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事例 / メディア経由で年間1,225件の受注に成功したベビー用品レンタル専門店

ナイスベビーラボ

株式会社ベビーリース様はベビー用品のレンタル専門店(ECサイト)、「ナイスベビー」を運営する企業です。

潜在的な見込み客にリーチする方法を模索している中でコンテンツマーケティングに出会い、2019年6月に「ナイスベビーラボ」を立ち上げました。
良質なコンテンツの作成を積み重ねることによって、メディア経由での年間受注数を1,225件に伸ばすことに成功しました。しかもそれを、マーケティングの知見を持つメンバーがいないゼロベースの状態から実現することができました。

今回はこのような素晴らしい成果を生み出した秘訣や経緯について、ECサイトの運営責任者である金子様にインタビューしました。

潜在的な見込み客へリーチしたいとお考えの企業、そしてECサイトからの受注数を増やしたいとお考えの企業にとって非常に参考になる事例かと思います。

もし同じような状況で解決策を模索されているようでしたら、ベビーリース様のコンテンツマーケティング事例を参考にしていただけますと幸いです。

1.コンテンツマーケティングの結果

メディアを立ち上げて12ヶ月目に月間20万PVを突破

ナイスベビーラボを立ち上げてから着実にアクセス数を増やし、その12ヶ月後には月間20万PVに到達しました。当時のPVの推移は次の通りです。

  • 1ヶ月目:2,841
  • 2ヶ月目:3,995
  • 3ヶ月目:4,373
  • 4ヶ月目:7,942
  • 5ヶ月目:14,849
  • 6ヶ月目:29,835
  • 7ヶ月目:47,952
  • 8ヶ月目:84,273
  • 9ヶ月目:89,376
  • 10ヶ月目:111,221
  • 11ヶ月目:176,892
  • 12ヶ月目:204,048

初期は「ベビーベッド」に関するコンテンツを集中的に執筆し、それらのキーワードで多くの上位表示を達成しました。3年経過する今でもこれらのキーワードは上位表示し続けています。

上位表示達成キーワード(平均掲載順位)     検索数
ベビーベッド サイズ(1位) 3,600
ベビーベッド 大きさ(1位) 590
ベビーベッド いつまで(4位) 9,900
ベビーベッド ミニサイズ(1位) 1,300
ベビーベッド レンタル 安い(1位) 720
ベビーベッド 置き場所(1位) 320
ベビーベッド 必要(3位) 1,000
ベビーベッド ロータイプ(2位) 260
ベビーベッド サークル(2位) 390

その後、最高記録である月間165万PVに到達した

伸び悩む時期もありましたが、さまざまな試行錯誤を経て2022年5月には最高記録である「月間165万PV」に到達しました。これほどまでに伸びたアクセス数は受注にも大きな影響を与えました。

メディア経由の受注数が想定を大幅に超え、在庫が完全にゼロになったほどの成長でした。注文を受けても提供できる商品がなく、「嬉しい悲鳴」と呼べるほどの状況でした。コンテンツマーケティングの運営よりも在庫管理などの対応を優先せざるを得ないほどだったのです。

メディア経由での年間受注数を1,225件に伸ばすことに成功

全くのゼロからスタートしたオウンドメディアでしたが、2022年時点ではメディア経由での年間受注数を1,225件に伸ばすことに成功しました。

メディア立ち上げ直後の1年間は、メディア経由での年間受注数が85件でした。その時期と比べると受注数を14.4倍に増やした計算になります。

ご担当の金子様は「潜在的な見込み客にリーチすることを主目的としてやってきたので、それが今になって効いてきた実感がある」とおっしゃいます。実際、メディア立ち上げ時期と比べると、指名検索数(「ナイスベビー」が含まれるキーワード検索数)が増えていることがわかります。

▼「ナイスベビー」の検索ボリュームの推移

  • 2019年8月:5,600回
  • 2023年7月:7,640回(+2,040回)

▼「ナイスベビー ベビーベッド」の検索ボリュームの推移

  • 2019年8月:180回
  • 2023年7月:600回(+480回)

同様に「ナイスベビー チャイルドシート」「ナイスベビー ベビーカー」「ナイスベビー バウンサー」などの指名検索数もじわじわと右肩上がりに増え続けています。なお、これらは実際に2~3年前に優先的に執筆していたコンテンツのテーマでした。

2.当時抱えていたマーケティングの課題

株式会社ベビーリース 金子輝之 様

“Webを通じて潜在的な見込み客にリーチしたかった”

