こんにちは。バズ部の野口です。
「コンテンツSEOのプロである代理店に依頼したのに中々成果が出ない。どうすれば良いのか?」
このようなご相談をよくいただきます。全体の中で約2割ほどでしょうか。
代理店に依頼する場合は、「代理店に任せるからこそ起きやすい問題に着目し、事前に手を打つ」ことが必要です。
中でも特に、代理店が
- エンドユーザーの悩みそのもの
- エンドユーザーの悩みを解決する商品・サービスの提供価値
についての理解度が低いままプロジェクトを進行しないことです。
実際にご相談いただいた方のサイトをお調べすると、以下の4つの問題が代表的に上がります。
代理店に依頼している相談でよく起きている問題
- 短期的に成果につながる可能性の高いキーワードが選定されていない
- ターゲットユーザーのニーズをドンピシャで解決する、自社の象徴的なキーワードでコンテンツが上位に表示されていない
- 発信する分野の専門性が低く、他社が発信する一般的な情報と内容がほぼ変わらない
- 発信するコンテンツに独自の主張・行動の提案がない
これらの問題には事前に対処しておきたいし、すでに発生しているならすぐに手を打つべきです。
今回は、「コンテンツSEOを代理店に頼んできたけど成果が出ない」とご相談いただく方によくおすすめする4つのアクションをまとめました。
この記事の内容を実践することで、あなたが代理店に任せているオウンドメディアの成果を変えることがでができるはずです。
目次
1.目標キーワードの選定基準を伝える
1つ目に、代理店に目標キーワードの選定基準を伝えましょう。
代理店に依頼する場合、多くの場合でキーワード選定も代理店に丸投げをしていて、選定基準もプロである代理店に依頼しているケースがほとんどです。
選定を任せること自体は良いのですが、「選定基準」は少なくとも代理店に伝えるようにしましょう。
具体的には、
- 検索ボリュームが2桁以下でコンバージョンの可能性が高いキーワード
を選定するように伝えます。詳しく説明いたします。
1-1.「検索ボリュームが2桁以下でコンバージョンの可能性が高い」キーワードを選定する
「検索ボリュームが2桁以下でコンバージョンの可能性が高い」キーワードを選定しましょう。シンプルに成果につながりやすいキーワードだからです。
具体的には、
- 検索ボリュームが大きいキーワードより、明らかに競合性が低いことが多い
- 検索ユーザーのニーズを絞りやすい
- 実際に制作したキーワードでコンバージョンが取れた例が多数存在する
こう言った特徴があるキーワードです。
例えば、以下はある弁護士事務所の実績です。
月間平均検索ボリュームが50以下のロングテールのキーワードに積極的に取り組み、多くのコンバージョンを獲得しています。
参考として、過去私たちが選定した弁護士関連のニッチなロングテールキーワードの例を下記します。
弁護士 離婚 離れた場所 養育費
- 離婚後に相手が遠方に住んでいる場合の養育費に関する相談をしたいユーザー向け。
- 特定のシチュエーションに対応した情報を求める人が対象。
弁護士 SNS 誹謗中傷 裁判費用
- SNSでの誹謗中傷に対する法的対策や裁判費用について知りたいユーザー向け。
- 現代的な問題で、特定の悩みを持つユーザーに響く。
弁護士 医療過誤 証拠集め 方法
- 医療過誤に関する証拠の集め方や法的手続きを知りたいユーザー向け。
- 医療問題に直面している人々に具体的な解決策を提供。
医療過誤に関する証拠の集め方や法的手続きを知りたいユーザー向け。医療問題に直面している人々に具体的な解決策を提供。
検索ボリュームが小さいキーワードで、ワードが複数あり、ユーザーの検索ニーズを絞りやすいものを選ぶように伝えましょう。
競合サイトがドンピシャの記事を作っていないなら、上位表示しやすく、CVにもつながりやすいです。
代理店にまずはこうしたこうしたキーワードの攻略を目標にするように伝えましょう。
1-2.「エンドユーザーの悩み、商品・サービスの提供価値」に関する具体的な情報を提供する
代理店にエンドユーザーの悩み、商品・サービスの提供価値の具体的な情報を提供しましょう。
これらの情報がないと、「検索ボリュームが2桁以下でコンバージョンの可能性が高い」キーワードを選べないからです。
そもそも最初から成果につながりやすいキーワードを選べないのは、以下の2つの理由があります。
