「Looker Studioの使い方を調べても、どこから手を付ければいいのかわからない」
と戸惑っているところではないだろうか。
Looker Studio(ルッカースタジオ)は、SEOをはじめとするWebマーケティングやビジネスの意思決定に有益なツールだ。無料でも高度なデータ可視化やレポート作成が行えるツールとして、注目を集めている。
データ重視のビジネスが当たり前になった今、必要な分析やレポートを後回しにすると、重要なチャンスを取り逃がしてしまう。ぜひ、Looker Studioを使いこなせるようになろう。
本記事では、Looker Studioとは何かを踏まえつつ、初心者でも導入しやすい使い方と主要機能の活用をまとめた。読み進めれば、Looker Studioの使い方がわかり、マーケティングやSEO施策への活用が見えてくるだろう。
目次
1. Looker Studioとは何か?
データを視覚的にまとめ上げ、効率的な分析レポートを作成できるサービスがLooker Studioだ。まずは、その概要を簡単に紹介する。すでに知っているという方は、スキップしていただいても構わない。
- Googleが提供する無料のデータ可視化・レポート作成ツール
- Looker Studioの変遷
- 無料でできることと有料版(Pro版)の違い
- Looker StudioがSEOやWebマーケティングに役立つ理由
1-1. Googleが提供する無料のデータ可視化・レポート作成ツール
Looker Studio(ルッカースタジオ)は、Googleが提供する無料のデータ可視化およびレポート作成ツールだ。Google Looker Studio(https://lookerstudio.google.com)よりアクセスできる。
複数のデータソースを統合して、動的なダッシュボードやレポートを作成できるのが特徴だ。Googleアナリティクス、Google広告などのGoogleサービスや、スプレッドシート・Excelといった外部データとも連携できる。
リアルタイムのデータ更新や共有機能を通じて、マーケティングやビジネスの意思決定など幅広い用途で利用されている。
ツールのカテゴリとしては、「ビジネスインテリジェンス(BI)ツール」(*1)に分類される。
*1:BIとは、企業が保有する多様なデータを収集・統合、分析・視覚化して、経営判断や戦略立案に活用する手法やツール、概念のことである。Looker Studio以外にTableauやMicrosoft Power BIが有名だ。
1-2. Looker Studioの変遷
Looker Studioは、専門的なBI知識がなくても扱えるクラウドベースの可視化ツールとして、2016年に「Googleデータポータル」の名称で公開された。2022年10月にBIプラットフォーム「Looker」と統合され、現在のLooker Studioへリブランディングされている。
【Looker Studioの概要と歴史】
- 登場背景:2016年当初はGoogleアナリティクス 360スイートの一部として提供された。さまざまなデータソースとの連携が注目され、多くの利用者を獲得した。
- リブランディング:2022年10月に開催されたCloud Next 2022で統合が発表された。名称変更と同時にエンタープライズ向けのLooker Studio Proが登場した。
もともとのGoogleデータポータル時代から、解析レポートの作成手段として評価されてきた。現在はLooker Studioとして、大規模企業にも対応する形に拡充されている。
1-3. 無料でできることと有料版(Pro版)の違い
Looker Studio(無料版)はGoogleアカウントのみで使え、データソース接続やグラフ作成、ダッシュボードの共有など基本機能を広くカバーしている。個人や小規模チームで分析レポートを作る場面では、無料版で十分まかなえるケースが多い。
【無料版とPro版の差異】
- レポート配信:無料版では各レポートに定期配信のスケジュールを1件まで設定可能。Pro版では最大20件まで登録でき、日次や週次など複数の頻度に合わせた送信ができる。
- アラート機能:Pro版ではしきい値アラートを設定できる。指定した数値が上下した際に通知されるため、変化への素早い対応を期待できる。
- 組織管理:Pro版ではデータソースやレポートのオーナーが組織単位になる。メンバーの権限管理や共有の運用がスムーズに行える。
