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11/27水19:00〜20:00
こんにちは、バズ部の川添です。
突然ですが、良いコンテンツとは何でしょうか?
ニーズを満たす情報や心を動かすストーリーなど、様々な定義があるかもしれませんが、バズ部では「読み手の行動を促すコンテンツかどうか」を良いコンテンツの判断基準としています。読み手がコンテンツを読んで深く感銘を受け、実際に行動し、その結果が大きなものとなれば、それは非常に良いコンテンツと言えます。逆に、読み手の行動を全く変えない、コンバージョンもしない、いわゆる「読んで終わり」のコンテンツは、悪いコンテンツと考えます。何も変化がないコンテンツは、存在価値がないと同義だからです。
この定義はずっと変わらず伝え続けていますが、「行動させるためには具体的にどうすればいいのか?」という疑問をよくいただきます。そこで今回は「人の行動を変化させる」ことについて、少し深掘りして解説していきます。
端的に言うと、人の行動を生み出すためには、その人自身に「想像力」を発揮させることが鍵となります。私たちはよく「ビジョンを見せる」と表現しますが、人は自分が変化できると確信する姿をイメージできたとき、行動への原動力が生まれます。そしてそのためには、その人の過去の経験や知識を呼び起こし、想像できる状態に導くことが必要です。
今回は特に、写真や図を提示する方法でなく、文章でどう想像力を掻き立てるかについてお話ししたいと思います。ぜひ参考にしてください。
目次
スタンフォード哲学百科事典によると、頭の中のイメージは記憶とモチベーションに大きな役割を果たし、クリエイティブな思考にも重要だとされています。従来から、人はその場に対象が実際に存在しなくても、自分の過去の記憶や知識を辿り、物事を類推することができます。そして、想像した結果が自分にとってプラスの結果か、もしくはマイナスの結果かによって行動のモチベーションが生まれます。しかし、ただ頭の中にぼんやりとしたイメージがあるだけでは、それを実際に行動に移すことはできません。「絶対に行動しなければ!」と確信できるようにさせることが大切です。
例えば、もし本気で痩せたいあなたが、
この2つのどちらかを選ぶなら、多くの場合、後者を「使いたい」と感じるでしょう。
読み手が記憶を呼び起こしやすい状態を作り、「こうしたら成功するだろうか?」と想像力を掻き立てることができれば、行動へと導けると言えます。逆に言うと、これまで経験がないことや知識がないことに対しては「わからない」ため、想像力は働きません。たとえあなたが素晴らしい行動提案をしたとしても、ユーザーにそれと関連する記憶がなければ、提案内容をうまく理解できず、結果として行動が生まれないのです。
この流れが必要となります。
ひと目でわかる写真であれば、後で思い出した際でもパッとイメージが浮かびやすいでしょう。しかし、文章の場合、頭の中にイメージを作り出すためには脳がより多く働く必要があります。脳内にある思考を引き出し、その人自身に関連するものと結び付けようとするからです。
例えば、「綺麗な青い海にカラフルな魚が泳いでいる」という写真と文章を見た場合、脳の働き方が異なります。文章の場合、過去に沖縄で見た海など、自分が知っている海をまず思い浮かべるでしょう。そして、海の色はどんな青なのか、何色の魚が泳いでいるのか、脳がそれを処理していきます。頭の中でそのイメージを完成させるために脳がより深く働き、結果として記憶に強く残るのです。これは、ツァイガルニク効果の一種で、イメージが未完成な空白部分を脳が埋めようとする作用です。
つまり、読み手が頭の中で記憶を引き出しやすい表現をすれば良いということです。
例えば、
A: 東京で一番有名なチキンカツ屋の店主にインタビューしてきた!
B: いつも取材を断っている有名なチキンカツ屋の店主にインタビューしてきた!
この2つの文章を比べると、Bの方が希少価値があるようなイメージを持ちませんか?「いつも取材を断っている」という表現から、店主が頑固で熱意のある職人のように感じられ、こだわりのチキンカツを出してくれそうな印象を与えます。
単に事実を並べるだけでなく、読み手のイメージが膨らむような文章を意識して書くことが重要です。
ここからは具体的なライティングのコツを5つご紹介しますね。
総じて最も重要なのは、まるで読み手が目の前にいるかのようにいかに人間的でいるかだと考えています。誰に向けているかわからないような無機質な発信では、人に見向きさえされません。ぜひまずは人間らしさを意識してみてください。
論理的な文章はもちろん大事ですが、論理的すぎると教科書や説明書のような無機質な文章になりがちです。無機質な文章は共感しにくく、想像力も働きません。人間味のある文章を心がけましょう。これは、冗長的に話し言葉をそのまま書くという意味ではなく、読み手が共感しやすい言い回しにするということです。
”…次は●●の事例を紹介しよう。これが今まで見た中で最も素晴らしい!“
”私がこれまで1000を超えるLPを作ってきた中でわかったことは…”
“一生懸命書いたのに全然見てもらえてないという経験はないだろうか?”
