【GA4対応】セッション数とは?PVとの違い・計測ルール・活用方法まで解説

セッション数とは、Googleアナリティクスにおいて、一定期間中に、訪問から離脱までの一連の流れが何回あったかを指す言葉である。

1つのセッションの中で何ページ見られたかはカウントされず、一方で時間を置いて複数回サイトを見に来ている回数をカウントすることはできる。そのため、サイトの再訪率やリピーターの割合などを確認する時に役立つ指標である。

ただし、セッション数について、実は最新のGoogleアナリティクス(GA4バージョン)では、従来の定義から少し変更があった。

UA(従来バージョン)GA4(新バージョン)
操作が行われずに30分経過するとセッションが終了▶︎変わらない
日付が変わるとセッションが終了▶︎【変更】日付が変わってもセッションは終了しない
キャンペーンソースが変わるとセッションが終了▶︎【変更】キャンペーンソースが変わってもセッションは終了しない


そのため、これからセッション数を見ていく際には、少々注意が必要だ。

この記事では、セッション数とは何か、セッション数と他の似た言葉との違い、そしてUA(従来バージョン)とGA4(最新バージョン)のセッション数の違いまで、網羅的に解説していく。

これからGoogleアナリティクスを使ってアクセス解析をする方は、ぜひ最後まで記事をご覧いただき、セッション数の意味を正しく理解していただきたい。

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1. セッション数とは

セッション数とは、一定期間中に、訪問から離脱までの一連の流れが何回あったかを指す言葉である。Bさんは、Webサイトを訪問してからサイトを回避し、4ページ見たところで離脱したはセッション数=1

  • Aさんがサイトに訪問➡1ページ見たところで離脱(=1セッション)
  • Bさんがサイトに訪問➡4ページ見て離脱(=1セッション)
  • Aさんがサイトに再び訪問➡10ページ見て離脱(=1セッション)

上記の例では3つのセッションがあったので、セッション数は「3」となる。同じ人が時間をあけて2回訪問した場合も、2回とカウントされるのがポイントである。


2. セッション数と似た言葉の違い

セッション数の意味を深く理解するためには、似ている言葉との違いを明確に知ることが重要である。

●ざっくりと説明すると・・・

セッション数訪問数が分かる
PV数累積ページ数が分かる
UU数
=ユニークユーザー数
=アクティブユーザー数
訪問者の純粋な人数が分かる


3つの単語との違いを詳しく見ていこう。

2-1. セッション数とPV(ページビュー)数との違い

セッション数と似た言葉に「PV(ページビュー)数」があるが、以下のような違いがある。

セッション数

「訪問から離脱まで」が何回あったか
つまり、訪問から離脱までの間に何ページ見ても、セッション数は「1」となる

PV数

純粋に、見られたページの累計の数
訪問から離脱までの間に10ページ見られたら、PV数は「10」


どちらも「サイトがどのくらい見られているか」を測る指標であるが、セッション数は「ユーザーが何回見に来たか」、PV数は「見られたページ数の単純合計」を表している。

例:Aさんがサイトを訪問し、合計10ページを見てから離脱した
➡この場合、セッション数は「1」、PV数は「10」となる

2-2. セッション数とUU(ユニークユーザー)数との違い

UU(ユニークユーザー)数とは、純粋に何人の人がサイトを訪れたかを測る指標である。例えばAさんが毎日サイトを2回ずつ見たとしても、カウントされるユニークユーザー数は「1」となる。

セッション数

同じユーザーが計測期間内に、ある程度の時間をおいて複数訪れていたら、セッション数はその回数だけカウントされる

UU数

同じユーザーが計測期間内に何度もセッションを記録しても、UU数は「1」
※ただし、デバイスやブラウザを変えた場合には複数カウントされるケースもある

例:Aさんは毎日10時にサイトを訪問して離脱する行為を、計測期間中に5日間繰り返した
➡この場合、セッション数は「5」、UU数は「1」となる

2-3. セッション数とページ別訪問数の違い

ページ別訪問数(ユニークページビュー)とは、個別のページごとに「1回以上閲覧されたセッション」が何回あったかを示している。

セッション数は「サイト全体の訪問数」であり、ページ別訪問数は「ページごとの訪問数」と理解すると良いだろう。

セッション数

サイト全体のセッション数

ページ別訪問数

ページごとの訪問数(計測期間中に、そのページを閲覧したセッションが何回あったか)