- サポート面:Pro版にはGoogleのSLA(Service Level Agreement:サービス品質保証契約)やサポート体制が含まれる。万一の不具合時にも企業として保障を受けられる安心感がある。
無料版とPro版で基本的な可視化機能には大差がないが、運用管理やサポート体制で差が出る。企業全体での本格導入を視野に入れるなら、Pro版の追加機能が生きる場面は多いだろう。
なお、Pro版の料金は「プロジェクトごとのユーザー 1人あたりの月額料金 9ドル」となっている(2025年2月現在)。最新情報はGoogleの公式サイトで確認してほしい。
参考:Google Cloud「Looker Studio Pro について」、「Looker Studio: ビジネス分析情報の可視化」
1-4. Looker StudioがSEOやWebマーケティングに役立つ理由
Looker Studioは、ビジネス・マーケティングの広範囲で活用意義があるが、とくにSEOや広告運用などWebマーケティング全般で活用しやすい。検索流入とサイト内行動データの相関をまとめて分析しやすいからだ。施策の効果測定や改善点の把握をスムーズに進められる。
【SEOやマーケティング活用のポイント】
- データ一元管理:GoogleアナリティクスやSearch Console(サーチコンソール)、広告プラットフォームのデータをひとつのダッシュボードに集約できる。複数ツールを横断しなくても状況を俯瞰しやすい。
- 視覚的に把握:グラフや表に落とし込むと、トレンドや数値の変動をすぐに捉えられる。わかりやすい可視化が迅速な意思決定につながる。
- 行動に結びつく分析:クリック率やコンバージョン率を比較検討し、具体的な改善策を導き出しやすい。実践的なマーケティングアイデアの創出に役立つ。
- 組み合わせ分析:検索クエリとサイト内行動データを同時に閲覧可能。最適なキーワードとコンテンツ方針の見直しを容易に行える。
Looker Studioを使いこなすと、データ重視のアプローチが加速しやすい。初心者にとっては直感的に扱いやすく、上級者にとっても多角的な分析を手早く進められる。
2. Looker Studioの使い方:基本レポートを作成してみよう
では実際に、Looker Studioで簡単なレポートを作成する手順を見てみよう。
ここでは「自分のサイトのSEOダッシュボード」を作ることを目標にする。具体的には、Googleアナリティクス4(GA4)とGoogle Search Consoleのデータを接続し、いくつかの重要指標をグラフ化して表示するレポートだ。
以下の手順に沿って進めれば、初めての方でも数分でレポート作成を体験できる。
- Looker Studioにアクセスし新規レポートを作成する
- データソースとしてGA4とSearch Consoleを追加する
- レポートにデータを追加する
- 基本的な指標を可視化する
- フィルタやソートでデータを整理する
2-1. Looker Studioにアクセスし新規レポートを作成する
WebブラウザでLooker Studioの公式サイト(lookerstudio.google.com)にアクセスしよう。Googleアカウントでログインすると、ホーム画面が表示される。
まず、左上の[作成]ボタンから[レポート]を選択してみよう。初めてLooker Studioを使う場合には、アカウントの設定画面が開く。国・会社名など基本情報の入力をして設定を済ませよう。
基本設定が済み、新規レポートの画面が開いたら、まずはレポートのタイトルを「SEO基本レポート」(任意の名前でOK)と入力しておく。
2-2. データソースとしてGA4とSearch Consoleを追加する
次にデータソースとして、GA4とSearch Consoleを追加しよう。
Looker Studioにデータを追加するやり方は、(1)レポートごとに追加する、(2)全体に共有できる形で追加する、の2パターンがある。
- レポートごとに追加する場合
◎ メリット:レポート内で使用するデータだけをその都度追加するため、構成がシンプル。
△ デメリット:複数のレポートで同じデータソースを使う場合、そのたびに同じ接続設定を繰り返す必要がある。データソース名や接続設定が微妙に違ってしまうと、どのレポートがどのデータを参照しているか把握しづらくなる。 - 全体で追加する場合(データソース管理画面から追加)
