生成AIを顧客理解に役立てる3つの活用方法

こんにちは。バズ部の木村です。

突然ですが、そもそも「顧客理解」ができていないマーケティング担当者は結構多い。これはマーケティング支援を約8年間やってきた私の率直な感想です。新任の担当者も、ベテランも、マーケティングで成果を上げたいのならまず最初のステップは「顧客理解」です。

本記事の趣旨は、AIを活用して誰でも短時間で70点〜80点の顧客理解を実現してしまいましょうという提案です。この内容をwebサイトの改善プロセスに取り入れた場合の効果はどの程度なのでしょうか。

例えば、会議運用に関するSaaS商材「A」は、AI活用前は月平均5件のCVしか獲得できませんでしたが、実践後は月平均15件のCVを達成しました。企業間の情報共有に関するSaaS商材「B」も同様の成果を挙げています。

この記事を読めば、AIを活用した顧客理解の具体的な手法と実際にマーケティングの成果向上に役立てる方法が理解できます。ぜひ参考にしてみてください。


活用1. 顧客分類を可視化し、全自動で「お宝キーワード」を発見する

【概要】
まず紹介するのが、CVに繋がる可能性のある市場のターゲット顧客を洗い出し、CVに貢献するお宝キーワードの発見に役立てる活用です。
この活用により、全自動で素早く”市場にどのようなターゲット顧客分類”が存在するのかを可視化し、これまで発見できなかったCVに貢献するキーワードを発見できるようになります。
※AIを使わず同作業を行う場合、5倍〜10倍の時間がかかるはずです。

【具体的な活用方法例】
・CVにつながる可能性のあるSEOキーワードの発見
・サービスページやLPで訴求する製品価値・訴求の見直し

【アウトプットイメージ】
以下は「軟水のウォーターサーバー」を販売するとした場合のアウトプットです。
デモグラフィック的な顧客整理ではなく、製品活用の文脈・状況にフォーカスされた実用的な顧客分類表を数秒で生成することができます。

アウトプットイメージ

【私はこれをどう活用しているか】

CVに繋がるお宝キーワードの特定

”不”や、その不に対応する製品の便益・独自性を切り口に表を生成していますので、自分では思いつかなかったCVに繋がる可能性のあるワードの発見に役立てています。
例えば上記であれば「ペットに良い水」などは、競合のウォーターサーバー会社も対策しておらず、CVに繋がる可能性のある良いキーワードです。

このキーワードでコンテンツを制作するというアクションにつなげる事ができます。
こうしたワードの発見に私はよく使い、役立てています。

【プロンプト】

#命令書
あなたはマーケティングリサーチのプロフェッショナルです。
以下の #製品・サービス と、 #考慮要件 に従って、 #製品・サービス がもつ、マーケティング上の「独自性と便益」を複数パターン表組みで配述し、表の左から「製品・サービス」、「独自性と便益」、「その独自性と便益を見出す象徴ペルソナ」、「ペルソナの解消したい”不”」「ペルソナが検索するキーワード(顕在・潜在)」を5列で1つの表にして最低10パターン(10行)提示し、わかりやすくまとめてください。

なお、同様の課題、悩み、解決したいことがあるペルソナは、極力省いてください。

#製品 
(製品カテゴリもしくは製品名をここに記述)

#考慮要件
「ペルソナ」「ペルソナが検索するキーワード」は、クリステンセン教授のジョブ理論をベース記述してください。


活用2:重要な購買決定要因をひたすら自動で言語化
(これもAI使わないと結構大変です。)

【概要】
次にご紹介するのが、顧客の重要購買決定要因(Key buying factor)を明らかにし、それをサイトのコピーやコンテンツ作りで活用する方法です。

CVが増えないサイト・LPの失敗原因として特に多いのが、顧客が知りたいこと・重視することではなく、伝えたいことを一方的に伝えてしまっていることです。
そうではなく、あくまで顧客が自社製品を選好する際に、何を購買基準にしているのかを様々な視点で徹底的に言語化し、そこに紐づく自社の強み(USP)を伝えれば、売れるロジックが固まります。
そのたたき・仮説作る際にAIが役立ちます。
(これもAI使わないと結構大変です。)

顧客に伝えるポイント・必要な配置コンテンツアイデア

【具体的な活用方法例】
・顧客が何を基準に購買するのかを言語化し、コンテンツの作成・改善に活かす

【アウトプットイメージ】(産業医の仲介サービスにおける顧客の購買要因一覧)

アウトプットイメージ

【私はこれをどう活用しているか】

CV改善を目的としたwebサイトのコピー改善

以下は生成したKBF候補をスプレッドシートに転記・取捨選択・調整し、各KBFに紐づくUSPを言語化したブレストシートの一部です。
AIが出したKBFを含め、KBFを社内で細かくスプレッドシートに言語化し重要度をランク付け。
そして、それぞれに対応するUSPを定義していきました。

       ※スプレッドシートを用いたKBF・USPのブレストシート↓

KBF・USPのブレストシート

そしてこのブレストを経た上で、リスティング広告で露出するページのファーストビューのコピーに反映しました。
この産業医の仲介サービスの例であれば、以下の特に重要な要素がファーストビューへと反映することを意思決定しました。