Aさんが、ページA➡ページB➡ページAを閲覧して離脱
Bさんが、ページB➡ページCを閲覧して離脱

➡この場合、セッション数は「2」、ページAのページ別訪問数は「1」となる
※AさんはページAを2回見ているが、同じセッション内での閲覧なので、ページ別訪問数は「1」となる


3. Googleアナリティクス(UA)でのセッション数の計測ルール

セッションとは「訪問から離脱までの一連の流れ」と説明したが、どのタイミングでセッションが終了したと見なされるのか決まっているので解説していこう。

Googleが無料で提供している計測ツール「Googleアナリティクス」の「UA」という従来バージョンでは、以下のようにセッション終了のルールが定義されている。

セッションが終了する条件
操作が行われずに30分経過
日付が変わった
キャンペーンソースが変わった

参考:Googleアナリティクスヘルプ「ユニバーサル アナリティクスでのウェブ セッションの算出方法

それぞれどういう状況なのかしっかり理解できるよう、詳しく解説していこう。

❶操作が行われずに30分経過した場合

ユーザーがサイトを訪れた後、操作が行われずに30分経過するとセッションが終了する。つまり、離脱したと見なされる。

例えばAさんが会社のパソコンからサイトのページを開いたまま昼休みで離席し、31分後に閲覧を開始したケースを考えてみよう。

この場合、操作が30分行われなかったためセッションは一度終了し、31分後に再開したセッションは新しいセッションとなる。つまり、セッション数は「2」となる。

なお、この30分という有効期限はデフォルトのものであり、Googleアナリティクス設定の「管理」➡「トラッキング情報」➡「セッション設定」➡「セッションのタイムアウト」で任意の時間に変更できる(最大4時間)。

❷日付が変わった場合

日付が変わり次の日になった時に、セッションが終了する。

例えばAさんが8月14日の23時55分からサイトを閲覧し始め、翌8月15日の0時5分に離脱したとする。このケースでは、8月14日の23時59分59秒に最初のセッションは終了し、15日の0時に新しいセッションが開始される。

この場合、セッション数は「1」ではなく「2」となる。

❸キャンペーンソースが変わった場合

キャンペーンソースが変わった場合、最初のセッションが終了して新しいセッションが開始される。キャンペーンソースとは参照元のことである。

例えば、AさんがGoogleで「セッション数とは」というキーワードを調べ、検索結果からサイトを訪問したとする。その後、セッションは維持したまま、ブラウザの別タブに表示された広告をクリックして同じサイトに流入したとする。
参照元が変わると、その時点で自動的に最初のセッションは終了し、新しいセッションが開始される。この場合のセッション数は「1」となる。


4. GA4(新バージョン)ではセッション数の計測ルールが変わった

3章では、従来のGoogleアナリティクス(UA=ユニバーサルアナリティクス)でのセッション数の計測ルールについて解説した。

しかしながら、2020年から導入された「GA4(Googleアナリティクス4プロパティ)」という新しいバージョンでは、計測ルールに変更があったため注意が必要である。

4-1. 日付・キャンペーンソースがが変わってもセッションが終了しなくなった

UAでは「日付が変わった場合」「キャンペーンソースが変わった場合」にセッションが終了し、新しくセッションが始まる仕様である。しかしGA4では、この2つのケースでもセッションが終了しなくなった。

UA(従来バージョン)GA4(新バージョン)
操作が行われずに30分経過するとセッションが終了▶︎変わらない
日付が変わるとセッションが終了▶︎【変更】日付が変わってもセッションは終了しない
キャンペーンソースが変わるとセッションが終了▶︎【変更】キャンペーンソースが変わってもセッションは終了しない