最初に感じていた課題は「Webを通じた潜在的見込み客へのリーチ」でした。

当時私たちが行っていたマーケティング施策は、アナログで顕在層へのリーチのみにとどまっていました。具体的には病院でのカタログ配布に取り組んでいました。

▼実際に病院に配布しているカタログ

引用:ナイスベビー公式サイト

私たちのペルソナは「出産を控えるお母さん」「出産直後のお母さん」ですから、病院はペルソナと接点が持てる場だったのです。以前からずっと関東圏のあらゆる病院にナイスベビーのカタログを置かせてもらっていました。実はこの施策がとても効果的で、マーケティングに困っているという感覚はありませんでした。

ただ、時代の変化に伴って「ベビー用品の存在は知っているけど、ベビー用品のレンタルの存在を知らないお母さんがいる」という事実も段々わかってきました。つまり「レンタル」という手段に気付いていない潜在層が世の中に多く存在していたわけです。

私たちはそこに対するアプローチを一切やってきませんでしたし、企業としてもどんどん拡大していきたいと思っていましたから、潜在層のアプローチに対する課題意識は自ずと高まっていきましたね。さらにWebの進化を目の当たりにしていたこともあって、Webマーケティングの強化にも意識が向き始めていました。

「潜在的な見込み客へリーチするための新しいWebマーケティング施策を導入しなければいけない」

そう感じるようになったのがコンテンツマーケティングを導入する最初のきっかけでした。

“いろいろなWeb広告を試したけどしっくりこなかった”

そう気付いてから私たちがやってきたのは主にWeb広告です。

リスティング広告やディスプレイ広告など、月数万円ほどの少額な予算ではありましたが、少しずつ新しいマーケティング施策に挑戦し始めていきました。ところがやっている中身といえば、代理店にお任せするのみでした。私たちの意志や知見が反映されるものではありませんでした。

私たちの元に何かがストックされるわけでもありませんし、代理店の担当者とも密にコミュニケーションが取れるわけではありません。予算も少額だったということもあり成果も中途半端な状態でした。

「しっくりこない」という感覚とともに、もっと他にやるべきことがあるのでは?と思い始め、当時メルマガを受け取っていたバズ部に問い合わせしてみたのです。

3.バズ部に支援を依頼しようと思った理由

“内製化が実現できると思った”

もともと私たちは自社の力でやりたいという思いがありました。
つまり内製化を一つのゴールに置いていました。何かを代行したり、投げっぱなしといったやり方は求めておらず、ある分野の知識や技術を徹底的に習得していきたいと思っていました。私たちもベビー用品の専門家ですから、専門家として自らが取り組むべきとも思っていました。

そんななかでバズ部から受けた提案が、私たちの希望と完全に一致していたのです。

営業担当者から「最終的にはバズ部がいなくても自社でやっていける状態になってほしい」と言っていただけたのは、バズ部に依頼する上での決め手のひとつになりましたね。

“会社にとっての財産になると思った”

バズ部から受けた提案は「ユーザーにとって価値ある良質なコンテンツを作る」という方法でした。さらに「本当に価値あるコンテンツであればその後も集客し続ける」「フロー型の施策とは異なり、自社サイトにストックされていく」といったお話を受けました。

正直この時点ではコンテンツマーケティングというもの自体よくわかっていませんでした。だからコンテンツマーケティング領域で競合を探したり比較したりといったこともしませんでした。

  • Webを通じて潜在層にリーチできる
  • 内製化できる
  • 会社にとっての財産になる
  • 自社の強みを活かせる
  • 自社のスキルアップにも繋がる

手段に対してではなく、このようなビジョンや方向性に対して共感したことがバズ部に依頼した理由です。

“密に関わって取り組めると思った”

もうひとつ理由を挙げるとすると、プロジェクトを進める上での関わり方です。広告代理店に任せてWeb広告を運用してきた経験を持つ私たちにとって、担当者と密に関わっていける体制をポジティブに捉えていました。

週に一度のミーティングは、大変さもありましたが間違いなく濃密でした。あれほどの濃いミーティングがあったから今があると思いますし、当時そういったお話を聞けたこともバズ部に依頼する理由のひとつになっていたと思います。

4.成果を出すための秘訣

“ユーザーの最高の結果を考え続けること”

成果を出すための秘訣は、ユーザーの最高の結果を考え続けることです。

良質なコンテンツを作るためには、検索意図を把握するだけでは足りません。ユーザーが意図していることだけでなく、ユーザーが意図していないような新しい価値ある情報を提供しなければいけません。
言い方を変えると、顕在ニーズを満たすだけでは不十分で、潜在ニーズまで徹底的に追求する必要があるのです。

そのためにはユーザーにとっての最高の結果(未来)を想像して、そのために提供すべき価値を模索していく必要があります。そこさえ徹底していれば、コンテンツや議論の方向性が見えてきますよね。
例えば「ベビーベッド レンタル 安い」と検索するユーザーは、ただ単に安いベビーベッドを探しているだけではありません。ユーザーが本当に求めていること(=提供すべき価値)は「正真正銘の最安」です。意図的なランキングが世の中に溢れている中、本物の最安を探しているのです。