◎ メリット:一度設定しておけば複数レポート間で使い回せる。レポートを増やしても新しく接続する手間が発生しない。データソース名や設定を一元管理できるので、どの接続がどのレポートと紐付いているのかが明確になる。
△ デメリット:使わないデータソースがリストに溜まってくると、整理が必要になる。
SEO担当者向けの運用を想定すると、GA4やSearch Consoleはほぼ全レポートで使うことが想定されるため、あらかじめ全体で追加しておくと無駄が少ないだろう。ここでは全体で追加する方法で解説する。
Looker Studioのトップページに戻り、左上の[作成]ボタンから[データソース]をクリックしよう。
さまざまなデータソースがリストで表示されるので、[Google アナリティクス]を選択する。
データへのアクセス権の許可を求められるので承認後、自分のサイトのGA4プロパティを選択し、[接続]をクリックすればGoogleアナリティクス(GA4)データの接続が完了だ。
次に、同様の手順で[Search Console]を選ぶ。
分析したいサイトを選び、インプレッションや検索のタイプを選ぶ。
URLは個別ページごと、サイトはサイト全体の合計値を扱う。検索タイプは、web=通常のWeb検索、image=画像検索、video=動画検索……という具合だ。とくに理由がなければ[URLのインプレッション]>[web]を選べばよい。
整理しておくと、Search Consoleは検索パフォーマンスを解析し、流入キーワードや検索結果での状況を把握するデータソースである。一方、GA4はサイト訪問数やユーザー行動などをトラッキングし、コンバージョンなどを分析するデータソースだ。
この2つのデータソースを追加できたら、「検索からサイト訪問後の行動まで」のデータを一度に扱える環境が整ったことになる。
2-3. レポートにデータを追加する
続いて、レポートとデータを連携させよう。Looker Studioのトップページから、最初に作った「SEO基本レポート」を開く。
白紙のレポート画面が開くはずだ。最初は表示モードになっているので、[編集]をクリックして編集モードに変更し、編集メニューを表示させる。
メニューが表示されたら、[データを追加]→[マイデータソース]と進もう。先ほど追加したGA4とSearch Consoleのデータソースが表示されるので、レポートに追加する。
追加が完了すると、以下のようにレポートの表示が変わり、データをレポート上で扱えるようになる。
2-4. 基本的な指標を可視化する
では実際にグラフを配置してみよう。
たとえば、サイト全体のトラフィック推移を見る折れ線グラフを作成するには、メニューから[グラフを追加]→[期間グラフ]を選んでキャンバス上に配置し、データソースにGA4を指定する。
ディメンション(横軸)に日付、指標(縦軸)に表示回数を設定すれば、日別の表示数推移グラフが表示されるはずだ。
グラフの[設定]や[スタイル]のタブで、縦軸を(たとえばユーザーなどに)変えたり、グラフのデザインを変更したり、驚くほど簡単にカスタマイズができるので試してみよう。
同じ要領で、Search Consoleのデータを用いて「検索クエリ別のクリック数」を棒グラフで表示することもできる。キャンバスに棒グラフを配置し、データソースにSearch Consoleを指定する。
次にディメンション(横軸)に「Query(クエリ)」、指標(縦軸)に「Url Clicks(クリック数)」を設定すると、主要な検索クエリごとのクリック数棒グラフが完成する。
ほかには、平均CTRや平均検索順位なども指標として追加すれば、クエリごとのクリック率を視覚的に比較することも可能だ。
サイト内の人気ページを知りたい場合はGA4から「ページ別ユーザー数」の表を作ったり、地域別のアクセスを地図で示したりと、自由にパーツを追加してみよう。
2-5. フィルタやソートでデータを整理する
作成したグラフには、必要に応じてフィルタ(絞り込み)やソート(並べ替え)を適用できる。たとえばSearch Consoleのクエリ別クリック数グラフに対して、フィルタを設定し「掲載順位が10位以内のクエリ」に絞れば、上位表示されているキーワードだけを対象に分析できる。