4-2. GA4の方がセッション数は少なくなる

GA4では日付が変わってもキャンペーンソースが変わってもセッションが終了しなくなった(=新しいセッションが始まらない)ため、UAとGA4の「セッション数」を比べるとGA4の方がセッション数は少なくなる

例えば、以下のケースを見てみよう
・AさんがGoogleで「セッション数とは」というキーワードを調べ、8月14日23時55分に検索結果からサイトに訪問した
・サイトを閲覧中、ページを遷移しながら8月15日0時5分まで閲覧
・その後、ブラウザの別タブで検索し直し、表示された広告(別のキャンペーンソース)をクリックして同じサイトに流入

この場合、UAの計測ではセッション数は「3」となるが、GA4ではセッション数は「1」となる。

UAでは同じセッションが継続していても強制的にリセットされていたが、GA4ではより正確なセッション数が測れるようになったイメージと理解しておくと良いだろう。


5. セッション数をGoogleアナリティクスで確認する方法

ここからは、具体的にGoogleアナリティクスでセッション数を確認する方法を解説していく。

UA(従来バージョン)でサイト全体のセッション数を確認するには、Googleアナリティクスにログインして「UA-」から始まるプロパティを選び、最初に表示されるホーム画面で確認できる。Googleアナリティクス

GA4(新しいGoogleアナリティクス)で確認する場合は、GA4のプロパティを選び、「集客」>「トラフィック獲得」のレポートを開き、「セッション」欄の数値を確認しよう。


6. セッション数を活用したサイト分析方法

Googleアナリティクスの「セッション数」を確認することで、どんな分析ができるのか解説していこう。

6-1. どのページからの流入が多いかが分かる

UAで「行動」>「サイトコンテンツ」>「ランディングページ」を選ぶと、ランディングページごとのセッション数を確認できる。

ランディングページというのはユーザーが最初に着地したページのこと。つまり、どのページからの流入が多いかを確認できる。ランディングページ

流入が多いページはどこかを確認できたら、流入が多い理由を分析したり、ユーザーニーズを想像したりと活用しよう。また、セッション数が多いページほど改善効果が高いので、離脱率やCVRなどを見て優先的に改善を進めると良いだろう。

6-2. どのチャネルからの流入が多いかが分かる

Googleアナリティクスでは、「自然検索経由」なのか「他サイト経由」なのかなどチャネルの種類別のセッション数を確認することもできる。

UA(従来バージョン)でチャネル種類別のセッション数を見るには、UAのプロパティを選び、「集客」>「すべてのトラフィック」>「チャネル」を選び、各項目の「セッション」欄を確認しよう。チャネル

ここでは以下のようなトラフィックの種類ごとにセッション数を確認できる。

Organic Search

検索エンジンの検索結果(無料)からのトラフィック

Direct

サイトのURLを直接入力して流入した、またはブックマークからアクセスされた場合のトラフィック

Social

SNS経由のトラフィック

Referral

SNS以外の他サイト経由のトラフィック


どのチャネルからのアクセスが多いか分析することで、今後はどのチャネルに力を入れるかなど、マーケティング施策に活用できるだろう。

6-3. ユーザーの再訪率を確認できる

UAでは、新規ユーザーとリピーターそれぞれのセッション数を確認することもできる。つまり、ユーザーの再訪率を確認できる。

UAのプロパティを選び、「ユーザー」>「行動」>「新規顧客とリピーター」を選び、各項目の「セッション」欄を確認しよう。新規顧客とリピーター

「New Visitor」が初めてサイトに訪れた新規ユーザー、「Returning Visitor」がリピーターである。上記のキャプチャ例では、3割のユーザーがリピーターであることが分かる。

セッション数やPV数が多くても、再訪率が少ない場合、サイトのファンになってくれているユーザーが少ない可能性がある。

「企業売上の8割はリピーターから生まれる」というドラッカーの言葉もある通り、リピーターが増えるほどビジネスは安定する。できればサイトのリピーターを増やし、優良な見込み客を育てていこう。