・産業医の仲介サービスにおいて特に重要なKBFと、紐づくUSPの例↓

KBF:仲介後に放置されないか。きちんと細かいケア・アドバイスがあるか
USP:専属の担当者によるサポート

KBF:全国対応しているのか
USP:全国に約300以上の提携医療機関

KBF:大手への導入実績は十分あるか
USP:全国2000以上の導入実績

  ※特に重要なKBFと、紐づくUSPが反映されたファーストビューの例↓

ファーストビューの例

特に、業界に長いほど、単純なKBFを見逃しているケースは多いです。
その点、どのレイヤー・ポジションの方にも非常に有用なプロンプトです。

【プロンプト】

事業「〇〇(サービスジャンル名)」のKBF(重要購買要因)をカテゴライズし、20個を図表で整理してください。表は4列で左から顧客セグメント・KBFカテゴリ・KBFの内容・重要度(1〜3)で示してください。

# 考慮要件

・顧客の課題:(顧客が直面する問題や課題を洗い出す/顧客のニーズや欲求を明確にする/顧客が抱える課題の原因を分析する)
・顧客セグメント:(顧客を細分化するための基準を設定する/それぞれのセグメントが抱える課題やニーズを分析する/  セグメントごとに異なるアプローチが必要な場合があるため、細かなニュアンスを考慮する)
・顧客のインサイト


活用3:大量の顧客事例を自動で分析し、コンテンツの繋ぎ目を改善することでCVを大幅アップさせる

【概要】
次にご紹介するのが、自社・競合サイトに掲載されている「顧客事例」を分析し、言語化するプロンプトです。(CV数アップに最も重要なのは事例コンテンツの最適化です。)

自社の顧客事例、競合サイトに掲載されている顧客事例を全て自動的に分析し、”何に価値を感じてくれているのか”を全て自動で言語化します。
その結果をコンテンツのリライトに活用したり、コンテンツの動線を変更したりすることに繋げていくことでCV数の大幅アップにつながるのです。

【具体的な活用方法】
・サイトに掲載されている顧客事例を元にしたユーザーニーズや製品価値等の分析、理解を深めること
・自社で管理しているSEOキーワードを起点にして作成した記事のCVRを向上させるためのリライトに役立てること

【アウトプットイメージ】
SaaS型のeラーニングサービスを提供する企業の例

アウトプットイメージ

【私はこれをどう活用しているか】

記事のCV改善を目的としたリライト

CVにつながるキーワードで作成した記事内で、読み手に対する製品価値の訴求がずれている場合、態度変容やアクションにつながりづらくなり、CV数を最大化することができません。

記事(キーワード)ごとに課題を重視する「価値」は異なる。画一的なCVオファーでCVを最大化できない。

対策ワードごとに最適化された価値の訴求・CVオファーがCV改善の基本です。

個別最適化された価値訴求・CVオファーでCVを最大化する。

ですが多くのメディアで、以下の状態が蔓延しており、多くの機会損失が生まれています。

・全記事に画一的なCVオファーがされている(全記事に対して同じCTAになっている)
・キーワードごと(異なるターゲットごと)に製品・サービスの価値訴求を最適化していない
キーワードごと(異なるターゲットごと)に刺さる可能性のある自社の導入事例を記事で露出していない

そういった状況を改善する際にこのプロンプトが役立ちます。

自社の顧客インタビュー・導入事例コンテンツや、同じ商材を扱いweb上に導入事例コンテンツを公開しているサイトをこのプロンプトを使って分析すれば、以下例のように導入企業事例ごとに「顧客の悩み」や「刺さった価値」が細かく明らかになります。

SaaS型のeラーニングサービスを提供する企業の例

eラーニングサービスを提供する企業の例


同じ悩みを持つ顧客分類が、何が決め手となり成約したのかをキャッチアップすることができますので、CV改善を目的としたリライトに大いに活かすことが可能になります。

また、記事内で素晴らしい導入事例が紹介されておらず、リンクもなく、魅力が十分に伝わっていないケースもよくあります。
このような製品価値がわかりやすい事例と記事間での断絶はすぐに解消すべきです。
既存記事のリライト・これから作る記事でも各ワードに紐づく事例をきちんと紐づける際に役立つでしょう。

【プロンプト】

1 https://URL/case/ を隅々まで確認し、企業名・各企業に紐づく導入事例のリンク一覧を作成して

2 ではこの全事例分の顧客セグメント、企業名、課題、【製品名】の介在価値、具体的な成果、同じ顧客セグメントを獲得する上でおすすめSEOキーワード(顕在・潜在)をテーブルで生成して。


まとめ

最後にもう一度3つの活用方法をまとめます。

活用1. 顧客分類を可視化しCVに貢献するキーワードを発見する
活用2:KBF(重要購買決定要因)の言語化
活用3:自社・競合の顧客事例を元にした既存顧客の分析・リライト

ぜひ本記事を活用して、あなたのコンテンツマーケティングの改善と効率化に役立ててください。

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