同様に、GA4のページ別ユーザー数の表をユーザー数の降順でソートすれば、最も訪問者の多い人気ページが上から順に並ぶ。これらの操作は「グラフ」「データ」「フィルタバー」タブから設定可能だ。
フィルタを上手く使えば不要なデータを除外してノイズを減らし、ソートを使えば重要なランキングを浮き彫りにできる。
ぜひ積極的にフィルタ・ソートを試して、「知りたいことにフォーカスしたビュー」を作る癖を付けよう。たとえばブログで「特定カテゴリの記事だけ」のアクセス動向を見たい場合など、フィルタを活用するとレポートがぐっと実践的になる。
***
以上の手順で、試行錯誤しながらレポート作成に取り組んでみよう。
グラフの周囲に配置したいタイトルや説明文、画像、囲み枠などは、メニューの[挿入]より自由に挿入できる(PowerPointなどと同じ要領だ)。
初めてLooker Studioを触る段階では、深く考え込まずにまず手を動かしてグラフを作ってみることが大切だ。いくつかグラフを配置しているうちに、データの項目名や意味にも自然と慣れていくだろう。
3. Looker Studioで押さえたい主要機能の活用法
続いて、Looker Studioで押さえておきたい主要機能の活用について解説する。これから使いこなしていくうえでは、先に“Looker Studioならではの機能”を知っておくと効率的だ。以下のポイントを見ていこう。
- リアルタイムのデータ連携
- オリジナルのダッシュボード
- テンプレート活用
- 自動レポート機能(スケジュール配信)
3-1. リアルタイムのデータ連携
前章でレポート作成にチャレンジしてみて、
「これって、ExcelやGoogleドキュメントで作るのと、何が違うのか?」
と思った方もいるかもしれない。
最大の違いは、リアルタイムでデータを連携できる点にある。Looker Studioなら、週次・月次といったレポートを毎回作り直す必要がない。Looker Studioで接続しているデータソースが最新の状態に更新されれば、グラフも自動的に反映される仕組みになっているからだ。
たとえば、グラフの[デフォルトの日付範囲]を28日間と設定しておけば、いつでも最新28日分のデータが表示される。
この活用対象は、Google広告、YouTubeアナリティクス、Googleアナリティクス、Search Consoleといった、直接接続ができるデータソースだけではない。
日々の売上データやアンケート結果、顧客行動データなども、Looker Studioと連携させたGoogleスプレッドシートなどへ集約させれば、同じように扱いやすくなる。あるいは、システムによっては直接Looker Studioと連携可能だ。
Looker Studioでリアルタイムにデータ連携することを踏まえて、あらゆるデータやレポートの整備を進めれば、非常に効率が高まる。
3-2. オリジナルのダッシュボード
データやレポートを整備するプロセスで、とりわけおすすめしたいのは「オリジナルのダッシュボードの作成」である。
独自のKPIや注目指標を一画面に集約すれば、優先順位の高い情報を見落としにくくなるし、社内共有の面でも役立つ。
ダッシュボードを部門やプロジェクトごとに作成しておけば、説明に費やす時間を削減しながら同じ指標を共有しやすい。タイムリーに可視化されたデータを全員が確認できれば、意思決定も早くなる。
外部クライアントや取引先への報告資料としても便利だ。Looker Studioで作ったレポートは、リンクやPDF形式で受け渡せる。クライアントごとに必要な要素だけを抜粋すれば、相手のニーズに合った指標を提示しやすくなる。
3-3. テンプレート活用
「Looker Studioは便利そうだが、レポートを作り込むのが難しそう」
と感じた方は、テンプレートを使おう。
テンプレートギャラリーに、高品質なレポートのひな型がすでに用意されている。
たとえば以下は「GA4 Report」のテンプレートだが、[自分のデータを使用]をクリックすると、簡単にデータを差し替えできて便利だ。
「テンプレートで作ったグラフを、ほかのレポートに貼り付ける」という使い方もできる。さまざまなテンプレートを試しながら、自分のレポートをブラッシュアップしていこう。
3-4. 自動レポート機能(スケジュール配信)
Looker Studioには定期的にレポートをメール配信する機能があり、レポート発行の自動化を実現できる。たとえば週次レポートを毎週月曜に送るなど、繰り返しの配布作業を大幅に省力化できる。