だからこそ私たちがやったのは、ベビーベッドをレンタルしている主な15社の調査でした。
15社の商品や料金を全てExcelにまとめ、会社によって異なる料金をひとつひとつ「日割り」で計算し直し、さらには送料やサイズなどの周辺要素も含めて「本当の最安」を導き出すことに挑戦しました。(※実際のコンテンツ:ベビーベッドレンタル最安値ランキング&お得にレンタルする3つのコツ)

そのような努力によって生まれたこのコンテンツは、3年経った今でも1位表示を継続しています。コンバージョンに近いキーワードですから、まさに資産化されたコンテンツとして貢献してくれています。

“良いチームメンバーに囲まれていたこと”

秘訣とは少し違うかもしれませんが、良いチームメンバーに囲まれていたことが成功の要因だったように思います。私たちは社長や常務を含め計7名の体制でスタートしました。

7名全員で1時間以上かけてバズ部のオフィス(新橋)に向かい、2時間の議論を交わし、帰りも1時間以上かけて話し合いました。さらにはバズ部とのミーティング以外にも1~2時間の社内ミーティングを定期開催していました。これを1年かけて、毎週毎週やり続けました。

これほどの時間をともにするメンバーですから、メンバー同士の関係性は成果を出す上で非常に重要だったと思います。

実はこのプロジェクトとスタートするにあたって、チームで「遠慮せずに意見を言い合うこと」という取り決めをしました。年齢も立場も違うメンバーでしたが、そこだけはみんなで守ろうと約束してスタートしたのです。だからこそ時には熱が入りすぎて、怒鳴り声が飛んだり、泣き声が聞こえたりと、なかなかハードな日々を送っていました(笑)。

それでも、チーム全員で最後までやり遂げることができました。ユーザーの最高の結果を全員で考え、そのための白熱した議論を交わし、全員がめげずに前を向いて進み続けられたのです。それができた理由は、良いチームメンバーに囲まれていたからとしか言いようがありません。

5.これからコンテンツマーケティングに取り組む方に伝えたいこと

“とにかく覚悟が必要”

とにかく大変な取り組みです。やり遂げる覚悟が絶対に必要です。「すぐに結果が出る」「簡単に結果が出る」と少しでも思ってしまったら、その時点で難しいんじゃないかと思います。

何度も何度も困難が押し寄せてくることを前提に、やり遂げようと覚悟を持って臨めば大きな成果に近づくことは可能でしょう。

今振り返ると、私たちはこの覚悟がとても強かったように思います。いまだに色々な困難にぶつかっていますが、覚悟があるからこそ、それを何度も乗り越えることができました。ノウハウやスキルなどももちろんあるでしょうが、私たちとしては「覚悟が必要」というメッセージを真っ先にお伝えしたいです。

“やったらやった分だけ返ってくる”

コンテンツマーケティングの素晴らしいところは、やったらやった分だけ返ってくるところです。私たちはこの取り組みを通じて、本当に大きなリターンを得られたと思っています。

オウンドメディアの成長や、受注、売上などの成果はもちろんですが、そこに至るまでのプロセスがノウハウとなって社内に蓄積されました。そしてそれを経験したメンバーはその経験をスキルに発展させ、コンテンツマーケティング以外のあらゆる場面に活かしています。

つい先日もスタッフの電話対応の変化に驚く場面がありました。
以前はいただいた電話に対して「どんなサイズが良いですか?」と返答することが多かったのですが、最近では「どのような間取りですか?」「里帰りの予定はありますか?」のように、相談者の状況を把握するところからコミュニケーションをスタートしていたのです。

これはまさにコンテンツ作りと同じプロセスです。
相手の状況を踏まえて提案したり、相手にとってのゴールを考えたり、あらゆる場面に応用が効いています。コンテンツマーケティングを通じて会社全体が成長したとも言えます。

覚悟は必要だけど、大きなリターンが得られるからやったほうが良い。これが私たちからお伝えしたい最後のメッセージです。

6.さいごに

ベビーリース様のように、潜在的見込み客へのリーチやECサイトからの受注を増やしたいとお考えの企業も少なくないことでしょう。

インタビューにも出てきたように、ユーザーにとって役立つ良質なコンテンツを作り続けることさえできれば、ECサイトでも十分な成果を出すことは可能です。そこにマーケティング経験の有無やスキルの高低は関係ありません。

もし今回の事例を通じてバズ部の支援に興味を持たれた方は、ぜひ今の状況についてお聞かせください。私たちのノウハウを包み隠さず全てお伝えします。