- 代理店がエンドユーザーの深い・緊急度の高い悩みの理解度が低い
- 代理店が、商品・サービスの提供価値(エンドユーザーの何の悩みをどのように解決していて、競合と何が違うのか)の理解度が低い
より成果に近いキーワードを選定するために、
- パンフレット・提案資料などの営業資料
- セミナー資料・コンサルティングを行う際の資料
- 実際にクライアント・エンドユーザーと会話する営業担当・コンサルタント・専門家から直接話す機会を作る
など、惜しみなく情報共有をしていきましょう。
参考として、以下はキーワード選定時に私たちがクライントから教えていただく情報です。
キーワードリサーチ・選定のためのヒアリング項目
- 象徴的なペルソナ・セグメント分類(複数いる場合は優先度順に。)
- 自社の商品・サービスを利用する・利用しうる方たちの悩み・願望
- 自社の商品・サービスを使う可能性のあるターゲットが日常で抱えている”不”(不=不安・不満・不便・不都合・不経済・不公平等)
- ターゲットの方たちに、現状の世の中で不足している情報
- 不足を満たす、自社が提供できる価値(発信情報・プロダクトの提供価値両方の視点で)
- 顧客の主要な購買基準(KBF)
- 商品・サービスの特徴・強み(競争優位性)、顧客に特に支持されている点
- 自社のサイトが解消する悩みと、悩みを持つ対象者(ミッション・コンセプト)
- 獲得したいコンバージョンの種類(資料のダウンロードや問い合わせなど)、優先度
- 現在のコンバージョンの種類・コンバージョンの定義・実施しているリードナーチャリングの概要(リードから契約までの階段設計)
- 攻略希望キーワード
- 過去、リスティング・オーガニック経由でコンバージョンの実績があったキーワード
- 商品、サービスの営業資料、ホワイトペーパー、社内資料、(社内向け勉強会資料やマーケティング戦略・カスタマージャーニーやペルソナ情報資料など、キーワード選定に役立つ資料全て)
これらの情報をできる限り、代理店に提供するようにしましょう。
実際に相談に来られ、わたしたちと契約し実際に支援させていただいた企業のうち、約7割は、そもそもキーワードの設計自体に大きな問題がありました。
よく見る問題は、一見需要があるように見えて、じつは需要がない分野で一生懸命頑張ってコンテンツを作成してしまうケースです。そんなことをやっていれば、担い手がプロだろうが、素人だろうが結果は目に見えています。
- エンドユーザーの悩みそのもの
- エンドユーザーの悩みを解決する商品・サービスの提供価値
の深い理解を背景に、目標キーワードの選定するように変えていきましょう。
2.コンテンツの質の基準を設定し伝える
2つ目は、代理店にコンテンツの質の基準を設定し伝えましょう。
具体的には、以下の2つです。
- ユーザーに行動提案(主張)をする
- コンテンツの質を5段階に分けて、3以上のコンテンツを制作・公開する(5段階については後述)
コンテンツが検索結果の上位に表示されず、アクセスやコンバージョン数が増えないということは、そもそもコンテンツの質が低く、見るユーザーの価値になっていないからです。
もしこれらを伝えた上で、代理店が制作したコンテンツの「質が低い」と感じるなら、即刻代理店を変えるべきです。
代理店にコンテンツの質の基準を設定し伝え、コンテンツの質向上を図りましょう。
2-1.ユーザーに行動提案(主張)をする
1つ目の基準は、ユーザーに行動提案(主張)をする、です。
行動提案(主張)は、単に知識を提供するのではなく、「ユーザーの悩みがを解決できる」イメージを与えます。具体的に、ブログの内容で見ていきましょう。
「ワンルームマンション投資」というキーワードで制作された以下のブログをご覧ください。
記事を読むと、冒頭ではっきりとした行動提案(主張)がされています。
先にお伝えすると、私はワンルームマンション投資をおすすめしません。
なぜなら、毎月200名以上の投資家がお越しになる弊社の投資相談で、
「ワンルームマンション投資をよく考えずに購入して後悔している」
とおっしゃる方が後を絶たないからです。具体的に、月に5人以上はいらっしゃるでしょうか。
引用:https://www.musashi-corporation.com/wealthhack/division-apartment-investment