※なお、GA4(新しいGoogleアナリティクス)では同じような数値を確認できる場所がない。来訪率を確認するためには、以下のようにセグメントを自由形式で作成した上で、セグメントの比較レポートを作成する必要がある。

New Visitor

ga_session_number=1

Returning Visitor

ga_session_number≧1

参考:PRINCIPLE「GA4でUAレポートを再現する:新規顧客とリピーターレポート」

6-4. ページ/セッションでサイト内回遊率が分かる

UAの「ユーザー」>「概要」では「ページ/セッション」という指標を確認できる。 概要

この「ページ数÷セッション数」は、1回のセッションの中でユーザーが何ページを見たかを示している。つまり、サイト内の回遊率がどのくらいかを確認できる。

例えば、1回のセッションで5ページ見ているサイトの方が、1回のセッションで1ページしか見られていないサイトよりも回遊率が高いといえる。

回遊率が低い場合は、回遊しやすいサイト構造を構築する、各記事の途中や最後に内部リンク(関連する記事のリンクなど)を張る、記事の質を上げてサイトのファンになってもらうなどの施策を考えよう。


7. セッション数の増やし方

最後に、セッション数を増やすにはどうしたら良いかについてのアドバイスを記して終わりにしよう。

セッション数を増やすためには、「新規ユーザーを増やす」か「リピーターを増やす」、2つの方向性からアプローチする必要がある。

7-1. 新規ユーザーを増やしてセッション数を増やす方法

サイトに初めてアクセスする「新規ユーザー」を増やす方法には、以下のような方法がある。

  • コンテンツマーケティングに力を入れて、検索結果からの流入を増やす
  • 有料広告を掲載し、広告からの流入を増やす

前者のコンテンツマーケティングを活用する方法は、時間と労力が相応にかかるものである。しかし質の高いコンテンツを作り続けることで、ユーザーからの信頼を勝ち取り、サイトの価値を上げてくれる。次の「リピーター獲得」にも繋がりやすい方法なのでおすすめである。

一方、後者の広告を活用してセッション数を増やす方法は、短期的に効果を上げやすい方法である。また、各種SNSの投稿で注目を集めて流入を増やす方法もある。

7-2. リピーターを獲得してセッション数を増やす方法

もうひとつはリピーターを獲得することでセッション数を増やす方法である。サイトのファンになってくれたユーザーは、定期的にサイトを訪れ、何回もセッションを増やしてくれるはずである。

リピーターを獲得してセッション数を増やすためには、以下のようなポイントが重要となる。

  • 定期的に新しいコンテンツを追加する
  • 定期的に既存コンテンツを更新する
  • コンテンツの網羅性を高める
  • 再訪したくなる仕組みを構築する

例えば「バズ部が教える コンテンツマーケティング101」では、コンテンツ全体の目次を示してユーザーがどこまで読んだか分かるようにしたり、コンテンツを定期的に追加することで再訪率を高めたりする仕組みを取り入れている。コンテンツ全体の目次

ユーザーとサイトの接触回数を増やす施策を意識してリピーターを増やし、サイトのファンになってもらい、将来コンバージョンにつながる見込み客を育てていこう。


まとめ

この記事では、Googleアナリティクスにおけるセッション数について、網羅的に解説してきた。

セッション数の意味や別の言葉との違い、計測ルール(UAとGA4の違い含む)、確認方法、そして活用方法まで、かなり深く理解することができたのではないだろうか。Bさんは、Webサイトを訪問してからサイトを回避し、4ページ見たところで離脱したはセッション数=1

セッション数の意味を理解したら、ぜひ次のステップとして、Googleアナリティクスを使用したアクセス解析に役立てていこう。

なお、アクセス解析については、「アクセス解析とは?初心者でもツールの使い方や分析方法が分かる!」の記事も参考にしてほしい。

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