- オンライン
09/19木12:00〜13:00
セッション数とは、Googleアナリティクスにおいて、一定期間中に、訪問から離脱までの一連の流れが何回あったかを指す言葉である。
1つのセッションの中で何ページ見られたかはカウントされず、一方で時間を置いて複数回サイトを見に来ている回数をカウントすることはできる。そのため、サイトの再訪率やリピーターの割合などを確認する時に役立つ指標である。
ただし、セッション数について、実は最新のGoogleアナリティクス(GA4バージョン)では、従来の定義から少し変更があった。
UA(従来バージョン) | GA4(新バージョン) | |
操作が行われずに30分経過するとセッションが終了 | ▶︎ | 変わらない |
日付が変わるとセッションが終了 | ▶︎ | 【変更】日付が変わってもセッションは終了しない |
キャンペーンソースが変わるとセッションが終了 | ▶︎ | 【変更】キャンペーンソースが変わってもセッションは終了しない |
そのため、これからセッション数を見ていく際には、少々注意が必要だ。
この記事では、セッション数とは何か、セッション数と他の似た言葉との違い、そしてUA(従来バージョン)とGA4(最新バージョン)のセッション数の違いまで、網羅的に解説していく。
これからGoogleアナリティクスを使ってアクセス解析をする方は、ぜひ最後まで記事をご覧いただき、セッション数の意味を正しく理解していただきたい。
目次
セッション数とは、一定期間中に、訪問から離脱までの一連の流れが何回あったかを指す言葉である。
上記の例では3つのセッションがあったので、セッション数は「3」となる。同じ人が時間をあけて2回訪問した場合も、2回とカウントされるのがポイントである。
セッション数の意味を深く理解するためには、似ている言葉との違いを明確に知ることが重要である。
●ざっくりと説明すると・・・
セッション数 | 訪問数が分かる |
PV数 | 累積ページ数が分かる |
UU数 =ユニークユーザー数 =アクティブユーザー数 | 訪問者の純粋な人数が分かる |
3つの単語との違いを詳しく見ていこう。
セッション数と似た言葉に「PV(ページビュー)数」があるが、以下のような違いがある。
セッション数 | 「訪問から離脱まで」が何回あったか |
PV数 | 純粋に、見られたページの累計の数 |
どちらも「サイトがどのくらい見られているか」を測る指標であるが、セッション数は「ユーザーが何回見に来たか」、PV数は「見られたページ数の単純合計」を表している。
例:Aさんがサイトを訪問し、合計10ページを見てから離脱した
➡この場合、セッション数は「1」、PV数は「10」となる
UU(ユニークユーザー)数とは、純粋に何人の人がサイトを訪れたかを測る指標である。例えばAさんが毎日サイトを2回ずつ見たとしても、カウントされるユニークユーザー数は「1」となる。
セッション数 | 同じユーザーが計測期間内に、ある程度の時間をおいて複数訪れていたら、セッション数はその回数だけカウントされる |
UU数 | 同じユーザーが計測期間内に何度もセッションを記録しても、UU数は「1」 |
例:Aさんは毎日10時にサイトを訪問して離脱する行為を、計測期間中に5日間繰り返した
➡この場合、セッション数は「5」、UU数は「1」となる
ページ別訪問数(ユニークページビュー)とは、個別のページごとに「1回以上閲覧されたセッション」が何回あったかを示している。
セッション数は「サイト全体の訪問数」であり、ページ別訪問数は「ページごとの訪問数」と理解すると良いだろう。
セッション数 | サイト全体のセッション数 |
ページ別訪問数 | ページごとの訪問数(計測期間中に、そのページを閲覧したセッションが何回あったか) |
● Aさんが、ページA➡ページB➡ページAを閲覧して離脱
● Bさんが、ページB➡ページCを閲覧して離脱
➡この場合、セッション数は「2」、ページAのページ別訪問数は「1」となる
※AさんはページAを2回見ているが、同じセッション内での閲覧なので、ページ別訪問数は「1」となる
セッションとは「訪問から離脱までの一連の流れ」と説明したが、どのタイミングでセッションが終了したと見なされるのか決まっているので解説していこう。
Googleが無料で提供している計測ツール「Googleアナリティクス」の「UA」という従来バージョンでは、以下のようにセッション終了のルールが定義されている。
セッションが終了する条件 |
❶ 操作が行われずに30分経過 ❷ 日付が変わった ❸ キャンペーンソースが変わった |
参考:Googleアナリティクスヘルプ「ユニバーサル アナリティクスでのウェブ セッションの算出方法」
それぞれどういう状況なのかしっかり理解できるよう、詳しく解説していこう。
ユーザーがサイトを訪れた後、操作が行われずに30分経過するとセッションが終了する。つまり、離脱したと見なされる。
例えばAさんが会社のパソコンからサイトのページを開いたまま昼休みで離席し、31分後に閲覧を開始したケースを考えてみよう。
