SEO歴8年の私がSNSに1年間取り組んで見えた両者の大きな違い

こんにちは。バズ部の松澤です。

突然ですが、今後あなたの会社が「SNS」に取り組むべきか、と言われれば私の意見としては「取り組むべき」となります。

しかし、あなたが「今すぐSNSに取り組むべきか」と言われれば、「取り組むべき」とは強く言えません。

私は8年間SEOに取り組み、80社以上のSEO・オウンドメディア支援を行ってきた人間ですが、昨年からSNS(主にX)に取り組み始めました。

実際に取り組んで見て感じたのはSNSは「スターがいればレバレッジが効くけど、普通の人にはそこそこハードルが高い」ということでした。

今回は社長やイケメン、美女、天才でも無い、ごく一般的なWebマーケ会社の社員が1年間SNSに取り組んで見て、実際に感じたSNSの難しさと、SEOとの考え方の違いについて解説していきます。


1.約1年間SNSを中心に据えて取り組んでみた所感

まず、1年の取り組みの結果で言うと

松澤X

フォロワー:1907
imp:1,433,748
eng:56,887

という結果でした。月で浮き沈みはありますが、年間でならすと月間12万imp程度ということですね。

そして、この結果を踏まえたうえで私個人の意見としては、「私のような一般人は、SNSに力を注ぐよりもSEOにリソースを回したほうがリターンが得られそうだな」というのが私の正直な感想です。

理由としては、想像以上に投稿作成が大変だった割に目に見える成果が得られなかったことですね。

1年間の投稿数は186件。ざっくり慣らした時に1件あたり作成に1時間かかっています。投下工数としては186時間となります。

各投稿は「単なるつぶやき」的なものはゼロに等しく、全てがフォロワーや投稿を見ていただいた方に対する価値の提供を目的として発信していました。

そのため、140字以下に収まる投稿も数件程度で、ほとんどは長文の投稿だったり、画像や図解を加えたものだったため、1投稿作成するのに想像していたよりもかなり負荷が高かったと感じたのが本音ですね。

重要なのが、これが普段からコンテンツ発信を得意としており、社内にも発信可能なコンテンツが豊富な私たちでも、これだけ大変だったということです。

もしこれがバズ部のようにコンテンツが豊富にある会社で無かったら、工数は2−3倍ほどになっているのではないかと思います。恐ろしい・・。

そのうえで、実感できるほどの業績への影響を感じられなかったのが大きいです。

私たちは今回SEOやオウンドメディアに関する投稿に絞って発信していたので、SEOやオウンドメディアに関わる方々には一定程度リーチできたと感じています。実際、お問い合わせやご相談の場面で「X見てます」と言われるケースもぼちぼち増えてきました。

ただ、お客様と話す中で「Xの発信」自体が発注の決定的な要因にはなっていないように感じています。

「Xでよく見るから」「Xでの発信が信用できるから」という理由で発注頂いているわけではなく、「Xでも見たことがある」「Xでもよく見るからまともそう」という程度の感覚です。

10万〜20万impはWebサイト運営者からすると、数値的には多く見えますが、XのimpとSEO経由のPVは価値は対等じゃないと思っています。

Xでのimpは「そのジャンルや投稿に興味・関心がありそうな人」に投稿が表示された回数ですが、SEO経由のアクセスは「その記事のテーマに課題や悩み・疑問を抱えている顕在層」となるからです。しっかり顕在顧客をセグメントできる分、1PV自体の価値はSEO経由のほうが高いと考えられるはずです。

実際、問い合わせはほとんどが「バズ部」での発信をきっかけにお問い合わせ頂いており、10万〜20万imp程度の影響度だと現時点では可視化できるほどの成果は得づらいのかもしれません。


2.手っ取り早く大きな成果を求めるなら「SEOを中心とした集客施策」のほうが難易度は低い

個人的な意見としては、再現性高く、大きい成果を出したいならSEOメディアのようなSEOを中心とした集客施策のほうが向いているのではと考えています。なぜなら、多くの中小企業ではSNSに最適なスターが不在で、再現性もSEOのほうが高いと考えられるからです。

2−1.SNSは大きく成果を出したいならスターが必要

SNSはスターがいればレバレッジがかかりやすいですが、スターがいない場合はレバレッジがかけられないため、大きな成果は厳しいと考えています。

そう感じる1つの理由が、SNSは発信者の「個性」が拡散力に強く影響するからです。

ここでいう個性は容姿、経歴、立場、舌鋒鋭さ、ユーモア、センスといったもののことです。

個性は簡単に模倣できないため、再現性が低くなります。そして、再現性が低いということは、投下リソースを増やすことによるレバレッジをかけづらくなります。

例えば、「ホリエモン」としても著名な堀江貴文氏の影響力、拡散力は私たちがどんなリソースを投下しようと再現するのはなかなか難しいですよね。それは「堀江貴文」氏の影響力・拡散力は再現性のあるノウハウによって形成されたものではなく、御本人の「個性」の強い影響を受けているからです。

そういう意味で、企業がリソースで解決できない「個性」の影響力が強いSNSは「スター不在」の会社の場合はレバレッジがかけづらいというわけです。

そして、レバレッジがかけづらいもう一つの理由がSNSは「何を発信すべきか」が規定されていないことです。

SNS上で何を発信するかは「個性」に合わせて変わります。

例えば、「堀江貴文」氏の場合、時事ニュースを独自の切り口で解説することで多くの反応を集めることが可能です。では「時事ニュースを独自の切り口で解説すればいいのか」と言われれば、そうではないですよね。