やり方は、まずレポート右上の[共有]→[配信のスケジュール]にアクセスしよう。
メール配信の設定画面が表示されるので、宛先や配信日、繰り返しの頻度などを設定すればOKだ。
4. Looker Studioの使いどころ:誰がどのように使うべきか?
Looker Studioは、さまざまな現場やユーザー層で異なる活用がなされている。ここでは、SEOに取り組む初心者から企業マーケター、広告運用担当者まで、それぞれに適した使い方を紹介しよう。
- SEO初心者・ブロガーの場合
- 企業マーケター・データアナリストの場合
- 広告運用担当者の場合
4-1. SEO初心者・ブロガーの場合
SEOに慣れていない段階でも、Looker Studioを導入するとアクセス解析の型を身につけやすい。GoogleアナリティクスやSearch Consoleなどのデータをひとつのダッシュボードに統合し、全体像を把握しながら記事改善を進められる。
【SEO初心者・ブロガー向けポイント】
- 基本指標のダッシュボード化:GA4とSearch Consoleを横並びで表示するレポートを作ろう。ページビュー数やクリック数を同時に確認し、改善すべき箇所を見つけやすい。
- 検索クエリの動向把握:検索クエリの動向も、サッとレポートで確認できるようにしておくと便利だ。具体的な記事リライトやキーワード強化に役立つ。
- 無料利用の安心感:たとえ個人ブログでも、コストをかけずに導入できる。高品質なレポートを無料で作成できるメリットを享受しよう。
まずは週単位や月単位の定期レポートを組み立て、自分のサイトがどう変化しているかを継続的に確認すると効果的だ。データを見ながら記事の方針を修正していくうちに、SEOにおける解析思考が自然と身につく。
4-2. 企業マーケター・データアナリストの場合
企業のマーケターやアナリストにとって、Looker Studioは社内外にレポートを共有する基盤となる。複数の部署やサービスから集まるデータをひとつのダッシュボードにまとめると、意思決定に必要な可視化が進めやすい。
【企業マーケター・アナリスト向けポイント】
- KPIダッシュボード:経営層向けに主要指標を集約し、各部署が同じ指標を共有する。リアルタイム連携により最新の数値を参照しやすい。
- 複数データの統合:広告やCRM、その他社内データと連携することで広範な顧客行動を分析できる。ファネル全体を俯瞰するうえで有用である。
- レポーティングの効率化:スプレッドシートによる手動処理を減らし、定型レポートを自動配信できる。部署間のコミュニケーションを円滑にする助けとなる。
- ワークスペース管理:Pro版ならば、組織単位の管理が可能になる。メンバー権限を細かく設定し、レポート資産を安全に保管できる。
社内でのデータ活用を推進したい場合にこそ、Looker Studioの導入価値は高まる。大規模かつ複数部門にまたがるデータを管理しやすくなるので、全社的な施策決定にスピード感を与えられる。
4-3. 広告運用担当者の場合
リスティング広告やSNS広告など、複数媒体を扱う担当者にとっては日々の運用と分析効率を上げるうえでLooker Studioは重宝する。広告ごとに分断されていたKPIをまとめて俯瞰すると、予算配分や効果測定がスムーズになる。
【広告運用・分析担当向けポイント】
- マルチチャネルレポート:Google広告やFacebook広告など複数プラットフォームを統合し、CPAやROASを一覧比較できる。チャネル間の成果差を可視化しやすい。
- 独自KPIの設定:計算フィールドを使い、LTVや重複排除後のCV数などの指標を定義できる。分析者のアイデアをレポート上で即座に試行しやすい。
- しきい値アラート:Pro版なら特定の広告指標がしきい値を超えた際に通知を受けられる。異常値を早期発見し、運用を素早く修正する手がかりになる。
- クライアントレポート作成:外部向けに広告実績を報告する場面で、テンプレートを用いれば素早くレポートを整えられる。視覚的な印象も高められる。
広告運用や高度なデータ分析を担う立場であれば、Looker Studioを中心に日次の指標モニタリングや戦略立案を進めることで業務効率を高められる。複数の広告媒体を扱う際にも、一元的なダッシュボードを作り込むとリソースの最適配置を検討しやすい。
5. まとめ
本記事では「Looker Studioの使い方」をテーマに解説した。要点をまとめておこう。
最初に、Looker Studioの基礎知識として以下を解説した。
- Looker StudioはGoogleの無料データ可視化・レポート作成ツール
- 2016年「Googleデータポータル」としてリリース、2022年現在の名称に
- 無料版で基本機能を広くカバー、有料版でアラートなどの追加機能が使える
- SEO/Webマーケで複数データの統合分析に役立つ
Looker Studioの使い方として、基本レポートの作成方法を紹介した。
- GA4とSearch Consoleデータを接続
- 期間グラフや棒グラフでアクセス推移や検索クエリなどを分析
- フィルタ・ソートでデータ絞り込み・並べ替え
Looker Studioで押さえたい主要機能の活用法は以下のとおりだ。
- リアルタイムデータ連携で最新状態を反映
- オリジナルのダッシュボードを作成
- テンプレート活用で高品質レポートを簡単作成
- 自動レポート機能で定期配信を省力化
Looker Studioの使いどころとして、以下のポイントを解説した。
- SEO初心者やブロガー:基本指標把握とサイト改善の習慣化
- 企業マーケターやアナリスト:KPIダッシュボードと組織的データ活用
- 広告運用担当:マルチチャネル分析と独自KPI設定
Looker Studioは、データ重視のマーケティングやSEOを加速するための強力なツールだ。初心者から上級者まで、自分のレベルや目的に合わせた活用法を見つけてほしい。