この場合、操作が30分行われなかったためセッションは一度終了し、31分後に再開したセッションは新しいセッションとなる。つまり、セッション数は「2」となる。
なお、この30分という有効期限はデフォルトのものであり、Googleアナリティクス設定の「管理」➡「トラッキング情報」➡「セッション設定」➡「セッションのタイムアウト」で任意の時間に変更できる(最大4時間)。
日付が変わり次の日になった時に、セッションが終了する。
例えばAさんが8月14日の23時55分からサイトを閲覧し始め、翌8月15日の0時5分に離脱したとする。このケースでは、8月14日の23時59分59秒に最初のセッションは終了し、15日の0時に新しいセッションが開始される。
この場合、セッション数は「1」ではなく「2」となる。
キャンペーンソースが変わった場合、最初のセッションが終了して新しいセッションが開始される。キャンペーンソースとは参照元のことである。
例えば、AさんがGoogleで「セッション数とは」というキーワードを調べ、検索結果からサイトを訪問したとする。その後、セッションは維持したまま、ブラウザの別タブに表示された広告をクリックして同じサイトに流入したとする。
参照元が変わると、その時点で自動的に最初のセッションは終了し、新しいセッションが開始される。この場合のセッション数は「1」となる。
3章では、従来のGoogleアナリティクス(UA=ユニバーサルアナリティクス)でのセッション数の計測ルールについて解説した。
しかしながら、2020年から導入された「GA4(Googleアナリティクス4プロパティ)」という新しいバージョンでは、計測ルールに変更があったため注意が必要である。
UAでは「日付が変わった場合」「キャンペーンソースが変わった場合」にセッションが終了し、新しくセッションが始まる仕様である。しかしGA4では、この2つのケースでもセッションが終了しなくなった。
UA(従来バージョン) | GA4(新バージョン) | |
操作が行われずに30分経過するとセッションが終了 | ▶︎ | 変わらない |
日付が変わるとセッションが終了 | ▶︎ | 【変更】日付が変わってもセッションは終了しない |
キャンペーンソースが変わるとセッションが終了 | ▶︎ | 【変更】キャンペーンソースが変わってもセッションは終了しない |
GA4では日付が変わってもキャンペーンソースが変わってもセッションが終了しなくなった(=新しいセッションが始まらない)ため、UAとGA4の「セッション数」を比べるとGA4の方がセッション数は少なくなる。
例えば、以下のケースを見てみよう
・AさんがGoogleで「セッション数とは」というキーワードを調べ、8月14日23時55分に検索結果からサイトに訪問した
・サイトを閲覧中、ページを遷移しながら8月15日0時5分まで閲覧
・その後、ブラウザの別タブで検索し直し、表示された広告(別のキャンペーンソース)をクリックして同じサイトに流入
この場合、UAの計測ではセッション数は「3」となるが、GA4ではセッション数は「1」となる。
UAでは同じセッションが継続していても強制的にリセットされていたが、GA4ではより正確なセッション数が測れるようになったイメージと理解しておくと良いだろう。
ここからは、具体的にGoogleアナリティクスでセッション数を確認する方法を解説していく。
UA(従来バージョン)でサイト全体のセッション数を確認するには、Googleアナリティクスにログインして「UA-」から始まるプロパティを選び、最初に表示されるホーム画面で確認できる。
GA4(新しいGoogleアナリティクス)で確認する場合は、GA4のプロパティを選び、「集客」>「トラフィック獲得」のレポートを開き、「セッション」欄の数値を確認しよう。
Googleアナリティクスの「セッション数」を確認することで、どんな分析ができるのか解説していこう。
UAで「行動」>「サイトコンテンツ」>「ランディングページ」を選ぶと、ランディングページごとのセッション数を確認できる。
ランディングページというのはユーザーが最初に着地したページのこと。つまり、どのページからの流入が多いかを確認できる。
流入が多いページはどこかを確認できたら、流入が多い理由を分析したり、ユーザーニーズを想像したりと活用しよう。また、セッション数が多いページほど改善効果が高いので、離脱率やCVRなどを見て優先的に改善を進めると良いだろう。
Googleアナリティクスでは、「自然検索経由」なのか「他サイト経由」なのかなどチャネルの種類別のセッション数を確認することもできる。
UA(従来バージョン)でチャネル種類別のセッション数を見るには、UAのプロパティを選び、「集客」>「すべてのトラフィック」>「チャネル」を選び、各項目の「セッション」欄を確認しよう。
ここでは以下のようなトラフィックの種類ごとにセッション数を確認できる。
Organic Search | 検索エンジンの検索結果(無料)からのトラフィック |