「ワンルームマンション投資をおすすめしません。」というはっきりとした行動提案(主張)があり、実体験を元にした根拠も明確にされていることで、「ワンルームマンションの投資は慎重になるべきだ」というイメージを持つことができます。
以下は、行動提案がある記事・ない記事例の比較です。
行動提案が「ある」記事 | 行動提案が「ない」記事の例 | |
---|---|---|
キーワード | ワンルームマンション 投資 | ワンルームマンション 投資 |
タイトル | なぜワンルームマンション投資はやめろと言われるのか? | ワンルームマンション投資とは?詳しく解説 |
目次 |
|
|
行動提案(主張) | ワンルームマンション投資に 安易に手を出さないでください | なし (自分で良いと思ったら始めてください) |
読み終わった後の ユーザーの状態 | 収益性が低いと考えられるワンルームマンション投資には安易に手を出さない判断ができる。 仮に怪しい営業をされても断る。 | ワンルームマンション投資についての知識が増えた。 |
はっきりと行動提案をすることで、構成(目次)は、一見すると似ていますが、読み終わった後のユーザーの状態に大きな違いが生まれます。
行動提案が「ない」記事の例のように、「知識が増えた」だけだと、たとえ記事が上位に存在しアクセスが集まったとしても、問い合わせする理由が生まれず、コンバージョンにはつながりづらいでしょう。
結局のところ、行動提案こそが価値であり、そこがマーケティングの肝になってくるのです。
それはユーザーの置かれた状況に対する深い理解なしでは絶対にできない。だからこそ、代理店に依頼するなら、コンテンツの質の基準を設定する必要があります。
2-2.コンテンツの質を5段階に分けて3以上のコンテンツを公開する
2つ目の基準として、コンテンツの質を5段階に分けて、3以上のコンテンツを公開することです。
本当にいい記事なのか悪い記事なのかを判断する基準
- 読んで終わり
- 読んでユーザーの行動が変化する
- 読んでユーザーの行動が変化し、ある程度良好な結果が出る
- 読んでユーザーの行動が変化し、大きな結果が出る
- ユーザーが数年後に振り返ってもあの記事は良かったと言ってくれる
「読んで終わりの記事」「読んでユーザーの行動が変わる記事」のレベルでは、ユーザーに価値を提供することにはなりません。
代理店が制作した記事については、最低限、以下の内容はチェックし、もし該当するならすぐに修正をしましょう。
代理店が制作した記事内容で最低限チェックすること
- 読んで終わりの記事になっている → 修正
- 読んでユーザーの行動が変化するだけの記事になっている → 修正
- 読んでユーザーの行動が変化し、良好な結果が出る根拠がよくわからない → 修正
ユーザーに行動提案(主張)もなく、読んでも何も結果が変わらないコンテンツには、どんなに情報量があっても価値がありません。
これは成果以前の問題で、そこに時間も金銭もかけるのは誰のためにもならないでしょう。
もし誰のためにもならないコンテンツを公開しているなら、すぐにでも代理店とコンテンツを修正していきましょう。
3.専門家がコンテンツの行動提案(主張)をチェックする
3つ目は、専門家がコンテンツの行動提案(主張)をチェックするフローを必ず入れることです。
代理店が制作し、専門家がチェックしないままコンテンツを公開しても、「全く競争力のないコンテンツ」になるからです。
代理店が制作する行動提案は、少しリサーチしたいわば素人の域を超えない人間がする行動提案です。
プロが見たら一瞬で「成果が出ない素人考えのもの」だとわかってしまうと、内容を信じて行動したユーザーからの信頼を失うことになります。
SEOのテクニックで検索結果の上位に上がったとしても、他社がほぼ同じ構成でより質の高い情報のコンテンツを発信した瞬間に取って代わられてしまいます。
必ず専門家がコンテンツの行動提案(主張)をチェックし、自社独自の情報発信となるようにしましょう。
参考として、以前バズ部で支援したメディア:ウェルスハック【わずか10ヶ月で14.6億円の売上を叩き出したコンテンツマーケティング事例】の運営では、不動産投資による節税において、以下のような体制を作り、専門家が確認するフローを入れています。
ウェルスハックのコンテンツマーケティングの運用体制