”あなたもそんな経験がないだろうか?“
文章の中で「想像してみてください。」と直接的に書くのは一つの手です。
例えば、「想像してみてください。世界中の見込み客全員があなたのWebサイトに集まったらどうなるでしょうか。」というようにです。簡単な表現ですが効果は抜群です。文章をただ消費していた状態から、急に自分事として捉えるようになります。もしそれが自分にとってプラスになるような、わくわくする内容であれば、モチベーションがさらに高まるではずです。
心理学者ロバート・チャルディーニの研究によると、ケーブルテレビの営業トークで「想像してみてください」というアプローチを行った結果、65.8%の人が無料の一週間サービスを受け入れ、47.4%が実際にケーブルテレビサービスに加入しました。一方、情報だけを提供された家庭では、41.5%が無料の一週間サービスを受け入れ、19.5%がサービスに加入したとのことです。なんと、2.4倍もの大きな差が生まれたのです。
具体的な営業トークの内容はこちらです。
「想像してください。ケーブルテレビがどのようにしてより多くのエンターテインメントと情報サービスを提供してくれるか。 〜中略〜
考えてみてください。外出の煩わしさを我慢する代わりに、家で家族や一人で、または友人と過ごす時間を。」
こう言われたら思わず頭の中でイメージが見えてきませんか?
事例をたくさん提示することも効果的です。人の知識や記憶のレベルはさまざまなので、その差を埋めるためにできるだけ多くの事例を紹介しましょう。複数ある事例の中で、一つでも「これだ!」と感じる事例が見つかるようにすることが大切です。できれば、業界別や悩み別など、読み手が探しやすいように工夫しておきたいところです。どれか一つでも読み手の記憶に引っかかり、想像を膨らませることができれば成功です。
「男は火星から、女は金星からやってきた」という本を執筆したジョン・グレイをご存じでしょうか?この本に関連する動画では、彼が約20分間にわたって男女の違いを論じていますが、その中でいくつもの事例が紹介されています。
男性はストレスを感じると頭を空っぽにしてリラックスすることでストレスを軽減します。これがテストステロンの分泌を促進し、ストレスを軽減する効果があります。
女性はストレスを感じると感情的な反応が強くなり、過去の出来事を思い出すことでストレスを増加させることがあります。しかし、感情的なサポートや共感を得ることでストレスを軽減することができます。
男性は新しい場所や経験に対して強い興奮を感じます。これはドーパミンが活性化されることで引き起こされ、結果としてテストステロンが増加します。これにより、男性は動機づけや喜びを感じ、ストレスが軽減されます。
女性にとっても、新しい場所を訪れたり新しい体験をすることは喜びですが、その反応は主に感情的なつながりや共感に関連します。例えば、新しいカフェで友人と時間を過ごすことや、新しい趣味を友人と一緒に始めることが、オキシトシンの分泌を促進し、ストレスを軽減します。
男女というテーマなので元々想像はしやすいかもしれませんが、いくつもの例が出てくることで、さらにイメージが鮮明になる感覚があります。私は動画を見ていて「これ、わかる。こないだ経験したなぁ」と思うような話ばっかりだったので、納得感がすごかったです。今後、夫と喧嘩をしそうになっても「男女は違うから」と少し俯瞰して対処できる(かもしれない)はずです。
以下の文章を見比べてみてください。
A: 毎日たくさんの問い合わせが来て大変だ
B: 毎日50件の問い合わせが来るため、専任の対応者を新たに2名雇ったほどだ
おそらくBの方がその状況をより強くイメージしやすいのではありませんか?
「たくさん」や「大変」という言葉は人によって定義が違います。できるだけ数値で表すと、伝えたい内容と読み手の頭に浮かぶイメージをできるだけ近づけることができます。
また、メタファーを使って言葉を言い換えるというのも手です。読み手にとって身近な言葉の活用や、説得性のある言い換えは、読み手が自分の記憶を辿ることをアシストし、結果、想像力につながります。
たとえば、Apple社がiPodシャッフルを売り出す時に、「iPodシャッフルはガムより小さい」とスティーブジョブスが言いました。「史上最小」や「○cm×○cmの大きさ」と言うより、もっと鮮明にコンパクトなことがイメージできないか?読み手が想像しやすい言葉に言い換えられないか?説明的な文章になりすぎていないか?というのを常に意識しましょう。
最近注目したのは、企業の代表電話受付を代行するfondesk社のこちらのコピー。新聞広告にも出稿され話題になったので知っている方も多いかもしれません。
今こそ、職場から「TELハラ」をなくすとき。
「代表電話を代行」ではなく、電話対応をする人の悩みをわかりやすく言い換えていますね。TELハラという言葉は造語ですが、一目で意味が伝わってくる秀逸なコピーだと感じました。
良いコンテンツとは、「読み手に行動させるコンテンツ」です。そして行動させるためには、ユーザーの想像力を掻き立てビジョンを見せることが鍵と考えています。
想像力を刺激するライティング術
5つの方法をご紹介しましたが、ぜひまずは「人間らしさ」を意識してみてください。
単に整ったきれいな文章を発信するのではなく、「読み手が想像力を発揮できるか?」という視点を持つことが大事です。言葉一つ一つがイメージしやすい表現になっているかぜひ今一度チェックしてみてください。
私たちバズ部は、12年で400社以上のコンテンツマーケティング支援を行ってきた中で
・立ち上げから10ヶ月で14.6億円の売り上げを産んだ不動産メディア
・わずか8ヶ月で月間140万PVを実現したアプリ企業メディア
・月間4400件以上の問い合わせを実現した弁護士事務所メディア
など、今までの常識を覆す成果を挙げ続けてきました。
大企業・中小企業を問わずコンテンツというものをしっかりと理解して、真剣に取り組んでいただければ、誰でも、これと同じ、またはこれ以上の成果を出すことができます。
実際にバズ部が取り組んだプロジェクトについて、どの様に圧倒的な成果を実現してきたのかを下のページで詳細にまとめています。ぜひ参考にしてください。