Direct | サイトのURLを直接入力して流入した、またはブックマークからアクセスされた場合のトラフィック |
Social | SNS経由のトラフィック |
Referral | SNS以外の他サイト経由のトラフィック |
どのチャネルからのアクセスが多いか分析することで、今後はどのチャネルに力を入れるかなど、マーケティング施策に活用できるだろう。
UAでは、新規ユーザーとリピーターそれぞれのセッション数を確認することもできる。つまり、ユーザーの再訪率を確認できる。
UAのプロパティを選び、「ユーザー」>「行動」>「新規顧客とリピーター」を選び、各項目の「セッション」欄を確認しよう。
「New Visitor」が初めてサイトに訪れた新規ユーザー、「Returning Visitor」がリピーターである。上記のキャプチャ例では、3割のユーザーがリピーターであることが分かる。
セッション数やPV数が多くても、再訪率が少ない場合、サイトのファンになってくれているユーザーが少ない可能性がある。
「企業売上の8割はリピーターから生まれる」というドラッカーの言葉もある通り、リピーターが増えるほどビジネスは安定する。できればサイトのリピーターを増やし、優良な見込み客を育てていこう。
※なお、GA4(新しいGoogleアナリティクス)では同じような数値を確認できる場所がない。来訪率を確認するためには、以下のようにセグメントを自由形式で作成した上で、セグメントの比較レポートを作成する必要がある。
New Visitor | ga_session_number=1 |
Returning Visitor | ga_session_number≧1 |
参考:PRINCIPLE「GA4でUAレポートを再現する:新規顧客とリピーターレポート」
UAの「ユーザー」>「概要」では「ページ/セッション」という指標を確認できる。
この「ページ数÷セッション数」は、1回のセッションの中でユーザーが何ページを見たかを示している。つまり、サイト内の回遊率がどのくらいかを確認できる。
例えば、1回のセッションで5ページ見ているサイトの方が、1回のセッションで1ページしか見られていないサイトよりも回遊率が高いといえる。
回遊率が低い場合は、回遊しやすいサイト構造を構築する、各記事の途中や最後に内部リンク(関連する記事のリンクなど)を張る、記事の質を上げてサイトのファンになってもらうなどの施策を考えよう。
最後に、セッション数を増やすにはどうしたら良いかについてのアドバイスを記して終わりにしよう。
セッション数を増やすためには、「新規ユーザーを増やす」か「リピーターを増やす」、2つの方向性からアプローチする必要がある。
サイトに初めてアクセスする「新規ユーザー」を増やす方法には、以下のような方法がある。
前者のコンテンツマーケティングを活用する方法は、時間と労力が相応にかかるものである。しかし質の高いコンテンツを作り続けることで、ユーザーからの信頼を勝ち取り、サイトの価値を上げてくれる。次の「リピーター獲得」にも繋がりやすい方法なのでおすすめである。
一方、後者の広告を活用してセッション数を増やす方法は、短期的に効果を上げやすい方法である。また、各種SNSの投稿で注目を集めて流入を増やす方法もある。
もうひとつはリピーターを獲得することでセッション数を増やす方法である。サイトのファンになってくれたユーザーは、定期的にサイトを訪れ、何回もセッションを増やしてくれるはずである。
リピーターを獲得してセッション数を増やすためには、以下のようなポイントが重要となる。
例えば「バズ部が教える コンテンツマーケティング101」では、コンテンツ全体の目次を示してユーザーがどこまで読んだか分かるようにしたり、コンテンツを定期的に追加することで再訪率を高めたりする仕組みを取り入れている。
ユーザーとサイトの接触回数を増やす施策を意識してリピーターを増やし、サイトのファンになってもらい、将来コンバージョンにつながる見込み客を育てていこう。
この記事では、Googleアナリティクスにおけるセッション数について、網羅的に解説してきた。
セッション数の意味や別の言葉との違い、計測ルール(UAとGA4の違い含む)、確認方法、そして活用方法まで、かなり深く理解することができたのではないだろうか。
セッション数の意味を理解したら、ぜひ次のステップとして、Googleアナリティクスを使用したアクセス解析に役立てていこう。
なお、アクセス解析については、「アクセス解析とは?初心者でもツールの使い方や分析方法が分かる!」の記事も参考にしてほしい。
広告に頼り切ったマーケティングの打開策としてコンテンツマーケティングについて調べているけれど、よく分からないと悩んでいませんか?
本書は弊社やクライアント様がコンテンツマーケティングに取り組み
など、コンテンツマーケティングの効果と、具体的な施策内容を全94ページに渡って詳細に解説しているものです。
ぜひ、貴社のWEBマーケティングにもご活用ください。