専門家が記事の主張を確認するフローを入れることで、不動産投資についてすでに存在する競合他社とは違った主張・メッセージをユーザーに伝え、運営する武蔵コーポレーションの存在意義をはっきりさせることができます。
ウェルスハックで発信する情報の方針
不動産業界はコンテンツマーケティングに取り組む企業が多いように感じます。だからこそ、競合優位性を高めることが大切だと考えていました。
そこで私たちがこだわってきたのが、一歩踏み込んだ行動提案です。単なる語句の解説にしたら、他の企業と変わらないコンテンツができると思っていました。だから会社としての主張をはっきりさせ、ユーザーが行動できるレベルまで情報を研ぎ澄ませ、それを一貫してユーザーに伝え続けることにこだわりました。
例えば「サブリース」と検索するユーザーに向けて「サブリースの意味や仕組み」を解説するだけであれば、誰でも書けますし誰が書いても大して変わらないコンテンツができるでしょう。
だから私たちはもう一歩踏み込んで主張することにこだわりました。つまり「サブリース契約すべきなのかしないべきなのか」といった踏み込んだ主張です。
不動産投資なんかは特に、知識だけを得ても前に進めません。何かを理解して終わりではなくて、行動まで落とし込めるようにはっきり主張することがユーザーのためになると確信していました。
そういった積み重ねが私たちの存在意義の明確化に繋がり、それが結果として競合優位性が高まる要因だったのだと思います。
事例 / 累計106億円の売上を叩き出した不動産会社のコンテンツマーケティング事例
https://lucy.ne.jp/bazubu/case/wealthhack
4.下固定、目次上、記事下、第2章の見出し上にCTAを設置する
4つ目として、代理店に「下固定、目次上、記事下、第2章の見出し上」にCTAを設置することを伝えましょう。
ユーザーがコンテンツを読むことを比較的邪魔せずに、クリック数を見込めるCTAだからです。
意外にも、代理店に依頼しているにも関わらず、以下のCTAの設置が漏れてしまっているケースが多くありました。
以下は、月間10万PV以上の実績のあるクライアントメディア43件のデータから算出した、CTA別の平均クリック率(CTR)のデータです。
月間10万PV以上獲得した実績のあるクライアントメディア43件のバナー別平均CTR
参考までに、それぞれの例を書きいたします。
◯下固定バナーの例https://www.musashi-corporation.com/wealthhack/real-estate-books
◯目次上バナーの例https://www.musashi-corporation.com/wealthhack/tax-savings-musashi
◯記事下CTAの例https://www.musashi-corporation.com/wealthhack/tax-measures#5
どんなにアクセスを集めていても、ユーザーが「問い合わせしたい」「資料をダウンロードしたい」と思った瞬間にすぐにアクションが取れる状態になっていないと、コンバージョンを最大化することにはつながりません。
ユーザーが読むのを邪魔しない形で、自然な位置として設置しましょう。
まとめ 代理店に変化がなければリプレースすべき
たとえプロである代理店に頼むとしても、代理店に依頼する場合は、「代理店に任せるからこそ起きやすい問題に着目し、事前に手を打つ」ことが必要です。
今回は、「コンテンツSEOを代理店に頼んできたけど成果が出ない」とご相談いただく方によくおすすめする4つのアクションをまとめました。
- 目標キーワードの選定基準を伝える
- 「検索ボリュームが2桁以下でコンバージョンの可能性が高い」キーワードを選定する
- 「エンドユーザーの悩み、商品・サービスの提供価値」に関する具体的な情報を提供する
- コンテンツの質の基準を設定し伝える
- ユーザーに行動提案(主張)をする
- コンテンツの質を5段階に分けて3以上のコンテンツを公開する
- 専門家がコンテンツの行動提案(主張)をチェックする
- 下固定、目次上、記事下、第2章の見出し上にCTAを設置する
この記事の内容を実践することで、あなたが代理店に任せているオウンドメディアの成果を変えることがでができるはずです。
これらを伝えていき、もし成果がかわらなければ、すぐにでもリプレースを検討しましょう。
ぜひ本記事を参考に、コンテンツSEOから期待以上の成果を出すことに繋げていってください。