌感覚的には正答率95%です。ちょっと思考の時間を設けるだけで、誰であってもそれなりに良い案は出せるものです。
いくつかシチュエーション設定の例をお見せします。
次のような発想は、特別なテクニックを使わずとも誰でも自然に持てるのではないでしょうか。
このようにシチュエーションを設定することさえできれば、そこを起点にニーズをより的確に捉えられるようになるはずです。
シチュエーションを上手に設定できればニーズを捉える精度が向上します。ここではそのためのポイントを紹介します。
まずは「なぜ検索したのだろう?」とシンプルに思考しましょう。自問自答を繰り返すことでシチュエーションのヒントが得られるはずです。
例えば「パソコン 重い」であれば以下のように思考します。
なぜ検索したのか?(3回目):これから数時間にわたってパソコンを使わなければいけないから
なぜ検索したのか?(4回目):仕事の効率が下がってしまうから
なぜ検索したのか?(5回目):早く仕事を終わらせたいから
なぜ?を繰り返す過程でシチュエーションのヒントが得られます。
上記で言えば、「これから数時間にわたってパソコンを使わなければいけないから」がヒントです。「長時間にわたるパソコンの作業が待ち構えている状況である」と考えられるわけです。
このシチュエーションに辿り着ければ、ユーザーに一時的な回避策を伝えても意味がないことがわかります。長時間の作業に耐えられる根本的な解決策を伝えるほうが重要です。
検索の動機には、強い動機と弱い動機があります。
そのうち「強い動機」が発動するシチュエーションに意識を向けることで、よりニーズを発見しやすくなります。つまり、重要性と緊急性の両方が高まるシチュエーションを考えましょう。
例えば「ニキビ 治し方」の例で見ましょう。
前者のシチュエーションを想定できれば、ユーザーのニーズは「綺麗な姿でいたい」であることがわかります。一生の一度の特別な場で、自分史上最も美しい姿で当日を迎えたいのです。もしそうであれば、ニキビの治し方というのは表面的なものだとわかります。それだけでなく、ニキビを隠すファンデーションの塗り方や、ニキビを隠すヘアスタイリングのアイデアなど、他にもユーザーに伝えるべきことがあることに気づきます。
また「1週間後に結婚式が控えている」というシチュエーションが設定されていることによって、緊急対処が求められていることも想像できます。「1ヶ月かけてじっくり治しましょう」といった提案がナンセンスであることがわかります。
弱い動機を考えているうちは、上記のような尖った発想は出てこないのです。
最後のポイントは、他のキーワードとの違いを考えることです。
今回狙っているキーワードと他のキーワードを比較してみましょう。比較対象はなんでもよいですが、できる限り似ているキーワードが望ましいです。比較することによって、そのキーワードで検索するユーザー固有のシチュエーションが見えてくることがあります。
例えば「中古車 格安」というキーワードを眺めているだけではなかなか発想が生まれません。そんな時は「中古車 激安」のような類似するキーワードを横に並べてみましょう。
次のようにシチュエーションの違いが見えてきます。
中古車 格安 | 子どもが産まれて家族で外出する機会が増えた。これを機に車を買おうと思っているが、住宅ローンや養育費、教育費などの心配があるし無理はできない。かといって子どもの健康や安全性、そして近隣住民の目などを考えるとそれなりの品質を求めたい。一定の品質でありながら安い車が欲しい。そう思って「中古車 格安」と検索した。 |
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中古車 激安 | 大学を卒業したばかりで貯蓄はほとんどない。でも就職先に通勤するためには車が必要だ。車にこだわりはないし移動手段として最低限の機能があれば十分だ。安ければ安いほうがよい。そう思って「中古車 激安」と検索した。 |
こうやって比較すれば、それぞれのキーワードでどのようなコンテンツを制作すべきか見えてきます。
例えば「中古車 格安」であれば『相場より安い!おすすめの格安中古車を人気メーカー別に紹介』のようなコンテンツになるでしょう。
一方「中古車 激安」であれば『10万円以下!品質度外視の激安中古車ランキングTOP10』のようなコンテンツが発想できます。
シチュエーションを設定する目的はニーズをより的確に捉えることです。
さらに他にも利点が存在します。例えば、コンテンツを見る上での基準が生まれることによって、チームでの議論が驚くほど円滑に進むなどです。
このように思われるのであれば、試してみる価値は大いにあります。
ぜひ本記事を参考にシチュエーションについて思考を巡らせていただき、質の高いコンテンツを生み出していただければ幸いです。
私たちバズ部は、12年で400社以上のコンテンツマーケティング支援を行ってきた中で
・立ち上げから10ヶ月で14.6億円の売り上げを産んだ不動産メディア
・わずか8ヶ月で月間140万PVを実現したアプリ企業メディア
・月間4400件以上の問い合わせを実現した弁護士事務所メディア
など、今までの常識を覆す成果を挙げ続けてきました。
大企業・中小企業を問わずコンテンツというものをしっかりと理解して、真剣に取り組んでいただければ、誰でも、これと同じ、またはこれ以上の成果を出すことができます。
実際にバズ部が取り組んだプロジェクトについて、どの様に圧倒的な成果を実現してきたのかを下のページで詳細にまとめています。ぜひ参考にしてください。