SEO支援会社の提案資料に「AI対策」「LLMO対策」という言葉が並ぶようになった。
ただ、提案を受けた企業の担当者からよく聞くのは「施策はやっているけれど、売上にはまだ繋がっていない」「AI対策のレポートを見ても、何が変わったのかピンとこない」という声だ。違和感を持つのは正しい感覚である。
「LLMO対応を急がないと取り残される」という空気が市場に広がっているが、本当に問うべきは、その施策が自社の事業成果にどう繋がるのか、という一点である。
実際、AI対策を謳う会社は急速に増えたが、クライアントの売上向上まで実証している事例は、市場全体を見てもほとんど出てきていない。
この記事では、AI対策がなぜ売上に繋がりにくい構造になっているのか、そしてAI対策として本当に必要なことは何なのかを、できるだけ率直に書いていく。
目次
SEO会社がAI対策を始めた本当の理由
表向きの理由は、わかりやすい。
AI Overviewsの登場でPVが減り始めている。私たちのクライアント20社へのヒアリングでも、PVが2割程度減少しているケースが多く確認されている。同時に、AI経由のCVがCV総数の10%前後まで上がってきており(2025年10月時点)、ユーザーの情報接点がAIに移り始めている。
つまり、SEOだけを売っている会社にとって、自社の主力商品の効果が目に見えて落ちている状況だ。クライアントから「で、これからどうするの?」と聞かれたとき、何かしら答えを持っていないといけない。
ここで多くのSEO会社が選んだのが、「AI対策」「LLMO対策」という新しい商品を打ち出すことだった。
ただし、商品名は新しくなっても、中身として実行している施策は、FAQの追加、見出しをAIに最適化するなどこれまでSEO会社が得意としてきた領域から大きく外れたものではない。これが、いまSEO業界で起きていることの実態である。
AI対策として新しくやるべきことはある
誤解しないでほしいのだが、AI対策として新しく取り組むべき技術的な施策はたしかに存在する。たとえば、次のようなものだ。
- 構造化データの実
- E-E-A-Tの強化
- FAQページの整備
- AIクローラーへの対応
これらはAI時代に対応するための準備として、必要な作業だ。市場で多くのSEO会社が提案しているこうした施策は、それ自体が間違っているわけではない。
問題は別のところにある。これらの施策を、いくら積み重ねても売上に繋がらないケースが多発している、ということだ。
いくら施策を積んでも成果が出ない理由はシンプル
なぜ施策を積んでも成果が出ないのか。理由はシンプルである。
マーケティングの根本が定まっていないままだからだ。
誰に向けて発信するのか。自社は何の専門家なのか。なぜその領域で選ばれるのか。
この根本が空っぽのままAI対策の施策を実行しても、効果は出ない。
たとえば、見出しをQ&A形式に書き換えたとする。AIにとっては読みやすい構造になる。だが、そのQ&Aが「誰のどんな課題に答えるためのものか」が定まっていなければ、AIは御社を「答え」として紹介する理由を持てない。
たとえば、FAQを量産したとする。情報量は増える。だが、「どのターゲットの、どんな意思決定を後押しするためのFAQか」が定まっていなければ、CVには繋がらない。流入しない情報収集領域のページにFAQを足しても、問い合わせ獲得にはほぼ寄与しない。
たとえば、AI Overviewsへの引用を取りに行ったとする。引用されるかもしれない。だが、自社が何の専門家として認識されているかが定まっていなければ、引用されても「比較対象のひとつ」として扱われるだけだ。「答え」として紹介される状態は作れない。
引用率や言及率といった指標だけを追いかけても、戦略にはならない。なぜその引用が生まれたのか、なぜその引用がCVに繋がっていないのか、という根本の問いに向き合わなければ、施策は施策のまま積み上がっていくだけである。
施策はいくら積んでも、根本が定まっていなければ成果は出ない。 |
これが、AI対策を謳う会社が増えても売上向上の実証事例が出てこない、本当の理由である。
「土台」の捉え方がひとつ浅い
市場の議論では、「AI対策はSEOの土台の上に成り立つ」と語られることが多い。構造化データ、E-E-A-T、コンテンツ品質といった、SEOの基礎を整えることが先だ、という主張である。
これは正しい。だが、ひとつ浅い。
SEOの基礎の更にもう一段下に、マーケティングの根本がある。整理するとこうなる。
階層 | 内容 |
マーケティングの根本 | ターゲット、強み、選ばれる理由 |
SEOの基礎 | 構造化データ、E-E-A-T、コンテンツ品質 |
AI対策の施策 | Q&A化、FAQ整備、引用対策、llms.txt等 |
この根本が定まって初めて、SEOの基礎もAI対策の施策も、成果に繋がるようになる。
逆に言えば、根本が空っぽのままSEOの基礎を整えても、技術的な施策を積んでも、AIに引用されるかもしれないが、問い合わせには繋がらない。Q&A形式に書き換えても、売上は動かない。FAQを量産しても、AIが「御社」を答えとして提示してはくれない。
そもそもAI対策とは、特別に新しいマーケティングの話ではない。これまでなんとなくで済ませてきた「自社の強み」と「ターゲット」が、AIによってごまかしの効かない形で問い直されているだけである。
マーケティングの根本とは一体何なのか