大した「個性」も無い一人のマーケティング担当者の「時事ニュース解説」は堀江貴文氏ほどの反応を得られないはずです。

つまり、「何を発信すべきか」は発信者の「個性」に大きな影響を受けるというわけです。そして、「個性」の影響を受ける以上、標準化は難しくなる。そして、標準化が難しいということは「誰でもこういう発信の仕方をすれば伸びる」というものが無く、再現性が低いためにレバレッジをかけづらいというわけです。

2−2.SEOメディアのほうが再現性は高いと思う

ポジショントーク気味になってしまうかもしれませんが、私の所感としてはSNSに比べると、SEOメディアは再現性は高いと考えています。

その理由の1つがSEOメディアは発信者の「個性」による影響を受けづらいことです。

現在のアルゴリズムではSEOで上位表示するために「個性」の重要性は低く、コンテンツの質とドメインの力の影響が大きくなっています。そして、コンテンツの質、ドメインの力はいずれも改善するためのノウハウがそれなりに確立されており再現が可能です。

そして、2つ目の理由がSEOメディアはキーワードから記事を書くという性質上、論点が規定されているため「何を書くか」に迷うことがなく、書き方もノウハウが確立されているからです。

先ほどお伝えしたように、SNSの場合は「何を書くか」が規定されていません。そのため、コンテンツ発信の際は「何を書くか」から始める必要があるうえに、コンテンツの作り方もノウハウが確立されていないため再現性がSEOに比べると低くなります。

実際はSNSもノウハウが確立されており、再現性も高いのかもしれないのですが、私が1年試行錯誤してきた範囲では再現性には課題を感じたのが本心です。もし、再現性高いノウハウや手法をご存知の方がいれば、ぜひ教えて頂きたいです。

2−3.SEOメディアは再現性が高いからリソースに対するレバレッジがかけやすい

では、SEOメディアの再現性がSNSよりも高いとして、それの何が良いのかといえば「レバレッジをかけやすい」ということにあります。

レバレッジとは簡単にいえば「使った力よりも大きな結果を生み出すこと」です。

企業は労働力や資金をという力を使って、より大きな利益を生み出そうとしています。そして、この力を使って、より大きな成果を生み出すには再現性が重要になります。

先ほどお伝えしたとおり、SEOメディアは再現性が高いので、リソースをかけた分成果が出しやすいです。

お金をかけて記事代行を依頼すれば記事数増やせるし、自社の工数をかけて記事を書くということができるためです。

つまり、お金や労働力を投下すれば、投下した分だけ大きな成果を得られる可能性が高まるということですね。SNSの場合は再現性が低くなるので、リソースを投下した分がそのまま成果になる可能性が下がってしまうというわけです。


3.気軽にチャレンジするならSNSはアリ

ここまでの説明を聞くと「絶対SEOやるべき」という論調に聞こえるかもしれませんが、決してそういうわけではありません。

個人的には年間数百万円程度の小さな売上でいいから低予算で、かつ早く成果を出したいのであればSNSはSEOよりも有効な選択肢だと考えています。

実は、各媒体によって多少の差はあれど、基本的にSNSのアルゴリズムは新規にも優しく、投稿1本目からバズる可能性があります。

これがSEOメディアの場合は初投稿から3ヶ月は無風、というのはザラで長いと半年かかったりすることもあります。

この点は「とにかく小さくてもいいから今すぐ成果を出したい」という方にはありがたいですよね。

ここまで読むと、「コンテンツ作るのが楽で成果が出るのも早いならSNSでもいいじゃん」と感じる方もいるかもしれませんが、当然課題もあります。

それは、SNSがフロー型の媒体で積み上げできないうえに、再現性が低いため、努力が無駄になる可能性があることです。

例えば、SNSの場合、「個性」が無い中でコンテンツをどれだけ頑張って作っても全く反応が取れない可能性があります。しかも、SNSは投稿がタイムラインに流れていく仕様のため、基本的に過去の投稿が見られることは少ないです。つまり、試行回数は増やせるけど、コンテンツ自体は無駄になってしまう可能性が高いということです。

逆にSEOの場合は時間はかかりますが、再現性がSNSと比べれば高いので正しい手順でコツコツと積み上げていけば、SEOで評価され始め、過去の記事等からも集客できるようになります。


4.個性的でコミットできる人物がいればSNSに力をいれるのはアリ

では、ここまでの内容を踏まえたうえで、個人的には多くの会社はまずはSEOを検討したうえで、そこからSNSにも取り組んでいくべきかなと思います。

ただし、社長自ら発信することができたり、強い「個性」を持つメンバーがコミットできる場合は、比重をSNS重めにおくのもアリです。

先ほど、「スター」という言葉を使いましたが別に有名人である必要はありません。SNS上で際立った何かを発揮できる「個性」があれば問題ないのです。

社長というのは、それだけで強い個性ですし、個性の強いメンバーがコミットしてくれるならSNSは非常に効果的な施策だと考えています。

ただ、弊社も含めて多くの会社では社長が自らSNSにコミットすることは稀です。また、SNSで存在感を発揮できるほどの個性を持ったメンバーがSNSにコミットできることも稀です。

なので、多くの企業にWebマーケティング、コンテンツマーケティングについてご相談頂いた場合、今の私であればSEOとSNSのバランスについてはSEOを重めにすることを推奨すると思います。

もし、この記事を読んで「全く違う意見をお持ちだ」という方がいれば、ぜひSNSでシェアしてください。今回の記事はあくまで現時点の私が感じていることなので、ぜひ皆様の主張等も教えて頂けたら嬉しいです。

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実際にバズ部が取り組んだプロジェクトについて、どの様に圧倒的な成果を実現してきたのかを下のページで詳細にまとめています。ぜひ参考にしてください。