この根本を定めることを、支援の起点に置いているのが私たちのAI対策だ。なかでも最初に、そして最も時間をかけるのが、強みの徹底的な言語化である。
「貴社の強みは技術力です」「実績が豊富です」といった抽象的な整理で済ませない。誰に対して、どんな状況で、なぜ自社が選ばれるのか。実績数値、顧客プロファイル、他社との具体的な違いまで、徹底的に掘り下げる。あるクライアントでは、強みの言語化だけで6,000字に及んだ。
たとえば、ある士業事務所の例。
「相続に関するあらゆる手続きをワンストップで解決します」 |
これを、徹底的に言語化するとこうなる。
「東京23区内に不動産をお持ちの方の相続は、相続税がかかる可能性が高く相続と不動産に特化した不動産評価の算定が必要です。評価の仕方ひとつで税金が数十万、数百万と大きく変わります。税理士本人が直接現地確認・役所調査を行う丁寧な対応が特徴の当事務所におまかせください。」 |
どちらがAIに「この領域の専門家」として選ばれやすいか。見れば分かる。
ここまで踏み込まないと、AIが「御社」を答えとして紹介する理由を作れないからだ。曖昧な強みの記述は、AIにとっては「他社と区別がつかない」とほぼ同義である。
そしてこの言語化された強みを、ターゲット向けの専用ページとして展開し、強みを支える事例コンテンツをターゲットごとに最低3つ配置する。そのページに対して、検索・AI・SNS・広告・プレスリリースを通じて集客を設計する。
これは「AIにどう紹介されたいか」という問いから逆算した構造である。そのターゲットに対して御社が論理的に最も優れていると示し、AIが御社を紹介する理由を作り出すのだ。
先行導入した全クライアントで問い合わせ数の改善を記録
実際に、バズ部のAI対策90日プログラム開始から先行導入した全クライアントで問い合わせ数が改善している。
都内のある司法書士法人では、家族信託の領域で根本から組み立て直したことで、サイト全体の問い合わせ数が月6件から月35件へ、5.8倍に伸びた(2025年平均→2026年4月)。
大阪のある司法書士法人では、相続の領域で同様のアプローチを実行し、AI経由の問い合わせ数が月3件から月8件、2.6倍に増えている(2025年12月→2026年2月)。
この事務所では、AI経由の月間アクセス数はわずか227しかない。それでも、AI経由の問い合わせは2.6倍に伸びた。アクセス数ではなく、「誰に対して何を提供する事務所なのか」がAIに正しく認識された結果、ニッチな領域で答えとして紹介される状態が作れたためである。
※なお、ここで紹介しているのは具体策のごく一部である。実際のプログラムでは、契約後にしか開示できない秘匿性の高い施策群も含まれており、本記事では全体像のみに留めている。
担当者が持つべき「判断軸」
AI対策の提案を受けたとき、見るべきポイントは「その施策のテクニック」ではなく、「その施策が、何の上に乗っているか」である。
判断軸は次の3つだ。
提案の中身 | |
組み立ての起点 | 技術的な施策の積み上げで終わっているか / ターゲットや強みの再定義から組み立てられているか |
強みの整理の深さ | 抽象的な言葉で終わっているか / AIが御社を答えとして紹介するに足る具体性まで踏み込んでいるか |
ゴール指標 | 引用や順位といった結果指標か / CVや売上か |
この問いを持って提案を見ると、いま市場に出回っている「AI対策」の多くが、何を売るための施策なのかが見えてくる。
さいごに
SEO会社がAI対策を語り始めたこと自体が悪いわけではない。AI対策として技術的に取り組むべき施策があることも事実だ。
問題は、根本が定まっていないまま施策だけが積み上げられ、売上向上まで実証できていないまま、商品として売られていることである。そして、それを見抜けないまま施策を発注し続けると、数年後に「結局、何が変わったんだろう」という結果になりかねない。
なお、本記事で触れたのはバズ部のAI対策の全体像のごく一部である。実際のプログラムでは、強みの言語化の具体的な手法、事例コンテンツの量産体制、AIクローラーへの最適化、エンティティホームの設計など、契約クライアントにのみ開示している施策群がある。SEOの闘い方の変化や、AI時代におけるコンテンツ制作の新しい型についても、別の記事で改めて書いていく予定だ。
AI検索で選ばれる状態に、90日で到達します
「Webからの問い合わせが減った」「AIに引用されたいけれど何から始めればいいか分からない」——AI対策は、個別施策を積み上げても答えにたどり着きません。必要なのは、AIに選ばれる構造にサイト全体を作り変えることです。
バズ部の「AI対策90日プログラム」は、ターゲットの特定・強みの言語化・サイト構造の再設計・AIクローラー対応まで、全18施策を90日で一括実行します。 先行導入企業で売上が前年比8倍ペース・問い合わせ数5.8倍増加しています。
90日で実行する内容の一部:
- 勝つべきニッチ領域の特定:強みが最も活きるターゲットを3つまで絞り込む
- 独自の強みの言語化:AIに推薦されるレベルで再定義し、サイト全体に反映
- 事例コンテンツの量産体制構築:AIが引用しやすい事例を5分で生成できる仕組みを整備
- AIクローラー対応の技術施策:構造化データ、ページ速度改善など
まずは貴社の状況をお聞かせください。現状の整理と、次に取るべき一手をその場でお伝えする無料相談を受け付けています。




